<1月31日(水)> |
「今日の出来事」
●午前中から明日の生放送「Premium DJ Zone」用の最終選曲。曲と曲の繋ぎが気に入らなかったりで、かなり時間が掛かってしまいました。そして、4時頃から買い物に行き、毎週水曜日の当番、夕食の準備。今回は、白菜と豚のバラ肉を中心とした中華風鍋をメインに、刺身、サラダ、インスタントの揚げ物等々。時間も無かったからですが非常にシンプル。ただし、お陰さまでなんとか美味しく出来ました。締めは鍋に中華麺を入れてつっ突く感じでしたが、やはり鍋物はこうでなくっちゃ、です。片付けも済ませて8時過ぎから再度選曲業務。明後日、金曜日の「Adult Oriented Radio」収録に備えて出来る所までやりました。そして、2月25日にリリースするパイロット、ケニー・ハーバート&ラブ・ホワットのアートワークの校正が出て来たので海外に送ったりしてああだこうだ。久しぶりのリリースなのでちょっとドキドキものです。なんとか、発売には間に合わせたいですが....
●お陰さまで、下記の「Smooth Jazz Song File」がサボることなく、無事にひと月書き続けられました。正直、ホッとしています。そして常に書き溜めが在りますので、まだまだ続けられそうです。AORはやはり中田の青春の音楽=懐メロなわけですが、スムース・ジャズは今の自分の正直な気持ち、それを反映している音楽です。2007年もひたすらスムースに走り続けますので何とぞ宜しくお願い致します。 今日は、大先輩:タンジェリン・ドリームの流れを汲む、アンビエントなジャーマン・サウンドをご紹介!
「Smooth Jazz Song File」
(31)Dancing Fantasy <Take Five> from『Dancing Fantasy』(1999:Higher Octave)
●ダンシング・ファンタジーはテクノ大国ドイツのクリエイター2人、クリス・W・ウィリアムス&カーティス・マクロウによるアンビエントなプロジェクト。本国では既に10枚近いアルバムを発表するなど、十分なキャリアを誇っている。1990年代前半にビルボード誌のNew Age Albumチャートでベスト10入りを果たし、アメリカでも確実にブレイク。その後、ニュー・エイジの名門Higher Octaveに迎えられ99年にセルフ・タイトル作品を発表する。そこではこの曲とアート・オブ・ノイズの<Moments In Love>をカヴァーし、米スムース・ジャズの市場に本格的な参入を試みるが、ここではそんなカヴァーの1曲、<Take Five>をセレクトしてみた。ご存じ、デイヴ・ブルーベックのヒット曲で、グローヴァー・ワシントンJr.も90年代にリヴァイヴァルさせているが、ダンシング・ファンタジーは空間を活かした独特のアレンジで先輩たちとはひと味違う音の絵画を描き上げた。4拍子のサイレント・グルーヴはハマり込んだらなかなか抜け出せない逸品だ。
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<1月30日(火)> |
「今日の出来事」
●午前中から昨日録った「Adult Oriented Radio」 をダビングし、そして、検聴、Qシート書き。普段は自分のナレーションを聴くのはあまり好きではないのですが(恥ずかしいです、何年やっても)、今回は番組自体を1リスナーとして楽しめたので、全然苦にはならなかったです。逆に、テンションがかなり高く、その分、ボロボロな箇所もいくつか在りますが、でも、生放送的な感じがして逆にありかな、と好い方に判断してしまう私です(笑)。2月3日の放送、どうぞお楽しみに。
●その後、1日早く月末の振込等、雑務を済ませ、コンピューターに戻ると、ソニーのディレクターさんからメールが。年末に書かせて頂いたボズ・スキャッグス『Silk Degrees〜Special Edition』のボーナス・トラックである、ライヴ3曲のミュージシャンがようやく判明した、とのこと。実は、中田が勝手に予想して「こんな感じではないだろうか..」をライナーの最後に書いておいたのですが、ものの見事に外れていて(苦笑)、若干、焦った次第です。もちろん、予想と言っても勝手な想像ではなく、当時のライヴの面子が解るものが在ったのでそれに沿っての予想だったのですが、ギターは超意外でした。まだ初校が出るまでに時間があるそうで、直しが利く、とのこと。まずは、ホッです。発売はアメリカ盤が2月27日頃、日本盤は3月以降の登場です。暫しお待ちを。
「Smooth Jazz Song File」
