<4月10日(火)> |
「今日の出来事」
●昨夕収録した「Adult Oriented Radio」 のダビング、検聴、Qシート書き、その他、鐘チャンさんの所に行ったりいろいろと細々した事をしているとあっという間に夕方に。そして夜はライヴのダブル・ヘッダー。メインは、コットン・クラブで観るシャカタク、なのですが、その前座?は、東京ドームでのビヨンセ。ちゃんとCDも聴いたことが無い、非フリークではございますが、どないなものかちょっと体験したいーー本人の歌・パフォーマンスはもちろん、セット、ステージ、そして、なにより、どういった客層なのかに触れてみたいーーというのがあったので、最初の1時間だけ、観させて頂こう、と思ったのですが、しっかり45分押して開演。なので、15分も観ないうちにドームを後にすることに....故に、全くコメント出来ません、残念ながら。でも、その分というか、心から満喫出来ました、シャカタクのステージ。いやあ、流石、ですね。理屈ではないです。オープニングから<Invitation>でもう惹き込まれーーしかも、ジル・セイワード+サポート・メンバーの女性によるツイン・フルート&コーラス、もう、一発で満面の笑みになってしまいます。まさに、"掴みはOK!" その後も、昔のヒット曲を中心に演奏してくれてあっという間の1時間強。最新作『Emotionally Blue』からもタイトル・チューン他2曲(かな?)を演ってくれましたが、このアルバムが、また完璧な日本人好みのシャカタク。昔のレパートリーとミックスしても全く浮かず、本当に完璧なショーでした。途中のビル・シャープのピアノ・ソロも非常にエンターテインしていましたし、ヴェテランならではの圧倒的な奥の深さを見せつけられた気がします。 ただひとつ。皆さん、お年を召されましたね....<Nightbirds>から早25年ですか? それじゃあしょうがないですが、昔の写真と較べて、誰1人解らない、いや、ベースの黒人:ジョージさんだけは変わりませんが、あとはかなり貫禄を纏われていて....でも、終演後のサイン会も賑わっていたり、日本のオーディエンスを大事にしてくれる姿にはただただ感謝。それだけあれば後は、贅沢言いません。2〜3週間前にメル友になったドラマーのロジャー・オデルさんと軽く談笑、何か機会があれば、引き続きkeep in touchで行きたいです。明日、11日(水)まで東京:丸の内のコットン・クラブで公演、その後は、13日(金)、14日(土)が大阪ブルーノート、そして、16日(月)が名古屋ブルーノート、となっています。かつて、親しんだ方はもちろん、最近、洋楽を聴き出した、という若いOLさんも、絶対に楽しめるステージです。無茶押し!
「Smooth Jazz Song File」
(100)Grover Washington, Jr. <Winelight> from『Winelight』(1980:Elektra)
●人気プロデューサーにしてスムース・ジャズ界のドン的存在ポール・ブラウン氏にインタヴューした時、彼はこう答えてくれた。「スムース・ジャズの起源はジョージ・ベンソンの『Breezin'』じゃないかな? あと、(自分がカヴァーした)マーク=アーモンドの『Other People's Rooms』も絶対にスムース・ジャズだよ」。そして、そんな彼がもう1枚、忘れずに挙げてくれたのがグローヴァー・ワシントンJr.の『Winelight』だった。ポール・ブラウンは2005年作品『The City』でタイトル・チューン<Winelight>をカヴァーし、2006年のRadio & Records誌:Smooth Jazzチャートで年間第1位に輝く大ヒットを記録している。グローヴァーと言えばこのアルバム、そして一般的には<Just The Two Of Us>、なのだろうが、ここでは敢えてその表題曲<Winelight>を推薦したい。この曲のクールな質感こそ究極のスムース・ジャズなのだから。現地のラジオ・ステーションからこの曲が流れて来たら....一切の会話は不要。ただただ身を委ねていたい....。
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<4月9日(月)> |
「今日の出来事」
●またまた懲りずに二日酔い....午前中はほぼ壊滅状態。そして、午後から頑張って今日収録の「Adult Oriented Radio」 の最終選曲&進行表作り。で、5時から8時まで収録。今日は、4月14日の前半と21日の前半を録ったわけですが、新コーナー:AC #1 Hits Inside Storiesは、体力&知力を使うので、結構好い運動です。お腹も空きます、本当に。
