<2月20日(火)>

「今日の出来事」

●例によって「Adult Oriented Radio」 の検聴、Qシート書き、音源発送を済ませ、午後2くらいからCOOL USENの選曲。3月のアーティスト特集でネッド・ドヒニーの2時間を選曲。アルバムが6〜7枚あるとは言え2時間分セレクトするのは結構大変でした、60分でしたらしっかりと中身の濃いものが作れるとは思いますが。

●夜は、某女子大生と懇親会。合コンではなく懇親会です、あくまでも(笑)。放送研究会に属する女性が3人いて、いろいろと質問、相談を受けましたが、既に、大きな事務所に所属していた(過去形です)人もいてかなり積極的に活動しているサークルなんだな、を実感。感心しちゃいました。で、いきなり声優さんの声色をやってくれたかと思うと7時スタートの会で9時前に「じゃあ、私、そろそろ失礼します、門限があるので」と帰ってしまう、まさに台風のような人もいたり、かなり面白かったです。中田が大学生の時、業界の先輩と呑んだら緊張してろくに喋れなかっただろうな...を考えると今の子達は本当に自由のびのび、ですね。羨ましい! こちら側も基本的には某放送局のプロデューサー、フリーのラジオ・ディレクター、リミキサー等を集めて行ったので(注:あくまでも懇親会です、念のため)、何かのご縁に繋がれば良いのですが、どうなることやら....(私は名刺あげていないのでNothing will be happenedですが<笑>)。一応、スムース・ジャズを宜しくね!と、宣伝はしておいたのですが...。

「Smooth Jazz Song File」
(51)Steve Cole <NY LA>
 from『NY LA』(2003:Warner)


●スティーヴ・コールはブライアン・カルバートソンのバンドで長い間プレイしていたサックス奏者。1998年にそのカルバートソンのプロデュースでAtlantic/Bluemoonからソロ・デビューを飾り、ビルボード誌のContemporary Jazz Albumsチャートで11位を記録する好スタートを切る。その後も確実に支持を集め、2003年の3作目『NY LA』は最高6位まで上昇、彼の代表作品になっている。そこではそのタイトル通りに東西両方の海岸でレコーディングを行い豪華なミュージシャンを集めているが、この曲はそのアルバムのオープニングを飾っていたタイトル・チューン。カルバートソンとコールの共作で、コールの音楽性を見事に反映するかのようなポップ感とドライヴ感が存分に味わえる。テナーを中心とした男気溢れるトーンでスムース・ジャズ道のど真ん中を歩むスティーヴ・コール。この後も『Spin』(2005年)収録の<Thursday>、そして『True』(2006年)収録の<Metro>等で彼らしさを爆発させている。

<2月19日(月)>

「今日の出来事」

●午前中から「Adult Oriented Radio」 の選曲、進行表作りをして午後からゆっくり収録。今日は24日(土)放送分で、後半の1時間、アドリブ:山崎エディター登場パートは既に録り終えているので前半の1時間だけ。非常に楽でした。ビル・チャンプリン特集の3回目は彼がリード・ヴォーカルでゲスト参加したトラックから5曲を厳選。久々に聴いた<Isn't She Lovely>におけるジェフ・ポーカロさんのドラムス、相変わらず気持ち好かったです。

「Smooth Jazz Song File」
(50)Dave Grusin <Mountain Dance>
 from『Mountain Dance』(1980:JVC)


●スムース・ジャズに於ける理想的なピアノの在り方、そのお手本となったのはやはりデヴィッド・ベノワだと考えるが、そんな彼もやはりこのデイヴ・グルーシン、そしてジョー・サンプルのブレイク無くしてあのスタイルは作り上げられなかったであろう。親しみ易いメロディーを繊細なタッチと知的なハーモニーで表現。本能の赴くままに弾きまくるよりも数段難しい作業であることは間違いない。そんなグルーシンの名刺代わりとも言うべきこの曲はまさにスムース・ジャズ・クラシックスの大定番。きらびやかな輝きを持つ誰の耳にも心地好い作品だが、実は結構複雑な作りになっていて、特にピアノのリズムの取り方は一筋縄では行かないもの。クラシックのピアノもちゃんと弾きこなすであろうグルーシンだからこそ生み出せた1曲だ。録音はNYで行われ、バックにはマーカス・ミラー&ハーヴィー・メイスンのリズム隊とジェフ・ミロノヴ(g)、イアン・アンダーウッド(synth)他が参加。84年に映画『恋に落ちて』で使われ、さらなる注目を集めた。

