<2月10日(土)> |
「今日の出来事」
●今日からスタートする3連休(と言っても自由人:中田には休みも何も関係ないですが)の初日、午前中は今頃になってハマり出したHMVのインターネット・ショッピングに没頭。2時間くらいず〜〜っと検索&カートへヒョイ、そんな時間を過ごしてしまいました。もちろん、ものはスムース・ジャズが大半ですが、新作の輸入盤を買うのだったら、3枚以上で25% off &送料無料、のここが一番お得かな、と。もちろん、1枚だけでしたら送料も掛かるし割引も無い状態ですが、ま、買い出したらキリが無い中田ですから1枚だけと言う事はあるはずも無く、今日も軽く10枚をオーヴァー。今まではAmazonかCD Babyだったので、アメリカ系は豊富ながらUK、ヨーロッパ系は無いか、あっても非常に高い、というのが現状でした。でも、HMVさんならヨーロッパ系もそこそこリーズナブルで思わずニッコリ。しかも、これまで入手出来ていなかったDuncan Millar『Comin'thru』やChris Standring『Shades Of Cool』、Carmen Cuesta『Dreams』他が¥2,000から¥2,500の間で買えて思わず万歳状態! Juan Carlos Quinteroの近作や、FattburgerとDown To The Boneの新作ベストが何れも¥1,800前後、と、ついついカートへヒョイしてしまう私です。今年はそれほどCD買わなくて済むと思ったのに....甘かったです。
●そして午後からFM Co-Co-Lo「Afterglow」の選曲用にいろいろな曲を聴いてはコンピューターに入力(いろいろな中田的情報、です)。そして夕方までに2本を仕上げました。もう3月の頭分ですからね、選曲。ホント、暖冬のまま春になってしまいそうです、今年は。
●夜は姉の家族が家に来たので皆で手巻き寿司パーティー。アッという間に3時間くらい経ってしまいました。しっかし、大学1年生の甥と中学2年生の姪はホント、よく食べます。持て成す側としては非常に嬉しいことですが、大人の食べる分が無くなってしまいますがな....。
「Smooth Jazz Song File」
(41)Ed Calle <Joyful> from『Twilight』(2001:Concord)
●ベネズエラの首都カラカスに生まれたサックス奏者エド・ケイル。基本的にはビ・バップやラテン・ジャズを得意とするプレイヤーなのであろうが、2000年前後にConcordからリリースした作品は完璧なスムース・ジャズ・サウンドで、その美しいメロディ&トーンに酔いしれることが出来る。それはおそらく、セッション・プレイヤーとして、リッキー・マーティン、グロリア・エステファンから、フランク・シナトラ、マイケル・ボルトン、さらにはマット・ビアンコ、ペット・ショップ・ボーイズまで幅広くサポートしてきた彼ならではの"大衆音楽感覚"が生み出した産物であり、特にこのアルバムに収められた楽曲はまさに、ど真ん中のスムース・ジャズ・アーティストでは?という錯覚にさえ陥らせてくれる。一押しのこの曲は旋律もコード進行もジェフ・カシワの<Hyde Park>と瓜二つ(さらに遡ればカラー・ミー・バッド<I Adore Mi Amore>の大サビと一緒)、という始まりながら、途中から陽光をいっぱい浴びたエド・ケイル・ワールドへとシフトする様が◎。
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<2月9日(金)> |
「今日の出来事」
●今日は珍しく夕方から「Adult Oriented Radio」 の収録。なので昼間ゆっくりと選曲をし、進行表を作成。早々と2月17日(土)分を録ってしまいました。「AOR All About 12 Artisans」はビル・チャンプリン特集のPart-2、そして、「最近気になった1枚」は、ジョシュ・グローバンの最新作『Awake』を取り上げました。で、その『Awake』はデヴィッド・フォスター、グレン・バラードもプロデュースに参加。イタリア語やスペイン語によるクラシカルな曲はちと辛いですが、英語のアメリカナイズされた曲は結構、気に入っています。ちなみに、ハービー・ハンコックがゲスト参加した<Machine>という曲が収められていて、そこでは、作曲、プロデュースがディープ・フォレストのエリック・ムーケ、バックはマイケル・トンプソン、ヴィニー・カリウタ、ネイザン・イースト他、という贅沢かつグローバルなプロダクションが伝わって来たのですが、もうひとつ、"Tower Of Power Horns:Greg Adams、Greg Vail、Lee Thornburg、Tom Scott、Nick Lane"というクレジットも目に入って来て、なんとなく不思議なものを感じてしまいました。グレッグさんがアレンジを手掛けホーン・リーダーを務めると、今でもそういう名称になるのか、と...エミリオさんの反応は如何に...?