で、知り合いのプロデューサーさん&サックス奏者のmichiyo嬢と3人で打ち合わせ系食事。michiyoさんは5月21日(月)に渋谷のduoで行われるライヴ・イヴェント「duo style vol.2 SMOOTH JAZZ LADY'S NIGHT」に出演するのですが(ヴァイオリンの牧山純子さん、ユニットの:RENAJAさんと、計3組出演)、そのイヴェントの進行を私がやらせて頂くことになっていまして、その打ち合わせも兼ねた、という次第です。 私の役割は、開場から開演まで、及びセット・チェンジの間のBGM選曲、そして、出演者の紹介、スムース・ジャズとは?などを軽くお話しさせて頂く次第ですが、銀座のプランタンのお客さんを結構ご招待していたり女性が多く集まるイヴェントになりそうなので、私がずっと独りで、というのもなんですし、折角なのでスムース・ジャズ大好きな美女もゲストで登場して頂き、スムース・ジャズの魅力、ここが好き、をそれぞれ語って頂こうかな、と思っています。お招きするのは、音楽ライター、ラジオ&クラブDJの島田奈央子さん、そして、湘南ビーチFM:パーソナリティーの竹下由紀さん、この2人を予定しています。本日、綺麗なチラシも出来上がって来て、非常に好い感じです。ぜひとも、お越し下さいませ、お時間ございましたら。詳しくはduoさんのサイト:www.duomusicexchange.comをご訪問頂けますと幸いです。 で、話し戻って、その3人での打ち合わせ食事会、話しが盛り上がってくると各人、iPodを出して、これ知ってる? こういう曲どう? と、もう完全に3人の世界。何よりのつまみ、ですね、酒飲みにとっての(って、今朝は死んでたのに、夜になるともう完全復活です!)。で、じゃあ、もう1軒行こう、と、音楽が堪能出来る渋谷のバー:Rain Frogに行き、そこでも、「マスターこれかけて〜!」とほとんど占拠状態(笑)。ひとしきり盛り上がった後、JRで池袋まで戻り、今日は余裕で帰宅しました。
●ランスからメール。 「5月に1週間くらいL.A.に行っていろいろとレコーディングをしてこようと思ってるんだけれど、ジェイ(・グレイドン)と一緒に曲を書こう、って話しで盛り上がってるんだ。トシもその時、L.A.に来ないか?」 無茶苦茶美味しい話しですね。う〜ん、でも、そうですね....今はなかなか日本を離れられない状態で....
「Smooth Jazz Song File」
(99)Analysis <Nightlife> from『Nightlife』(2004:Q&W Music)
●いかにも、なジャケットで"カフェ・バー世代"のハートをくすぐるアナリシス。彼らはサン・フランシスコの郊外、サクラメントで結成されたグループで、中心となるA.D.バーライズは70年代後半、10人組ファンク・バンド、The 9th Creationでベース&アレンジを担当していたというキャリアの持ち主。アルバムはこれまでに3枚発表し、1996年の1stでは7人、98年の2ndでは6人だったメンバーがこの3作目でいきなり4人に減っている。その分、クリス・カモーズィー、プレストン・グラス、レイ・オビエドのS.F.勢がプロデューサーとして、また、ジェフ・ローバー、ニルス、ジェラルド・アルブライト他のL.A.勢がプレイヤーとしてそれぞれ参加。スムース・ジャズの旨味をグッと増加させている。中でもこのタイトル曲は完璧なラジオ・オリエンテッド・チューン。冒頭からかつてのシャカタクを思わせるヴォーカルを配し、なんともいい感じの"カフェ・バー気分"を届けてくれる。9曲目の<One Kiss(At A Time)>も同じ路線でグッド!
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<4月8日(日)> |
「今日の出来事」
●無事、今年も誕生日を迎えることが出来ました。46歳。もう既に体力的にも何的にも人生の下降線を辿っているとは思いますが(笑)、これからも頑張って生きていきたいと思います。いろいろな方からバースデー・メール or プレゼントを頂戴して恐縮の私ですが、一番嬉しかったのは、女優のみず穂ちゃんからの追伸メール。昨年の秋に俳優さん(CMやヴァラエティにも出ている、結構、知れている人です)と結婚なさったのですが、ご出産はどうなってるんだ〜と、私の周りで非常に気にしていたのです。で、「2月28日に第一子が誕生、一ヶ月検診も終え、すくすく育っています」という知らせが入り、非常に嬉しくなった次第です。思わず、水中花の面々に転送してしまったほどですから。近いうちにお祝いしたいです、最低贈り物だけでも。
●昼は選曲、進行表関係をいろいろと進め、ストックが無くなってしまった「Smooth Jazz Song File」の原稿を数本書いて...夜はお友達がお祝いしてくれるというので甘えて、7時スタート、3軒目の終了が3時前、という、またまた何時間呑んでるんだ〜コースをやってしまいました。これからもこんな生活を続けたら恐らく早死にするでしょう。そろそろ方向転換しないと....いや、まだ出来ないか....
