<1月20日(土)>

「今日の出来事」

●結局、昨日は3軒行ってしまい、帰ったら3時半を過ぎていました。なので、今日の午前中は機能せず...やらなくてはならない事が山ほどある、というのに...。

 と言う事で午後からは気を引き締め、頑張ろうとするもなかなかペースには乗れず...。結局、COOL USENの2月前半分選曲を1本やるのが精一杯でした。2月の前半はヴァレンタインデーもあるので恒例のラヴ・ソングス特集。ライオネル・リッチー&ダイアナ・ロスのあの曲や、ピーボ・ブライソン&ロバータ・フラックのあの曲、といった大定番を入れつつ、AORやスムース・ジャズ系の名バラードを要所要所に盛り込み、いかにも中田的な2時間が完成しました。

●今日のアンケート返答はブライアン・シンプソンさん。中田と同世代なので、ドナルド・フェイゲン『The Nightfly』1本!で来ました。

 さてさて、このHPをご覧頂いた方からもいろいろとお答え頂戴しています。アナタも是非、アンケートにご参加下さい。詳細は、この日記の1月16日(火)分までスクロール・ダウンして下さい。ドキドキのお答え、お待ちしています!

「Smooth Jazz Song File」
(20)Stan Getz & Joan Gilberto feat. Astrud Gilberto <The Girl From Ipanema>
 from『Getz/Gilberto』(1963:Verve)


●アメリカに於いて、或いは、アメリカのラジオ・ステーションに於いて、スムース・ジャズがスムース・ジャズとしてのスタイルを築き上げたのは1990年代初頭のことだったが、もちろん、そのカテゴリーに属する音楽はその遥か以前から存在している。人によってはグローヴァー・ワシントンJr.の『Winelight』(1980年)を、或いはジョージ・ベンソンの『Breezin'』(1976年)をその起源だと言い、また、人によってはCTIが生み出した数々の名作がその発端だとも言う。しかしながら、それらから遡ること約10年、この曲のアメリカ上陸〜ブレイクもスムース・ジャズの歴史に於いて非常に重要なポイントになっている。改めて言うまでもなく、ピアノでも参加しているアントニオ・カルロス・ジョビンが作曲した永遠の名曲だ。どこまでも洗練されたメロディー&コード進行、そしてそれを知的な感覚で演じるジョアン+アストラッドの声。仕上げはクールで洒落たゲッツのテナー・サックス。聴き易さの中に真の芸術を凝縮させた、これぞスムース・ジャズの原点たる作品。

<1月19日(金)>

「今日の出来事」

●今日は来週月曜日に収録する「Adult Oriented Radio」 の台本作り。2時間のうちの半分は間もなく来日するサックス奏者、ボニー・ジェイムスさんを迎えて、になるので、質問内容や流れをいろいろと考えていました、最新作を聴きながら。ボビー・コールドウェルの話しも少し訊いてみようかな、という感じです。何はともあれ、日曜日からスタートするブルーノート東京のライヴ、無茶苦茶楽しみです。

●そしてCOOL USEN、2月分の選曲を1本。アーティスト特集分でマリリン・スコットの2時間を作りました。もちろん、ボビー・コールドウェルとのデュエットも登場。なかなか好い感じです、ヒット感には欠けますが...

●夜は、Smooth Jazz Connectionの新年会。HPの仕上がりはこんなです、という報告会も兼ねていたのですが、初参加した女性サックス奏者の方がなかなか面白いキャラクターで、すっかり美味しい所を持っていかれ(?)ました<笑>。何と言うタイミングの良さ、と言うか、一番好きなサックス奏者がカーク・ウェイラムでその次がボニー・ジェイムス、という嗜好。平井堅さん、郷ひろみさん他、有名人のバックも数多く演ってこられた人で、フュージョンよりも、スムース・ジャズに拘りたい、というこの会合に最適な人材でした。アルトも吹けるが、あくまでもテナーとソプラノで勝負、ということで、1日も早くその生演奏を目にしたいです。

●今日はクリス・クリスチャンさん、ボーイ・ミーツ・ガールのシャノン・ルビカムさん、デヴィッド・ガーフィールドさん、マーク・マウリンさん等からアンケートの答えが来ました。皆様、大感謝、でございます!

