<12月6日(火)>
「今日の出来事」
●朝6時にはホテルをチェック・アウトしてレンタカーを返却。そのまま空港に行き、ノースウエスト便を乗り継ぎNYへ。大阪から来るFM Co-Co-Loのスタッフとホテルで合流。さ、いよいよ、今回の出張の"仕事モード"へと突入! の筈だったのですが〜....サン・フランシスコからデトロイト乗換えでNYはラガーディアへ、のどこかで私のスーツケースが"お散歩"に行ってしまい、バッゲージ・クレイムで待てど暮らせど、一向にやってこないのです。しょうがないので、手荷物預かり半券を元にカウンターで手続きを済ませ、明日、ホテルに届けてちょ、とお願い。前に一度こういうことがありましたが、その時は翌日問題なく届いたので、ま、今回も大丈夫だろう、と、余裕のO型。ラガーディアからタクシーで約$40。約10年ぶりのマンハッタンに突入し、気分は次第に盛り上がってきます。Co-Co-Loチームも夕方にはホテルにチェック・インしているのを確認しているのでフロントを通らずそのまま部屋に直行。「遅くなりました〜!」とご挨拶し、何は無くとも、食事に行きましょう、お腹空いたでしょ、と。外出。
 ホテルはマンハッタンの中でも自由の女神に結構近い南の部分、ロウアー・マンハッタンにあるマリオット・ファイナンシャル・センターで、ウォール街からもそんなに遠くない、ビジネス・ディストリクト。なので、レストランやショップが並ぶいわゆる繁華街へはちょっと距離がありますが、歩いて3分くらいの所にレストランが3〜4軒あったので、そこでコンチネンタルなディナーをとることにしました(ホテルの1Fにはハワイで有名なパシフィック・リムの店、Roysも入っていますが、高いだろうと思い、外に出た次第)。で、そこでようやく痛感したのが、「寒い!」。東京では1年中半パンを貫いている私ですが、流石にここでは長いズボンを穿き、さらに上も長袖を着た上にふわふわな裏地の付いた皮ジャン、という出で立ち。最初は皮ジャンのファスナーを開けたままだったものの、見栄を張ってもしょうがないので1〜2分後にはファスナーをし、両手はしっかりズボンのポケットの中に。食事の時こそ、ウエルカム・パーティーだ、とばかりにワインを1本頼みホットにギャグを飛ばす(?)も、お店を出るとまたまた身体は寒さむ状態。直ぐに完全防備に戻り、わずか3分の歩行距離で酔いが覚めるほど、我に帰ってしまいます。
 部屋に戻ってから、LAのコーディネイター:森口さんと電話でやり取りし、明日以降の取材のスケジュールを確認。いきなり、ジャズ・クラブ:ブルーノートの支配人にインタヴューすることが確定し、夜もそこでクリス・ボッティのライヴが観れることに。これは幸先良さそうです。楽しみ!

<12月5日(月)>
「今日の出来事」
●今日は早起きをして来年1月に出すAOR(フレデリック・スラマ)の新作『L.A Attraction』のライナーを完成させ、デザイナーさんにメール。そのデザイナーさんから逆に帯のデザインがメールで送られていたのでそれに関していくつかリクエスト。その他もFM Co-Co-Loに録音用の素材を送る手配をしたり、銀行行ったり、雑用はいろいろ。結局、予定よりも約30分出発が遅れ、成田には出発の約2時間前に到着。もちろん、それで十分なんですが、もっと早く行ってラウンジでノンビリ、を頭に描いていたのでちょいと残念です。
 航空券のチェックい・インを済ませ、いつものように食事。今回もお寿司にしましたが前回感激した築地寿司岩ではなくその並びの京樽へ。いやあ、こちらも捨てたものではないですね。にぎりにいろいろと付くセット・メニューを頼んだのですが、天麩羅がエビを含む4ケ、鮪の兜煮、小さなうどん、茶碗蒸、それに握り&巻物が計8貫くらいでたったの¥2,100! 非常に量が多く、完璧にお腹一杯。生ビールのお代わりをどうしようか悩んでいると、ウエイトレスの女性が「カウンターの端のお客様からです」といって一杯持ってくるではないですか! まるでドラマのようなシチュエーション! で、どんな人かと見ると普通のオジ様です。なんだろう? 最初は遠慮するも、結局戴いてしまいました。なんだったんだろ? 最後まで解らなかったですが、とにかく不思議な体験でした、中田的には。その後、NYのガイドブック他、本系を買い込み、ラウンジで一杯呑み機内へ。今回は、エコノミーでも各人にモニターが付いていて、ゲームも5〜6種類楽しめるエアバス社(?)のにあたりました。非常にラッキー! なので、全体的に揺れが多く、本来なら、かなり蒼くなっているであろうフライトもゲーム&CDプレイヤーでそれなり楽にしのげました。今回のBGMはヴァン・ヘイレンの1st(笑)、グローヴァー・ワシントンJr.『Winelight』、スターキャッスル『Fountains Of Light』、ボズ・スキャッグス『Middle Man』、プリズムの1stの計5枚。恐ろしいですね、ヴァン・ヘイレンの1st、ホント、10年振りとか20年振りにアルバム全編を聴きましたが、今でもほとんど全パートを記憶していました。エディのギター・ソロはもちろん、歌の間に入るオカズ的なフレーズもほとんど全部歌えます。何の自慢にもなりませんが....
 そしてめでたくサン・フランシスコに到着。入国審査もあっという間に終わりいつものレンタカー屋さんへ。こちらもさっと済ませ早速街へ。チェック・インこそしないものの、空港そばのモーテルに出向き夜の部屋を確保。そしてまずは、と、チャイナタウンでブランチ。前にも行ったクレモント・エリアの前にも行ったお店で前にも食べたワンタンメンをオーダー。エビと肉が凝縮された大ぶりのワンタンが5〜6個、そして細く黄色くポソポソした香港麺、スープは野菜と鶏がら中心のあっさりながらもコクのあるもので、あとは、レタスが数枚、という内容で$3.50+タックス。チップを含めても¥500ちょっと、という値段でこの中身&味はグレイト!の一語。また機会があったら寄りたいです。
 そして時計も10時を廻ったので、さ、1日限りのCD漁り in SFスタートです。

