<6月10日(日)>

「今日の出来事」

●今日は朝からしっかりお仕事。まずは、「Smooth Jazz Song File」を久々に書き溜め、そして、「Premium DJ Zone」の最終選曲と進行表作り。結局、マイルス・デイヴィスやソニー・クリスまで話しをする時間は持てなさそうなので却下。と言うか、なんだか今回はプログレの番組みたい....30分以上かかりそうです、正味4曲でも....(笑)。それにしてもCDが出て来ないですね〜、探して探して、それでも出て来ないジェフ・ベックの『Wired』。BGM扱いではあるのですが....他にもCD探すだけで30分以上、が、ありました。これさえ無ければ、もっと仕事は捗るのですが....。そして夕食後は次回の「Adult Oriented Radio」 の選曲も半分ほど。リクエストを多数戴いたので、そこから絞り込んで....こちらは比較的スムースにCD見つかりました。体力温存の微笑ましい1日、という感じでしょうかね。さ、明日から、またまた飲み会、ライヴ、生放送、選曲&原稿書き、そして、週末の大阪出張、と今週もアクティヴな1週間になりそうです。頑張りまっせ〜!

「Smooth Jazz Song File」
(161)Kyle Eastwood <Now>
 from『Now』(2006:Rendezvous)


●イケメン繋がり、というわけではないが今日はこの人。世界的な映画俳優&監督を父に持つベーシスト、カイル・イーストウッド。98年の初ソロ作『From There To Here』ではジョニ・ミッチェル、ジュリア・フォーダム他のゲスト陣をフィーチャーしつつも基本はストレート・アヘッドなジャズを展開。続く2004年の『Paris Blue』では、NYからパリに移住したこともあってか、ヒップなクール感が増し、ベースも大半がエレクトリックへと替わっていった。そして2006年発表の3作目『Now』。プロデュースは前作と同じくマイケル・スティーヴンスが担当しているが、ほぼ全編にスムース・ジャズ的なエッセンスが加味され、実に聴き易いアルバムになっている。ジェイミー・カラムの兄、ベン・カラムが歌う3曲もまさにラジオ向きで捨て難いし、ポリスの<Every Little Thing She Does Is Magic>のカヴァーもポップ&ヒップで実に格好良い。スムース・ジャズのチャートを上がったのはアルバム1曲目のこのインスト。グルーヴィー&ファンキー、それでいてスタイリッシュ、なカイルならではの作品だ。

<6月9日(土)>

「今日の出来事」

●ほとんど連休状態。今日も、ポイント、ポイントでちょいと仕事関連をした程度。明日から1週間頑張ります、大阪出張に向けて!

「Smooth Jazz Song File」
(160)Till Bronner <High Falls>
 from『That Summer』(2004:Verve)


●イケメンの若手トランぺッターとして日本でも多くのファンを持つティル・ブレナー。1971年、ドイツのフィールゼンという街で生まれた彼は、クラシックの基礎をしっかりと学び、ベルリン・ドイツ交響楽団に籍を置いていたという実力派だ。最大の魅力はパット・メセニーをも唸らせた美しいトーンで、歌心溢れるプレイは聴き手に限りない温かみをもたらす。仮にヒップなクラブ系のサウンドを奏でたとしても、だ。そんなティルのヴォーカリストとしての一面を堪能出来るアルバムが2004年にリリースした『That Summer』。曲調や声質はマイケル・フランクスを思い出さずにはいられないし、実際、マイケルを崇拝するティルはそこで<Antonio's Song>のリメイクまで演じている。この<High Falls>はティルのオリジナルだが、メロディはマイケルの<Nightmoves>に通じるものがあり、ついつい頬が緩んでしまう。ギターはチャック・ローブ、ドラムスはウォルフガング・ハフナーといったかねてかた親交のある面々がバックを担当。品好くスムース、をさらに滑らかに聴かせてくれる。

<6月8日(金)>

「今日の出来事」

●今日は特にこれと言って....夜もDJの友人と食事をして、後ほど別の友達軍団と合流して....あ、夜中の2時になっても渋谷で全然、タクシーが捕まりませんでした。まるで、12月の週末のよう。ロータリーのタクシー乗り場は長蛇の列で、いやあ〜、バブリーな時代に戻ったのでしょうか? まだボーナスまでは1〜2週間あるのでは....?

