<5月31日(木)> |
「今日の出来事」
●思ったほど二日酔いではなく、午前中からパソコンに向かっていろいろと作業。溜まってしまった日記をしこしこと書き上げ、それから月末なので各種払い込みを済ませ、それから、来週月曜日に録音する「Adult Oriented Radio」ゲスト収録分の進行表を作りました。出演して下さるのはDIMENSIONのギタリスト、増崎孝司さん! 以前も1回出て頂いているのですが、お話しが非常に上手で、かつ、淡々と2枚目的な感じが深く印象に残っています。沼澤尚さんの時はジェフ・ポーカロさん話しが中心だったので、増崎さんの時は彼の親友であるスティーヴ・ルカサーさんの話しなんかが出て来たら嬉しいですね。あ、でも、ジェフさんと違ってルークさんの裏話しはオン・エアー出来ないようなものがほとんどかもしれませんが...(笑)。エニウェイ、非常に楽しみしています。オン・エアーは6月9日(土)の予定です。
●そして、午後4時前に家を出て、都内某スタジオで行われたガールズ・バンドのリハ&収録を覗きに行きました。 と、それは何かと言いますと、音楽無料配信サイト「ReMuTV」で行われている、ガールズ・バンドの募集・結成〜育成・デビューのドキュメントでございまして、そのバンドの音楽プロデュースを手掛けているのがナント、ミュージカル俳優&SSWにして、AORのコレクターでもある石井一孝氏、という流れです。なので、私もちょいと顔を出させて頂こうかな、と。ただ、バンドのメンバーにご挨拶は出来たのですが、時間の関係でちょうどリハと収録の合間にしかスタジオに居られなかったので、実際の演奏、観れなかったです。なんとも残念! でも、皆さん可愛くて明るくて直ぐに気に入ってしまいました、私(笑)。これからは、毎回、収録観に行きます、丸まる1日スケジュールを空けて(笑・笑)。 まあとにかく、かなり面白いことになりそうなので、お時間がございましたらReMuTV覗いてみて下さい。いきなりトップ・ページ右上で、石井さんのナヴィゲートによるバンドのオーディション話しがオン・エアーされますので! そしてもうひとつ! そのReMuTV(Real Music TVの略です)のサイトで、中田のレギュラー・コラムも間もなくスタートします! なので、その打ち合わせも兼ねてスタジオに足を運んだ、というのが実は本当のところですが、AORの裏話しとか、そういったものをコラムして行きますので、そちらも宜しくお願い致します。とりあえず月に2回更新の予定で、ものによっては、CS系の動画にもなるそうですので、ちょっとは頑張らないと....自分のサイトもろくに更新せず、他のところをお手伝いしている場合か〜?とかありますが、ま、そこのところは置いときましょう(笑)。
●夜は知人のサックス奏者さんと食事。飲ん兵衛なのでトータル4軒も行ってしまい、ビール、焼酎、日本酒、赤ワイン、カクテルとまあ、今振り返っても馬鹿としか言い用が無い呑みっぷり(?)でしたが、一番面白かったのは、新宿のジャズ・バー(?)、CANDYでカウンターに座って、かかる曲かかる曲をいちいちチェックしていた時でしょうか(一軒目のおでんやも非常に美味でしたが)。ジャズと言ってもスムース・ジャズ&フュージョンが半分以上!という選曲なので、中田はたまに顔を出すのですが、普段は3人以上で行き、テーブルに座ることが殆どなので、スピーカーの真ん前のカウンターに陣取るのはこれが初めて。非常に盛り上がりました。「あ、このサックスは....キム・ウォーターズじゃない...? マスター、これ誰???」という感じで熱い、熱い! また近いうちに行きたいです、さらに修行を積んで(笑)。
「Smooth Jazz Song File」
(151)Mr. Gone <Fresh Out The Box> from『Looking At The Future...Part Two』(1999:Internal Bass)
