<12月10日(土)> |
「今日の出来事」 ●カリフォルニアの朝がよっぽど気持ち好かったのでしょう。梅崎プロデューサーは朝から1人でハリウッドの街を散歩。朝食もカフェのテラスで寛ぎながら、が希望と言うことで、若い人たちで賑わうメルローズ・アヴェニューへ。行きつけではなく初めて入る店でしたが、非常に美味しかったです、パンも、玉子系フードも。それと、やっぱり、オレンジ・ジュースはフレッシュで最高ですね。また行きたくなりました。食事を終えると時間も11時を回りいろいろと店もオープンするので、その後は自由行動で買い物系へ。メルローズはホント、洋服店がこれでもか、と並ぶストリートで、若者のヴァイブで活気付く所。CDを売っている店も数点ありますが、テクノだったりパンクだったり、中田とは無縁の店がほとんど。しかし、Fairfaxに程近い所にはRecord Collectersというアナログ専門店もあり、ついついそこに入ってしまいます。ジャズとクラシックが大半なので、ソウルも棚の一番下に2千枚(?)ある程度(ジャズとクラシックは万単位です、もちろん)ですが、床に座って探したりで、まずはThe Memphis Horns Bandの2ndをキープ。値段が付いていないのでマスターに訊ねると、ジャケット、盤質をチェックして一言「$15」。ゲゲッ、そういう店なんだ、と納得し、以下、慎重にセレクト。マージー・ジョセフの70年代初頭物も気になったので訊くと今度は「$20」。渋谷辺りの中古レコード店と較べたら全然好いのでしょうが、ま、こちらはやめておきましょう。「1枚で好いです」と言うと、「何? 本当にこれだけで好いのか!?」と質問。「ハイ、好いです」。その時、後から店に入って来た梅崎PがマントラのLPを見ていて、その時、パッとひらめいたのが、「まさか、アリフ・マーディンの1stは無いよな....?」。で、「M」をチェックすると、うわ〜、出た! 『Glass Onion』! 店で見るの3度目。2ndはもう5枚くらい見つけ全部買い漁っている私ですが1stはホント3回目。初めて見つけた時に買ったのは小さなカットが入っていたのですが今回は全くの美品。興奮状態がバレルときっと足元を見られるので、何食わぬ顔をして「これはお幾ら?」と訊くと、これも検盤後「$15」という一言が。しめしめ、やった〜、もんなどんだい!(懐かしいフレーズ!)他、いろいろな言葉が頭を廻るも、ここでも感情を抑え一言。「OK. I'll take it」。そして直ぐに打ち止めとしました。
<Record Collecters>
The Memphis Horns Band『II』(1978:RCA)
5人のホーン隊です、主役は。でも、それだけではポップ・レコードは作れないので、LAのスタジオ・ミュージシャンがバックの色を付けます。ジェイ・グレイドン、デヴィッド・T・ウォーカー、マイケル・マクドナルド、ボビー・キンボール、ビル・チャンプリンetc.。興奮しますね。プロデュースはキーボードのソニー・バーク&ヴォーカルのアラン・エイブラハムズの2人。このLPは前から持っていましたが、我が家のはジャケットが結構お疲れだったのでもう1枚あっても好いだろう、という感じで買いました。ま、でも、久々にアルバム全編聴いてみましょうかね、日本に戻ったら。
Arif Mardin『Glass Onion』(1969:Atlantic)
初ソロです。タイトルはA面1曲目に収められたザ・ビートルズのカヴァーから取ったものですが、その後も、CCR、ストーンズ、バカラック、クリーム、ラスカルズ、オーティス等のお馴染みチューンが次々に登場。つまりは、アレンジャ−:アリフ・マーディンの才をアピールする作品だと言うことです。プロデュースはもちろんご本人で3曲はトム・ダウドとの共同になっています。バックはフランク・ウエス、キング・カーティスを始めとしたジャズ系と、バリー・ベケット、ロジャー・ホーキンス他のスタジオ系がミックスされた形になっています。ま、全体的にはイージー・リスニングな色が強いので、AORファンには特に必要ないと思いますが...。
●そして今日は夕方の取材1本なので昼間は中田のガイドによるLAドライヴ・ツアー。お決まりの“ホテル・カリフォルニア”の横を通ったり、ビヴァ・セン(ビヴァリー・センター=大きなショッピング・モール)に寄ったり、いろいろと車を走らせました。そして、サンセット・ブールヴァード添いにあるタワー・レコードにも寄り、そこで中田はDVDをいろいろと買い込みました。観れる観れないは一切気にせず。
<Tower Records>
Level 42『Classic Level 42 : The Universal Masters DVD Collection』(2005:Universal)
<Something About You><Running With The Family>他、代表曲10曲を収録したクリップ集。$12.99。
Dave Koz『Off The Beaten Path : Live From Trinidad』(1997:Capitol)
アルバム『Off The Beaten Path』発表後にトリニダードで行ったライヴから10曲をセレクトし、ヒット曲<You Make Me Smile>他4曲のPVを追加したお得な1本。$14.99。
Bob James『Live At Montreux』(2005:Koch)
1985年7月17日に、スイスのモントルー・ジャズ・フェスティヴァルで行ったライヴ・パフォーマンスを収録。<Touchdown><Angela(Theme From 'Taxi')>他全9曲収録。バックはカーク・ウェイラム、ハーヴェイ・メイスン、ディーン・ブラウン他、なかなか美味しいです。$14.99。
George Benson『Live At Montreux 1986』(1986/2005:Eagle Eye Media)
こちらもモントルーのライヴもの。時代が時代なので選曲はまさに私好み。<Turn Your Love Around>や<Lady Love(One More Time)>はもちろん、<In Your Eyes>も<20/20>も<Beyond The Sea>も登場します。セールで$11.99でした。ラッキー!