「Smooth Jazz Song File」
(19)The V.I.P. Club <Criss Cross>
 from『Urban Life』(2002:Instinct)


●ザ・V.I.P.クラブはドイツ人ドラマー、ウォルフガング・ハフナーを中心とするプロジェクトで、アルバムは2001年と2002年に発表。元々はハフナーのソロ作として作られたが、兼ねてから親交の深いチャック・ローブとミッチェル・フォアマンが大きくサポートし、さらに、ティル・ブレナー、ボブ・ジェイムス、ジェイ・ベッケンスタイン(スパイロ・ジャイラ)、キム・ウォーターズ、ジェフ・ゴラブ、アンディ・スニッツァー他、多数のゲスト・ミュージシャンを迎えている事から、アメリカではV.I.Pクラブの名義でアルバムがリリースされている。全体的にはメロディアスでグルーヴィーな曲が多く、ラジオ乗りも極めて良好。実際にいろいろな曲がOAされているが、個人的に一番気に入っているのはロイ・エイヤーズのヴァイブをフィーチャーしたこのナンバー。どこまでもクールに鳴り響き、軽やかなソロはスリリングこの上ない仕上がりだ。タイトなリズム隊、4人のホーン隊との絡みも申し分無し。男気溢れる名曲。

<1月18日(木)>

「今日の出来事」

●午前中から出掛けて正午からFM Tokyoのスタジオで2時間の生放送。今回の「Premium DJ Zone」では『中田利樹の選ぶ究極のAORアルバム36選』の2週目として、マイケル・マクドナルド『If That's What It Takes』(1982年)、アヴェレージ・ホワイト・バンド『Shine』(1980年)、アル・ジャロウ『Breakin' Away』(1981年)をクローズ・アップ。各3〜4曲厳選してご紹介しています。その他では、ダニー・オズモンド、リサ・スタンスフィールド、マイク&ザ・メカニックス、アル・B・シュア!、ケニー・ラティモア&シャンテ・ムーアからクリス・スタンドリング、ニールス(Nils)、ホレス・アレクサンダー・ヤングまで、軽快にオン・エアーさせて頂きました。非常に楽しい番組です。

●その後、いったん帰宅して雑務をこなし、夕方は打ち合わせで再び外出。著名な作曲家であり、現在はコミュニティFM:Radio f 84.4FM(富士コミュニティエフエム)の代表取締役社長でもあられる林哲司さんと久しぶりにお会いし、ちょっとした仕事のお話し。と言いましても林さんの所で番組を、といった感じでは全然無く、AOR系のお仕事の話しです。固まりましたら公にしたいです。上手く行くと好いのですが。その後、またまた新年会へ。結構長い時間呑んでましたが、後半はペースを落とし、さらに、お腹はそれほど空いていないながらも締めのラーメンで胃の中のアルコール濃度を下げて寝たので翌日は全然平気でした。ま、要は呑み方、ですね、呑む量、ではなく、

●今日も何通かアンケートのお答え頂戴しました。ジェイニー・クルーワーさん、ピーター・フリーステットさん等々。また、全然、別件なのですが、スムース・ジャズのギターのニールス(Nils)さんと初めてメールでコミュニケーション。待望の新作が来週1月23日にアメリカでリリースされ、これまたブレイクが期待出来ますが、結構、面白い人でした。
「本名(フル・ネーム)は何と言うのですか?」
とメールで質問すると
「教えても好いけれど、その後直ぐに君を抹殺しないといけなくなるぜ....Just Kidding !」
との答えが。世代も近いようですし、いつか会ってゆっくりお話しがしたいです。お生まれはドイツのミュンヘンながら現在はウエスト・コーストに住んでいるようなので...
P.S. 偶然は恐ろしい! 今、インターネット・ラジオのwww.BaySmoothJazz.comをかけながらこの日記を更新している所なのですが、ニールスの<Summer Nights>が流れて来ました! なんという恐ろしいまでの完璧なタイミング! 嗚呼、早く新作が聴きたい!