(30)Spyro Gyra <Morning Dance> from『Morning Dance』(1979:Amherst)
●言わずと知れた快適サウンドの定番チューン。デイヴ・サミュエルズのスティール・ドラムがトロピカルなムードを演出し、ジェイ・ベッケンスタインの優しいアルトがメロディを奏でる。ギターのカッティングはジョン・トロペイが担当。1979年というクロスオーヴァー真っ只中の時代ながら後のスムース・ジャズというカテゴリーを見据えたかのようなひたすらメロディ重視の作りはある意味、危険な賭けだったかもしれない。スリルやスキル、創造性よりも、凡庸なイージー・リスニング・ジャズに走ったグループ、と陰口を叩かれる可能性もゼロではない。しかしながら結果は大成功。当時の女子大生やOLの多くはAORとセットで彼らの音楽を愛し、ドライヴで、カフェバーで、様々なシチュエーションでこの曲を、このアルバムを楽しんだ。そしてFMを中心とした電波媒体の人間もまたスパイロ・ジャイラの楽曲を最大限に活用した。ラジオ乗りが抜群に好い軽やかなサウンド。硬派なのに爽やか、そこがこのグループを30年存続させた所以であろう。
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<1月29日(月)> |
「今日の出来事」
●朝イチから今日収録の「Adult Oriented Radio」Vol.200の最終調整。集計はちゃんと済んだものの、同じアーティストでも好きな曲、好きなアルバムがかなりばらけており最終的にどうしようか判断がつかず。結局、選曲候補のCDをどびゃ〜〜っと持参し、制作担当の土屋さんにスタジオで相談、なんとか流れが見えました。土屋さんは私の4ビートの師匠(でも歳は私より下です)で、ラジオ制作約20年というヴェテラン。困った時の相談役として非常に頼りになる、いつも笑顔のお兄さんです。そしていつもの2時間分+STARdigioで放送用の別ヴァージョンも収録。夕方5時半頃に帰宅しました。
●夜は、「Smooth Jazz Song File」用の選定をいろいろ。2月の上旬にリッピントンズ、ミンディ・エイベア、モネ(Monet=でも、ボズのバックでライヴに同行しているあの人ではございません)辺りが登場するので、どの曲が一番適任か改めて聴き直した次第です。ある意味、一番楽しい作業ですが、1曲に絞るのが難しくて、かなり頭を悩ませてしまいます。
「Smooth Jazz Song File」
(29)Cafe Soul All-Stars <Brazilian Heat> from『Love Pages』(2005:YOU Entertainment)
●カフェ・ソウル・オール・スターズはノーマン・コナーズの所でトランペットを吹いていたデューク・ジョーンズを中心とするプロジェクトで、元々は2000年、ニュー・オーリンズからメキシコへ渡るジャズ・クルーズで彼が音楽監督を任された事がキッカケだった模様。そのクルーズが非常に盛り上がった事から一般のリスナーにもその音を届けたいと切望し、さらなる豪華なゲストを集め、強力なる1枚を完成させたという流れだ。アルバムは歌ものとインストが3:1の割り合いで収められ、歌ものにはジョージ・ベンソン、ピーボ・ブライソン、メイサ、グレン・ジョーンズ他の職人が参加。インスト曲ではロイ・エイヤーズ、ケニー・ギャレット他がフィーチャーされ、デュークの師匠:ノーマン・コナーズも数曲コ・プロデュースを手掛けている。全体的には"ブラコン"のテイストが強く漂っているが、ボビー・ライルのキーボードをフィーチャーしたこの曲ではシャカタクに通じるダンサブルなリズム&メロディが爆発。理屈抜きにハッピー気分に浸ることが出来る。
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<1月28日(日)> |
「今日の出来事」
●朝はちゃんと起き、7時半に家族と一緒に朝食をとりましたが、そのまままたまた眠りに戻り、午前中はほとんど機能せず。午後になってようやくパソコンに向かい、FM Co-Co-Lo「Adult Oriented Radio」 用の"My Favorite AOR"アンケートの集計。結局、ランディ・グッドラムさん、ボビー・キンボールさん、エリック・タッグさんは1回レスはくれたものの、時間が無かったのでしょう、セレクションは到着しませんでした。それでも結構な量でまとめるのは大変でしたが。夜までそれを続け、晴れある1等賞が決定。結果発表まで暫しお待ちを!