「Smooth Jazz Song File」
(98)Paolo Rustichelli <Sol(Smooth Mix)> from『Neopagan』(2006:Next Age)
●パオロ・ラスティチェリはイタリア:ローマ出身のキーボード奏者。アルバムは2枚しか所有していないので彼の全貌を把握しているとはとても言い難いが、国内盤もリリースされた1992年作品『Capri』のライナーを読む限りでは、10代半ばにしてクラシックとロックを融合させたリーダー作を出していたり、映画音楽の作曲やアレンジを手掛けたり、かなりの才人の模様。なにしろそのアルバムには、マイルス・デイヴィス、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、カルロス・サンタナ他がゲスト参加しているのだからその実体はさぞかし凄い人なのだろう。そんなパオロの最新作にして、スムース・ジャズのステーションでよく流れていたのがこの曲だ。本人のヴォイス(これは生理的にかなり苦手...)以外は全てディジタル・プラグ・インというアルバムだが、ヨーロッパならではの陰影に満ちたメロディ、クールなエレピ・サウンドが妙にシネマティックに響いてくる。CD全編を堪能するのはちょっと厳しいが、この曲はかなりツボにはまった。
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<4月7日(土)> |
「今日の出来事」
●来週収録 or 生放送の番組、2つまとめて選曲を済ませました。これはこっち、これはそっち、と使い分けたり出来るので楽しいです。Kim Watersの最新作からかけるにしても、「Adult Oriented Radio」は歌もの、メローもの、「Premium DJ Zone」は多少ヒップでもOK、のように。ただ、肝心のCDが出て来ない! これは大きな問題です。つまり、選曲リストからチョイスしたり、はたまた、iTunesに入っている数千曲から、ああでもないこうでもないと格闘しながら並べていくのですが、いざ、CDを出して来ようと思っても、これが本当に探すの大変です、物によっては1時間とか、あるいは、諦めて、やっぱり他の曲に差し替えようなど、最終進行表にするまで、もうちょっと時間、掛かりそうです。 これは、「Smooth Jazzz Song File」に関しても全く同じことが言えて、すでに9割方、年間のローテーションを決めているのに、いざ、原稿を書こうと思うと、どこかにお散歩に行ってて見つからない...しょうがないから他の日と入れ替えよう、そのうちCD出てくるだろうから、という大雑把さ。ホント、少しは整理しないといけませんね....
●夕食後はまたまたナイター観ながら....のノンビリ日。あ、楽天がパ・リーグの3位に浮上しちゃいましたね、って言うことは、まさか、明日、雨...?(笑) それから海の向こうでは、デヴィルレイズの岩村選手、4打数4安打で打率トップに躍り出ちゃいました! メジャーの頂点ですから、これは凄い! って、まだ始まって3試合とかそこらじゃあ、全然、騒ぐことではありませんが...。
「Smooth Jazz Song File」
(97)Joyce Cooling <Before Dawn> from『Keeping Cool』(1999:Heads Up)
●生まれは東海岸ながらここ約20年、サン・フランシスコをベースに活動を続ける女性ギタリスト、ジョイス・クーリング。Heads Up、GRPを経て現在はNarada Jazzに在籍、最新作『Revolving Door』も素晴らしい内容で、どこまでもメロディを大切にする"しなやか"なプレイーー特に、ピックを使わないまろやかなトーンに優しく刺激をされてしまう。ウエス・モンゴメリーに触発されてギターを始め、他にもジョアン・ボスコとスティーヴィー・レイ・ヴォーンをフェイヴァリットに挙げる彼女。クラブ系のDJ達からは1988年の自主制作盤『Cameo』収録の<It's You>が人気らしいが、スムース・ジャズの観点から言うと、最新作に収められた<Mildred's Attraction>、『Keeping Cool』収録のこの曲、あるいは<Callie>といったナンバーの方が全然ジョイス・クーリングらしい。一聴して彼女、と解るほどだから。共作者にして最重要パートナー、ジェイ・ワグナーはヴィヴァ・ブラジルの中心人物にして、あの名曲<Skindo Le Le>の作者でもある。
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<4月6日(金)> |
「今日の出来事」
