<マーク・ウィンクラー>
 1948年8月31日、ハリウッド生まれ。母親がビッグ・バンドのシンガーだったことから、小さい頃にエラ・フィッツジェラルド、ビリー・エクスタイン、ジュディ・ガーランド、ビング・クロスビーといったヴォーカリストに耳を傾けていました。どちらかと言うとシャイな少年だったという彼ですが、人前で歌うことは何よりも大好きで、16歳の時に叔父さんのジャズ・バンドで歌い、ここで名アレンジャー:ジミー・ハスケルと出逢います。ジミーのアドヴァイスで曲を書き始めた彼は、3年間、ジミーの元でデモ・テープ作りを重ねますが、トミー・ロウのようなバブル・ガム・ポップからブラッド、スエット&ティアーズに代表されるファンキー・ポップ系まで様々なサウンドにチャレンジしますが、残念ながらこれといったキッカケは掴めずに終わってしまいます。やがて彼はシンガーよりもまずソングライターとしてアピールすることに力を入れ、1977年、ライザ・ミネリに<Tropical Nights>という曲が歌われて以来、スザンヌ・スティーヴンス、ステファニー・ミルズ、LTD、ダイアン・リーヴス…いろいろなジャンルのシンガーに作品を提供すしています。
 そんなマーク・ウィンクラーは1980年にシアトルのレーベル:First Americanで働くビル・メッツと知り合い、彼に渡したデモ・テープが認められ、その子会社にあたるMusic Is Medicineからデビューが決定。LAのソングライター・スクールで知り合ったジム・アンドロンがプロデュースを手掛けた1stアルバムは全編がジャズをテーマにしたコンセプト・アルバムとなり、タイトルもズバリ「Jazz Life」。アメリカで1982年にリリースされたこのアルバムは3年後に日本でも(当時の)アポロンからLPが発売され、AOR/ポップ/ジャズ・ファンから高い評価を集めています。
 その後は2〜5年周期でオリジナル・アルバムを発表。デヴィッド・ベノワ、ダン・シーゲル、他の名手がプロデュースを手掛け、彼ら、及び、ジョー・サンプル、ラス・フリーマン、ロバート・クラフト、ジョー・パスクァーリ、マーク・マクミレン(ボビー・コールドウェル・バンド)他のメロディーに独自の詞を付け、また、バックにもトム・スコット、ダイアン・リーヴス、フレディ・ラヴェル、リッピントンズ、ピーター・ホワイト、ジェラルド・アルブライト、ドック・パウエル他、錚々たるメンバーが参加。独特のポップ・ジャズ・ワールドに最高の彩りを添えています。
 また、マーク・ウィンクラーは、ソロとは別に、ニュー・エイジ色を前面に出したヴォーカル・ユニット:Amarnaとしても活動。マリー・ケイン、エミール・パラーミとのトリオで1991年にHigher Octave Musicからアルバム「Shadowplay」を発表。さらにマリーとのデュオで2000年にCafe Pacificから「Circle Of Time」を発表。ヒーリング系のサウンドで絶妙の和み芸術を届けてくれます。
 ソロとしての最新作は2000年の「Easy The Hard Way」。これは4ビート・ジャズ系のアルバムで、ここでは数曲のオリジナルに加えて、ウエイン・ショーターのインスト曲に歌詞を付けたり、また、スタンダード・ソングも取り上げるなかなかの意欲作品になっています。ここ数年はこの系統の音を好んでいるようで、ライヴではもっぱらジャズ・セットを展開。次に作るオリジナル・アルバムもおそらくジャズ・アルバムになるだろう、と本人は語っています。

<Discography>

Solo
1982 "Jazz Life" Music Is Medicine
1987 "Ebony Rain" PAUSA
1989 "Hottest Night Of The Year" Chase Music Group
1991 "Color Of Love" Chase Music Group
1995 "Tales From Hollywood" Countdown
1998 "City Lights" Chartmaker
2000 "Easy The Hard Way" Chartmaker Jazz
2001 "World Of Mark Winkler - Best and Rare Collections" Cool Sound

Amarna
1991 "Shadowplay" Higher Octave Music
2000 "Circle Of Time" Cafe Pacific