「Smooth Jazz Song File」
(40)Herb Alpert <Rise> from『Rise』(1979:A&M)
●言わずと知れた名トランぺッターが1979年に放ったソロ名義での初の大ヒット。ポップ、Adult Contemporary共にNo.1に輝き、グラミー賞でも見事、"Best Pop Instrumental"を獲得している。この曲が出来る背景にはちょっとしたエピソードがあるので紹介しておくと、当時はまだ「Saturday Night Fever」による空前のディスコ・ブームを引きずっており、アルバムの共同プロデュースを手掛けたハーブの甥っ子ランディ・バタッズがハーブに「ティファナ・ブラス初期のヒット曲をディスコ風にリメイクするのはどうか」と持ちかける。残念ながらハーブはその企画に乗り気を見せなかったが、ランディが彼の友人と書いたこの曲をハーブに聴かせると彼は「流行りのリズムではなくもっと遅めのグルーヴでプレイすれば、身体が弾みながらも既製のディスコ・ソングとはひと味違ったダンス・ミュージックが創り出せる」と判断。その狙いは見事に的中し、R&Bで4位、ディスコ・チャートで17位という、新しいフィールドでの成功も手にするのであった。
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<2月8日(木)> |
「今日の出来事」
●例によってお昼から生放送。「中田利樹の選ぶ究極のAORアルバム36選」、5週目の今日は、ビル・ラバウンティ『Bill LaBounty』、マンハッタン・トランスファー『Mecca For Moderns』、ロベン・フォード(カズ・マツイ・プロジェクト)『Love's A Heartache』の3枚をクローズ・アップ。マントラは3〜4日前、ジェイさんにメールで聞いたネタを盛り込みつつ、紹介させて頂きました(一例:<Kafka>の共作者であるバーナード・カフカはマンハッタン・トランスファーが見つけたコンポーザー。その曲のデモを聴いた所、少なくとももう1セクションは必要だと思い、僕がその部分を書いた。彼の名前を耳にしたのは後にも先にもその時、限りだよ)。それから例の<Lakes>は、Ken NavarroとPat Methenyを続けてかけて話しをしたり、3月に来日するジャニータの公演告知をしながら、フィンランド盤のベストに入っている<I'll Be Fine>のフィンランド語ヴァージョンを紹介したり、楽しくやらせて頂きました。
●その後、広尾で一本打ち合わせ兼インタヴューを行い、いったん帰宅。メール・チェック他、雑務を済ませ、夜は翻訳関係の人と食事。余裕で電車帰り、締めのラーメン無し、な健全ナイトを過ごしました。
「Smooth Jazz Song File」
(39)Vanessa Rubin <That Was Then, This Is Now> from『New Horizons』(1997:RCA)
●1990年代後半、L.A.のWAVEステーションから流れて来たこの曲を初めて耳にした時の衝撃は今でも忘れはしない。Dm9とDmaj7が繰り返される歌の出だしにまずはやられ、途中のメロディーも器楽的な部分がありなんとも個性的。当時既にR&B系の新譜に対して新鮮味を感じられずにいた自分だったが、この曲は心の奥深くまで一気に入り込んで行った。R&Bと言っても多分にジャジーでアダルト。最初は誰が歌っているのか解らなかったがオリータ・アダムスとダイアン・リーヴスを足して2で割ったような歌唱の主は、数分後の曲紹介でヴァネッサ・ルービンだと判明。急いでCDショップに足を運び、クレジットを眺めると、プロデュースがアンドレ・フィッシャー、作者がモニカの名曲<Before You Walk Out Of My Life>他、数々のヒットを生み出しているカーリン&ソウルショックと解って思わずニッコリしてしまった。ヴァイブも効果的に鳴り響く究極のクール・エレガンス。今でも聴く度に半金縛り状態へと導かれてしまう。
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<2月7日(水)> |
「今日の出来事」
●就寝後3時間もせずに鳴るアラーム。ただし、家族との朝食は大事な日課なのでガッツで起きてガッツで完食! その後、再び布団に戻り、ようやく10時過ぎから甦生出来ました。明日の生放送の進行表を完成させ、午後からは届いたばかりのアコースティック・アルケミーのDVDを観たり、録っておいたプロレス中継を観たり。そして3時頃から、いつものスーパー買い出しに出て夕食作りの準備。今日はこんにゃくの煮物と生涯2度目となる天婦羅、それにお刺身他という献立でいきました。天ぷらは海老、イカ、三つ葉、ニンジン、ピーマンの5品+出来合いのハッシュド・ポテトだったのですが、予想通り、いや、予想以上にイカが跳ね(と言うか、イカを揚げている時に油が跳ね)ましたね。隙を見せたらやられてしまう、殆ど格闘技状態(笑)。ちゃんと水を切って布で拭いて、しかも、皮は付いていない状態だったので、ここまで暴れるとは思わなかったのですが...甘かった。火傷一歩手前でした。それと、母親に「海老は予めお腹の側に包丁で切れ目を入れておくと丸まらないのよ」と言われたのは食卓に並んでから。またまた次回以降の教訓とさせて頂きます。まさに、失敗は成功の母なり。でも、味はそこそこで、よく売れました。ホッとしてます。来週も頑張りますよ〜!