「Smooth Jazz Song File」
(28)Acoustic Alchemy <Catalina Kiss> from『Blue Chip』(1989:MCA)
●イギリスの出身ながら1980年代後半〜1990年代中盤にかけて、アメリカのスムース・ジャズ系ステーションに於いて限りなくアメリカンなサウンドを奏でていたアコースティック・アルケミー。スティール弦のニック・ウェッブとナイロン弦のグレッグ・カーマイケル、この2人が紡ぎ出すギター・アンサンブルはまさに弦の調べと呼ぶに相応しい美の世界を醸し出し、そこに込められた適度なポップ感覚が幅広いリスナーの耳やハートに大きく訴えかけた。7拍子を上手く取り入れた哀愁漂う<Playing For Time>、スカのリズムを何気なく取り入れた<Mr. Chow>、ドライヴ感覚溢れる<Same Road, Same Reason>や<Reference Point>他、名曲の多い人たちだが、1曲となるとやはりこれしかないだろう。真っ青なカリフォルニアの空と海、そしてその穏やかな海でのんびりとセイリングを楽しむ恋人たち。そんな風景が目に飛び込んでくる、リゾート度100%のサウンド・メイキング。これぞまさしく"快適音楽"の象徴なり!
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<1月27日(土)> |
「今日の出来事」
●久しぶりにゆったりのんびりデイ。天気も好かったので自転車でラーメン・ツアー。練馬の名店「じゃんず」で汁そばを食し、行きとは違う経路で帰宅すると目白通りの環七と江原二丁目(大江戸線新江古田駅)の間に「東池袋大勝軒」の豊玉支店がオープンしたのを発見! しかも全然空いていたので思わず入ってしまいました。さすがにレギュラーはきついと思い中華そばを麺少なめでオーダーしたのですが、少なめでも十分な量でして、やっとの思いで食べ切りました。で、確かに王道の大勝軒味でしたが、日々是進化を遂げているラーメン業界に於いて、本店の味をそのまま継承すれば好いのか、あるいは、大崎の行列店「六厘舎」のように、東池袋大勝軒で修行を積みつつも、独立するにあたって味はしっかり進化させた方が好いかというと、絶対に後者だな、なんてことを思いながら食べてました。懐かしい中華そばではないし、かと言ってモダンな味でも全然ない。ある意味、中途半端に古い味なのではないだろうか、と。沼袋にある「江古田大勝軒」は鶏油入りというメニューがあったり、新鮮さも感じられますが....。難しいです。
●帰宅後ものんびりモード。来週の「Premium DJ Zone」の選曲を途中までやり、FM Co-Co-Lo「Afterglow」の選曲もストック分として2本作り、etc.。 夜は呑みに出たのですが、これが無茶苦茶予想外の展開になり、またまた大盛り上がり。仲の良い友人がお誕生日だったということもあり、突然の合流あり、何ありで、結局6時から3時くらいまで呑んでました。流石に疲れたです。
「Smooth Jazz Song File」
(27)Gene Cannon <Lovin' Life> from『Soul Dances』(2006:CanMan Music)
●ジーン・キャノンは2006年に初めて知ったサックス奏者。生まれはフロリダでフィル・ウッズ、グローヴァー・ワシントンJr.、ボブ・ジェイムス、チック・コリア、ビリー・ジョエル、レイ・チャールズなどから大きな影響を受けたという人だ。インターネット・ラジオから流れて来た心地好いメロディに魅了され直ぐにCDを購入したのだが、どの曲も軽やかな響きを持っていて、まさに掘り出し物発見状態。白人プレイヤーながら実にウォーム&懐の深いプレイを聴かせ、テナーもアルトもソプラノも全てを完璧に吹きこなしている。アルバムにはシェリル・リンの大ヒット<Got To Be Real>のカヴァーも収められているが、自分の曲だけでも十分に勝負出来るメロディラインが最大の武器。特にオープニングを飾るこの曲は適度なリズム感と陽光をたっぷりと浴びたようなソプラノ・サックスによるテーマが見事で、思わず笑みがこぼれてしまう。アルバム・タイトル『Soul Dances』そのまま、心の踊る様が体感出来るトラックだ。
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<1月26日(金)> |
「今日の出来事」
●FM Co-Co-Lo「Afterglow」の選曲を1週分だけやりました。普段は2週分毎に選曲&郵送しているのですが、2月1日(木)の放送が特別編成になっていて私の出番がなくなったので、1本分ストックが出来たというわけです。なので、今日は2月15日分だけでOKでした。ヴァン・モリソン、エリック・マリエンサル、ヴェロニカ・マーテル他が登場します。そして山野楽器Jam Spotの原稿書き。僭越ながら今回は当社の2月25日リリースもの、パイロットの『The Craighall Demos 71:76』とケニー・ハーバート&ラブ・ホワット『Songs Of Our Lives』を紹介させて頂きました。
●到着〜! Nilsの新作『Ready To Play』がご本人のサイン入りで本日、送られて来ました。すっごく良いです! 何回もリピートしてます。この日記を書いているBGMもこのCDですし。前作の大ヒットで吹っ切れたと言うか非常にイキイキしてます。ギターの音、もの凄く好いですね、クリアでシャープで。曲自体も非常に粒が揃っていて、またまたエアプレイさんざん稼ぎそうです。日本盤、どこかから出ないですかね...クール・サウンドにCOOL SMOOTHをやれる気力が在ったら好かったのに....