●ブルーノート東京のHPを見ると、エリック・ベネイ with マイケル・パウロ・バンド(9/17〜)、そして、デイヴ・コズ(10/4〜)の公演が発表されていました。コズさん、また来てくれるんですね、非常〜〜に嬉しいです。感謝!

「Smooth Jazz Song File」
(159)Hiroshima <Island World>
 from『Providence』(1992:Epic)


●アルバム・デビュー後、もう直ぐ30年が経過する大御所、Hiroshima。琴を巧みに取り入れたオリエンタルなフュージョンは、まさにワン&オンリーな風を醸し出し、我々が想像する以上の高い評価、人気を獲得している。それこそライヴではボビー・コールドウェルが前座で、Hiroshimaがメイン・アクト、といった具合に。彼らのサウンドはニュー・エイジ&ワールド・ミュージック的な性格も持ち、スムース・ジャズ・ステーションにおける一種の箸休め的な存在になっている。選曲の流れ、空気感を変えるのに最適。しかも、優美この上ない一種の贅沢品なのだから、プログラマー達が多用するのも至極当然だ。ただし、彼らは決してラジオに媚を売るタイプのアーティストではないので、いわゆるキャッチーなポップ・チューンはあまり多くない。有名曲のカヴァーも時たま披露し、その完成度も非常に高いのだが、独自の個性は若干薄まってしまう。そういった意味で、その両面ーーキャッチーさとHiroshimaらしさーーを持ち合わせたこの曲は別格の仕上がり。琴とスティール・ドラムの絡みは今聴いても新鮮そのものだ。

<6月7日(木)>

「今日の出来事」

●二日酔い、というより、明らかに睡眠不足。朝食後もまたまた布団へ....そして午後からしっかりと立ち直り久々に川崎へ。その駅ビルと言うかの地下に入っている塩ラーメンの名店「本丸亭」で一杯食し、その後、クラブ・チッタさんにお邪魔し、この11月に行われる、とある海外アーティストの公演に関する打ち合わせを約1時間行いました。各媒体での情報公開は6月15日(金)となりましたので、その日に、このHPでもインフォメーションを流させて頂きます。と、言いましても、いわゆるAORど真ん中!のアーティストではので、過度の期待はしないで下さいませ、AOR的には。もちろん、個人的には非常〜〜に楽しみですが。

●その後、いったん帰宅し、メール・チェック等を済ませ、夜は、とあるプロデューサー&アレンジャーの方と久々に打ち合わせ食事。日本のシンガーのレコーディングで海外のどの辺を使おうか、使えるか、幾らぐらいなのか、その辺りの相談をメインに、最近、どうしてます?etc.で盛り上がりました。今日はもう10時過ぎに解散したので、間違っても明日は二日酔い&半日機能せず、は、ないはず。って言うか、なかったです。で、話し戻って、やはり、ミュージシャン関係の人との飲み会は楽しいですね、この日も「いや〜、プロのミュージシャンの耳って凄いですよね〜、実は、中田の番組のゲストで来て頂いた人に〜〜」の話しをしていたら、その人も「先日、ドラムスの藤井学クンと渋谷のRainfrogに行って、そこでThe DukesのCDかけてもらって、『あ〜、この曲はJR! これはポーカロ!』とか分析してましたよ。ドラマーの人って、楽器自体にエフェクターかけられないじゃないですか、ギターやキーボードと違って。でも、エンジニアの音の録り方、処理の仕方で、結構、音が変わるんですよ。なので、音色というより、むしろ、タイミング、間、オカズの入れ方、なんかでその人その人の個性が出て、特に、ドラマー同士だとその辺の呼吸が解るみたいですよ」的なことを言っていました。よ〜く解ります。知らない曲、知らないアーティストの掘り起こしももちろん楽しいですが、これからはむしろ、過去の名作を今一度聴きまくり改めて個々のプレイヤーの個性、スタイルを再認識する方が大事なのかな、という気がして来ちゃいました。