●今日は特にやらなくてはならないことがあるわけでもないので午前中からスムース・ジャズのチャートの整理。Radio & RecordsのSmooth Jazz Chartは毎週コピ・ペーしているのですが、もうず〜〜っとそのまま。ちゃんと別の表に移し替えて、そして、最高位が何位、というチェックもしてそれを別のリストに記載して...という作業を4ヶ月振り?くらいにやりました。30年くらい前にビルボード誌の全米トップ40を毎週ラジオで聴いて、それをノートにメモして....というのを週課(?)にしていらっしゃった方、たくさん居ると思いますが、なんか楽しいですよね、こういうの。ちなみに、現時点:4月6日付けの同チャートでトップの座に就いているのはPeter Whiteの<Mister Magic>。ホント、根強い人気です。
●午後も少しデータ整理関係をし、そして夕食当番を久々に担当。今週は非常にバタバタしていたのでなかなか出来なかったのですが、やはり週に1回はやらないと落ち着きません。今日は水菜を使った和風鍋。ホタテとエビを一生懸命細かくミンチにしたものに片栗粉他を加えて、いわゆるつみれのようにして入れてみました。もっと固くしたかったのですが、ちょっと柔らかかったのが残念。母親は美味しい、美味しいと言ってくれましたが。他はマカロニ&ポテト・サラダを作ったくらいで、あとは刺身を少々etc.。何を作るかのローテーションもだいたいひと月先までローテーションを組んでいるので、レパートリーはまだまだあります。とは言え、9割以上は初めて作るもので、かつ、何も料理の本など見ないので、出来上がってみないとどうなるか解らない状態ですが、大きく外したのは、餃子の正しい焼き方を知らなかったので一瞬の隙でかなり焦がしてしまった、というくらい。だいたいは、頭で考えているような味に収まっています。ただ、これは最高傑作!と呼べる品にはまだ出会っていませんが....
●その後は、今日の早朝に快投を演じ、メジャー・デビューを白星で飾った松坂大輔投手の試合をずっとBSで観ていました(巨人・阪神戦も随時チェックしながら)。松坂投手、オメデトウです! 10奪三振は流石、松坂! でも、昨日の調子だったら、そうは連勝出来ない気もしちゃいます。もっと強い球団、たくさんいますからね、メジャー・リーグ。なので、さらなる進化を期待しています。次回は早くもイチロー選手のシアトル・マリナーズと対戦予定、とか。超楽しみです。以上、今年もやっぱり西武ライオンズ・ファンの、元野球少年より、です。
●CD関係を全く読み込まなくなってしまった我が家のパソコン、購入時に加入しておいたアップル・ケアさんに電話で相談してみましたが、結局、1週間はお預かりになる&中のデータが全て亡くなる可能性もゼロではない、ということで、やはり外付けハード・ディスクなのか別のパソコンなのかを、購入してからじゃないとダメそうです。もうちょっと今のままで我慢せねば....。まあ、こうやって日記の更新は出来ますし、もちろん、メールも出来るので、実際はそれほど不自由はしていないのかな、と。
「Smooth Jazz Song File」
(96)Dirk Richter <Smooth Move> from『Vibes Alive』(1997:Sin-Drome)
●苗字の綴りからしてドイツ人アーティストではないかと思われるダーク・リヒター。細かなバイオは解らないが、1997年にSin-Dromeからリリースされた作品、と知れば、やはり興味を抱かずにはいられない。しかも、裏ジャケに記された「Featuring:Jeff Lorber、Luis Conte、Jimmy Haslip、Jimmy Johnson....」というL.A.オールスターズのクレジットがさらに聴指(?)をかき立てる。主人公はヴァイブラフォン奏者で、アルバム・タイトル通りの活き活きしたサウンドが魅力。ジャズ/フュージョン界にはヴァイブの名手が多数存在するが、これを、スムース・ジャズ、と限定すると、その数はグッと減少してしまうので、彼の放つクール&爽やかな質感は非常に貴重だ。アルバム全体、とにかく心地好いトーンで彩られているので、もう少し評価されて欲しかった。この曲はCDのオープニング&エンディング(ラジオ・エディット)に収められた勝負曲。ライトなグルーヴとちょっぴり哀愁を漂わせる旋律が、西海岸の夕景色とパーフェクトにマッチする。
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<4月5日(木)> |
「今日の出来事」