●今日のAORアンケートは、待ってました、トム・ケリーさんから到着しました。やはりAORど真ん中ではなく、プリンスあり、ユーリズミックスあり、EW&Fあり、ビージーズあり、イーグルスあり、でした。 なお、お詫びと変更です。以前、「アンケートの結果は2月4日にこの日記で大々的に発表します」旨、お伝えしたかと思いますが、それは急遽中止とさせて頂き、アンケートにご協力頂いた方に、個人的にメールでお知らせするシステムへと変えさせて頂きます。 理由は....4月以降、それで番組作れないか、少なくともコーナーとして生かせないか、そう考え始めたからなんです。 「今週は、トム・ケリーさんのフェイヴァリット・ソングをご紹介します!」 のように。選曲が予めHPに載っていると新鮮味が全く無くなってしまいますからね、番組的に。なので、最終的なアンケートのベスト5とかベスト10だけ、ひっそりと載せる形になると思います。或いは、FM Co-Co-Lo「Adult Oriented Radio」の番組HPに飛べるように。何とぞ、ご理解のほど、宜しくお願い致します。既にアンケートにお答え頂いた方、或いは、明日:日曜日の14時までに送って頂いた方には海外の方が何を選ばれたか他、アンケートの詳細を後日メールにてお送り致します。
「Smooth Jazz Song File」
(26)Zachary Breaux <Going Out Of My Head> from『Laidback』(1994:NYC)
●ロイ・エイヤーズのバンドで数年プレイ。日本にも何回か同行したギタリスト:ザッカリー・ブルーが自己名義のアルバムを発表したのは1992年のことだった。同年1月、ロンドンで有名なクラブ:ロニー・スコッツで収録したライヴを『Groovin'』(NYC)のタイトルで発表し、ジョン・コルトレーンの名曲<Impressions>を当時流行していたアシッド・ジャズ的なグルーヴに乗せるなど、とにかく旬な輝きを光らせていた。その後も94年に『Laidback』(NYC)、97年に『Uptown Groove』(Zebra)とスタジオ盤を発表し、確実に評価を高めていくが『Uptown Groove』を出した直後の97年2月、36歳の若さで帰らぬ人になっている。SJCメンバー選出によるこの曲は第2作に収められたヴォーカル・チューン。1965年にリトル・アンソニー&ジ・インペリアルズが放った大ヒットのリメイクで、ザッカリーが現ウィル・ダウニング夫人のオードリー・ホィーラーと良いムードのデュエットを披露している。スムース&ポップな90's風NYサウンドが何とも心地好い。
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<1月25日(木)> |
「今日の出来事」
●午前中から家を出てお昼から2時間、ディジタル・ラジオの生放送。今日は「中田利樹の選ぶ究極のAORアルバム36選」の3週目で、エアプレイ、バーナード・オーツの1st、ブレンダ・ラッセル『Two Eyes』をクローズ・アップ。その他にも、最近のマイ・ブームとなっているチャック・ローブの<Llevame>を筆頭に、スムース・ジャズ〜AORの流れで120分を心地好くまとめてみました。そして3時過ぎには帰宅し、雑用をいろいろ。 夜は久しぶりに時間も出来たので「Smooth Jazz Song File」用の原稿を書き溜め。とりあえずひと月分の原稿はクリアしたので、このペースを維持しつつ年末まで完走したいと思います、先は長いですが。
●今日はエイミー・スカイさんからアンケートの答えが到着。マリア・マルダー、ジェイムス・テイラー、ジョニ・ミッチェルなど、ある意味、予想通りの答えに混ざって、マイケル・マクドナルドの<I Can Let Go Now>が! こういう場合も、マイケルさん及び彼の『If That's What It Takes』に1票入りますので... 集計は28日(日)の午後からスタート。結果が非常に楽しみです。
●それから...夜、時間があったのでインターネット系も少し覗いてみたのですが(と言ってもコットン・クラブとか大阪のブルーノートとか、だけですが....)、東京丸の内のコットン・クラブのライヴ・スケジュール表にしっかり載っていました、ジャニータのギグが。3月の7日(水)、8日(木)、10日(土)の変則3日間で、メンバーは私がL.A.で観た時より1人多い4人バンドでした。とにかく楽しみでしょうがないです。 細かなインフォメーションはhttp://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/schedule/の3月分からアクセスして下さい。