「Smooth Jazz Song File」
(18)Alan Hewitt <Joyride>
 from『Metropolis』(2006:215)


●2006年、僕の周りのスムース・ジャズ好きから特に熱い注目を集めた若手アーティストがギターのスティーヴ・ブライオディとこの人アラン・ヒューウィットだった。若手と言ってもリーダー作が未だ3枚目というだけで、アランの経歴は実に興味深いものがある。プロデュースやプレイで関わったアーティストは、EW&F、ジョナサン・バトラーからダニー・オズモンド、ジョン・ウェイト、さらにメタル系のウォレントにまで及ぶというから間口の広さは特筆もの。元々はドラマーだったもののキーボードも始め、バークリー音楽院で作曲とプロデュースを習得。卒業後はそのマルチクリエイターぶりを巧みに活かし、様々なTV音楽を手掛ける、売れっ子ぶりを見せている。この曲は2006年に発表した最新作からのリード・トラックで、フュージョンとポップの程よい融合が聴き手に元気の源を届けてくれる。在り来たりな表現ではあるがサウンドは実に都会的。随所に散りばめられたキャッチーなフレーズがこの人のセンスの好さの証明と言えよう。

<1月17日(水)>

「今日の出来事」

●お昼前に家を出てUSENさんのオフィスで1本打ち合わせ。4月以降のマイナー・チェンジをテキパキと行いました。そして銀座でラーメンを食した後、「Adult Oriented Radio」 の収録へ。今回は、アドリブ:山崎氏がゲスト出演する1月27日(土)分 + 山崎さんがSKYPerfecTVでやっている「AD LiB AOR Cruisin'」に私がゲスト出演する、という形で計2本録りました。「Adult Oriented Radio」 のほうは、マイケル・ブレッカーさん追悼プログラム、という感じで、彼が素晴らしいソロを吹いている曲の中でAOR系の楽曲(マイケル・ブレッカー、ルパート・ホームズ他)を集めた1時間で、「AOR Cruisin'」のほうは、逆に2006年を振りかえって〜2007年展望、の1時間になりました。山崎さんの番組では彼が村田和人さんの紙ジャケ・リイシューを持って来て3曲かけたり、また、中田はチャック・ローブの新作に収められた曲で奥様のカーメン・クエスタが歌っている<Llevame>他をかけたのですが、この<Llevame>でタイトル名が歌われる所が、"ユバメ〜"ではなく"ツバメ〜"と聴こえなくもないので、それだけで盛り上がってしまいました。凄くシャレている曲なんですけれど、山崎・中田の漫才コンビにかかるとギャグの題材にしかならない....そんな典型的な例でした(って、なんのこっちゃ!)。収録後は新年会に突入。明日は生放送があるので、10時頃には解散しました。超健全です!

●昨夜流したAORアンケート、続々答えが返って来ています! 嬉しいです。ブルース・ガイチさん、ロビー・ブキャナンさん、スティーヴ・ドーフさん、ジェイ・グレイドンさん、フレデリック・スラマさん、デヴィッド・パックさん等々。その他、少し日にちをおくれ、というレスポンスもエリック・タッグさん、トム・ケリーさん、ボビー・キンボールさん、とかなり手応え良し! もちろん、日本の方々からもたくさん届いています。大感謝です! さらに、皆様からのお答えもお待ちしていますので、どしどしお寄せ下さいませ(詳細は、この日記の1月16日分を見て下さい)。

「Smooth Jazz Song File」
(17)Tim Bowman <Summer Groove>
 from『This Is What I Hear』(2004:Liquid 8)


●どんな音楽にもその時々のトレンドというものが発生するが、2005〜06年のスムース・ジャズ・シーンで言うならば、ギターもの、それも、オクターヴ奏法でイモーショナルにプレイする楽曲がラジオで大きな人気を得ていた。そして、そんな中でも、僕の耳を一発で唸らせた名曲がこれだった。軽快なオクターヴ奏法で導き出されるテーマの見事さにただただ聴き入り、この曲、いったい誰!?と軽い興奮を覚えたのを今でも忘れはしない。ジョージ・ベンソン〜ノーマン・ブラウンの路線を踏襲しながらも自己のメロディーをしっかり打ち出す懐の深さ。2005年の始めから好調なエアプレイを続け、結果、Radio & Records誌のスムース・ジャズ・チャートではNilsの<Pacific Coast Highway>、Soul Balletの<Cream>に次ぐ、2005年の年間第3位という快挙も成し遂げた。因みに、元来はクリスチャン系のアーチストで、ワイナンズ・ファミリーやフレッド・ハモンドといったゴスペル系とは1990年代初頭から深い交流を持っている。