 まず最初に訪れたのは、そのチャイナタウンから非常に近くにあるこの店でした。意外にも、今回、SFで一番美味しかったのはここだった気がします。

<Wherehouse Music>

Khani Cole『Places』(1998:Fahrenheit)

ジャケットの写真はあまりイケていません。ケバい感じで。でも、何故かジャケットの裏を見て、そこにプロデューサー:Marion Meadows & Michael B(Broening)の名前、さらに、feat. Nelson Rangell & Tony Guerreroというクレジットまで載っているのですから、買わないわけがありません。で、中身、全然好いです! 歌も、曲も。声的には曲によってはオリータ・アダムス、曲によってはアニタ・ベイカーからシルク感を少し抜いた感じ、また、曲によってはトニ・ブラクストンをもう少し大人にした感じで、とても落ち着いて聴けますし、これは掘り出し物ですね。まさに良質なスムース・ジャズ寄りアダルト・コンテンポラリー。これでより強力な楽曲、あるいは、耳馴染みのカヴァーが1〜2曲あると、より親しみ易く最後まで聴けたでしょうから、そこが唯一残念、なところです。なお、同レーベルからは他にもアルバムが出ている模様。機会があったらチェックしてみます。

Ed Hamilton『Planet Jazz』(1996:Telarc)
前回買って、今ひとつピンと来なかったギタリスト(+ピアノもベースも弾きます)の別のアルバム。ここにはスタンリー・クラーク、ジョージ・ハワード、レニー・ホワイトなどが参加していますが、さすがに、ハワードが主旋律を吹く曲は完璧にスムース・ジャズしていてグッド! かと思えばサスペンス番組のテーマ曲みたいなものも登場したり、多彩というか何というか、な作品になっています。ちなみに私は、この人のとある曲を探していたのですが、それにはまだ到達できず。ゆっくりと探します。

Henry Johnson『Never Too Much』(1990:MCA)
1990年、という時代からしてアナログではなくCDで、になるのでしょうが、以前所有していた記憶がある1枚。とりあえず、最近は手元にない(どこかに潜っているのか....)ので、買いました。タイトルは、今年亡くなられたルーサー・ヴァンドロスさんの名曲をここでカヴァーしていることから付けられたものですが、そのアルバムが今年、再び、私の前に顔を見せるとはどこか運命的なものがありますね。この人は、フルアコでマイルドなブラコン・ジャズを聴かせるアーティスト。スムース・ジャズとどう違うか、と訊かれても答えのしようがないですが、なんか、ブラコン・ジャズなんです、アーバン・コンテンポラリーではなく。プロデュースは当時のブラコン界の人気者サー・ギャントが3曲を担当し、それ以外はヘンリー本人が手掛けています。アコギでかなりスムースに聴かせる曲もありますが、基本的にはフルアコ。ジャズ系の人が無茶苦茶カヴァーするジェイムス・テイラーの<Don't Let Me Be Lonely Tonight>をここでも演じています。バックはソニー・エモリー、ロニー・ギャレット、アレックス・アクーニャ、ポリーニョ・ダ・コスタ他。人選的にはかなり渋めです。