「Smooth Jazz Song File」
(25)Brian Simpson <It's All Good> from『It's All Good』(2005:Rendezvous)
●ブライアン・シンプソンは1990年代後半、マイケル・ホワイトと共にグループ:リズム・ロジックでその存在をアピールした、インテリジェントなキーボード・プレイヤー。サーフィスの全米No.1ヒット<The First Time>(1990年)を共作するなど以前からメロディ感覚には長けていたが、デイヴ・コズの音楽監督を務めた10年間でそのセンスにさらなる磨きをかけ、コズのレーベル:Rendezvousから発表したソロ第2弾『It's All Good』では歌心溢れるオリジナル曲が全編で堪能出来る。特にこの曲は、かつてのラムゼイ・ルイスを思わせるキャッチーなファンキーさが受け、Radio & Records誌のスムース・ジャズ・チャートで見事5週間No.1を獲得。しかも、最初から最後までファンキー一辺倒で押すのではなく、ジョー・サンプルに通じる知的なブリッジを組み込む等、熟練者ならではの奥の深さが十二分に感じられる。第2弾シングルとなった<Saturday Cool>もリリカルなアコピが堪能出来る、お薦めの1曲だ。新作は秋口に登場か..。
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<1月24日(水)> |
「今日の出来事」
●午前中に「Premium DJ Zone」の選曲を済ませ昼から渋谷で打ち合わせ。とある日本のアーティストのアルバムをコ・プロデュースすることになり、その今後の展開等を話し合った次第です、美味しいイタリアンを食しつつ。
●そして3時頃家に戻り、発送やらメールやらを済ませスーパーに買い物(笑)。先週は仕事で出来ませんでしたが基本的に水曜日は私が夕食担当の日なので今日も頑張りました。今日は3品作ってみました(+アジの干物)。 まず、ごぼうと鶏のささみのマヨネーズ&サウザンド・アイランドあえ。手軽に作れますがごぼうを切ったり、お酒+お塩で茹でたささみを細かくほぐすのが手間と言えば手間です。仕上げは煎った白ごま。風味も味覚もガラリと変わりますので必須アイテムと言えますね。 そして、サイコロ・ステーキ:似非イタリアン風。スーパーでとても安く売っていたので(3cm立方くらいが18個だか入って¥200ちょっとでした。経済観念重要です!<笑>)、それをまずは塩・胡椒で炒めて、それから赤ワインをどばっとかけて、さらに、スライス・チーズとケチャップ&ソースで演出、味付け。流石に安い肉だったので肉の食感は今ひとつでしたが味そのものは結構いけました。全く持って見よう見まねにしては上出来です。 あとは、前に御前崎に行った時に買った冷凍のイカがあったのを思い出し、それをブロッコリー、ニンジンと一緒に炒めた中華を作りました。完全自己流なのでXO醤とオイスター・ソースを混ぜ合わせ、それでも味が今ひとつなのでお水を足して鶏ガラスープの素をひと振り、ふた振り。お陰さまで味は整いました。ホッ。
●食器の後片付けも済ませ、8時頃から明日の「Premium DJ Zone」の最終進行表作成。なんだかんだで10時を過ぎ、今日はこれにて終了。非寿に充実な1日でした。
●My Favorite AORのアンケート、まだまだ回収あります。今日は、ブルース・ヒバードさんから到着。ヒバードさんは日本のAORファンと非常に合いますね、嗜好が。オン・エアー日、および、2月4日の日記をお楽しみに。
「Smooth Jazz Song File」
(24)Camiel <I'm Ready> from『Sunset』(2002:G-Rex)
●カミエルは今年35歳を迎えるオランダのギタリスト。2005年にRendezvousを通して全米発売された1st『Sunset』がブレイクし、中でもこの曲<I'm Ready>はRadio & Records誌のスムース・ジャズ年間チャートで80位にランク・インする中々の健闘ぶりを見せている。また2006年には同じく1stからアコースティック・ギターをフィーチャーしたバラード<El Alba>がチャートを上昇。多くのリスナーにその存在をアピールした。アルバムは非常にヴァラエティに富み、クール&ヒップないかにもヨーロッパ風インストから70〜80年代のディスコ・ポップな歌ものまで、いろいろな世界が楽しめる。ハードボイルド調の語りを入れた小曲も実にハマっているし、粋でモダンなクリエイターによるシネマティックな作品、と表するのが的確であろう。この曲は、ロック調のギター・リフを核にしながらもストリングス&コーラスによるBメロで場面転換を図ったり、非常にダイナミズムに富んだナンバー。カミエル侮れず、を象徴する1曲だ。