●午前中は、一昨日やったビル・カントスへのインタヴュー・テープの聴き直し&要点整理。そして、午後から彼のアルバム『Love Wins』のライナー書き。もう、発売までひと月と4日、それも、例のゴールデン・ウィークを挟んでいる、というのに、このスケジュールは驚異的です。他のメーカーさんでしたら、もう10日も20日も、ひょっとしたら30日も前に原稿の締め切り日が来ていたことでしょう。流石、天下(!)のキング・レコードさん。で、ライナーは3時間くらいで書き終え、A&RのNさんにサクッとメール。と、これで、本日はお役御免。夕食後も野球を観たり、実にリラックス。寝る前も最近一番のお気に入り、Kim Waters『You Are My Lady』(Shanachie)をフルで楽しみご満悦(?)な私です。早速、来週の収録、放送で活用したいです、このCD。
「Smooth Jazz Song File」
(95)Count Basic <On The Move(Mole Moves House)> from『Moving In The Right Direction』(1996:Instinct)
●偉大なるビッグ・バンド・リーダーをリスペクト(?)したグループ名で、ちょっとした注目を集めたロンドンのユニット、カウント・ベイシック。その頃、1990年代中盤はアシッド・ジャズ・ムーヴメントの全盛期で、彼らもそのシーンにおける注目のアーティストという紹介のされ方がしていた。プロデュースを手掛けたのがガリアーノのアーニー・マッコーンだった、ということも追い風になっていたし。しかしながら、アメリカのラジオ局にとっては、アシッド・ジャズと言うよりも良質なスムース・ジャズを奏でるグループと言う扱いが強く、1994年のNACチャート:No.1ソング<M.L. In The Sunshine>を始め、多くの曲が既に定番化している。グラマラスな女性シンガー、ケリー・セイの歌唱も実に魅力的だが、グループの要となるスイス人:ピーター・レガットのメロディアスなギターを前面に出したインストもこれまた捨て難い。特に、柔らか気分とクールなムードの両方が味わえるこの曲は必聴。ヴァイブのサウンドも実に効果的に鳴り響いている。
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<4月4日(水)> |
「今日の出来事」
●朝からアドリブ誌の「AOR通信」に取り掛かり、とりあえず行ける所まで執筆。10時半に家を出て「Premium DJ Zone」の生放送を12時から2時間。そうなんです、先週までは毎週木曜日でしたが、今月から毎週水曜日へとスイッチしました。そして、月も年度も曜日も変わったので各コーナーもリニューアル。今回から約20分のコーナ−3本だて+その他の選曲、と言う構成になりました。各コーナーは最初が「AOR いろはにほへと」、真ん中が「My Smooth Jazz Awards」、そして最後が「We Love "誰々" シリーズ」。
「いろはにほへと」は読んで字の如し、AORとはなんぞや、を初心者の方にも解り易く説明しつつ、ヒストリーやいろいろなカテゴリー、テーマで分けてご紹介していくコーナー。今日は1980年の黄金期に、最も多く女性リスナーを獲得したであろう2組他、全4曲をOA。
続いての「My Smooth Jazz Awards」は私が独断で選ぶ中田版スムース・ジャズ・グラミーで、4人のノミネート+受賞者の計5曲を紹介していくコーナー。1回目は「ギター編」で、ピーター・ホワイト先生がベスト・ギタリスト賞を獲得しました。次回はキーボード編です。
最後の「We Love "誰々" シリーズ」はマンスリー企画で、今月はスティーリー・ダンをピック・アップ。1曲目のみ本人達のナンバーで、続く2曲がスティーリー・ダンの曲のカヴァーを厳選して紹介。そして、ディレクターのNさんと2人で「今のカヴァーは合格! いや、今イチ!」を判断。ズバリ、OAでコメントしてしちゃいます。そして最後に、スティーリー・ダンを崇拝する人たちのオリジナル曲。手始めに、スティーリー・ダンの曲<Bad Sneakers>からグループ名を付けたほど彼らをリスペクトするスニーカーのナンバーをエアプレイしました。曲は、アドリブ:山崎さんをして「(1st)アルバムの中で一番スティーリー・ダンの空気を漂わせたナンバー」という<No More Lonely Days>。 とまあ、こんな流れでこれからも頑張って行きます。
●ちなみに、今日は、なんだか、懐かしい人、ご無沙汰していた人に会ったり見かけたり、という1日でした。「Premium DJ Zone」の前の番組のディレクターさんって、ちゃんとお話ししたことないですが、多分、私が業界入りたての頃にラジオ番組のADをやっていた人だと思いますし、番組終了後にスタッフと談笑していたら、録音番組のナレーション収録に来ていた喋り手さんと久々に会い、思わずハグ(笑)。その番組のディレクターさん(♀:大のAOR好き)とも数年振りに会話。 「今度、番組見学させて下さい!」 「好いけど、入場料取るよ」 とアホな会話。帰宅後「AOR通信」を完成させ、速攻でメールをし、その後、ビル・カントスのパフォーマンスを観に調布市仙川にある「KICK BACK CAFE」へ。そこでも、久しぶり〜!の人たちに大勢会いましたが、中でも、またまた思わずハグしちゃったのがシンガーのMINAKO OBATAさん。そうですよね、10年ちょっと前の彼女のデビュー時、ビルがいろいろとサポートしてましたからね。OBATAさん、マイ・ペースで歌っているようなので、そのうちライヴに足を運びたいと思います、ここで再会したのも何かの縁でしょうし。