Bryan Savage『Saxafaction』(1994:Elation)
1998年にHigher Octaveから出したアルバムが好かったので少し前に注目し始めたサックス奏者の10年以上前の作品。98年作品はリック・ブロウンや3rdフォースのプロデュースに負う所が大きかったかな、とも思えましたが、ディック・ダーネル・プロデュースによる本作も結構楽しめます。ハッとするような感覚こそありませんがね。

Dirk K『About You』(1997:Countdown/Unity)
長めの髪をソバージュにし、甘めのイケメン・マスクで女性の注目を集める(?)....ルックス的にはロック系と言ってもおかしくない彼が奏でるのはフルアコのギター。サウンド的にはスムース・ジャズのど真ん中かな、という感じですが、彼のギターの表情、なんか無茶苦茶、私のハートに引っかかります。感情入れ過ぎ系ではなく、淡々と弾くタイプなのですが、なんか感じるんです。そもそも何故に買ったかと言いますと、そのルックスがタイプだったから〜、ではなくて(笑)、裏を見たら、ポール・テイラー、リック・ブロウン他がゲスト参加していたからなんですが、この人のギターならゲスト無しでも問題ないですね。プロデュースはハウイ・ハーシュ&アイキ・レヴィという馴染みの無い人たちで基本的なリズム・セクションはその2人だけ(ハウイさんがキーボードも担当)という編成なのですが、薄っべたさのようなものは感じず、ゆったりと心を委ねられます。面白いですね、こういうアルバムに会うと、音楽というのは、それこそミクロの違いで人の心を退きつけられるか、さっと聴き流されるか、の分かれ目に立たされる生物(なまもの)だ、ということを痛感できて。ですから、ひょっとしたら彼のギターだって、来年聴いたら、そんなに魅力を感じくなっているかもしれない....この前後の彼をちょいとチェックして見ます。

Angela Bofill『Angie』(1978:Arista)
Arista/GRPからリリースされたアンジェラ・ボフィルのデビュー作。プロデュースはもちろんデイヴ・グルーシン&ラリー・ローゼンの2人で、実にNYチックな都会的フュージョン・ヴォーカルが堪能できます。ガッド、ラルフ・マクドナルド、エリック・ゲイル、デイヴ・ヴァレンティン他のバック・アップもまさに余裕のサポートで、この当時24歳だったという逸材のデビューを温かく見守っています。アンジー自身が曲も半分くらい書いている、というのはすっかり忘れていました。そう言えば、パティ・オースティンも昔は優れたソングライターでしたからね、自身のアルバムにおいて。

Angela Bofill『Let Me Be The One』(1984:Arista)
こちらもアンジーのアルバムですが、当時売り出し中のシステムの2人がプロデュースを手掛け、1曲目からエレクトロニクス全開のサウンドが爆発。これに対応するアンジー嬢もたいしたもんです。と、2曲目は僕の大好きな<Let Me Be The One>。サビで展開するこういったコード進行が好きです、やっぱり。4曲目のバラードも美しくて好きなんですが、でも、やっぱり今聴くと、この時代のサウンドは違和感ありますね。ドラムスの音やシンセの音って、ホント、クールか否か、紙一重ですからね。ま、ともかく、アンジーのオリジナル・アルバムをCDでコレクションするのは嬉しいことなので、あと数枚、頑張って探してみます。

Ray Chew & Crew『Feelin' It』(2002:Charu)
レイ・チュウと言うと、80年代からソロ作を出したりして、ブラコン・シーンで頑張っていた人ですが、今でも自分のリーダー名義でアルバムを出せるなんて凄いですね。と思ったら、どうも彼、アポロ・シアターのハウス・バンドのリーダーになっていたようです。これはそのバンドでの初めてのアルバム。レイさんは曲を書いてキーボード他で演奏して、で、歌うのは別の人。1曲、ジョージ・クリントンもゲスト参加し、他にもサンドラ・セント・ヴィクターが歌った曲が収められています。志向は完全にブラコン。ヒップ系に走らず、ソウルの伝統を継承している姿は嬉しい限り。

Jules Broussard『Jules Broussard』(1988:Headfirst)
Headfirstものは大概目を通していたつもりですが、これは全く存じませんでした。プロデュースが全編トム・コスターで、作曲&アレンジも彼。つまり、サックスを吹くジュールスさんはトムさんの曲の伝達係、が、まず根底にあったと言うわけですか。なんたって、トムさんがカルロス・サンタナさんと共作した名曲<Europa>をここでも取り上げているのですから。ま、ムード歌謡で終わってはいないので、まずはホッとしていますが。ちなみに主人公のジュールスさんは、レイ・チャールズ、ボズ・スキャッグス、ヴァン・モリソン、サンタナとステージで共演し、アート・ガーファンクル、ドクター・フック他のレコーディングに参加している、ベイ・エリアではかなりの有名人、らしいです、英文ライナーによりますと。