「Smooth Jazz Song File」
(158)James Taylor <Don't Let Me Lonely Tonight>
 from『One Man Dog』(1972:Warner)


●音楽誌「AD LiB」の山崎稔久エディターはラジオ番組でこんなことを語ってくれた。「後々振り返ってみると、"AOR感覚"で聴いた最初の曲って、実はジェイムス・テイラーの<寂しい夜:Don't Let Me Be Lonely Tonight>だった。リアルタイムで聴いたから小学校6年とかそんな時期。当時はもちろん名前とか全然気にしなかったけれど、マイケル・ブレッカーのサックス、その何とも言えない佇まいが結果的にはAORな雰囲気を醸し出していた...僕のAORの原点だね」。なるほど一理ある気がする。と同時に、スムース・ジャズにおけるヴォーカルものの原点、という気も。実際、今でもスムース・ジャズのステーションから流れてくるし、ポール・ブラウン、ユージ・グルーヴ、チャック・ローブ、Hiroshima、デヴィッド・ベノワ他、多くのスムース系アーティストがこの曲を録音している。ジェイムスのヴァージョンはACで3位、ポップで14位を記録し、また、マイケル・ブレッカーが2001年作品でこの曲を取り上げた時にもゲスト・ヴォーカルで参加。同年のグラミー賞で"Best Male Pop Vocal"を獲得した。

<6月6日(水)>

「今日の出来事」

●お昼から「Premium DJ Zone」の生放送。突然ではございますが、次回が最終回!(7月から編成をガラリと変えられるようで....)なので、今回はCOOL SOUNDスペシャル!をやりました。そして、来週は、AORに限らず、中田が本当に好きな曲!を2時間オン・エアーする、超楽しいひと時になります。そう、今日の企画ももちろん"あり"ですが、来週はさらに楽しみ! GAROもフュージョンもプログレも4ビートも登場しますからね、予定では。

●そして帰宅後、出直して、夜はブルーノート東京でジェラルド・アルブライトの公演を堪能させて戴きました。2年前の夏だったか、1回、ここに出ているのですが、その時は確か日曜日1日だけの公演で、オーディエンスも本当に好きな人が集まった!という感じで、非常に盛り上がりました。今回は6日間公演ということで、より広い客層が集まることが予想されましたが、まさにその通りで、オーディエンスのノリは前回と較べるとかなり大人しかったです。ただ、演奏そのものは相変わらず見事で、ファンキー、メロウ、スムース、トラディショナル、何を演ってもまさに貫禄のサウンド。テクニック的にもエモーション的にも、ケチの付け用がゼロ!といった内容でした。もちろん基本はアルトですが、テナーを持ってもサウンドはそれほど変わらず、といった辺りもまさしく個性そのもの。理想ですね。演奏曲目は、ブルーノートのHPにも掲載されていますが、スムース・ジャズのチャートでNo.1になった<To The Max>からスタートして、アンコールはグローヴァー・ワシントンJr.の<Winelight>という、中田的にも超嬉しい流れで、バック・バンドも、黒人の女性ギタリストが相変わらず苦手だな〜という以外は全く問題ない、特に、ベースのメルヴィン・デイヴィスは流石の一語。4ビート系のバラードでは7弦ベースでドラマティックにソロを弾いてくれました。

●その後、一緒に行った人と食事をし、あ、そう言えば、呑み仲間の通称:王子、が昨日誕生日だった〜! オメデト・メールするの忘れてた〜! となり、速攻で電話。結局、11時くらいから恵比寿のレストラン・バーで合流し、12時過ぎから行きつけのソウル・バーに移動し、さらに2人と合流。結局、3時くらいまでやってしまいました、またまた。嗚呼、阿呆なり....。いや、無茶苦茶楽しかったので全然問題ないですが。しっかし、王子はこれで45歳か〜、本当に、若く見えますね。相変わらずイケメンで....でも、オタクで(笑)。これからも宜しくお願い致します!