で、肝心のビルのライヴですが、流石ですね、本当に安定していて、その質の高さに心から身を委ねることが出来ました。基本的にはピアノの弾き語りで、<Who Are You><Beautiful One>といった定番、そして、最新作『Love Wins』のナンバー + スタンダード2曲、他を披露してくれましたが、日本ではなかなかソロ・ギグを観れる人ではないので実に貴重でした。決して近い場所ではなかったですが(笑)、行く価値は十二分にありましたね。今度は、「KICK BACK CAFE」より少し遠い(笑)、L.A.のジャズ・クラブで観てみたいですね、バンド編成で。また、ツアーでも組みましょうか....いや、ホント、それくらい観る価値のあるアーティストだと改めて感じました。性格も無茶苦茶好い人だし、長めの髪とシャレオな髭をスーツでキメて、は、見た目もグレート! 神は二物を与えましたね....
●その後、一緒に行った吉田鐘太郎センセと中心部に戻って遅い夕食。新宿と新大久保の間にあるディープなタウンで韓国料理系を食したのですが、気が付いたらもう1時半。サクッとタクシーで帰って速攻で寝ました。ホント、毎日が、アッという間に終わってしまいます。
P.S. 某FM局のプロデューサーからBCCの一斉送信で転職の報告が。「4月2日からXXXX(他のFM局)に移りました」とは、かなりの衝撃。今後、どんな番組をプロデュースしてくれるのか、結構、期待しています。
「Smooth Jazz Song File」
(94)Bernard Oattes <Rules Of My Heart(Vocal Version)> from『Rules Of My Heart』(1997:ULG)
●ロブ・ファン・シェイクとのユニット:オーティス・ファン・シェイクでもAORの名曲<Everything About You>を残しているバーナード・オーツ。1992年のソロ・デビュー作『Frame By Frame』はボビー・コールドウェルのレーベル:Sin-Dromeから全米リリースされ、日本盤も登場。作曲家&キーボーディストとしての非凡な才能、ヴォーカリストとしての独自の個性で多くのリスナーを獲得した。続く95年の『Soul Defective』もAOR系のアルバムだったが、3作目の『Rules Of My Heart』ではインストを多く収録する等、いわゆるスムース・ジャズ路線に転換。当時のレーべル・メイト:ピーター・ホワイトとのコラボレーションを始め、楽器同士のメロディアスな対話を重要視していた。狙いはズバリ、スムース局でのエアプレイか? この曲はアルバムのタイトル・トラックでCDのオープニング(インスト)とエンディング(ヴォーカル)に登場するキー・トラック。シンプルかつ確かなプロダクションはまさにラジオ・オリエンテッドな音作りと言えよう。
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<4月3日(火)> |
「今日の出来事」
●今日はまた忙しい1日。朝一から昨日収録した「Adult Oriented Radio」の検聴、Qシート書きを行い、新コーナーを改めて1リスナーとしてチェック。ちょっと慌ただしい感じもしましたが、でも、結構、面白いかな〜、と。ディレクターのTさんも「好いコーナーですね」と自ら言ってくれましたし。で、11時過ぎから改めてビル・カントスの最新作『Love Wins』を聴き直し彼への質問事項を整理。そして2時半からキング・レコードでビルの取材。会うのは、彼がセルジオ・メンデスのバックで来日して以来、となりますから1年半くらいぶり、でしょうか? 相変わらずイイ男でした、顔も人柄も。売れて欲しいです、『Love Wins』。で、取材は1時間がアドリブ誌用で、30分が「Adult Oriented Radio」用のダブル・ヘッダー。アドリブ誌では新作のことを事細かに訊き、「Adult Oriented Radio」では新譜の話しはサクッと。それ以外に、ジェイ・グレイドン、ケヴィン・レトー、フィル・コリンズという、ビルが一緒に仕事をした3大ACアーティストのことをいろいろと語ってもらいました、共演するキッカケからユニークな裏話まで。中でもジェイさんとの話しは特に面白かったですね、特に10年ちょっと前にジェイ・グレイドン・バンドで来日する時の秘話、などは。大笑いです、中田。折角なので、その話しは、次回のアドリブ「AOR通信」に書いてしまいましょう、もう、締め切りは明日、明後日という感じですが。