Dan Siegel『Another Time, Another Place』(1984:Epic)
1曲目がニュー・エイジで、2曲目はジノさまのシンセ・ベース・スタイルを拝借したような構築美系フュージョン、3曲目は哀愁漂うピアノ曲、4曲目は再びニュー・エイジ、という感じで、曲毎に多彩な表情を見せつける84年作品。 クレジットを見たら、全曲ニュー・エイジ界の人気アーティスト:パトリック・オハーンとの共同プロデュースだったので、な〜るほどです。ダン・シーゲルにもこんな時代があったのですね。勉強になります。

Tom Grant『Night Charade』(1987:Gaia)
好いですね〜。1曲目からピアノの旋律とアコギの旋律が美しく同化する、なんともスムースなサウンドが登場。サビには軽くワードレス・ヴォイスなぞも乗せて。いわゆるスムース・ジャズのスタイル、というのは1990年の前半頃から固まってきていると思うのですが、そう考えたらこのアルバムは早いほうかもしれません。ま、ただ、アルバム全編スムース・ラジオ向け、というのではもちろんなく、例によって、自らがリード・ヴォーカルを務めるAC調の曲あり、そして、クラシカルなピアノ曲あり、明るいLAフュージョンあり、とメリハリはしっかりと付いていますが。

Dotsero『Jubilee』(1991:Nova)
驚くことに今でも活動をしているフュージョン・グループ、ドッセロ。その持続力には頭が下がりますが、このアルバムはかつて日本でも紹介されたNova時代のアルバム。アルファから出ていた日本盤とはジャケットが違うので買いました。LAフュージョンの王道、今聴いても、ほんと、カリフォルニアの陽射しが部屋いっぱいに立ち込める感じでステキです。

Pete Escovedo『E Street』(1997:Concord Vista)
ご存じ、シーラEのおとっつぁん。スティーヴィーの<Anothet Star>、アースの<Fantasy>といった定番をラテン風にアレンジし、さらに、松岡直也の<Like A Volcano>(という曲)まで取り上げた、誰もが楽しめる1枚です。ジェラルド・アルブライトがゲストで参加しています。当然娘さんのシーラも。

David Diggs『Nothing But The Truth』(1989:Artful Balance)
当社でもアルバムを出しているディッグスさんがアートフル・バランスに残した1枚。確か、日本盤を持っていると思いますが、せっかく、ここで会ったのだから、日本に同行させます。レーベル全体がニューエイジっぽい響きを醸し出していたので、このアルバムも多分にその要素は強いのですが、しかしモロに打ち込みのファンキーな曲も収められています。バックにはエリック・ゲイル、トム・サヴィアーノ、ケン・ワイルドが参加。

Simply Red『Picture Book』(1985:Elektra)
最近、改めてハマり出したので。これは1stですね。ということは、今年でちょうどデビュー20周年。実は私も、音楽業界入りして満20年が経ちました。お互いこれからも頑張りましょうや(笑)。

Heads Up Super Band『Live At The Berks Jazz Fest』(1998:Heads Up)
これは探していた1枚です。ジョー・マクブライド(kb)、ジェラルド・ヴィーズリー(b)、ケニー・ブレイク(sax)というHeads Upレーベルを代表する3人が一同に会し、そしてドラマーを加えたクァルテットでお送りするライヴ盤。演奏も音も抜群に好いです。流石! ラジオ局の大きなバック・アップがあって初めて実現した企画、のようです。アメリカは本当にラジオ局が物凄くサポートしてくれますからね、スムース・ジャズ系のミュージシャンに対して。

The Pointer Sisters『In Concert !』(2005:Brilliant)
少し前に彼女達の比較的新しいパフォーマンスを DVDで観てCDで聴いた気がしますが、またまた正規のライヴ盤が登場しました。ドイツのレーベルから。2004年4月のライヴだということで、今でも元気だと言うことが何より嬉しいですが、メンバーはルース、アニタにイッサ(Issa)、という3姉妹(?)になっています。あれ、ジューンはどうしたのかしら....? 収録曲はお馴染みのものばかりで安心して聴けます。歌声も全然衰えていないし。ただ、体格は、もう、昔の面影、全然無いですね。大きくなられて。似た者さんとして、親近感は抱いちゃいますが(笑)....複雑。