●Mr.ゴーンは、英国のジャズ・ファンク・グループ、ダウン・トゥ・ザ・ボーンのベーシストで、ブラック・ゴールド・マッシヴというユニットでも素晴らしいアルバムを出しているクリエイター、サイモン・T・ブラムレイのサイド・プロジェクト。97年にアルバムを発表しこれが2作目となるが、アメリカでは2002年に『Fresh Out The Box』のタイトルでリリースされ、2曲のボーナス・トラックが追加収録されている。その米盤発売時にタイトルとして使われるなど、この曲は『Looking At The Future...Part Two』の中でも一番のポピュラリティーを備えた楽曲だ。打ち込みのファンク・グルーヴにクールなローズの和音が乗り、ワウワウを使ったギター・カッティングとオルガンが彩りを添える。そしてアルト・サックスがシンプルなメロディを奏で、どことなくジャミロクワイの曲に通じる雰囲気を醸し出す。ループを多用しているのでアルバム全編を聴くのはちょっとしんどいが、こういった曲を巧く差し込むことによってラジオの選曲の流れに程良いアクセントが生まれるのは紛れも無い事実。名脇役的な1曲だ。
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<5月30日(水)> |
「今日の出来事」
●またまた溜まってしまった「Smooth Jazz Song File」の原稿を書き、そして、10時半過ぎに家を出て半蔵門へ。今日もまた12時から2時間の生放送を楽しくやらせて頂きました。「AOR いろはにほへと」は"ライヴで聴くAOR"としてTOTO<I Won't Hold You Back>(2002年録音)やジノ・ヴァネリ<Where Am I Going>他をOA、そして、「My Smooth Jazz Awards」はサックス編でやはりグローヴァーの<Winelight>で決まり、その他、デイヴ・コズ<Together Again>、ボニー・ジェイムス<After The Rain>、ポール・テイラー<Pleasure Seeker>、そして、個人的趣味と今後の期待を込めてダーレン・ラーン<Simple Song>をノミネート。しっかし、スムース・ジャズのカテゴリーの中でも圧倒的な最激戦区だけに、5組に絞るのが大変でした。溢れてしまった方々、本当に申し訳ございません。そして、「We Love "David Foster"」はホィットニー・ヒューストン、チャカ・カーン、ライオネル・リッチー、ディオンヌ・ワーウィック&ジョニー・マティスと、ポップな黒人勢でまとめてみました。
●放送終了後は、前の番組のDJさん:野村富美江嬢も交えてランチ会。3月までは関西でご活躍なさっていた方で、滅茶苦茶明るくノリの良い辺りは流石! 今後のご活躍、期待しております。
●そして帰宅後、雑務をちょこちょこっとこなし、夜の街へ。非常に楽しく呑めました、男3人で。
●クラブ・チッタの方からメールにて報告が。当社関連の某アーティストの公演が決まった、とのこと、でした。既に、マネージャーさんからはその話しをメールで教えてもらっていたので特に吃驚、というのはありませんが、正式に報告を頂くと、やっぱりかなりエキサイティングです! アーティスト名、公演日は、情報公開解禁になり次第、こちらでアナウンスさせて頂きますので、暫しお待ちをば。
「Smooth Jazz Song File」
(150)George Duke <Brazilian Love Affair> from『A Brazilian Love Affair』(1980:Epic)
●言わずと知れたフュージョン界を代表するキーボーディスト、ジョージ・デューク。スタンリー・クラークとのプロジェクトによる1981年の名バラード<Sweet Baby>はR&Bで6位、ACで16位、ポップで19位という好成績を収め、スムース・ジャズのステーションからも根強い人気を誇っている。同じくアメリカのラジオ局では1992年から2000年までのWarner Bros.在籍時の曲が結構プレイされ、特に2000年の『Cool』からは複数の曲がリピートされていた。個人的には2005年作品『Duke』(BPM)に収められたヴォーカル・チューン<Sausalito>にどうしようもなく心を惹かれてしまうが、客観的に判断するとやはりこの<Brazilian Love Affair>こそが「Smooth Jazz Song File」に最も相応しい1曲となろう。ファンキーなグルーヴ、ポップなメロディ、スタイリッシュなファルセット・ヴォイス、どれもが時空を超えた魅力を放ち、シャカタク他複数のカヴァーも誕生している。アルバム自体、ジョージがブラジルに飛びミルトン・ナシメント他と共演した意欲作として、当時、熱い注目を集めていた。