<1月16日(火)>

「今日の出来事」

●昨日収録した「Adult Oriented Radio」 のダビングをしながら、溜まってしまったこの日記をしっかり更新。その後改めて検聴、Qシート書き。さらに加えて今回は、JASRACの調査もあるのでその報告書も記入。全てが終了したらもう3時、という時間になってしまいました。

●そして流石に「Smooth Jazz Song File」も書き溜めが無くなってしまったので、せっせこせっせこ文章書き。とりあえず5日分くらい完成させ、またアップする前に再度読み直して細部を変えて行く、というパターンを取りたいと思います。

●夕食後は大メール大会。結局、2月3日(土)に200回目を迎える「Adult Oriented Radio」は「200人に訊く、My Best AOR」で行くことにしたので、その仕込みをいよいよスタートさせました。まあ実際200人は無理でしょうが、国内の音楽関係の知人の中からAORがお嫌いでない方、AOR関連でお仕事させて頂いた方、にBCCで一斉送信メール。

「こんにちは、中田です。突然ですが、アナタのお好きなAORアルバム/ソング/アーティストを教えて下さい。スミマセン、ギャラはお支払い出来ませんが...」

 で、それだけではなんなので、海外のミュージシャンにももちろんメール。こちらは一斉送信よりは個人単位で送った方が効果的と判断(って言うか、日本の方々ももちろんそうなんですけどね...スミマセン)。
 大まかな文章はコピー&ペーストで済ませるとして、サブジェクトから導入のご挨拶、近況どうですか? 等は各人事に換え、結局、かなりの時間を食ってしまいました。恐らくさっとリターンくれるであろうランスさん、ガイチさん、ジェイさん、スラマさん辺りはもちろん、キンボールさん、パックさん、ブキャナンさん、センベロさん他にもメール。
 さ、何人くらいからお返事が頂けるのでしょうか、非常にワクワクです。

 ちなみに、リスナーの方からの投票ももちろん受け付けております(20日放送分の後枠で告知致します)ので、このメールをご覧になった方の中でも、ご興味がおありでしたり、参加してみたいという方は当方まで気軽にメーる下さいませ。
 応募要項はこんな感じです。

(1) My Favorite AOR Albums
(2) My Favorite AOR Songs
(3) My Favorite AOR Artists

 各項、マックスで5枚(5曲、5組)までにしてください。それら5枚(5曲、5組)は順位を付けて頂いても頂かなくても結構です。


 メールの宛先はいつものcoolsoun@ea.mbn.or.jp。アナタのお名前(ラジオ・ネーム)はもちろん、年齢、職業も加えて頂けると嬉しいです。抽選で何名様に素晴らしい商品が当たります、は、残念ながらございませんが、どしどしメールして下さい。
 なお、集計結果は後日(おそらく2月4日に)、このHPでご紹介致しますので、どうぞお楽しみに。

P.S. オッと吃驚! もう夜のうちに返事が来ちゃいました。第1号は意外にもトニー・シュートさんからでした! お〜、なるほど...。続いて、ランス・ジョーさんからも! こちらは、あ、アンケートの答え、いつまで待てる?という内容でした。まだまだ全然時間あります、と早速返信。なんか、盛り上がって来そうです。日本の方々もどうぞ宜しく、でございます!
「Smooth Jazz Song File」
(16)Rick Braun <Hollywood & Vine>
 from『Full Stride』(1998:Atlantic)


●ソロ・デビューは1981年、日本のテイチクから発表した歌ものアルバムで、その後もREOスピードワゴンに提供した曲が全米Top20入りするなどコンポーザーとしても実績を残したリック・ブラウン。ロッド・スチュワートやシャーデーのバックを務めながらトランぺッターとしてのソロ作も発表し、95年の4作目『Beat Street』で一気に上昇。その後はほとんどのアルバムがビルボード誌のContemporary JazzチャートでTop5入りするヒットとなり、名実共にスムース・ジャズ界のNo.1トランぺッターの座を手にしている。マイルスに通じるミュートでのクールなプレイ、フリューゲルホーンでの哀愁チックなサウンド、そのどちらもが彼のトレードマークであり、攻める時も守りの時もとにかくメロディに拘る姿勢が素晴らしい。名曲の多い人なので1曲に絞るのは非常に困難だが、ブライアン・カルバートソンと共作したこの曲がやはり一番心を躍らされる。サビのフレーズの疾走感、格好良さはまさにゾクゾクものだから。