Gino Vannelli『The Best Of Gino Vannelli』(2002:A&M)
いろいろなアーティストのものが出ている20th Century Masters シリーズの1枚です。もちろん持っていますが、安かったのと、移動の飛行機の中で聴くのに丁度好いかな、と買ってしまいました。で、よく見たらカナダ盤。収録曲目は全く一緒ですが、なんとなくラッキーな気分になっちゃいました。

Acoustic Alchemy『Sounds Of St.Lucia』(2003:Image)
新品です。$17.99もしました。タックス込みだと¥2,350位になります。高! でも、クール・サウンドのCDより安いですが....(笑) ま、でも、値段云々はいいんです。見たことの無いアルバムだったので。St.Luciaで行われているジャズ・フェスの10周年記念で録音、リリースされたようですね。大好きな<Playing For Time>を演っているのが非常に嬉しかったです。

 そして、車をバークレーの方に走らせ、例によってのラスプーチンから覗いてみました。あれあれ、なんか、欲しい物が全然出てきませんね、どうしちゃったんだろ? 値段も以前より高めの気がするし....。

<Rasputine>

Michael McDonald『Through The Many Winters : A Christmas Album』(2005:Hallmark)

こんなアルバムが出ていたのですね! オリヴィア・ニュートン・ジョンの新作もここから出ていましたが、なんだか不思議な感じがします、このレーベル。だって、ジャケットの裏、右下にCDの値段が書いてあるんですよ、U.S.A. 10.95、CANADA 12.95という具合に。ま、それはともかく、FOR PROMOTIONAL USE ONLYというステッカーが大きく、それも表に貼られているので、なんか、正規盤とはひと味違うのかな....と、勝手に思いを抱く私でした。中身は定番のクリスマス・ソングが中心で、その中にマイケルさんのオリジナル曲を2曲発見。そして、エイミー・ホランドとのデュエットも1曲楽しめます。プロデュースはマイケルさんとシャノン・フォレスト&グラディ・ウォーカーの計3人。このアルバム、ちゃんと世に出ているのでしょうか....LAのレコード店で再度チェックして見ます。

Kenny Rogers & Dolly Parton『Once Upon A Christmas』(1984:RCA)
デヴィッド・フォスターが全編プロデュースを手掛けたクリスマス・アルバム。今年も$3.99という安価で出てきたのでまた持ち帰ることにしました。

Ben Tankard『Christmas Love』(2000:Verity)
スムース・ジャズ系CCMアーティスト、ベン・タンカードのクリスマス・アルバム。優美なピアノを前面に出し、非常にウィンターな気分に浸れる1枚になっています。ヴォーカルも出てくる3曲目のタイトル曲などは、ACとしてもかけられそうですしね。それと、実直にメロディを弾き過ぎかな....と心配してしまう<White Christmas>は僕の中では今ひとつですが、同じく基本メロディは大事にしているのに、マイナー・コードをメジャーに置き換える事で雰囲気を全然別にしている<My Favorite Things>はかなりスムース・ジャズしていてとても気に入っています。ホンの少し出てくるアナログ系シンセの音使いも抜群のセンスですし。

Various『MoJazz Christmas Album』(1994:Motown)
モージャズのクリスマス・アルバムは確か持っていたと思うのですが、ただ、ジャケットに見覚えがない作品だったので買っちゃいました。$3.95と安かったので。ノーマン・ブラウンで始まり、2曲目に登場するのがフランク・マッコム。ここ数年でスターにのし上がった彼がこんな所でダニー・ハサウェイの<This Christmas>をピアノで演じ、自作のクリスマス・ソングを歌っているとは全然知りませんでした。他には、ロニー・マーティン、エリック・リード、J.スペンサー、ウェイン・ジョンソン・トリオなど、渋すぎる人たちが参加。レーベルのアーティスト、そのものが渋かったのでしょうがないですが....。

Ambrosia『Somewhere I've Never Travelled』(1976:20th Century/Warner)
買いそびれていたのですが、全くの新品で$7.94の値段だったので。

 続いて、ラスプーチンから1ブロック離れたこちらのお店へ。まあまあ、ですかね、今回は。

<Amoeba Music Berkley>

Cheap Trick『The Essential Cheap Trick』(2004:Epic)