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<5月29日(火)> |
「今日の出来事」
●午前中から、昨日収録した「Adult Oriented Radio」 の検聴、Qシート書き、発送。そして、3月決算の数字が出たので消費税だ何だを収めに池袋の銀行に行ったりなんだりし、そして、またまた至福のひと時:夕食作り。今日は、焼きカツをメインにしたのですが、非常に美味しく出来ました。15cm x 10cmくらいの大きめの豚肉は、まあ、値段も安いのを選んだので(笑)そこそこの肉質でしたが、塩・胡椒が程良く馴染み、さらに焼く時も普通の油(サラダ・オイルとか)ではなく、オリーヴ・オイルを使ったので非常に香ばしく出来ました、青海苔も片面にまぶして。そして、折角なので、これを普通のソースで食べるのは勿体ないと、独自のソース作りに挑戦。まず、赤ワインを火にかけ、トンカツ・ソースだ、中濃ソースだ、サウンド・アイランド・ドレッシングだ、オイスター・ソースだ、塩だ、砂糖だ...を混ぜその都度味見。ある程度落ち着いて来たところで仕上げの"とろけるチーズ"を2枚加え一緒にグツグツと。これがまたカツと非常に好い相性を見せ家族からも好評でした。その他、我が家で取れた(笑)キクラゲを活かすために海鮮チャンポン麺無し(要は具だけ)を作り、さらに、餃子、キュウリ他の浅漬け、ブリトロの刺身、なども加え、そこそこのディナーになりました。美味しく出来た時は後片付けも楽しく出来ます。
「Smooth Jazz Song File」
(149)Oli Silk <Easy Does It> from『So Many Ways』(2006:Trippin'N'Rhythm)
●2006年にデビューしたソロ・アーティストの中で最も高い評価を得ているのがこのオリ・シルクだ。この曲<Easy Does It>がRadio & Records誌のスムース・ジャズ・チャートで最高20位を記録し、各種アワードでも最優秀新人賞の類いを獲得している。ジャケットの写真を見ても解るようにこのフィールドではかなり若いアーティストで現在28歳。出身はウエスト・ロンドンで、なるほど、アメリカのミュージシャンとは違う、一種の翳り、クールな雰囲気が何ともイケている。音の方も英国人ならではの気品高さが伺われ、作曲、キーボードのタッチ、そしてバラードからダンス系まで多彩な表現法を持ち、文字通りso many waysなサウンドを届けてくれる。全くの新人ではなく、過去にもSugar & Silkでアルバムを2枚発表したり、あるいはプロデューサーとしてこれまたイケメン・サックス奏者James Vargasのアルバムを手掛けたりと、既に玄人筋からは注目されていた存在だが、とにかくアルバム全編を通して楽しめる完成度の高さはとてもソロ・デビュー作とは思えないほど。まさに、スムース界の将来を担う逸材だ。
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<5月28日(月)> |
「今日の出来事」
●「Adult Oriented Radio」 の選曲を完成させ進行表を作って、"AC #1 Hits : Inside Stories"の訳も大まかに済ませ、午後から収録。夕方までに帰り、夜は家で食事。今週も中程に大きな(?)飲み会2本あるので、週の頭は体力温存です。
「Smooth Jazz Song File」
(148)Tok Tok Tok <Drowning In Love> from『From Soul To Soul』(2006:BHM)
●Tok Tok Tokはヴォーカルのトクンポ・アキンロとサックス&サウンド・メイキングのモンテル・クラインによるユニットで1988年にドイツで結成。これまでに6枚のアルバムを発表し、ヨーロッパでは非常に高い評価を受けている、ということだ。過去のアルバムは1枚しか聴いていないので多くは語れないが、ビクターから日本盤も出たこの最新作はいきつけのバーで頻繁にプレイされ、いつの間にか耳から離れなくなってしまった。スモーキーなファンク・ジャズ、でも、ポップ感も失わない雰囲気たっぷりのサウンドで、狭めな店の空間を非常にお洒落に彩っていた。アルバムは全曲がソウルやジャズ、時にロックのスーパースターに捧げた楽曲で構成され、アイザック・ヘイズ、ジェイムス・ブラウン、ハービー・ハンコック、サンタナ、エリカ・バドゥ、タワー・オブ・パワー他10数組へのリスペクトが表現されている。この曲はEW&Fに捧げられた、という1曲。曲調的には特にアースを思わせないが、シャーデー+ノラ・ジョーンズ的な歌の感じに思わずニンマリ。深夜の酒のお共には絶好のサウンドだ。