「Smooth Jazz Song File」
(38)Club 1600 featuring Rex Rideout <To The Point> from『Ridin' High』(2002:N-Coded Music)
●ルーサー・ヴァンドロスへのトリビュート『Forever, For Always, For Luther』で総指揮を務め、それ以前も、ジョージ・ハワード、ウィル・ダウニング、ボニー・ジェイムス、メイザ・リーク他、ブラコン系スムース・ジャズで素晴らしいプロデュース、コンポーズ、キーボードを届けてくれたレックス・ライドアウト。その彼が豪華なゲストを招いて立ち上げたプロジェクトがクラブ1600で、2000年と2002年にN-Codedから質の高いアルバムをリリースしている。ランディ・ブレッカー、ロイ・エイアーズ、キエリ・ミヌッチ他が参加した1stも悪くないが、トータルでの完成度はやはり2ndの方が上。ジェラルド・アルブライトのソプラノが美麗な<Tease>、メイザ・リークがアニタ・ベイカーをカヴァーした<Angel>、クレジットは無いもののボニー・ジェイムスにそっくりなサックスが軽やかに踊る<Moment's Notice>…と、とにかく曲が好い。今回は敢えてスムース・ジャズど真ん中のこの曲をセレクト。上品にグルーヴする姿がなんとも心地好い。
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<2月6日(火)> |
「今日の出来事」
●午前中からいつもの「Adult Oriented Radio」 の検聴、Qシート書き。午後は明後日の生放送の選曲。
●そして夜はスムース・ジャズ系のサックス奏者、Michiyoさんのライヴを観に代官山:Candyへ。 オリジナル曲<KWBJ>(彼女の大好きなサックス奏者2人のイニシャルを取ったものです。解ります...?)でスタートし、ホール&オーツの<Private Eyes>、および、ジャーニーの<Open Arms>のカヴァーを交え、非常に心地好く聴かせてくれました。打ち込みの曲もほんの少し入れたり、ショーとしての構成、バランスも僕は非常に好かったと思います。 編成も、彼女+1ホーン+ピアノ・トリオで、これまた実にユニーク。サックス2人で敢えてソプラノ&ソプラノ、テナー&テナーにしてみたり、1人がテナーだったらもう一方はアルトといった既成概念にとらわれない試み、とっても大事です。 ただ、バンド -- というか、特にドラムスの人 -- と今ひとつ噛み合っていないかな、という気もしちゃいました。こてこてのジャズや、ビシバシのフュージョンが本職の人にスムース・ジャズのバックをお願いするのって、結構、難しいのかもしれないなー、なんて思いながら観てました。でも、逆に、バンド・メンバーなんてその都度、幾らでも替えられるし、そういった意味では今後が楽しみです。実にスムースな楽曲、届けてくれますからね。しかも、中々イイ女で(笑)。頑張って下さいませ。 その後、そのまま飲み会になり、6人でいつもの恵比寿のソウル・バーへ移動。終了は3時45分くらいで、2カ所経由で家に帰ったら殆ど4時半。うわ〜っ、拙いっすね...