バンド・メンバーがセレクトした2枚組のベスト盤。ライヴ・テイクが多数入っていたり、また、Epic以外の音源もいろいろと入っていたりでまさに拘りの36曲という感じがします。1990年のアルバム『Busted』に入っていた<Walk Away>のアウトテイクも収められていて、そこでは、プリテンダーズのクリッシー・ハインドのヴォイスがフィーチャーされています。それにしても77年の1stに入っていた<Hot Love>、懐かしいですね。渋谷陽一さんが「ヤングジョッキー」で興奮気味にかけたんです、この曲を。「新しい感性のロック・バンドが出てきた!」と言って。当時は本当にFM聴いてましたからね、私。嗚呼〜、5曲目の<今夜は帰さない:Clock Strikes Ten>、これまた懐かしい〜! 今の時代だと10時で帰る女の子はいない(多少は居る???)と思いますが、当時は、もう既に今夜は帰さない、というイメージだったのでしょうか....? エニウェイ、2枚組で$7.99ですからこれは絶対に買いです。

James Newton Howard & Friends『James Newton Howard & Friends』(1984:LIM)
例の、Sheffield Labから出ていたダイレクト・カッティング録音したインスト作品の24-bit Super Analog Soundエディションです。ポーカロ兄弟&デヴィッド・ペイチと共演し、<E-Minor Shuffle>という名曲を生み出したシンセ・オーケストラ&リズム隊による名作。通常盤の中古CDは結構目にしますが、この24ビット系は初めて。ということは、J.N.ハワード、M.ランドウ、R.ブキャナン、C.ヴェガ、N.ネイザンによるもう1つの名作『Sheffield Track Record』もこの形態で出ているのでしょうか? ホンの少しだけ気になります。ホンの少しだけ。値段は全然通常の$7.99。これは嬉しかったです。

Sara Gazarek『Yours』(2005:Native Language)
レーベルがダン・シーゲル、ジェフ・カシワ、ウォーレン・ヒルをリリースしているNative Languageで、しかも、アル・シュミットがエンジニア、というシチュエーションが気になって買いました。内容はスムース・ジャズというより4ビート寄りですが、エレガントなアルト・ヴォイスはなかなかのもので、十分に楽しめました。基本的にはスタンダード集でバックもピアノ・トリオだけという編成ですが、ビートルズやジョニ・ミッチェルの曲も出てきたり、ポップな面もしっかりと感じられます。

Dave Valentin『World On A String』(2005:Highnote)
ヴェテラン・フルート奏者が今年発表した作品。全編でジャジーなラテンの風が流れ、誰もがゴキゲンな気分になれます。バリトン・サックスのロニー・キューバーが1曲参加していますが、その曲は彼の20年くらい前の曲、<Passion Fruit>のリメイクでした。

George Duke『Reach For It』(1977:Epic)
70年代後半から80年代初頭にかけてのジョージ・デュークは無茶苦茶美味しかったです、今聴いても。LPで持っていながらCDで買いなおしていない作品がまだ何枚かありますが、これもそんな1枚。ペイジズのメンバーだったこともあるギタリスト:チャールス・イカルス・ジョンソンがかなり活躍していて、また、リオン・チャンスラーのタイコも快感の一語! 他にもスタンリー・クラーク、マイケル・センベロ、バイロン・ミラーが参加したなかなかにゴージャスな1枚。ジョージ・デュークならこれくらいは朝飯前、ですかね。ファンキーなタイトル・トラックはいかにも彼らしい作りですし。LP時よりも1曲追加収録。

Godley & Creme 『L / Freeze Frame』(1978/1979:Polygram/One Way)
10CCのオリジナル・メンバーだったゴドレイ&クレームのオリジナル・アルバム2枚を1枚のCDに収めたお得盤。1曲目から、ドラマ仕立ての10CCワールド全開。なるほど、10CCのサウンドに凝り、捻りを施していたのはスチュワート&グールドマンのほうではなく、こちらだったのですね、と思わずにはいられない音作りでした。そう言えば、ギターのブリッジ部に付けて弦をずっと振動させるギズモという機械(装置? エフェクター?)を一般化したのもこの人たち、という風に言われてましたしね、確か。斬新なことが大好きなんでしょう、要は。このところは確か、ヴィデオ・クリップの制作など、映像のほうに力を注いでいると聞いています。

Rick Laird / Tom Grant 『Rick Laird / Tom Grant』(1977:Wim Wigt Productions)
西海岸ポートランドをベースに活動するキーボード奏者トム・グラントが、スタンリー・クラークの後釜としてリターン・トゥ・フォーエヴァーに参加したベーシスト:リック・レアードと双頭リーダー的に制作した4ビート寄りのクロスオーヴァー・アルバム。サックスのジョー・ヘンダーソンがプロデュースを手掛け、彼もプレイで参加しています。ちなみにこれは1989年にオランダのTimelessからリリースされたCDです。