<2月18日(日)>

「今日の出来事」

●またまたいけない二日酔いクンです。確かに夕べはかなりはしゃいでました。午前中全く機能せず、そして午後も3時頃からようやく始動。次回の「Premium DJ Zone」の選曲を仕上げて進行表を作り上げました。今回は特に煮詰まったり、はたまた、どうしても1曲ピタッとハマるのが無い!といった悩みは生じませんでしたが、改めて、"選曲はパズルみたいなものだなあ〜"と実感する私。
 そして、「Smooth Jazz Song File」を今日も1週間分くらいまとめて書き上げストック作りに精を出しました。それと、Fileには入って来ませんが、Walter Beasleyの新作、非常に好かったです。昔からずっと好きな1人であることは間違いないのですが、今ひとつこれだ!という強力な武器に欠ける気がしていたのもまた事実。しかし、今回はかなり良いです。出掛ける時もiPodで聴いてます。タイトルは『Ready For Love』。Heads Upからのリリースで、ウォルター本人の他に、ピーセズ・オブ・ア・ドリームのジェイムス・ロイドが2曲、そしてフィル・デイヴィスが3曲、それぞれプロデュースを担当。デニース・ウィリアムスの<Free>と、ウィリアム・デヴォーンの<Be Thankful(For What You Got)>をカヴァーしています。ビルボード誌のContemporary Jazz Albumsチャートでは今までで最高の2位を記録しています! スムース・ジャズ好きは必聴です。

「Smooth Jazz Song File」
(49)Ken Navarro <Out Of The Blue>
 from『Smooth Sensation』(1997:Positive Music)


●ソロ・アーチストとしてはもちろん、スムース・ジャズの専門レーベル:Positive Musicの主宰者としても、20年近くに渡ってシーンを牽引して来たケン・ナヴァロ。時として4ビート系のフルアコや、はたまたL.A.のスタジオ・ミュージシャン的なクリア・ディストーションのエレクトリックもプレイするが、歌心溢れるナイロン弦のギターこそが彼のトレードマークであり、メロディメイカーとしての才能はシーン全体を見渡しても頭一つ抜き出た素晴らしいものを持っている。名曲、要チェック曲は非常に多く、2005年のアルバム『Love Coloured Soul』に収められた<You Are Everything>も長期にわたってベスト10入りした定番チューンだが、エリック・マリエンサルのソプラノ・サックス、ジェイ・ロウのエレピが美しく絡むこの曲こそがケン・ナヴァロの魅力を100%表現したナンバーだと判断。本拠地は東海岸メリーランドながら、まるでウエスト・コースト在住かのような陽光たっぷりのサウンドが聴き手をリゾート地へと導いてくれる。

<2月17日(土)>

「今日の出来事」

●マイ・ペースの土曜日。夜も友達とご飯を食べたらあっという間に2時....。楽しい時間は本当に過ぎるのが速いです。

「Smooth Jazz Song File」
(48)Soundscape UK <Brand New Day>
 from『Surreal Thing』(1998:Instinct)


●サウンドスケープUKは、ミック・タルボットとクリス・バングスという、ロンドンの強者2人が手を組んだユニット。タルボットは元スタイル・カウンシルのキーボーディストで、一方のバングスはアシッド・ジャズ系のアルバムに多数関わっているプロデューサーだ。1990年代中盤、ガリアーノのレコーディングに携わった2人が意気投合し、このグループがスタート。2000年までに3枚のアルバムを発表し、アメリカでもかなりの好リアクションを得ている。70年代のソウル・ミュージックをベースにしたスムースなサウンド。アルバムの中には、かなりアシッドなもの、ヒップなものも登場するがあくまでもそれらはスパイスの一部であり、主役となるのはこういったラジオ・オリエンテッドな楽曲だ。軽やかなグルーヴに乗せたまろやかなエレピ。そこにオクターヴ奏法によるギターが絡み、ヒューマンなサックスがメロディを奏でる極上のソフィスティケイテッド・ワールド。"今、改めてSoundscape UK !"と、声を大にして訴えかけたい!