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<5月27日(日)> |
「今日の出来事」
●なんとか少し、「Smooth Jazz Song File」を書き、併せて、日記も更新。そして、あとは選曲大会! 「Premium DJ Zone」を済ませ、進行表を作って、ディレクターさんにメール。そして、「Adult Oriented Radio」 もある程度まで済ませ今日は就寝。いつもの日曜日、な1日でした。
「Smooth Jazz Song File」
(147)Juan Carlos Quintero <Porque No?> from『Juan Carlos Quintero』(1990:Nova)
●1990年代初頭、アメリカのラジオ・フォーマットのひとつとして新たにNAC=New Adult Contemporaryが立ち上げられ、ライト・フュージョン系の楽曲が頻繁にラジオで流れるようになった。それに伴い、インディ系のアーティストにも徐々に光が当たり、遂にはそのレーベルそのものにも注目が寄せられるようになる。このJ.C.クインテーロやブランダン・フィールズ、ケヴィン・レトー、ブライアン・ブロンバーグ他多くが在籍したNovaもその代表格で、コアな西海岸フュージョンの開拓は一部の聴き手からある種のリスペクトさえ手にしている。ただ、当時流行ったL.A.フュージョン・サウンドで、今聴いても全く色褪せていないものというのはそんなに多くない。アレンジも曲調も"時代の音という範疇での創造"に終わっていたからだ。しかしながら、コロンビア出身のギタリスト:J.C.クインテーロによるこの曲は今でもラジオから流れては新鮮な空気を運んでくれる。軽めのラテン・サウンドをバックに繰り広げられるギターとピアノのやり取りは何の無駄も無い洗練された一品。Simple is Best!を体感する名曲だ。
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<5月26日(土)> |
「今日の出来事」
●予定通り、極度の二日酔い。またまた、10時過ぎまで使い物にならず。「Smooth Jazz Song File」のストックが無いので、この日記が滞ってしまう....と解りつつも、頭を使う仕事は辛い...とまたまたおサボりクン。スミマセン。なので、頭を使わずに出来る作業ーーRadio & Records誌:Smooth Jazzチャートの集計とか、を、ちょこちょこやりました。それと、昨日とは変わって、今日はビージーズやバーブラ・ストライサンド、ポール・サイモンなど大御所達の使えそうな曲を改めてデータ取ってはリストに加え、をやってました。
●スムース・ジャズ系のCDのお話しを少々。 Oli Silkが以前組んでいたたユニット:Sugar & Soulの2nd、無茶苦茶好かったです、2002年にPassion Jazzから出ていた『Duality』。ケニー・ロギンスの<Love Will Follow>のカヴァーも歌もので演ってますが、それよりも、オリジナルのインストがクール&ジャジーでイケてます。計4曲、中田の選曲リスト入りしちゃいました。少し前に買ったものの、封を切らずそのままにしていたのですが、完璧ど真ん中だったので1stもインターネットで探してオーダー。今度は到着したら速攻で聴いちゃいます。 続いて、こちらも数日前に届いたFour80Eastの最新作、『En Route』。ようやく腰を落ち着けて聴くことが出来ましたが、流石に、チャートを上昇中の<Noodle Soup>はキャッチーで好いですね。あともう1曲リスト入りしましたが、でも、全体的には硬派でクール。完全に男向きの作品、という気がしました。
「Smooth Jazz Song File」
(146)Gabriela Anders <The Girl From Ipanema> from『Wanting』(1998:Warner)