●帰宅後、いろいろと雑用を済ませ、それからアドリブ誌のレヴュー書きを2本。まずは、木住野佳子さんがアレンジ、プレイに大活躍した高田なみ『Nami 〜The good days J-Pop〜』。好き時代のJ-Pop作品をジャジー、ボッサ、でカヴァーした柔らか系ヴォーカル・アルバムです。そしてもう1本は、捻り系ポップシンガー(兼ユニット):B.C.キャンプライトの『Hide, Run Away』。フィラデルフィアの出身ながら英国のOne Little Indian(ビョークが在籍するレーベル)からデビューを飾ったアーティストで、60年代、70年代のアートなポップ感覚を秘めた曲者さんです。そして、アドリブ誌用にもう1本、ジャニータのライヴ・リポートを書いて、本日は打ち止め。11時過ぎに寝てしまいました。
「Smooth Jazz Song File」
(93)Warren Bernhardt <Felinicity> from『Family Album』(1993:DMP)
●NYを代表するヴェテラン・ピアニスト、ウォーレン・バーンハート。60年代前半のポール・ウィンター・コンソートから始まり、アストラッド・ジルベルト、マイケル・フランクス、サイモン&ガーファンクル...様々なアーティストをサポートしてきた名手だが、中でもマイク・マイニエリ絡みのセッションは、フュージョン or ポップ・シーンの重要作品に挙げられるものが少なくない。1980年にAristaからリリースしたリーダー作『Manhattan Update』もそんな1枚だった。一方、AORファンにとっては1993年から始まったスティーリー・ダン再結成ツアーで音楽監督を任されたことが一番印象深いのではないだろうか。そして、そんな彼の作品の中で、スムース・ジャズ・ステーションから圧倒的な人気を呼んでいるのがこの曲だ。知的な旋律、クールなタッチ、独特の間。まさに大人のサウンドそのものだが、昨今のグレッグ・カルーカスやブライアン・シンプソンと共通する世界だと言うのが興味深い。作曲&プロデュースはチャック・ローブによるものだ。
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<4月2日(月)> |
「今日の出来事」
●午前中から「Adult Oriented Radio」の進行表を作り午後から収録。新コーナーにはやはり新しいジングル&テーマ曲が必要であろうと、いつもより早めに集合してそれらを制作(というほど大袈裟なものではないですが)。因みに、新コーナーは「AC #1 Hits:Inside Stories」というタイトルに決めました。ビルボード誌のAdult ContemporaryチャートでNo.1に輝いた曲の中から「Adult Oriented Radio」 の路線に合うものをピックアップし、そのヒットの背景にあるエピソードを紹介していくコーナーです。ネタ元は「The Billboard Book Of NUMBER ONE ADULT CONTEMPORARY HITS」(Billboard Books)という英語本ですが、これが本当に面白い! 中田は全く本を読まない(プロレス雑誌と新聞くらいしか読みません)のですが、これは読破したいですね、将来的には。ビルボードのポップ・チャートで1位になった曲のエピソード本は日本語訳が出ていたと記憶していますが、ACチャート本は無いんじゃないでしょうかね....在ったら全然楽なのですが..。
●さて、昨日突然襲って来たiTunes半故障状態。結局、レンズの汚れではなかったです。どうしましょう...すっごく拙いです。もう1台買わないと....Windowsのノートでも。出費がかさみます、新年度早々。どうせだったら、先週なって欲しかったです、前年度の経費に組み込めたので....。
●夜は、私の家から遠くない所でヴォーカル・レッスンの先生を務めた奥土居美可さんから電話が在ったので近所で食事。今日が1回目で、そこそこ生徒さんも集まったとか。主催が、アニメ関連のプロダクションだそうで、声優さん志望の若い女性が結構多かったとか....。現在は、声優さんも歌の一つや二つ歌えて当たり前なんですって(アニメの中で登場人物が歌を歌っているシーンが最近多いそうです)。私もそのうち生徒として登場する予定。なんか楽しみです。
「Smooth Jazz Song File」