<2月16日(金)>

「今日の出来事」

●午前中は雑務&選曲リスト作成。そしてお昼から虎ノ門のホテルでランチ・バッフェ・ミーティング。ハワイ関連のイヴェントで何か出来ないか、を持ちかけられた次第です。なんとか力になりたいですが、それよりは、媒体の人を紹介した方が手っ取り早いだろうと、ハワイのコンテンポラリー・ポップスがふんだんにオン・エアーされるInter FMの週末番組「Weekend Cruise」(DJはヴァンスKさん。ランスもジョン・バセバセもこの番組にゲストで出演したことがあります)のプロデューサーにも同席してもらい、有意義なひと時が過ごせました。

●その後、家に戻って再び雑用関係。そして夜は早めに来週の「Premium DJ Zone」の選曲を8割方済ませました。

●と、そんな夜中に哀しい知らせが....
 ジョン・オバニオンさんが2月14日、亡くなられたというメールがジョーイ・カルボーンさんから入りました。ここ数年、いろいろと格闘なさっていたようですが、数日前に昏睡状態になり、そのまま天へと旅立たれた、ということです。
 実は2日前、ジョーイさんが知人から届いたメールをそのまま転送してくれたんです、「トシ、悲しい知らせだ」とひと言だけ添えて。それには、「"OB"が昏睡状態で、あと2〜3日の命になってしまった」という内容が記されていました。この時点で"OB"というのがジョン・オバニオンさんなのでは..という嫌な予感もありました。何故ならば、私が全く知らない人の話しをジョーイさんがメールしてくるはずは無いからです。ただ、他にOBというイニシャルの人は居ないだろうかと考えたり、まさか、ジョン・オバニオンさんのわけはない、中田の勘違いだろうと、思うように務めたりもしていました。
 そして本日、ジョーイさんから再びメール。今回も短い文章で、「John has passed away」の一行だけが記されていました。直ぐに彼に「Johnって、まさか、ジョン・オバニオンのことではないですよね? 『トシ、それは勘違いだよ』って言って欲しい..」と返信したのですが、その返りが今日の夜中にありました。「そう、トシさん、ジョン・オバニオンが他界しました。ヴァレンタイン・デーの日...彼の60回目の誕生日の2日前に。My heart is broken」と。
 ジョーイさんはもう25年以上も前からジョンさんの大親友でしたから、本当にその辛い気持ちを察することが出来ます。何か言葉をかけてあげたく、携帯電話にかけてみたのですが捕まりませんでした。1月の下旬から東京に来ているはずだったのですが、もう帰ってしまったのでしょうか....いや、こんな時に仕事関係やプライヴェートの電話がかかって来ても冷静に話せないと思って最初から電源を入れていなかったのかもしれません、直接離すことは出来ませんでした。また時を見て再度捕まえてみたいと思います....。
 素晴らしい才能がまたひとつ大地を去ってしまいました。
 故ジョン・オバニオンさんに対し、心からご冥福をお祈り致します。

「Smooth Jazz Song File」
(47)Greg Adams <Felix The Cat>
 from『Felix The Cat』(2006:Ripa)


●元タワー・オブ・パワーのトランぺッターにしてホーン・アレンジの核となっていたグレッグ・アダムス。グループを脱退してから早10年以上が経過し、リーダー作も2006年の『Felix The Cat』で4枚目を数える。この曲はそのアルバムのオープニングを飾るタイトル・チューンで、出だしからサックス5本によるホーン・アンサンブルが心地好く耳に飛び込んでくる。5人とは、テナーのリチャード・エリオットとボニー・ジェイムス、アルトのエリック・マリエンサルとミンディ・エイベアというVIP陣+バリトンのジョニー・バモントで、オーヴァーダブではなく全員一緒に演奏している。また、ジョニーを除く4人は短いソロの回しも披露。エリック→リチャード→ミンディ→ボニーの順で個性豊かなサウンドが体感出来る。とは言え、そういったゲストが主役ではなく、全てはグレッグ・アダムスが奏でるメロディアスな主旋律に集約される。ミュートしたペットはクールなのにどこまでも温かい。聴くほどに人柄が伝わってくるワン&オンリーのトーン、まさに脱帽ものだ。