●ご存じ、カルロス・ジョビンの名曲で、歌っているのは、かつてベレーザの名前でもアルバムを発表しているアルゼンティーナ、ガブリエラ・アンダース。アメリカでのソロ・デビューがメジャーのWarnerから、というのにまずは目を惹かれたが、そこに参加したプロデュース陣もジョージ・デューク(3曲)、ポール・ブラウン(5曲)、とまさに必勝態勢。残念ながらセールス的な成功は収めていないが内容は非常に素晴らしく、エリック・ベネイとのデュエット曲<Forever>やタイトル曲などが今でもラジオでプレイされている。中でもこの<The Girl From Ipanema>の完成度、独自性は特筆もので、まったりとした空気の中を泳ぐヴォーカルに誰もが安らぎを覚えることだろう。ポール・ブラウン制作によるトラックで、アレンジ&キーボードはグレッグ・カルーカス、まろやかなテナー・サックス・ソロはカーク・ウェイラム、という少数精鋭の布陣。他の曲にもニルス、リック・ブラウン、ポール・ジャクソンJr.…多くの名手が参加した、実にゴージャスなアルバムだ。
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<5月25日(金)> |
「今日の出来事」
●久々に結構な雨でした....今日はひたすら選曲の準備。来週の番組で使えたら好いな曲を探すべく、ず〜〜っとデータ取り。最近のマイ・ブームは80年代終盤から90年代の埋もれた名曲(と言うか、J-WAVEでディレクターをやっていた時に出会った、ラジオ業界ではヒットしました、という曲)を再発掘、みたいな感じでして、今日も10数年ぶり〜(??)という曲をいろいろと聴きました。 David Coven<Marvin>、Jane Kelly Williams<What If>、Trey Lorenz<Someone To Hold>、Jellyfish<That Is Why>、Michelle Gayle<Sweetness>、Nona Gaye<I'm Overjoyed>、Richard Darbyshire<This I Swear>、Blue Pearl<Runnning Up That Hill>(ケイト・ブッシュのカヴァーですね)...90年代も探せば好い曲、たくさんあります! 2000年代はかなり少ないように感じますが.....でもって、2010年代になったら、もう暗黒の極めでしょうが....
●山野楽器「Jam Spot」の原稿書き。ジェフ・ローバーの新作と、アンドレア・コアーの初ソロ作のことを書きました。そして、夜はレコード会社の人と久々に飲み会。結構早くから呑んでしまったので、ちゃんと電車で帰ったもののかなり量が行ってしまいました....でも、最近、楽しい酒ばかりで、いわゆる仕事関係の愚痴る飲み会は殆どないですね。好いことだとは思いますが、少しは討論も必要.....いや、必要ないですね、楽しいのが一番です、何事も。
「Smooth Jazz Song File」
(145)Darren Rahn <Simple Song> from『Once In A Lifetime』(2005:Side 2)
●ダーレン・ラーンは今、最も注目の若手クリエイター。ウェイマン・ティズデイルの最近のダンサブルなヒット<Ain't No Stoppin' Us Now><Get Down On It>のアレンジ、プロデュースを手掛け、エリック・ダリアスの『Just Getting Started』(2006年)でも6曲のプロデュースを任された。本業がサックスなのだが、ソングライティングやアレンジのセンスが素晴らしく、しかも、たくさんお日様を浴びたようなキャッチーな曲が得意で、まさに、スムース・ジャズ・ラジオの申し子的な印象すら持ってしまった。ソロ作はこれまでに2枚出しているが特にこの2nd『Once In A Lifetime』の仕上がりは「恐れ入りました!」の一語。ジェフ・ローバーをゲストに迎えた<Breakin' Out>、ウェイマン・ティズデイルをフィーチャーした<On The Rebound>、さらに、デイヴ・コズとソプラノ同士でデュエットしたタイトル曲など、お薦めトラックの連続。中でも、<One Note Samba>に通じるユニークな曲調のこの曲には一発でノックアウトされた。未だかなり若いであろうし、将来が非常に楽しみ。願う、ブレイク!