「Smooth Jazz Song File」
(37)Nick Colionne <High Flyin'> from『Just Come On In』(2003:Three Keys Music)
●ニック・コリオーンはナタリー・コールやカーティス・メイフィールドのバックを経て、1990年代前半からソロ作も出すようになった黒人ギタリスト。フルアコでソウルフルなオクターヴ奏法を決める等、ジョージ・ベンソンに通じる部分も少なくないが、テクニックよりもとにかく歌心を大事にする人だ。2003年の4作目『Just Come On In』(Three Keys Music)で初めてビルボード誌のContemporary Jazz Albumsチャートにランク・イン(最高18位)。その後、Narada Jazzに引き抜かれ、続く『Keepin' It Cool』(2006年)では最高9位を記録した。そこに収められた<Always Thinking About You>はRadio & Records誌のスムース・ジャズ・チャートに長くランク・インし、彼の代表曲の1つになっているが、その前のアルバムに入っていたこの曲こそがニックのシグネチュア・ソングと言うべきであろう。シンプルな音使いながら、胸に響き耳に残るサビのフレーズ。マイルド&ウォームで、懐かしくもモダン、そんな親近感溢れる1曲。
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<2月5日(月)> |
「今日の出来事」
●午前中は、アドリブ「AOR通信」の原稿書き。午後はあっち行ってこっち行っての雑用関係で時間が経ち、気が付いたら夕方に。夜は、ラジオ関係の知り合いと食事。アッという間に終電1本前の時間になってしまいました。300mlの焼酎ミニ・ボトルを、気が付いたら4本空けていました。ちょっと呑み過ぎですね...(苦笑)。
●パット・メセニーの『Watercolors』を買い、早速、<Lakes>を聴いてみました。なるほど、ケン・ナヴァロさんは基本的に、メセニーの原曲に沿って再演した、というわけですね。そうですよねー、普段のケン・ナヴァロ・サウンドからは登場しなそうなコード使いですからね。そういった意味で、改めてパット・メセニー恐るべし!を体感させられました。ただし、あそこまでスムース・ジャズな雰囲気に仕上げるナヴァロさんのセンスも素晴らしいの一語。当分の間、ヘヴィー・ローテーション入り間違い無し、です。ラジオでもかけます!
「Smooth Jazz Song File」
(36)Monet <U Told Me> from『Essence』(2004:Purpose)
●Monetというとボズ・スキャッグスのライヴに同行しているあの女性を思い浮かべてしまうがその人とは同名異人。NYに生まれ、マーヴィン・ゲイとジョニ・ミッチェル、そしてボブ・マーリーとシャーデーから大きな影響を受けたというシンガー、ソングライターだ。見た目から判断するとストリートに根ざした今時のR&Bかと思ってしまうが実際は数段アダルトな曲調で、スムース・ジャズ・ファンにとってはかなり美味しい存在だ。半分以上の曲でフルートもプレイし、これがまた何とも言えない都会的なジャズ・フィーリングを醸し出している。プロデュースを手掛けるのはロニー・ジョーダンやロイ・ハーグローヴ、ラサーン・パターソンらと仕事をしてきた若手のクリエイター数人。かつてのクワイエット・ストームよりもより今日的なヴァイブを感じさせ、Monetの洗練されたヴォーカルを十分に引き立てている。アルバムの7割は万人にお薦め出来る内容だが、3曲目のこの曲が一番クールで音楽的。A♭maj7 - Am7の繰り返しが頭から離れない...。
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<2月4日(日)> |
「今日の出来事」