<2月15日(木)>

「今日の出来事」

●お昼から2時間生放送。今回はTOTO『TOTO』、ジェイ・P・モーガン『Jaye P. Morgan』、マーク・ジョーダン『Blue Desert』をクローズ・アップし、その他、ポップからスムース・ジャズまで楽しく紹介させて頂きました。1曲目はピーボ・ブライスンによる<Minute By Minute>(1980年)で、2曲目はパブロ・クルーズ<Whatcha Gonna Do>、悩んだ3曲目はリッキー・ピーターソンの<Can We Still Be Friends>になって....という流れで20曲ちょい。まさに、私服のひと時です(変換ミスではなく、普段着の自分、ありのままで行ける、という意味で、私服のひと時かな、と)。

●番組終了後、表参道で大作曲家の林哲司さん&大手新聞社の方と3人でとある企画の打ち合わせ。1時間半くらい真面目に話し合いました。場所はスパイラル・ホールの1階のティー・ルームなんですが、平日の昼間はまさに業界人の打ち合わせ場所、という感じで、なんかドキドキしちゃいますね、知り合いに会わないか(って、会って困ることは一つもないのですが<笑>)。
 企画自体はAORに関係することで、話しに出たことが実現したら、すっごく面白い&貴重なものになります。年内に仕上げて、来年の春にでも発売出来たら....そんな一品です。

●吉田の鐘太郎さんが風邪でダウンしてしまった模様。インフルエンザかも...と電話の向こう口から元気の無い声が。そして、某レコード会社のプロデューサーさんからも「中田さん、ノロ・ウィルスにかかっちゃいました〜! 食べては居ないんですが、牡蠣に触ったのが原因だろう、って医者に言われて...恥ずかしい話しですが、2日間、下痢とか酷くて...」と連絡が。またまた流行ってますね、私も気を付けます!

「Smooth Jazz Song File」
(46)Victor Fields <Bluesette>
 from『52nd Street』(2002:Regina)


●ヴィクター・フィールズはサン・フランシスコをベースにする黒人ヴォーカリストで、最大の売りはウィル・ダウニングに通じるスムース&マイルドな歌声。彼のアルバムは毎回カヴァー曲が大半を占めるが、敢えて既製の名曲に挑む精神は恐らく自分の表現法にそれだけの自信があるからだろう。決して安直なカヴァーでは終わらない、という自信が。ソロ作は4枚発表し、2枚目以降が全てクリス・カモージーのプロデュース。そのうちの最初の作品『52nd Street』はビルボード誌のContemporary Jazz Albumsチャートで16位まで上がるヒットを記録し、世間に大きくアピールした。この曲はそこに収められていた必聴曲で、トゥーツ・シールマンスが書いた古いジャズ・ワルツを軽めのサンバにアレンジしている。ヴィクターの美声に加え、デュエット・パートナーを務めるクラウディア・ヴィレラもこれまたシルキーな歌声を聴かせ、まさに完璧な組み合わせ。今となっては死語かもしれないが、"エレガント・ミュージック"という言葉を思い出さずにはいられなかった。

<2月14日(水)>

「今日の出来事」

●今日は午前中からずっとデータの整理。そして、午後3時頃からいつもの買い出し&料理。今日はいつも以上に仕込みに時間が掛かりましたが、作ったのは3品だけ。いつもと違うスーパーに行ったので多少違ったアプローチが出来た気はしますが..。後片付けも済ませ、夜は再びデータ入力。日々の積み重ねなくして今の私は有りませんからね。

「Smooth Jazz Song File」
(45)Chris Camozzi <Suede>
 from『Suede』(1997:Discovery)


