<レイ・グーリアック>
1951年7月27日、アメリカ本土のインディアナ州インディアナポリス生まれ。母親が 音楽の先生だったこともあり、小さい頃から自然とその魅力に惹かれていく。5〜6歳からピアノで自作の曲を書き、11歳でドラムスを、そして12歳でギターをそれぞれ始める。最初に受けた音楽的な影響はラジオで聴いたモータウンのヒット曲の数々で、その後、 フィル・スペクターがプロデュースを手掛けたガールズ・グループ系に惹かれ、さらに、ザ・ビートルズの出現によってミュージシャンになることを心に誓う。
 高校卒業後、大学に通うためコロラドに移り、山の麓のバーで歌ったり楽器をプレイ。いつの間にか大学からフェイド・アウトし、そのバンド仲間達とアメリカ中をツアー。
その後、大学時代の知り合いが居たからという理由でマウイ島を訪れ、大きな転機が。 当初はひと月程度の予定のつもりが、結局は1年半そこに滞在。さらに、いったん本土に戻るも、また直ぐにマウイにリターン。気が付いた時、レイは心体ともにマウイの住人になっていた。
 その後、ホノルルのFM局主催によるソングライター・コンテストがあることを知り、書き下ろし曲<Maui On My Mind>で応募。約500曲の中から見事に入賞し、コンピレーション・アルバム「Home Grown 2」にも収録される。
『<Maui On My Mind>は(マウイ島西北部のリゾート地)ノース・ラハイナにある 公園に行った時、頭にメロディーが浮かんで、それで紙に書き留めておこうと思ったんだ。そして、その場所が本当に景色の良い場所だったから、その曲ではマウイに対する 僕の気持ちを詞で表現しようと思った。ここに住むことがいかに楽しいか、そしてマウイがいかに美しい場所かをそこに託したかった。そういった憧れを曲にするというのは、 とても楽しいことだから』
 コンピレーション・アルバムでハワイ・デビューを飾ったレイ・グーリアックはそれに 続いて自身のソロ・アルバムの制作に取り掛かる。タイトルは「Home Away From Home」。メインランド=アメリカ本土から離れ、第2の故郷ハワイに対する深い愛情をストレートに表現したナンバーが何曲も収められている。レコーディングは彼の地元: インディアナで制作され、大半の楽器はレイ自身が1人でプレイ。さらに、CSN&Yに 通じる分厚いコーラスも彼自身の多重録音によって作り上げるなど、音作りに対する完璧主義者ぶりを強くアピールしている。
 その後はTVの音楽やラジオ・ジングルの制作を手掛けながら、クラブでのギグも頻繁に行う。それによって、地元のアーティストとのコネクションをどんどんと拡げ、新人の発掘や育成といったプロデュース業全般に力を注いでいく。
そしてその結果が、1996年にリリースされた17年ぶりのリーダー作「Isle Say」。収められた12曲全てがレイのペンによる作品だが、彼自身はプロデューサーとしての役割に徹し、その分、マウイの実力あるシンガー/プレイヤーを総動員。彼らの才能を前面に押し出し、マウイの音楽シーンの レヴェルの高さを強くアピールしている。ネイヴァー・アイランド、特に、オアフ島には負けたくない、という思いがかなり強いようで、レイは未だにオアフに住みたいと思ったことは一度もない。もう20年以上住んでいるマウイこそが彼の真の"Home"なのだ。