<1月15日(月)>

「今日の出来事」

●さ、今日から仕事に戻って頑張りましょうウィーク、スタートです。
 午前中から「Adult Oriented Radio」 の選曲をビシッとやって午後から収録。その前にもう1本、「Smooth Jazz Seduction」も収録。こちらは「SKYPerfecTV 400ch」で1月23日(火)の22〜23時にOAされ、27日(土)の11〜12時で再放送も流れます。
 今回は「スムース・ジャズ名曲集1990年代編、で、デイヴ・コズ、フォープレイでスタート。フィリップ・セス、ポール・テイラーで締める全9曲が流れます。機会があったら聴いてやって下さい。

 そして「Adult Oriented Radio」 は1月20日(土)放送分。約25分間のジノ様特集は『Nightwalker』以降のポップになった彼の曲の中から中田的に全然OKなものを5曲くらいセレクトしてお送りしています。
 これで来週のジノ様の選曲も見えて来ました、残りをどうするか。Novさんの曲もかけちゃおうかな....アナログで....。

 夜は少し溜まったメールのレスポンスをしたりいろいろとしているうちに好い時間になったので早くに就寝。明日も頑張って行きますよ〜!

「Smooth Jazz Song File」
(15)David Benoit <Freedom At Midnight>
 from『Freedom At Midnight』(1987:GRP)


●1970年代中盤からインディ・レーベルで良質なアルバムを出し続けたキーボーディスト、デヴィッド・ベノワ。日本ではその時代に生み出された名曲を再レコーディングした『Summer』で1986年にデビューを飾り、一躍注目の存在になっている。その直後、彼の才能に目を付けたGRPと契約し1987年から2003年までそこに在籍。メロディアスでリリカルなピアノはさらなる輝きとヴァリエーションを増し、いつの間にかベノワはGRPを、そしてコンテンポラリー・ジャズ界を代表するアーティストへと成長していった。この曲はGRPから発表した最初の作品のオープニング・チューンで、瞬く間にラジオで大ヒット。今なお、彼の最重要レパートリーとしてギグに欠かせぬ1曲になっている。イントロ&サビに出てくる軽快なリフはネイザン・イーストが考え、それに続くヴァースをベノワが作曲したとのこと。プロデュースはジェフリー・ウエバーが手掛け、ジェフ・ポーカロ、ダン・ハフ他の名手が基本的に一発録りでプレイしている。

<1月14日(日)>

「今日の出来事」

●といった感じで音楽の話しが全く出て来ないここ3日間。折角なので、移動時のBGMを思い出せる限り書いておきますと、ミック・タルボット&クリス・バングスのユニット:Soundscape UKの『Life Force』から始まってあとは自分で作ったスムース・ジャズのコンピレーションをCD-Rで2枚分、さらに、ドナルド・フェイゲンやマイケル・フランクス、アンナケイ、リン・フィドモント他、2006年のお気に入りアルバムから各4曲抜粋したCD−Rを数枚。といったところです。

 今日は9時半頃ホテルをチェックアウトし近くの市場でお魚をマグロだ、ブリだ、イカだ、イクラだ、といろいろと購入。その後、焼津に移動してそこで本に載っていたお店でお寿司を食すも、シャリは冷たすぎで握り方も硬め過ぎ、ネタも新鮮で美味しいのは3〜4貫だけという若干消化不良状態。¥2,100のお任せ、で18貫という安さに惹かれた私が馬鹿でした。もちろん、18カンも在るのでシャリは小さめで、それはそれで好かったのですが....国道沿いではなくもっと漁港の方に行けば好かったのでしょうか...? 反省材料です。