●今日はアドリブ誌のレヴューを3本、そして、COOL USENの2月後半分の選曲、それを精力的にこなしました。レヴューは「トリビュート・トゥ・ブライアン・ウィルソン」のDVDと、それからスムース・ジャズ系の輸入盤が2本、という感じだったのですが、「トリビュート〜」にはマイケル・マクドナルド、EW&Fからジェフ・ベック、リッチー・サンボラまでのヴェテラン勢と、ベアネイキッド・レイディーズ、バック・ストリート・ボーイズ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ジェイミー・カラムといった90年代以降組がバランス良く登場して面白かったです。見た目こそ、またまた痩せて、老けたな〜という印象のマイケルさんでしたが、歌声は相変わらず元気にソウルフルで<Don't Worry Baby>のカヴァーもハマっていました。そして最後4曲はブライアン・ウィルソンご本人による<英雄と悪漢><グッド・ヴァイブレーション><ファン・ファン・ファン><ラヴ・アンド・マーシー>。なんか、久々に『ペット・サウンズ』でも聴いてみようか、そんな気にさせられた感度抜群の1本です。2月24日にビデオアーツさんからリリースされます。 そして輸入盤はDave KozとKen Navarroの最新作。ナヴァロさんはともかく、コズさんの日本盤が出ないのは非常に不満です。フィル・ラモーンのプロデュースによる、映画で使われた名曲集。アニタ・ベイカー、バリー・マニロウ、インディア・アリー、ヴァネッサ・ウィリアムス、ドナ・サマー、ジョニー・マティス、クリス・ボッティ、ノーマン・ブラウン、ピーター・ホワイトをゲストに迎えたゴージャスでかつ親しみ易い作品ですからね....。今のEMIさんには、ここまで手を回す余裕が無いってことでしょう、残念! 一方、ナヴァロさんは1曲、非常に美味しい曲を見つけました。全体的にはスムース・ジャズで、そっちのステーションからはまたまたヘヴィ・ローになりそうな曲が収められていますが、中田が耳を奪われた曲はTrack 7の<Lakes>。爽やかなテンポで始まり、出だしこそメロディーもナヴァロさんらしいメジャー・コードのものだったのですが、あれあれ、始まって少ししたらなんだかバックのコードが崩れて来たぞ...と感じ、その次にギター・ソロが始まるとそこからがいよいよハイライト! ジャジー以上アヴァンギャルド以下の和音使いで8小節、そして、元のシンプルでポップなコードに戻って4小節の計12小節を1セットとして、これをバックに2周分ギター・ソロを弾き、今度はサックスのロブ・ホームズにスイッチして同じように12小節X2でソロをプレイ。締めはキーボードのジェイ・ロウがやはり同じようにソロを弾き、皆でテーマに戻るという非常にユニークな作り。ケン・ナヴァロにしては変わった曲調だな〜と思っていたら、この曲のみパット・メセニーの古い曲でした。1977年のECM時代。納得しちゃいました。早速、本家を購入して聴き較べてみたいです。はい。
「Smooth Jazz Song File」
(35)Mindi Abair <Lucy's> from『It Just Happens That Way』(2003:GRP)
●シャム猫チック(?)なルックスとポップなサウンドで2003年、GRPから颯爽とメジャー・デビューを飾ったサックス奏者、ミンディ・エイベア。そこから出した3枚のアルバムはビルボード誌のContemporary Jazzチャートで全てトップ5入りし、最新作の『Life Less Ordinary』に関しては初のNo.1も獲得している。ジョナサン・バトラーのバンドで長い間バックを務め、その他にもボビー・ライルからバックストリート・ボーイズまで幅広くサポート。アルト・サックスをメインにブロウする様は時としてあのデヴィッド・サンボーンにも通じる本格的なトーンが味わえる。また、ヴォーカルも立派な武器になっているミンディは、リッキー・リー・ジョーンズを敬愛し、歌い方も彼女によく似ている。ジャズというよりもポップ・インスト呼ぶのがピッタリ来る彼女の世界は、アコースティック・ギターがリズムを刻み、効果的にヴォイスを盛り込んだこの曲がもっとも"らしい"仕上がり。ラジオではたちまち大ヒット。彼女のサクセス・ストーリーはここから始まった。
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<2月3日(土)> |
「今日の出来事」
●アドリブ誌の原稿書き他、やらなければならない事が沢山あるのに、1日中、「Smooth Jazz Song File」用の選曲、そして原稿書きに没頭しました。これでまた貯金?が10日分以上に。今日の収穫は、エリック・エシックスに想像以上のカッコ良いナンバーが在った、という部分。アーティスト的には必ず入れようと思いつつ、しかし、曲は未だ選定出来ていない、そんな人も少なくないのですが、ウィークエンドはノンビリとそんな人たちの"曲探し"に時間を掛けたいです。明日は、ちゃんと原稿書きますので(笑)。