●サン・フランシスコ/ベイ・エリアで活躍するギタリスト、クリス・カモージー。初めてのリーダー作は1996年にHigher Octaveから出た『Windows Of My Soul』で、それを全編プロデュースしていたのがトム・キーンだったことから、コアなAORフリークにその名が知られるようになった。尤も、それ以前からSFのスタジオ・シーンでは売れっ子の存在で、ジョナサン・ケインやトム・コスターといったベイ・エリア派はもちろん、マライア・キャリーやホィットニー・ヒューストン他ナラダ・マイケル・ウォルデンがプロデュースしたトラックで、クレジットを見つけることが出来る。この曲はクリス本人がプロデュースした2作めのオープニング・チューンで、グルーヴィーなリズムに乗せたキャッチー&ソリッドなメロディが耳に残る。アルバムにはデイヴ・コズ、リチャード・エリオット、リック・ブラウン他をフィーチャーした曲があり、それらもかなりの高水準。また、2001年作品は全編ジェフ・ローバーのプロデュースで、よりスムースに仕上がっている。

<2月13日(火)>

「今日の出来事」

●昨日大半を済ませた木曜:生放送の選曲を仕上げようと思ったところ、どうしても2ヶ所(各1曲ずつ)納得のいく流れが作れず、結局、何十曲も聴いてはデータを取り、ようやくはめ込むことが出来ました。1つはエリック・クラプトンのインストとルパート・ホームズの間で、もう1つはオープニングの3曲目。前者は、ジョニ・ミッチェルの<Help Me>が見事な橋渡し役となり、後者は、とある人の<Can We Still Be Friends>で合意に達しました。たかが1曲、されど1曲。とにかく、納得いくまで何時間でも掛けますので、私。選曲は面白いです。奥が深いと言うか答えが無いと言うか。そして番組の進行表も一気に制作し制作のN氏にメール。今日もまた夜の街へと消えて行く私です(笑)。

●そのナイトタイムですが、今日は友達の誕生会。計3人のごくごく内輪会ですが、相変わらずプレゼントを買うのは超苦手な私です。ただ、店を選ぶのは大好きなので、韓国料理→ジャズ/スムース・ジャズがかかるバー→行きつけのバーという3軒をさっさっさと誘導。それでもちゃんと電車で帰る健全な生活でした。ちなみに、2軒目は新宿の東口にある老舗Candyというお店なのですが、ここでかかっていたアルバムが好かったのでマスターに訊ねたところ、Black Gold Massiveと解って吃驚。我が家に1枚在ったはずだけれど、そう言えば買ってから未だちゃんと聴いてなかったな、それと、さらにもう1枚在ったのは知らなかった、と学習して帰った次第ですが、なんてことない、私が持っているCDのジャケ違い日本盤でした。ちょっとホッ、です。彼らはCindy Mizelleがヴォーカルを務めるスムースなファンク・ジャズ・ユニットで、(外盤の)1曲目なんかインコグニートのメイザ・リークを思い出さずに入られません(日本盤とは曲順違うようでした)。曲好し、ヴォーカル好し、音の作り方好し、と3拍子揃っているので、将来的には下の「Smooth Jazz Song File」で紹介すること間違い無し、です。曲はカメール・ハインズの名曲<Sausalito Calling>からオアシス(!)の<Cast No Shadow>まで大半がカヴァーですが完全に自分たちの音になっていますし、N.Y.録音ながら多分にロンドン的な空気感もあって、それがまた好かったりします。因みに、日本盤を出しているレーベルはよく解らないところでした。ブラック系専門なのでしょうかね....

「Smooth Jazz Song File」
(44)Jonathan Cain <Elegance On The Catwalk>
 from『Piano With A View』(1995:Higher Octave)


●ジャーニーのキーボーディストとして名作『Escape』(1982年)他、数々のベスト・セラー作りに貢献したジョナサン・ケインは、1990年代中盤〜後半、ニュー・エイジのレーベル:Higher Octaveから3枚のソロ作を発表している。ジャーニーではギターのニール・ショーンも全く同じ時期、そこからインスト作品をリリースし、ニュー・エイジのチャートを上昇しているが、スムース・ジャズ的な肌触りではこちらジョナサンの方に軍配が上がる気がする。なにしろ、彼の書くメロディーは心の琴線に訴えるものが少なくないのだから。しかも、空気感こそニュー・エイジの名残を感じさせつつ、ジャズの音使いを多用せずポップス的コード進行だけで完結している点が彼らしく、この曲でも適度なグルーヴ感をバックに、"哀愁味漂うピアノをつま弾く貴公子の図"が伝わってくる。なお1998年の『For A Lifetime』にはデヴィッド・フォスターの<Love Theme From St. Elmo's Fire>によく似た名曲<A Day To Remember>が入っているのでこちらもご一聴を。