Bill Cunliffe『Imaginacion』(2005:Torii)
少し前はLAフュージョンの一キーボー奏者、という印象を持っていたのですが、4ビートもすごいし、映画だかTVの音楽にも引っ張りだこということを知り、グッと評価が上がったビル・カンリフの最新録音。タイトルはImaginationの誤植、打ち間違えではなく、Imaginacion。正確にはお尻から2文字目の「o」の上に「'」が付く、スペイン語状態です。つまり、アルバム全体がラテン・ジャズ寄り。参加ミュージシャンの名前もそっち系と思われる人が少なくないです。サルサ風に料理したスタンダード<How High The Moon>なんかかなり面白い出来ですし、なによりAORファンには2曲目の<Do It Again>を聴いて欲しいです。もちろん、スティーリー・ダンの初期の代表曲であるその曲は、元から当時としては珍しかったラテン・パーカッションとポップ・ロックの融合が新鮮だったわけですが、そこに振り掛けられたラテンのエッセンスをさらに拡大したアレンジで、原曲のイメージを大事にしつつとてもクリエイティヴな空間を注入するのに成功しています。今度、番組でかけたいです。

Steve Khan『The Collection』(1994:Columbia)
先日、と言うか、2日前の土曜日の深夜、AORバー(?)のカウンターで「スティーリー・ダンの曲の中で一番好きなのは『Gaucho』の3曲目の<Glamour Progession>!」という話しをしていたのですが、その曲の終盤で延々ソロを弾いていたのがスティーヴ・カーンでした。そのわずか2日後にこれが出てきたら当然買ってしまいます。1977年から79年までの3年間、Columbiaに在籍していた時代の編集盤で、バックはブレッカー兄弟、サンボーン、ガッド、スピノザ、W.リー、B.ジェイムスなど等、錚々たるメンバー。2曲目の<Star Chamber>でのアコースティック・ギター・ソロを聴くと、構成、フレーズの組み立てはまさに<Glamour Profession>に通じるものがあり、思わずニンマリの私ですが、その曲の終盤に出てくる美なるソプラノ・サックス・ソロは、はて誰かしら?とクレジットを目にすると、なんと、デヴィッド・サンボーンでした。そうか〜、こういうプレイもありだったんですね、70年代は。その他、どの曲にも、アイデアが抱負に湧き出てくる若者の創造性がいかんなく味わえる、そして何より、今なお全く錆びることのない、なんとも嬉しい作品でした。

Sherry Winston『Love Madness』(1999:Domo)
1989年に西海岸フュージョンのインディ、Headfirstから出たアルバムの再発です。ジャケットが違う気がしたのと、わずかに$1だったので買いました。黒人のフルート奏者で、EW&Fの<That's The Way Of The World>とホレス・シルヴァーの<Song For My Father>をカヴァー。バックにはエリック・ゲイル、パトリース・ラッシェン、ジョセリン・ブラウン、スティーヴ・フェローニ他が参加。

Bee Gees『Here At Last...Bee Gees...Live』(1977:Polydor)
今回もビージーズの旧譜を購入しました。1977年に2枚組でリリースされたライヴ盤。ヒット曲オン・パレードなのは何年か前に出たライヴ盤やロビン・ギブのソロ・ライヴ盤と全く同じなのですが、なんか違いますね。1970年代というテクノロジーが進化していない時代だけに、よりオーガニックでハマります。声も若々しいし。

The Kazu Matsui Project featuring Robben Ford『Standing On The Outside』(1983:Lakeside/Mobile Fidelity Sound Lab)
今回一番嬉しかったのはやっぱりこれでしょうか? 基本的には同じジャケットで(と言っても2割くらい小さくなってその分バックに黒い背景が付いてますが)、ボーナス曲もないですが、なんか嬉しかったです。日本に戻って聴いたら全く一緒だったのに、なんかミックスが違うのでは?なんて思ってしまうほど、サン・フランシスコでは違った気分で聴けましたので。

Patrice Rushen『Prelusion / Before The Dawn』(1974/1975:Prestige)
まだブラコンに行く前の、ジャズ・ミュージシャン:パトリース・ラッシェンの基盤が窺える1st&2ndを2 in 1にしたお得なリイシュー盤。デビュー作のときはまだ大学生だった、ということですが、既にその才能は開花している感があり、レオン・チャンスラー、ジョー・ヘンダーソン、さらに、2ndでもリー・リトナー、ハーヴェイ・メイスン、ヒューバート・ロウズといった名手と互角に渡り合っています。全曲彼女の作品。実は、パトリース・ラッシェン好いですよね〜、も2日前の呑みの席で話しに出た会話の一つでした。出張の直前に音楽飲み会やると、良くも悪くも購入CDの枚数が増加することは、今回、解りました。次回の出張前は、さて、どうしましょうか....微妙です。