●夕方5時から関西地区で「Adult Oriented Radio」 の記念すべき200回目が無事オン・エアーされました。「200人に聞くMy Favorite AOR」は、エアプレイ(グレイドン、フォスターのソロを含む)が1位、ドナルド・フェイゲン(スティーリー・ダンを含む)が2位、マイケル・マクドナルド(ザ・ドゥービー・ブラザーズを含む)が3位、以下、TOTO、ボズ・スキャッグス、ペイジズ、ボビー・コールドウェル、ジノ・ヴァネリ、マイケル・フランクス、アヴェレージ・ホワイト・バンド、と続きました。全く持って妥当な結果、と言う感じですが、それでも特に中田の番組らしい結果だったな、というのが率直な感想ですね。エアプレイの人気が本当に根強く、非常に嬉しかったです(1位と2位が圧倒的に票を集め、4位以下は僅差の勝負でした)。早速、ジェイさんに知らせないといけませんね。ご協力頂きました多数の方々、本当にどうもありがとうございました。心から感謝しております。
「Smooth Jazz Song File」
(34)The Rippingtons <Tourist In Paradise> from『Tourist In Paradise』(1989:GRP)
●言わずと知れたラス・フリーマン率いるリッピントズの3作目にしてGRP移籍第1弾のタイトル曲。ジャズ・ジャズせずにポップ、ロック、ワールド、R&B…様々音楽のエッセンスを取り入れた順応性豊かなスタイルが彼らの特徴であり、作曲&トラック作りに数ヶ月を掛ける拘り、緻密さが結果的に"ラジオ乗りの好い"サウンドを構築。それまでのフュージョンとは異なる"聴かれ方"をもたらした。それ故、曲のレヴェルは非常に高く、ここで1曲に絞るのには本当に困難な作業だった。1stに収められた<She Likes To Watch>(86年)、軽快なシャッフル<Aspen>と日本で特に受けが良かった<Miles Away>(共に91年)、ラテンのグルーヴ&旋律を巧みに取り入れた<Caribbean Breeze>(00年)他、傑作が非常に多いが、彼らの歴史を踏まえた上で選出するならばやはりここに落ち着く気がする。代名詞とも言うべき分厚いリッピントンズ・サウンドを纏った、今なおライヴの定番チューン。カール・アンダーソンの男気溢れるヴォイスもまさに胸に刺さる感動ものだ。
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<2月2日(金)> |
「今日の出来事」
●午前中から「Adult Oriented Radio」 の最終選曲+進行表制作。2月10日(土)の放送分ですが、番組の後半は先日収録したボニー・ジェイムスさんをゲストに迎えてコーナーなので改めてそのナレーションを中心とした"組み立て"を行い、これが結構時間を食ってしまったり、という感じでした。なるべくナレーションは全て行かせたいと思いつつ、しかし、かなり長い所も在るし、多少切った方が良いと思う箇所は調整しetc.。結局、1時からの収録にギリギリ間に合ったという時間になってしまいました。そして3時間弱で無事1本終え、夜、再び「Adult Oriented Radio」 の収録。今度は、アドリブ山崎さんを迎えて、早くも2月24日分の後半を録ってしまう進行の早さ。山崎さんのスケジュールで今日しかなかった、という感じでした。今回はいまだに引きずっているマイケル・ブレッカーさんの死去関連で約30分、そして残りが、ディスコあり、ワールドありの山ちゃんワールド全開編、という流れでした。そして9時頃から食事をして11時前には解散する健全な流れ。丁度、帰る頃、お友達の女性シンガーから呑みのお誘い(なんだか、レコード会社の部長さん、プロデューサーさんクラスと渋谷で新年会をやっているからおいで、というお誘いでした)があったのですが、やはり、こういう時のフットワークが軽くなくなっちゃいましたね、45歳。今日はもう帰るわ、とお断りしちゃいました。「可愛い女の子、いっぱい居るよ」という言葉には後ろ髪惹かれましたが、女性の言う可愛いのって、あてにならないから(笑)。って、失礼しました!