<2月12日(月)>

「今日の出来事」

●久しぶりにクール・サウンドCDの案内書(プレス・リリース)を制作しました。もちろん、物は、パイロットのデモ集と、そして、ケニー・ハーバート&ラブ・ホワットの『Songs Of Our Lives』。ゴメンナサイ、2月25日発売を考えていましたが、諸々の事情で3月10日に変更させて頂きます。で、そのリリース・インフォの制作なのですが、あまりに久しぶり、しかも、昨年夏にパソコンを新調してから初めてだったので、基本になるひな形も無く(以前使用していたソフトがもう使えません)、異常に時間が掛かってしまいました。でも、なんか、いよいよCD出すんだ!と、初心に戻った状態。巧く行きますように、と願う限りです。

●その他は、木曜日の生放送用の選曲を8割方済ませ、またまた選曲リストにどんどん曲をファイルし、スムース・ジャズの未聴CDをいろいろと聴いて、と、またまたあっという間に就寝時間を迎えてしまいました。ところで、今日からクシャミが出たり鼻が緩んだり...今年も来ちゃいましたね、例のやつ....頑張れ!

「Smooth Jazz Song File」
(43)Pieces Of A Dream <Pieces>
 from『Pieces』(1997:Blue Note)


●グローヴァー・ワシントンJr.の全面バック・アップによるデビューから早四半世紀が経過。スタート時はシンプルなトリオ編成だったが、その後、4〜7人組とアルバム毎に対応し、2006年作品にはオリジナル・メンバーのジェイムス・ロイド(key)とカーティス・ハーモン(ds)、この2人しかアーティスト写真が載っていない状態だ。ただし、スティーリー・ダンと同じで、この2人が居ればそれはまさにピーセズ・オブ・ア・ドリームそのもの。デビュー当時10代だった2人も今では40代へと突入し、曲作りにさらなる磨きをかけている。最新作に収められた<Forward Emotion>はジェイムスがナジーと共作したポップ・チューンで、R & R誌のスムース・ジャズ・チャートでは最高3位まで上がるヒットを記録、これまたグループの重要なレパートリーになっているが、彼らの持ち味とも言うべきクワイエット・ストームな空間度で語るならば、マキシ・プリーストをゲストに迎えたこの曲が最も"らしい"気がする。タイトルもグループ名とかけているし..。

<2月11日(日)>

「今日の出来事」

●「Adult Oriented Radio」 、2月17日放送分の検聴、そして、またまたいろいろな番組選曲用に、楽曲のデータを入力。そして、「Smooth Jazz Song File」も5日分くらいまとめて書きしっかりとストックを作っておきました。とりあえず、50回はクリアしました。これからも頑張ります。

●コットン・クラブのHPを訪問すると「ジャニータの追加公演決定!」のインフォが載っていました。3月9日(金)が新たに加わり、これで、7日〜10日の計4日公演となりました。因みに、初日の7日は1stも2ndも既に完売。ファン代表?としましては、実に嬉しいことです。

「Smooth Jazz Song File」
(42)Eric Essix <In From The Storm>
 from『Third Degree Burn』(1993:S6Jazz)


●ソロ・デビューは西海岸の通なインディ:Novaから、というギタリスト:エリック・エシックス。当時リリースされた日本盤は、ジャケットがポップなイラストに差し替えられていたので音に対してもそんなイメージを持ってしまったが、実際はアラバマに生まれデビュー後もそこをベースに活動するかなりアーシーなアーティストだ。決して、スタイリッシュなタイプではないが、温かみ溢れる旋律を打ち出し、スムース・ジャズのステーションとも程良い距離感が持てる人。成功らしい成功こそ収めていないがマイ・ペースで自己の音楽道を歩み続け、ソロ作は既に10枚を超えている。この曲は1993年の3作目に収められていたクールなナンバーで、Em9 - Gm9 - Dm9 - Fm9 - Cm9 - Em♭9 - Gmaj7 - B7(+5)と流れるように展開して行くコードが神秘的な空間を創り出している。また、それと見事に溶け合うケニア・ハサウェイのワードレス・ヴォイスも快感そのもの。マニアックながら無視は出来ない隠れた名曲だ。