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<1月23日(火)> |
「今日の出来事」
●午前中は昨日収録した「Adult Oriented Radio」 のダビングをして、その一方で2日溜まったこの日記を書き上げ、さらに、「Smooth Jazz Song File」の原稿も少しでも多くストックを溜めておこうと頑張りました。と言っても、3日分くらいが限界ですが(笑)。そして午後から検聴、Qシート書き、発送、といういつものパターンに出るのですが、なんと、検聴中に音飛び発見! オン・エアー素材はMDで局に送っているのですが、速攻で補正に出ました。非常にオーソドックスなやり方ですが、音が飛んだ曲の頭からもう1回録音して、音飛びの箇所以降でアタックの強い所を探し、そこの分を元の音飛びテークと差し替える、というパターンですね。ただ、スタジオの機材と家庭用オーディオではやはり性能、音質が違うので、プロのエンジニアがヘッドフォンで聴いたらどこで繋いだ、が解ってしまうかもしれません...普通の耳で、普通に流して聴くだけでしたら、まず解らないと思いますが。
●そうこうしているうちに夕食の時間になり、久々に家でのんびりと。やらなくては行けない事がたくさんあるのに早めに就寝。明後日の生の選曲は明日の午前中に頑張ります!
●My Favorite AOR、のアンケート、どんどん答えが返って来ています。海外からは今日、ジョーイ・カルボーンさん、オーズ・ウイゼンダンガーさんから回答が来ました。とりあえずの締め切りは25日(木)で設定していますが、27日(土)中に着けば問題ないので、アナタもぜひメール下さいませ。詳細は、この日記の1月16日(火)分をご覧下さい。
「Smooth Jazz Song File」
(23)Marcos Ariel <Green Eyes> from『My Only Passion』(1999:Paras)
●マルコス・アリエルはリオ・デ・ジャネイロ出身のピアニスト。1992年に発表した『Hand Dance』(Nova)にはラッセル・フェランテ、ビル・キャントス、ケヴィン・レトー他が参加、日本盤もアルファから発表されていたので名前くらいは記憶している人が少なくないだろう。そのアルバムに収められたビルの名曲<Who Are You>(ビル&ケヴィンがデュエットで披露)他チェックすべき曲は少なくない人だがやはりトドメはこの曲だ。SJC(スムース・ジャズ・コネクション)メンバーによる強力な推薦で初めて耳にしたのだが一発で納得! イントロから本編までリカルド・シルヴェイラのアコースティック・ギターをリリカルにフィーチャーし、リズム・インしてからの軽やかなグルーヴは、ドライヴィングしつつもヒーリング効果さえもたらす魔法の響きを発している。アルバムには他にもビル・キャントスからフランク・ギャンバレまで多彩なメンバーが参加。エレガントな旋律&タッチによる良質なL.A.フュージョンが体感出来る。
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<1月22日(月)> |
「今日の出来事」
●今日はまた、朝から晩まで実に忙しい1日でした。まず、8時頃から今日収録の「Adult Oriented Radio」 1時間分の進行表を作り、今日の夜の収録用のCDもあれじゃない、これじゃない、とピック・アップ。そして9時半には家を出発。10時半から収録を始め、続いて12時半から今度はボニー・ジェイムスさんをゲストに迎えて2月10日分の収録。ボニーさんは非常に穏やかな方で、通訳無しのストレートな進行ながら実にスムースに行きました。感謝! (ただし、相変わらず自分の発音の悪さには落ち込みます。収録後に検聴すると...) ただし、会話が弾むとその分、どうしてもトークが長くなってしまうので、最初は予定していたボビー・コールドウェルのバンドに参加した時のユニークなエピソード等はカット。番組的に言えば、そちらの方が遥かに美味しいネタだと言うのはよ〜く解るのですが、アメリカでは本当にビッグなビッグな大スターであるボニーさん。その彼が折角スタジオまで足を運んで頂いたというのに、ご本人の曲をかけないでボビーさんの話しばかり訊くのもなんか申し訳なくて....。もちろん、そういう構成でもご本人、不満の一つもこぼさないと思いますが、でも、なんかそれだと恐縮この上ない感じでして...。でも、ボビーさん話しなくてもマジで必聴です。鳥肌の立ってしまう、素晴らしいハプニング?もありましたからね。関西地区の方、2月10日の放送をお楽しみに!