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<5月24日(木)> |
「今日の出来事」
●溜まってしまったこの日記をせっせこ書き上げ、そして、いよいよ会社の決算ももう目の前、ということで、いろいろな計算書を作ったりして会計担当のわが姉にメール。とりあえず、後は、数字が出てくるのを待つばかり。どうなりますことやら....。
「Smooth Jazz Song File」
(144)George Michael <Kissing A Fool> from『Faith』(1987:Epic)
●ジョージ・マイケル....私生活はともかく、ことミュージシャンとしての才能は認めざるを得ないものを持っている。1983年、Wham! U.K.でデビューを飾り、翌84年、21歳にして<Careless Whisper>を書いてしまうのだから、早熟以外の何物でもないだろう。いろいろな物事に対する"目覚めの感性"が一般人の何倍も鋭いと言うか....。その彼が独り立ちして発表した1987年のアルバム『Faith』はまさに非の打ち所の無い傑作。6曲の全米Top 5ヒットを生み、うち4曲がNo.1を獲得。グラミー賞のBest Albumにも輝いた。そんなメガ・ヒットのひとつとして全米5位、Adult ContemporaryでNo.1に輝いたのがこの<Kissing A Fool>。ジャジーなサウンドを何の違和感も無く取り入れ、アーティスト:ジョージ・マイケルの懐の深さをより多くの人にアピールしている。マイケル・ブーブレがデビュー作でこの曲をカヴァーしたり、まさにスムース&ジャジーなバラードの傑作。ギリシャ人の両親から英国で誕生したGeorgios Panayiotou、2度目の年男にして早、世界の頂点に立つ!の華やかな図がここに完成した。
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<5月23日(水)> |
「今日の出来事」
●正午から生放送。「AORいろはにほへと」は2000年以降のAORシーンを振りかえり、「My Smooth Jazz Awards」はドラムス&パーカッション編。何の迷いも無く、Gotaさんの<European Comfort>が賞を受賞しました。そして、「We Love DAVID FOSTER」は<River Of Love>から始まり<The Prayer><If I Turn You Away>そして<Paradise>とフォスター・コンポジションを繋いで行きました。
●で、家に戻ると、来ました! Munchener Freiheitの『Fantasie』が! ジャケットは英語盤の『Fantasy』とほとんど一緒ですが、例の<Keeping The Dream Alive>はアルバムの1曲目ではなくラストに収録。しかも、歌詞がドイツ語なだけでなく、ヴァージョンも元のシングル版とは別のリズミックなパターンになっていて、へ〜!!と吃驚(独題は<So lang' man Traume noch leben kann>)。でも、好かったです、グッドなタイミングで入手出来て。私がAmazon.comを見た時は2枚出品されていて、私は安い方の$11.50だったかをゲットしたのですが、今日、改めて覗いてみたらもう1枚の$55だったかももう無くなってました。で、普段、全く覗かないAmazonのジャーマニーを訪問してみても、そちらにも『Fantasie』は出品されておらず。しかも、ベスト盤関係は無茶苦茶出ていて、今回も4枚買ってしまったのですが、そこに入っている<So lang' 〜 >は全てシングル・ヴァージョン、すなわち、英語盤に入っていたのと同じオーケストラ・バラード・ヴァージョン。ということは、このVERSION 2は貴重ですね。大事に持っておきます。
●夜は久々にゆっくり出来たので、溜まっていた「Smooth Jazz Song File」をコツコツ書き上げ、この日記の遅れもなんとか取り戻して行きました。ふっ。明日からは滞らないように頑張ります!