Average White Band『Live At Montreux 1977』(2005:Eagle Eye Media)
さらにもう1本。これは1977年物で、<Pick Up The Pieces><Work To Do><A Love Of Your Own>と続くオープニングからモータウン物<I Heard It Through The Grapevine>のカヴァーというエンディングまで8曲を収録し、さらに<If I Ever Lose This Heaven>を含む3曲のボーナス映像を追加。男気溢れるパフォーマンスをまさに堪能できます。$14.99。
Stan Getz『The Last Recording』(2004:Geneon)
生前の1990年に行われたラスト・ギグを収録した貴重な1本。ケニー・バロン、エディ・デル・バリオのツイン・キーボード、テリ・リン・キャリントンのドラム、と、こちらもバックはなかなか。$19.99。
Donny Osmond『Live At Edinburgh Castle』(2004:Universal)
ダニー・オズモンドが2本続きます。まずは2004年7月にスコットランドのエジンバラ城で行われたライヴもの。<Breeze On By>を含んでいたり、いかにも最新アルバム『What I meant To Say』をフィーチャーしたものだというのがよく解ります。$19.99。
Donny Osmond『Donny Osmond Live』(2003:Decca)
そしてこちらはロンドン:ハマースミス・アポロで収録された2003年もの。2本も購入した理由は「オレが今までプロデュースした中で最も優れたシンガーだと思ったのは、リチャード・ペイジ、そして、信じないかもしれないけどダニー・オズモンド、この2人だよ」というジェイさんの言葉が今でも心に残っているからです。アル・ジャロウ以上の存在だった(?)とは、恐れ入谷の鬼子母神! 音源そのものがお蔵入りしてしまったのは本当に残念の一語ですね。$19.99。
Rush『R30』(2005:Anthem)
続いてはカナディアン・プログレ・ハードの雄、ラッシュの最新DVD。結成30周年を記念したワールド・ツアーの模様を収めたもので、DVDが2枚、さらに、そのCD2枚というデラックス・エディションをわずか$29.99で購入しました。インタヴューも1979年から2002年まで5本挿入し、まさに、30年の活動の集大成とも言うべき永久保存盤です。ライヴのオープニングはデビュー直後、1970年代中盤の代表曲をメドレーで再現した<R30 Overture>。敢えてヴォーカルを入れずにリフや演奏だけで攻め立てるのにこれ以上ない興奮を覚えさす....流石です。$29.99。
Simply Red『Live In London』(1998:Rhino)
今年から妙にハマっているシンプリー・レッドのライヴ・ヴィデオ。1998年9月にロンドンの老舗、Lyceum Theatreで行ったライヴで、尊敬する屋敷豪太センセはもちろん、鈴木賢司もバックに参加した全26曲の長尺ものです。ラスト3曲は<Holding Back The Years><Something Got Me Started><Fairground>。生で観たらかなり興奮することでしょう。$19.99。
Electric Light Orchestra『'Out Of The Blue' Tour:Live At Wembley』(1979/1989/2004:Eagle Vision)
1978年にロンドン・ウェンブリー・アリーナで行った、アルバム『Out Of The Blue』用のツアーをメインに、79年の『Discovery』の9曲をボーナスとして加えた、全盛期のELOを体感するに最適な1本。$14.99。
●その後いったん宿に戻り、4時過ぎに集合して車をノース・ハリウッドのシャーマン・オークス・エリアへ。今日、唯一の仕事は、スムース・ジャズ界のドン的プロデューサー&ギタリスト/ヴォーカリスト、ポール・ブラウンへのインタヴュー。彼の家(流石に、豪邸でした)の裏にあるスタジオでタップリ1時間、いろいろなお話を聞かせて頂きました。最初に「初めまして」とご挨拶をすると、ナント、超吃驚。「初めてじゃないよね。1回、東京で会っているんじゃないか? ボビー・コールドウェルのライヴにエンジニアとして同行した時に」とのお言葉が。そ、そ、そう言われるとそんな気もしてきました....。まだ、ジェイムス・オッペンハイム(現ボニー・ジェイムス)がサックスを担当していた時期のことですよね。うわ〜、懐かしい。