The Blackbyrds『The Blackbyrds / Flying Start』(1974/1975:Fantasy)
こちらも2 in 1。1974年の1stと続く2ndを1枚に収録したお得盤です。1枚目はファンクのスピリットこそビシビシ伝わってきますが、曲の面白みには若干欠ける気もします、今聴くと。しかし、ドナルド・バードがプロデュースを手掛けた2枚目はその辺りを克服した感があり、歌物にも何の違和感なく取り組んでいます。中でも<Walking In Rhythm>の大ヒットは有名。ホント、大好きです、私も。ちなみに、ここのキーボーディスト、ケヴィン・トーニーは現在:スムース・ジャズ系のキーボーディストとしてソロ活動を展開中です。

Maysa『Smooth Sailing』(2004:N-Coded)
日本では、インコグニートのヴォーカリストとして、みたいな形容詞が今なお付きまとっている気がしてしょうがないメイザ・リーク。アメリカでは立派にソロ・アーティストとして活躍していて、この近作も本当に素晴らしいの一語。アルバム・タイトルだけ見ると、え? スムース・ジャズに媚び売ってない? なんて、ちゃちゃも入れたくなってしまいますが、今一番好きなクリエイター、レックス・ライドアウトが6曲も任され、見事それに応えた、という感じで、まさに極上のブラコン系スムース・ジャズ、いや、スムース・ジャズ系ブラコンに仕上がっています。ウィル・ダウニング大好きな方は必聴ですね。その他はロニー・ギャレットが3曲、ブルーイが2曲、プロデュースを担当。バックはアレックス・アル、マイケル・ホワイト、ドワイト・シルズ他で、ウィル・ダウニングも4曲目でホンの少しだけ出てきます。帰国後のヘヴィ・ロー入りは確実か?

Marc Antoine『Modern Times』(2005:Rendezvous)
買いそびれていましたが、ようやく買えました、マーク・アントワンの最新作。スペイン生まれの彼ですが、今回はレコーディングも全てスペイン:マドリッドで行い、いわゆるスムース・ジャズ系のミュージシャン多数参加、いったい誰が主役だか解らないよ〜といった心配は全くない作りになっています。唯一、フランス:パリ生まれのフィリップ・セスが参加していますが、これは余りに自然な共演ですね。驚いたのは、スティングが自身のアルバムでフランス語で歌った<La Belle Dame Sans Regrets>を今回マーク・アントワンがカヴァーしているのですが、歌と言うか語りと言うかの声が生々しすぎて、さらに、間奏部ではラップ!まで出てきて、正直最初は退きました。ま、元の曲自体は大好きなので、そのうち評価は変わるかもしれませんが....ただ、どちらにしましても、アメリカのスムース・ジャズ・シーンがどれも似たり寄ったりになっていることに対して警鐘を鳴らしている1枚、という気がしないでもないです。もちろん、この中からもどれかがラジオで掛かっているでしょうが、正直、以前ほどのポピュラリティーは詰め込んでない気がします。というか、アーティスティックな方向に歩き出していますね、確実に。Rendezvous移籍(今回が2作目)は、そういった、"我が道進む計画"の具現化だったのでしょうか....

 そして息つく暇もなく、もう1軒のアミーバへ。が、しかし、ここは、信じられないほど大外し。これだけでかい有名店でCDわずかに1枚ですから!

<Amoeba Music Haight Street>

Infinity & Alphonse Mouzon『Now』(1991:Inak)

手数王ドラマー兼ライト・フュージョンのメロディメイカーであるアルフォンス・ムゾーンが、キーボード奏者:クリフ・スペンドルを含むドイツのグループ、Infinityと共演した、硬派など真ん中フュージョン・アルバム。テンションは非常に高いのに、しかし、メロディや旋律、リフにはしっかりとした計算&優しさがあり、まさに好き時代のフュージョンに再会出来た、そんな喜びに浸っちゃいました。

 そして、ホテルにチェック・インして仮眠。夜はもう一方のチャイナタウンにある人気店「迎賓閣」でチャーハン&牛肉オイスター炒めを頼み、自分でも超吃驚ながら完食しちゃいました。今でも信じられませんが。だって、チャーハンだけでも、日本の2〜3倍あって、肉もこれでもか、って乗っていますからね。そしてさっとホテルに戻り軽寝。早めに起きて、今日買ったCDを整理しました。

「今日のラーメン」file no.141 [D & C Cafe]
●ワンタンメンを食べました。以上。<お店のBGM:??>なんか、TVが流れていたのを覚えています。