「Smooth Jazz Song File」
(143)Bona Fide <X-Ray Hip> from『Royal Function』(1999:N-Coded)
●Slim ManことTim Camponeschi(bass他)が、キーボードのJoe Ercoleと結成し、そこにサックスのKevin Leviを加えたユニットがこのボナ・ファイドだ。ベースとなるのは東海岸で、1999年にN-Coded Musicから発表した『Royal Function』が1枚め。以後、今日までメンバーをスイッチしながら、計3枚のアルバムをリリースしている。もともとTimが歌もの中心のコンポーザー、かつ、ソロ・シンガーでもあるため、このグループでのレパートリーもメロディがしっかりと確立されているものが多い。それでいて、ファンクとジャズをコンテンポラリーに併せたユニットだけに、強力なグルーヴ感も存分に味わえ、まさに両方の好いとこ取り的な存在になっている。Joeのペンによるグルーヴィーな<Club Charles>(2001年の『The Poe House』に収録)も最高にクールなナンバーでこれもプッシュしたいところだが、各種のスムース・ジャズ・コンピに収められた頻度から言うとこちら<X-Ray Hip>が確実に上だったのでこちらに落ち着いた次第。改めて佳曲の多い人たちだと、今回、再認識させられた。
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<5月22日(火)> |
「今日の出来事」
●流石に3時間睡眠は辛く、家族との朝食後、再び布団に....そして11時頃からようやく始動。とは言え、あまり頭も回らず雑務中心。とある人が、とある曲の譜面を探していたのを思い出し、家をほじくって行くと出て来ました、マイケル・フランクスの29曲入り楽譜集。他にも、Peter Allen、Michel Legrand、Carole Bayer Sager、David Foster、Diane Warren、Kurt Weill、Alan & Marilyn Bergman、Average White Band、Al Jarreau、Basia、Michael W. Smith、Imperials、Chicago、Steely Dan、Donald Fagen、Joni Mitchel、Exile、The Doobie Brothers.....とまあ、本当に沢山ありました。一時期、L.A.の楽譜屋さんに結構足を運んでいましたからね。それにしても買ったことを覚えていないものが半分くらい。なので、一度も見たことが無いものが大半だったりします。特に必要があるわけでもないので....とは言え、ジノ様の楽譜だけは未だに見たことが無くて....恐らく昔は存在したと思うのですが....あのコード、なかなか耳では取れませんからね....
●そして火曜日お決まりの買い出し&夕食担当。今日はそれほど力作は無かったですが3品ほどサクッと。夜も特に....
「Smooth Jazz Song File」
(142)Slim Man <There For You> from『Closer To Paradise』(1996:GES)
●スリム・マン、というアーティスト名を聞いて、絶品のスムース・ジャズ・ヴォーカル/アダルト・コンテンポラリーを想像する人は恐らく誰も居ないであろう。むしろ、色物系?と思うはず。ところが、この人のキャリアを追って行くと、決して軽視出来ないアーティストであることが確認出来る。1970年代後半にMotownの音楽出版部門、Jobete Musicと作家契約を結び、アンジェラ・ボフィルの1stに<Summer Days>という曲を提供。ソロ作を発表するようになるのは1990年代中盤からだが、それと平行してグルーヴ系スムース・ジャズ・グループ:Bona Fideの中心メンバーとしても活動。そこでは本名であろうTim Camponeschiの名義でベースをプレイし、さらに多くの作品のコンポーズ&プロデュースも担当している。そんな彼がSlim Manの名義で放つアルバムはジャジーな魅力を漂わせた、スムース&アダルトなヴォーカル作品。声質やムードはリッキー・ピーターソンに近く、楽曲のクォリティも極めて高い。中でもこの曲はラジオで人気を呼んだ初期の代表作品。AORファンも納得、の必携の1枚。
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<5月21日(月)> |
「今日の出来事」