「Smooth Jazz Song File」
(33)Theo Bishop <Newport Nights> from『Newport Nights』(2004:Native Language)
●セオ・ビショップは、ダン・シーゲル、ジェフ・カシワ、スティーヴ・オリヴァー他、多くの名作を世に送り出したレーベル:Native Languageの創設者の1人で、いろいろなアルバムにキーボード奏者、あるいはプロデューサーとして参加している。彼自身のウエブを見ると、生まれはオレゴン州ポートランドで、一番上の兄はシンガー、ソングライターのランディ・ビショップということが記され、好きなキーボーディストとしてブッカー・T・ジョーンズ、デヴィッド・フォスターの名前を挙げている。自身のソロ作は今のところこの『Newport Nights』ただ1枚。洗練されたスムース・ジャズの王道が存分に楽しめ、スパイス的に、よりジャジー、あるいはよりブルージーな楽曲も登場する。ゲストはジミー・ハスリップ、ブライアン・ヒューズ、ジェフ・カシワ、ホヮン・カルロス・クインテーロ他。ベスト・トラックはやはりこのタイトル・チューンであろう。Native Languageのコンピレーションにも収められた軽快なメロディが心地好い。
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<2月1日(木)> |
「今日の出来事」
●今日もあっという間に就寝時間を迎えてしまう忙しい1日でした。まずは例によってお昼から「Premium DJ Zone」の生放送を2時間。今回は今日は「中田利樹の選ぶ究極のAORアルバム36選」の4週目で、ボビー・コールドウェルの1st、スニーカーの1st、そして、ランディ・グッドラムの1stをクローズ・アップしました。その他にも、今頃ハマっているMonetの曲をかけたり(ボズさんのバック・シンガーではありません)、Nilsの新作からタイトル・チューンをOAしたり、例によってスムース・ジャズ〜AORの流れで楽しくやらせて頂きました。そして3時から一件後楽園でハワイ音楽関係の打ち合わせをし、4時半頃いったん帰宅。雑務をいろいろとこなして、6時半過ぎに再び外出。「Premium DJ Zone」のスタッフと初の食事会を行いました。プロデューサーのS氏は今、TOKYO FMの社員になっていますが、元々はJ-WAVEのサマー・セミナーの出身。サマー・セミナーとは1988年に開局したJ-WAVEが翌年から夏に数回行ったナヴィゲイター&ディレクター養成講座?で、自分はナヴィゲイターになりたい、ディレクターになりたい、という人材をリスナーから募集し、かなりの倍率の後、残った約20人?ずつが3回くらいの講習で番組制作を体験する、というものでした。昨日今日初めて出会った人たちがナヴィゲイターとディレクターでペアを組んで2人でどういう番組を作りたい、を打ち合わせ、最終日に10分だかの番組を制作するという流れだったのですが、端から見ていると、一種の合コン〜2ショットへと移って行く流れというか、お見合いというか、ちょっぴり羨ましかったです、当時(笑)。まあ、でも、お互いの音楽的な趣味も性格も全く把握しないまま2人で話し合って番組を企画しろ、と(全くの素人さんが)言われんですから、これは上手く出来なくたってしょうがないですよね。で、話し戻って、そのSプロデューサーがディレクター・コースでそこに参加し、最後の番組制作時にサポート役で付いていたディレクターが私だった、という偶然には超吃驚。いやあ〜、知らなかった! なんとも不思議なご縁ですね。なので、今夜の飲み会中も中田は彼のことを"クン"で呼んだり"さん"で呼んだり、微妙な立ち位置?でした。でも、彼が私の事を"中田ちゃん"と呼ぶ事はもちろん無かったですが(笑)。FM業界は全然、"ザ・芸能界"してはいませんから。会は盛り上がって11時半頃、明るく終了。例によって締めに食したうどんが美味でした(呑んだお店は讃岐うどんの「じゃぶかま」です、渋谷:東急ハンズ近くの)。
「Smooth Jazz Song File」
(32)Patti Austin <Say You Love Me> from『End Of A Rainbow』(1976:CTI)
●Smooth Jazzというカテゴリーに於ける最も重要なキーワードはあくまでもその名称の前半に置かれた"スムース"のほうであり、音楽ジャンルとしての"ジャズ"よりも、"ジャジーな雰囲気"がポイントになってくる。そしてまさにこのパティ・オースティンこそ、そんなテイストを地で行くシンガーであろう。フュージョン、ブラコン、アダルト・コンテンポラリー…アルバム毎に音楽性を変えつつも品の好い都会的な香りは決して失われず、結果、彼女の楽曲の大半がスムース・ジャズというカテゴリーの中にスッポリと収まってしまうのだ。コード進行はミニー・リパートンの名曲<Lovin' You>と全く一緒だが、この曲<Say You Love Me>はパティのメロディ&言葉に対するピュアーな感性が生み出した不滅の名曲だと確信している。アレンジはデヴィッド・マシューズで、クラヴィネット:リチャード・ティー、ドラムス:スティーヴ・ガッド他、バックはNYの俊英たちが担当。なんとも言えない和みの世界は30年以上が経過した今なお全く薄れていない。
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