 そして、東名のインター入り口そばにあるお魚センターでまたまたマグロ他を購入。よく買います、本当に。そして車を沼津まで走らせ沼津港の近くにあるラーメン店「松福」に行くと、2時頃にも関わらず店内で待ち人5人強。ここへは評判を聞き入れて目指したわけではなく、熱海の店(こちらは「林福」という名前)が非常に美味しかったのでまた食べたくなったというだけなんですが、沼津ではかなり有名な名店なのですね。吃驚しました。
 ここでは熱海の時と同じく「うまいらーめん」をオーダー。相変わらず卵色の手打ち太麺は柔らかい茹で上がりですが、他のお客さんが1人「麺固!」で頼んでいたので、次回行く機会があったら私も麺固!と訴えさせて頂きます。横浜家系をさらに奥深くしたような豚骨スープはとにかく絶品。今回はさらに「黒うまいラーメン」というのも少し食しましたが、こちらは「うまいらーめん」に熊本ラーメンでお馴染みのマー油が入っているという一品です。ただ、マー油の好さが伝わって来ないし、さらに、麺まで細く変わっていて、う〜〜ん、勿体ない....。これからも「うまいらーめん」で邁進したいです。で、次回はいつ???? 

 そして5時前に帰宅すると今夜はカレーではないですか〜! しょえ〜、昼間食べ過ぎたのでまだあまりお腹好いていないですよ〜。今晩は白飯抜き、お酒とつまみだけで済ませようと思ってたのに...これまた頑張って食べました!

●そんな夕食時のこと。隣りの部屋のTVでNHKのニュースを流していると突然の悲報が....。
「サックス奏者、マイケル・ブレッカーさんが13日、白血病のため亡くなられました。57歳でした」
 一時期、退院してライヴ・ハウスに行った、出た、というニュースも入っていたのでちょっと吃驚でしたが、まだ57歳ですからねー。若過ぎます。ジェイさん、フォスターさんと同じ1949年生まれ。謹んでご冥福お祈り申し上げます。

「Smooth Jazz Song File」
(14)Vaneese Thomas <The Magic Of You>
 from『A Woman's Love』(2003:Segue)


●渡辺貞夫やカーク・ウェイラム、スパイロ・ジャイラのアルバムでゲスト・ヴォーカルを務め、バック・コーラスでもジャンルを問わずいろいろな作品に参加しているNYの実力派、ヴァニース・トーマス。著名なR&Bシンガー:ルーファス・トーマスを父に持ち、姉がカーラ・トーマスという環境が彼女をシンガーの道へと導いたのはごくごく自然な流れだ。1987年にGeffenからソロ作を出しR&Bチャートに3曲がランク・インするも結局大きな成果は出せず、また98年の作品も特に脚光を浴びていない。しかし、この2003年作品はインディながらフィリップ・セス、カーク・ウェイラムからパティ・オースティン、リッキー・ピーターソンまで著名ミュージシャンが多数参加し、80年代ブラコンを21世紀に演じたような親しみ易いサウンドが凝縮されている。特にオープニングを飾るこの曲はボブ・バルドウィンとヴァニースの共作でそのバルドウィンもバックでプレイ。極上のスムース・ワールドに思わず1票入れたくなった次第。

<1月13日(土)>

「今日の出来事」

●今日はまたよく食べた1日でした。久々の5食! 太るわけです....あ、でも、地方に行ったらその地のものを食べまくるべき、というのが私の持論なんです。と言うか、食べ物に限らずお土産品でも何でも構いません、どこかに行ったらその地にお金を落とす。それが大事なんです。中田は日米貿易摩擦を解消するためにアメリカのCDを買いまくってるのですから、ってあまりに大袈裟ですが...。

 話しがだいぶ逸れてしまいました。では今日の5食を振り返りましょう。まず1食目はホテルの朝食バイキング。素晴らしい眺めの中で腹8分目まで食し、10時くらいにチェックアウト。そして2食目は、河口湖、富士吉田の名物:吉田うどん。本に載っていた幾つかのお店の中で一番美味しそうに見えた「はなや」へ。薄味がついたほとんど釜揚げ状態のうどんに鰹節がたっぷりかかっていてそこにお醤油や辛味噌を直接かけて食べる、という食し方。民家のような畳で食べる風情がまたなんとも庶民的ですがお値段も1杯¥350とこれまた超庶民的。美味しかったですが、本には「しっかりとこしのある麺」と書いてあったのに全然柔らかかったです。