●その後、昼食をして、今度は4時頃、ライター&DJの島田奈央子さんに渋谷でピック・アップしてもらい彼女が神奈川県大和市にあるFM大和でやっている番組「Rooms」(毎週水曜日:23時〜24時)にゲストで出演。明後日の24日分、そして翌週の31日分、この2週間の収録を行いました。かけた曲は、それこそマイケル・ブレッカーさんへの追悼の意を込めた曲あり、2006年〜2007年のお気に入りチューンあり、スムースな流れでお届けしました。もちろん、島田さんの選曲も挿んで。 そして8時頃に終了し、都内に戻ってラーメンを一杯。昔から本にはよく載っていたものの、ロケーション的になかなか行けなかった芦花公園の九州ラーメン系「いち」に初来店。決して若くはない女将さんが1人で切り盛りしている小さな店ですが、味は確か。九州系ではあるものの、真っ白な豚骨ではなく、むしろ、醤油ダレの色もしっかりと感じさせる系で、「美味しい!」という言葉より先に「好きな味!」というフレーズが口から出た、好感度100%のお店でした(ビールのつまみがほとんどない -- 餃子も無かったので、チャーシューをつまみでオーダーしました -- のが、若干、物足りなかったですが..)。しかし、2月でクローズしてしまう、という話しを聞かされ、なんともショックな私です。この味を継ぐ若者が出て来そうな気配がゼロではないのですが(女将さんがそう言っていました)、こればかりは何とも言えないです。エニウェイ、ロケーション的には若干、厳しいですが、2〜3週間以内にもう一度訪れたい私です。 P.S. ビールは緑のボトルが印象的なキリンのハートランドでした。 P.S.2帰宅後ラーメン本を見て解ったのですが、ナントこの店、オープンしたのは2000年の4月8日、ですって! だからなんか親近感が在ったのですね。吃驚です。そう言えば、池袋西口にある「東池袋大勝軒」系の「麺屋ごとう」は1998年4月8日オープン、すなわち、当社と全く一緒なんです、スタートが。こちらは同じ豊島区なのでさらなる愛着クンを感じる次第ですが、もう1年以上行ってないです....久々に行ってみましょうかね。
●そうして帰宅したのが10時半頃。メールのチェックをした後、昨夜収録していたプロレスリング:Noahの中継を観て、またまた目頭が熱い私です。流石に今日はあっという間に寝てしまいました。Chris Standringの『Soul Express』をBGMに。
「Smooth Jazz Song File」
(22)Anita Baker <Sweet Love> from『Rapture』(1986:Elektra)
●1980年代中盤、アメリカのラジオ・ステーションに登場した新たなるフォーマット、クワイエット・ストーム。R&Bと言うよりは、"ブラコン"という言葉がしっくりとくるあの頃のサウンド -- アダルトで、かつ、ちょぴりジャジーな香りを持った都会派系洗練楽曲に、テクノロジーとオーガニックさを巧みに混ぜ合わせたニュー・エイジ系のインストをブレンドさせたスタイルは当時のリスナーに斬新な響きを与え、結果、それがスムース・ジャズへと進化、成長を遂げるのであった。そして、そんなクワイエット・ストームの中心的シンガーが彼女アニタ・ベイカーであり、日本でも大ヒットした『Rapture』に収められたこの曲こそ、そのカテゴリー、そして、スムース・ジャズのど真ん中に位置する楽曲だと断言出来よう。今なお、スムース・ジャズのステーションでは頻繁に流れる、まさにクラシックス、定番たる1曲。アニタのシルキーな声、マイケル・J・パウェルによる品の好いプロダクション、どちらもシーンに計り知れぬ影響を与えている。
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<1月21日(日)> |
「今日の出来事」