あ、そう言えば、LDで出てましたね、ボビーのライヴ。え? そうですか、やっぱり、そのためのエンジニアとして来日していたのですか。納得です。といった会話から始まり、とにかく好いお話しが聞けて嬉しかったです。ファンですから、私。なんか、またお会いしたい人でした。今回は、ラジオの特番ということで、個人的に聞きたかったマニアックなことはカットせざるを得なかったので。 ●そして一行はビヴァリー・ヒルズに移動し、待望のディナー。最近、日本人の間でも評判だと言うお店「Sushi Sushi」に行き、コースを堪能。非常に美味しかったのでその後、お好みで追加オーダースルも「ウニを軍艦巻きで」と頼むと「うちのはネタが新鮮なんで、軍艦巻きはやっていません。普通のにぎりになりますが好いですか?」という信じられない言葉が。拘ってますね〜! 好いです、非常に好いです。お値段的にはまあまあといったところでしょうか? それにしても、A氏が羨ましかったです....。焼酎のロックを何杯もお代わりして。こっちは運転があるのでそうはいかないのですよ....。その分、宿に戻ってから部屋で呑み直しましたが(笑)。
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<12月9日(金)> |
「今日の出来事」 ●時差ボケの関係で夜中に何度となく目が覚めたのですが、午前4時頃までは大丈夫だった外景色も6時を過ぎる頃には本当に雪へと変わっていました。NYの天気予報は、ホント、当たるんですね。ホテルをチェック・アウトする9時頃はまさに絶頂期(?)で元気そのもの。粒も大きいし、結構焦ってきます、飛行機飛ばなかったらどうしよう、と。ホテルからタクシーでラガーディアの空港に行く時も結構不安はあったのですが、空港に着くと、私の飛行機はしっかりと飛びそうなのでひと安心。キャンセル便も少なくなかったので、これはラッキーそのものです。そして、ミネアポリス経由でLAへ。乗り継ぎの時間がほとんどなく焦りましたが、荷物も無事にLAに着き、さ、ここからはいつものカリフォルニア・ライフ、スタートです。先にレンタカーを借り、その後別便でLAに来たCo-Co-Loスタッフをピック・アップ。ハリウッドの中心部から程近いモーテルに飛び込みで入りとりあえず一呼吸。そして久々の縦飯(たてめし=漢字を中心に、カタカナ以外で書く食事、のこと。カタカナで書くのは横飯です)を求めチャイナタウンへ。行きつけの「三和」に入り、3人で茹で餃子、玉子スープ、酢豚、炒飯、焼そばを頼んだのですが、やはり量が多く焼きそばは半分くらいお持ち帰り。こちらは持って帰るのが当たり前ですから恥ずかしくもなんともないですが、ちょっぴり残念でした、あと少しで完食だったので。特に、この店は薄めの味付けなので、決してしつこさから飽きてしまったわけではないのでね。 ●さて、NYとLAも当然時差があります、3時間。なので、本来はもう夜中を廻っている時間ですが、せっかく来たのだからライヴ・ハウスに足を運びましょう、と車を走らせ、まずは有名なベイクド・ポテトに。すると、今日はレニ・スターンが出ている、とのこと。ま、悪くはないですが、他はどうだろう....と、今度はヴェンチュラ・ブルヴァードを北西に上りLa Ve Leeへ。するとこちらは名前も聞いたことがない人で、う〜ん、どないしましょう? と、そこにLA版ぴあ、ことLAウィークリーが置いてあったのでそれを見ると、私達の宿から歩いていける(それもホンの3分、5分)距離にあるカタリナ・バー&グリルにピアノのゴンサロ・ルバルカバ feat. スタンリー・クラーク&ハーヴェイ・メイスンが出ているではないですか! こっちのほうが美味しそう! 帰りも楽だし! で、再び移動。席はあるし、チャージも$25ということで入ったのですが....最近観たライヴの中では群を抜いてつまらなかったです。3人とも、超上手いのは解りますが、皆が皆、自分の世界を走るだけで、ほとんどフリー・ジャズ一歩手前状態。曲であって曲でなし、アンサンブルもあって無いようなもの。この手はホント、苦手です、ロマンの無いジャズ。特にゴンサロのピアノが退屈でしたね。他の2人は好い悪い、ではなく、主役のプレイに合せて乗っていく感じなのでしょうがないのかな、という気もしましたが、ゴンサロ、ダメです、私。なんだか、NYのジャズが恋しくなりました。本当に愛に溢れていたので。 ●帰りにマーケットで買い出しをし、宿に戻って解散。中田はビールを1本飲み、いつの間にか就寝状態でした。風邪ひかないようにしないと。
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