 続いて富士五湖の幾つかを経由して南下。東名高速に乗り今度は西へ。静岡県島田市にある日本そばの名店「薮蕎麦 宮本」へ。これまた数寄屋造りのお座敷系で2時過ぎに着いたのにお店はほぼ満杯。さすが、皆さん、美味しいものを求めてあちらこちらから、なのでしょうね。車もたくさん停められますし。このお店は、その筋では著名な方が書かれた日本蕎麦本はもちろん、Dancyuの日本蕎麦特集でもトップで紹介されていたところなので前から来たかったのですが、遂に来れて嬉しさ満点。出て来たお蕎麦は、ざるそばも手挽きそばも素晴らしい完成度。本に書かれていたように、甘みを抑えた辛めのつゆで食すのですが、これが非常に合います、流石プロの仕事。ただ、プロの仕事故、手間も素材も半端ではないのでしょう、お箸でひと掴み出来ちゃいそうな少ない量で1枚¥800。これだけでお腹をいっぱいにするんだったら¥5,000は掛かりそう...。温かいそばも頼んでみましたが、こちらは海苔が乗っただけで¥1,200だったと思います。天ぷら蕎麦にすると¥2,000前後で。高! 温かいお蕎麦も見事なお出汁で、海苔との相性も抜群。ただ、温にするとコシも何も無くなるのであまりお薦め出来ません。

 そして今日の宿、御前崎へ。静岡県中部の出っ張っている(?)所の最南端に位置する所で、ここも前から来たかったのですが....周りは何も無い...地元のラーメン本ではホテルから3分くらい歩いた所に、「チェックしてみようかな...」というお店が載っていたのにもう無くなってました。淋しい...まあ、人来ないですよね、ここじゃあ....。なので、ホテルの夕食=4食目に続いて、夜食で考えていたラーメンが食べられずもどかしかったのでコンビニで買ったカップ・ラーメンを戴きました。札幌ラーメンの名店「すみれ」の味噌に初挑戦したのですが、まあ、雰囲気は出せていたと思います。といった感じで5食(計7杯以上?)を腹に収め24時頃就寝。明日も頑張ります!

「Smooth Jazz Song File」
(13)Marc Antoine <Latin Quarter>
 from『Urban Gypsy』(1996:NYC)


●フランス:パリに生まれたジプシー系のギタリスト、マーク・アントワン。クイーン・ラティファ、グールーからスティング、バーシア、セレーナまで、あらゆるジャンルのトップスターをサポートして来た実力派で、そのアコースティック・ギターから導き出される旋律はジャズ、フラメンコ、ニュー・エイジ・ミュージック他、様々なエッセンスを融合した彼ならではの世界感に満ち溢れている。パティ・オースティンのコーラスをフィーチャーし、ラジオで大ヒットした<Mas Que Nada>(2001年)もスムース・ジャズ的には非常に美味しいが、マーク・アントワンという強力な個性を尊重するならば1996年の2ndに収められたこのオリジナル曲のほうが名刺代わりの1曲としては遥かにピッタリ来る。レコーディングはL.A.&フランスで行われ、バックにはジミー・ハスリップとルイス・コンテが参加。まさにアメリカ的な広大な自然とヨーロッパならではの哀愁がミックスされた、スムース・ジャズの歴史の中でも非常に重要な楽曲だ。

<1月12日(金)>

「今日の出来事」

●今日から2泊3日で温泉旅行。例年は約1週間のハワイ・ウィークなのですが、今年は日本で可愛く(?)過ごしました。本日訪れたのは河口湖湖畔にある某ホテル。非常に素晴らしかったです。部屋から雄大な富士山が満喫出来て。ただ、逆に部屋からだと湖が見えないので、次回は湖も富士山も一緒に堪能出来る対岸の宿が好いですね。料理は抜群においしかったですし、仲居さんのご対応がまた楽しくて、好印象だらけです。リニューアルした部屋のようで、とにかく綺麗+バリアフリー対策ばっちり。ただ、部屋の冷蔵庫の瓶ビール、¥820は高いですが....(と言いつつ、持ち込んで入れておくスペースも在るので、全然、呑みませんでしたが)。
 金曜の夜と言えど、辺りはほとんどお店がやっていなくて冬の河口湖は決してホットではなかったを実感してしまいましたが、でも、近いし安らげるし、結構"アリ"です。山中湖も悪くないでしょうが....