●今日はせっせこ頑張りました。まずは、2月25日にパイロットのデモ・アルバムと同時にリリースするケニー・ハーバート&ラブ・ホワットのアルバム『Songs Of Our Lives』のライナー書き。音はとうの昔に届いていましたし、もっと早くやらなければならなかったのですが、肝心のデザインのレイアウトがもう3週間くらい待たされてここまで押し迫ってしまった次第です(ちなみに、レイアウトが決まるまで書けなかった、という経験は初めて。要は、スペース的にどれくらい確保出来るのか、2,000字だけなのか、通常の4,000字くらいOKなのか、ということです)。で、やはり2,000字くらいしか空かなかったので、それに併せて要点だけを書きました。ちなみにパイロットの方はいつものパイロットのサイトの管理人、尾山万里子さんにお願いしましたが、素晴らしい出来です。今回は70年代前半中心のデモ集ですから、中田等では到底解らない作品なので一切書いておりません。それこそ、こちらもスペースが確保出来なかったので。
●その後、速攻で、明日収録の「Adult Oriented Radio」 の前半1時間分の選曲。
●そして夕方からブルーノート東京にてボニー・ジェイムスのライヴを鑑賞。デイヴ・コズ、ケニーGと並ぶスムース・ジャズ界きってのサックス奏者ながら、本人はあくまでも自分はR&Bアーティストだと表現し、ライヴでもその辺りの主張を十分に発揮。途中、ソプラノ・サックスで<Ain't No Sunshine><Creepin'><Sweet Thing>とカヴァーを3曲、立て続けにやってくれたり、新作に収められた<Waters Of March>を演ってくれたり、耳馴染みの曲が少なくなかったので非常に楽しめました。初日の1stショーだったのでPAのバランスが今ひとつにも感じましたが、まあ端の角で観ていたので場所的な問題かもしれませんし、なによりボニーさんのサックスの表現力の素晴らしさは十分に伝わりましたし、これが日本で観れて本当に幸せだな〜を実感した次第です。CDを聴くとかなり男後に溢れていてブラインド・フォールド・テスト(?)を行うとリチャード・エリオットと間違う事もたまにあるのですが、ライヴでのボニーさんはテナーで豪快にブロウしまくるタイプではなく、あくまでも心を込めてヒューマンなトーンで聴き手にアピールするタイプ。彼のナイーヴな感性がダイレクトに伝わる優しい旋律もたくさんあり、それらに聴き惚れる時間も少なくなかったです。因みに、この日の1stステージの曲目は以下の通りでした。
INTO THE BLUE
ALL NIGHT LONG
STONE GROOVE
IN THE RAIN
LET IT GO
AQUAS DE MARCO (WATERS OF MARCH)
AIN'T NO SUNSHINE CREEPIN' SWEET THING
THE TOTAL EXPERIENCE
SEE WHAT I'M SAYING? (Encore)
GRAZIN' IN THE GRASS
公演は25日(木)まで。この機会に是非!
「Smooth Jazz Song File」
(21)Craig Chaquico <Acoustic Highway> from『Acoustic Highway』(1993:Higher Octave)
●ジェファーソン・スターシップ〜スターシップのメンバーとしてエッジの効いたギターワークを披露したクレイグ・チャッキーソ。1993年からソロに転身すると意外や意外、ニュー・エイジ系レーベルからのインスト作品だったのだが、全米では直ぐにブレイクを果たしている。アルバムの大半がアコースティック・ギターという、スターシップ時代とは全く違うスタイルに拘っているが、Carvinのギターを使った独特のサウンドは非常に金属的なトーンを醸し出し、一聴して彼と解る大きな個性を生み出した。ラス・フリーマンとの共演アルバムを含めてリーダー作は全10枚。初期の4枚がビルボード誌のNew Ageでトップ10入りを果たし、その後の4枚がContemporary Jazzでトップ10入りを果たすという面白い流れを作っているが、1stアルバムに収められたこの曲は他のニュー・エイジ作品には無いドライヴ感を持ち合わせ、ニュー・エイジとスムース・ジャズのポップなMarriage、という好印象を届けてくれる。
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