1982年に発売されたこのアルバムは、とにかく・・・どこまでも心地良く爽やか!!!。80年代前半の、あの空気感がぎっしり凝縮されています。David
Roberts自身は、58年9月ボストン生まれのカナダ人シンガーで、この録音当時まだ無名の若干23歳という事ですから、その才能とクオリティの高さには、ほんと驚かされます。
その抜けるようなハイトーン・ボーカルもとっても魅力的ですが、それ以上に素晴らしいのが、この人の作曲能力だと言えます。
とにかくこのアルバムに収められた全10曲、全てが自分自身の作曲という事ですから、当時のLAミュージシャンが制作に携わった一連のAORアルバムとしては、非常に珍しいと思います。(大抵のAORアルバムは、Jay
Graydon、David Foster等LAミュージシャンが、曲作りにも関与してますよね)
それぐらいDavid Robertsの作る曲の質が良かったし、評価されていたという事でしょうか・・・。
もちろん、プロデューサー兼アレンジャーであるGreg Mathieson、Jay Graydon、プレイヤーであるDavid Foster、Steve
Lukather、Mike Porcaro、Jeff Porcaro、Bill Champlin、Tom Kelly etc.がバックでしっかりサポートしているからこそ、この洗練された爽やか系サウンドが完成したというのも間違いない事実です。
(当時、David Robertsは、このアルバムを制作するにあたって、10人近いプロデューサーに声を掛けて、返事を待っていたようですが、結局、スケジュール等の関係で最終的に落ち着いたのが、GregとJayだったようで、それが結果的にはラッキーだったと、後日述懐しています)
このアルバムは、ほんと「全曲捨て曲なし!!!」と断言できますし、中でも個人的には、8曲目「Anywhere You Run To」〜9曲目「Never
Gonna Let You Go」という流れが、すごく気に入ってます。
8曲目でのJay Graydonのギター・ソロを聴いてると、「サイダーの炭酸が夏の日差しの下で、シュワッとはじける!!!」ような、そんな感覚になり、全てを忘れて元気になれますし、9曲目ではイントロ&テーマのシンセが何とも言えない浮遊感を醸し出してくれて?80's的な遠い夏の日の青空と白雲をイメージさせ、心身共に活力を与えてくれます。
アルバムジャケットに関しても、「All Dressed Up(表)〜No Place To Go(裏)」というコンセプトで作られており、なかなかお洒落で、表&裏のジャケット写真が当時の時代背景を象徴していて、微笑ましい感じさえしますよね。こんなクリスタル感って、今もって個人的には大好きです(笑)。
このアルバムは、結局アメリカ以外のカナダ、日本、西ドイツ、オーストリア等では中ヒットしましたが、それ以降、時代が「AOR不毛期」に差し掛かった事もあり、David
Robertsは表舞台から姿を消し、アルバムは一枚も発表していません(たぶん・・・)。
ところが、それから12年が経過した94年・・・David Robertsは、知人の紹介で、関西国際空港の開港記念イベントとして「空港賛歌」コンクールが行われている事を知り、突如、個人的に応募してきて、7,000点以上の応募作品の中から「Sora
Ni Mukatte(Reach Out and Touch The Sky)」という曲で見事、特別賞を獲得してます。やはり、何年経っても非凡な作曲能力を持っているのですね。凄い!!!。
最後に一言、“「All Dressed Up」の早期、再CD化を望みます!!!!”
※個人的な事ですが、大阪のアマチュア・バンドで活動しています。
Jay Graydon、David Fosterをリスペクトし、AIRPLAYをはじめ、TOTO、David Roberts、Bill
Champlin、Boz Scaggs等、一連のAOR曲をカバー演奏していますので、ご興味おありの方は、また是非一度HPを覗いてみてください。よろしくお願いします。
http://homepage3.nifty.com/osaka_aor_project/top_index.html
Jeffrey Thomas P.さんのAORな1枚はこれ→
Jeffrey Thomas P.さん、ありがとうございます。
カッコいいHP、堪能いたしました。
「All Dressed Up」David Roberts (1982年)
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