「Smooth Jazz Song File」
(12)Gerald Albright  <To The Max>
 from『Kickin' It Up』(2004:GRP)


●ファンキー&ハートフルなプレイで幅広い支持を集めているサックスマン、ジェラルド・アルブライト。1957年8月L.A.に生まれ、Atlanticからソロ・デビューを飾ったのが1987年。すなわち、今年(2007年)でデビュー20周年&生誕50周年を迎えるヴェテランだが、何時になっても音楽に対するエナジーは衰えを知らず、ライヴにおけるチョッパー・ベース・タイム(!)もショーアップに最高のスパイスとなっている。この曲は2004年に発表したGRPにおける第2作からのシングル曲で、プロデュースを務めたジェフ・ローバーとの共作チューン。ローバーならではのキャッチーなフレーズ&トラック作りが冴えを見せ、スムース・ジャズのチャートでは見事No.1に輝いた。ジェラルドがテナー&アルト・サックスとベースをプレイし、ローバーがキーボード&シーケンス、そして後はトニー・メイデンがファンキーなギターを刻むだけという"ミニマム"な編成ながら、パワーはまさに"マックス"、そんなライヴ映えのする名曲だ。

<1月11日(木)>

「今日の出来事」

●お昼から今年最初のデジタル・ラジオ ch.702「Premium DJ Zone」の生放送。楽しくやらせて頂きました。今週から新コーナー、「中田利樹の選ぶ究極のAORアルバム36」がスタートし、3月いっぱいまで毎週3枚のアルバムをクローズ・アップして行きます。今週はクリストファー・クロスの1st、スティーリー・ダンの『Gaucho』、ウィルソン・ブラザーズを紹介。各20分前後で3〜4曲OAし、中田にとっての魅力ポイントをいろいろと語っています。同日19時、3日後:日曜日の10時、そして1週間後の木曜日の6時から、それぞれリピート放送しています。今のところ、auでしか聴けませんが、機会がありましたら宜しくお願い致します。

●生終わりにリラックスしているとプロデューサーから携帯にTEL。あれ〜? 今日の番組、何か問題あったかしら....と焦る中田。が、しかし、それとは全然関係なくて、一時期、田舎に戻っていたヴェテラン・ラジオマンが東京に出て来ているので「中田君も時間あったらちょっと会わない?」という話しでした。で、スタバで1時間くらい談笑。「地方のFM局はレヴェルがさあ...」という愚痴?をさんざん聞かされました(笑)。ラジオを聴く若者自体が減って来ているんですよね、淋しいことに。僕なんかの時代は、FMが無かったら絶対に洋楽、吸収出来ませんでしたからね。LP買うお金なんかはやっぱり限界がありましたから。

●夜は、早くも次週の「Premium DJ Zone」の選曲、進行表作りを完成させました。明日から旅に出るので早め、早めに進行しておかないと...。と言うことで、明後日と明々後日の日記更新はちょいと遅れますが、予めご了承のほどを。

●P.S. 下記の「Smooth Jazz Song File」、10回を越えたので、そろそろマニアック・ネタもボチボチ登場させます。"その筋の方"、どうぞお楽しみに。

「Smooth Jazz Song File」
(11)Michael Fair <How Close Are We>
 from『How Close Are We』(2003:Captainflugel Music)


●2006年に出会った最大収穫の1つがこの人、この曲だった。マイケル・フェア。フリューゲルホーンをメインにプレイし、そこから醸し出されるそこはかとない哀愁味には心から酔わされてしまう。粋なルックスも含め、若かりし時のチェット・ベイカーと較べたくなるのは恐らく自分だけではないだろう。1957年5月30日、セイント・ポールに生まれ、現在はナッシュヴィルで活動している彼がソロ作を出すようになったのは2002年から。すなわち、かなり遅咲きの部類に入ると思うが、この円熟味を増したサウンドはやはりその年齢ならではのもの。とにかくメロディに対する姿勢が素晴らしい。そして、これまで3枚発表している彼のアルバム全てをコ・プロデュースしているのがブランダン・バーンズというのも見逃せない。元バーン&バーンズ、そして90年代以降はブライアン・マクナイトの良きコラボレーターとして活躍する彼の手腕がマイケル・フェアの魅力をさらに引き立てている。いつの日か日本でも紹介されて欲しい作品だ。