(92)Nura <You're Not Alone> from『Nura』(2002:Start Music)
●2004年に出たコンピ盤『1st Annual Smooth Jazz.com Smoothie Award Winners』で初めてヌーラの存在を知った。そのCDは2枚組で、Disc-1がピーター・ホワイト、ノーマン・ブラウン、ミンディ・エイベア他の常連、Disc-2が注目のニューカマー、という風に色分けされていたのだが、エリック・ダリアス他を収めたDisc-2の中で、最も耳に残ったのがこの曲だった。その後、フル・アルバムも入手出来、彼女がカナダ東部のオンタリオ州をベースにする女性シンガーだということが確認出来た。歌声はいわゆるウィスパー系に属するのだろうが、浮遊感に溢れ実にエンジェリック。それが、捻りの多い曲調と相まって、なんともミステリアスな雰囲気を醸し出している。サウンド面で鍵を握るのは、曲作りのパートナーでベーシストのスチュアート・スタインハート。このアルバム以外では特に目だった動きは確認出来ていないが、ジャニータにおけるトミー・サッカリーのように、欠くことの出来ない"絶対的存在"と言えそうだ。彼の才能も要注目。
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<4月1日(日)> |
「今日の出来事」
●今日はまた非常に暖かな1日でした。思わず、外に散歩に行きたくなってしまい愛車(自転車です)を走らせると、我が家から20mくらいの所にある公園では早くも宴会が! そうなんです、桜が満開なんです、その公園。ちなみに、この時期はいつもですとハワイからランス教頭が来日しているのですが、今年は仕事で来れませんでした。逆に、本土に行っていたようで、よくメールが来ました、「トシ、このCDは持っているか? 余分に買っておいたから、持ってなかったら送るよ」といった愛に溢れたメールが。
●さて、今日も基本的には家でシコシコ仕事をしていましたが、非常に拙いことが起こってしまいました。iTunesが機能しなくなっちゃいました。インターネット・ラジオだったり、既に読み込んでいる曲は聴けるのですが、新たにCDを聴くことが出来なくなっちゃいました、....。知人曰く、レンズの汚れではないか?とのこと。明日にでもBig Cameraのパソコン館に行って、然るべきものを購入して来たいと思います。それでもダメだと痛いですねえ。修理なんかに出したらその間、全く仕事出来ませんから。もう1台買わないと....車の場合は車検だったり修理の間に「代車」のシステムが在りますが、パソコンだとそうはいかないですからね....。
●と、そんな中、インターネット・ラジオから流れて来たバーシアの<New York Afternoon>。何気に聴いていたので途中まで気付かなかったのですが、これって、アルバムには入っていないんですよね....。レーベルも収録アルバムも何年の曲も何も出なかったので全く持って不明の1曲ですが、そうだと余計に気になります。新譜でも出るのでしょうか....ただ、確かにバーシアのサウンドでしたが、男の人の声も結構入ってました。あれ〜、この曲、知らない〜!と気にし出した頃にはもう次の曲に移っていた、というよくあるパターンでしたが、きっと、これからも流れてくるでしょう。じっと待っています。
「Smooth Jazz Song File」
(91)Eric Darius <If I Ain't Got You You> from『Just Getting Started』(2006:Narada Jazz)
●5月頭に東京:丸の内のコットン・クラブで来日公演を行うサックス奏者、エリック・ダリアス。2004年、ケン・ナヴァロ全編プロデュースによるアルバム『Night On The Town』(Higher Octave)でメジャー・デビューを飾り、ビルボード誌のContemporary Jazz Albumsチャートで最高18位を記録。続いて、2006年に発表した『Just Getting Started』(Narada Jazz)ではポール・ブラウン、ブライアン・カルバートソン、ユージ・グルーヴがプロデュースに参加し、今度はアルバム・チャートの8位まで上昇。今、最も期待を集める若手プレイヤーの先頭に立った。ちなみに、2001年にインディからアルバムを発表した時、21歳だったと言うから今なお27歳くらい。それでいてこの円熟味は恐ろしい限り。特に、アリシア・キーズの名バラードをカヴァーしたこの曲のアルトで、彼の表現力の確かさが十分に伝わってくる。原曲通りのアレンジながら、決してイージー・リスニングでは終わらないハート&ソウルに唸ることしきり。
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