●午前中にイヴェントの選曲の最終仕込みをして昼過ぎから会場の渋谷:Duo Music Exchangeへ。RENAJAさん、牧山純子さん、michiyoさんの順でリハを見学し、DJのリハも少々。機材も直ぐに慣れ、6時半の開場からひたすらスムース・ジャズの名曲をプレイしました。オープニングはBrian Simpson<It's All Good>で、2曲目はMarc Antoine<Latin Quarter>、以下、Philippe Saisse<Masque>、Slim Man<There For You>、Special EFX<Cruise Control>、Shakatak<Easier Said Than Done>、Tim Bowman<Summer Groove>、Bebel Gilberto<Cade Boce>、George Benson<Calling You>〜〜と続いて行きました。非常に楽しかったです。
そして、7時40分頃から「Smooth Lady's Night」、本番のスタートです。まずは、ヴァイオリンの牧山純子さんのバンドが登場し、約45分のパフォーマンスを披露。現在レコーディング中というアルバムの曲を中心に演奏してくれましたが、バンド・メンバーはボスの幾見雅博さんを筆頭に、日本のジャズ界、スタジオ界の売れっ子が揃っていて、実に安定したサウンドを届けてくれました。
その後、再びDJタイム。ここでは、こちらもSmoothなLadyをお呼びすべく、DJ&ライターの島田奈央子嬢を迎え、彼女のお薦め曲やスムース・ジャズの魅力を語ってもらいました。そして2番めに登場したRENAJA。歌詞は全部英語で完璧に洋楽のフィーリング。スタイリッシュ、という言葉がナチュラルにフィットする、高度、でも、難しくは感じさせないサウンドでオーディエンスを魅了してくれました。アルバムが7月にVividさんから出る、ということで、その完成が今から楽しみです。
そしてまたまたセット・チェンジの合間にDJタイム。今度は湘南ビーチFM(78.9FM)でDJをしているAOR、スムース・ジャズ、リゾート・ミュージック大好きな女性、竹下由起さんとコラボレーションし、彼女のお薦めと言うJeff Lorberの最新作『He Had A Hat』のタイトル・チューン、そしてARTizenからアルバムを発表した黒人サックス奏者Jockiem Joynerの『Baby Soul』の曲もレコメンドしてくれました、素晴らしい。と、そして、トリのmichiyoさん登場! キーボードがかつてMazeに居たフィリップ・ウーさんで、ギターがHank 西山(はんこやさんです)、さらにリズム隊もバリバリの黒人!という強力バンドで、ファンキーからスムース&メロウまで、ヴァラエティ豊かに届けてくれました。長身+ヒールなのでそういう中に居ても全然埋もれませんし、テナーを持っても様になる、っていうのがイイですね。デイヴ・コズの名曲<Together Again>をソプラノでカヴァーしたり、アンコールでは全く違うアレンジで<Always There>をブロウしたり。また、オリジナル曲もスムース・ジャズ大好き!なリスペクトぶりが満載で微笑ましかったです。
で、お客様も満杯&非常に好評だったイヴェントも11時前に終了し、11時半頃から近くの洒落た居酒屋で打ち上げスタート! 結局2軒行って家に着いたのは4時頃。もう、明るくなり始めちゃいました! まさに、お疲れ様、な1日が終了しました....
「Smooth Jazz Song File」
(141)Michael Lington <Pacifica> from『Stay With Me』(2004:Rendezvous)
●デンマーク、コペンハーゲンの郊外出身のサックス奏者マイケル・リントンがL.A.に移住したのは1990年。そして、1994年から4年間、ボビー・コールドウェルのバンドに在籍し、コアなファンの注目を集めるようになった。ソロ・アルバムは97年から発表しているが本格的なブレイクは2004年、デイヴ・コズが主宰するレーベル、Rendezvousに移籍してから。その第1弾にして通算4作目の『Stay With Me』はBillboard誌のContemporary Jazz Albumsチャートで15位まで上がる健闘ぶりを見せ、Radio & Records誌のスムース・ジャズ・チャートでもドライヴのBGMに最適な軽快チューン<Show Me>と王道のアーバン系チューン<Two Of A Kind>が共に最高2位まで上昇。それらに続く第3弾シングルにして最高6位まで上昇した曲がこの<Pacifica>だが、楽曲の完成度はまさにピカ1。ラテンのエッセンスをさり気なく散りばめたメロディ&コード進行はダニエル・センベロとリントン本人によるもので、職人スティーヴン・ルーがそれを完璧にプロデュースしている。ポール・ブラウンのアコギも実に美味。
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