「Smooth Jazz Song File」
(157)Gene Dunlap <Life Is>
 from『Peaceful Days』(2005:215)


●ジーン・ダンラップは長年にわたってアール・クルーのバックを務める名ドラマー。ソロ作は1980年代初頭から発表しているが、ドラマーというよりもむしろ、コンポーザー、プロデューサーとしての面を前に出し、キーボードや、時にはヴォーカルまで披露している。そのマルチな才能はまさに"ソロ・アーティスト"と呼ぶに相応しい力量であり、有名アーティストのバック・ミュージシャンがそのコネでアルバムを作っちゃいました、とは全く違うことを証明してくれた。80年代前半に3枚アルバムを発表するも、90年代はわずか1枚。そのまま、ソロ活動は消滅してしまうのかと危惧されたが、2000年からは再びアクティヴにアルバムを制作し、特に、2005年のこのアルバムでは、安定感抜群のスムース・ジャズが心行くまで堪能出来る。一押しのこの曲は、かつてジーンがバックを務めていたロイ・エイヤーズに捧げたオリジナルで、ヴァイブ(シンセで代用?)、トランペット、サックス、女性コーラスがハードボイルドに調和。クールなメロディ&グルーヴをさらにシャープに光らせた絶品の仕上がりになっている。

<6月5日(火)>

「今日の出来事」

●今日も、アッという間に1日が過ぎ去ってしまいました。まずは、この日記を2日分、しっかり更新し、それからアドリブ誌「AOR通信」用のネタをいろいろとチェックし原稿書き。結局、増崎さんから了承を戴き、昨日の収録分を誌上で再現することになりました。スペースの関係でごく一部しか再現出来ないのがもどかしくもありますが...

●そして、午後から「Adult Oriented Radio」 の検聴、Qシート書き、発送。そして、買い物〜夕食の支度、といういつもの火曜日メニューをこなしました。今日は、揚げワンタン、川海老のから揚げ、タラモ・サラダ、ソーセージのチーズ鋏み焼き、ホタテの醤油&バター焼き他でしたが、今日もほぼ9割方、売れました、嬉しい限りです。

●我が西武ライオンズの不調ぶりはなんとも悲しい限り...今日もテレタマことテレビ埼玉で中継があり、エース:涌井君が連敗を止めるべくヤクルト相手に先発したのですが、途中、0−6になった時点でターン・オフ・ザ・TV....何か打開策は無いものでしょうか....

●当社の廃盤商品、及び、在庫残りわずか!商品を改めてチェックしました。宜しかったら、こちらをクリックして下さいませ。

「Smooth Jazz Song File」
(156)John Klemmer <Bahia>
 from『Brazilia』(1979:ABC)


●スムース・ジャズに於ける花形楽器はやはりサックス以外には考えられない。サックスが入っているかいないかでラジオのオン・エアー率が大きく異なる、というのは紛れも無い事実であり、逆に言えば、オーソドックスなポップ・チューンもサックスを巧く取り入れればスムース・ステーションで人気の1曲になり得る、というわけだ、非常に安易な話しではあるが....。その媒体を上手に利用するしないはアーティスト、あるいは、プロデューサー次第だが、このテナー・サックスの奇才ジョン・クレマーは決して媚を売ったり軟弱に走ることの無い、どこまでも硬派なジャズマンだ。常に実験、挑戦、開拓を試み、アーティスト仲間から大きなリスペクトを受けるミュージシャンズ・ミュージシャン、そんな存在なのだが、79年に発表したこのアルバムはフュージョンの定番にしてスムース・ジャズ的なメロウさも備えた注目の作品。タイトル通りブラジル音楽を取り入れたアルバムで、オスカー・カストロ・ネヴィスがほぼ全編でギターをプレイ。しなやかな清風と男気溢れるテナーのトーンが絶妙なブレンドを見せている。

<6月4日(月)>

「今日の出来事」

●やはり....ここ最近では最も酷い二日酔い....夜になっても食欲ゼロ、もう酒辞めた!と心でつぶやく自分が居たり....。と、そんなわけで、夕方まで殆ど機能せず、やったことは、今夜収録の「Adult Oriented Radio」の進行表作り&翻訳、くらいです。が、しかし、その分、夜の収録は感動的でした!

 その収録、今回はDIMENSIONのギタリスト、増崎孝司さんをゲストにお迎えして、「AORにおけるギターの魅力!」を掘り下げて行ったのですが、いやあ〜、感激しました、いろいろな解説が。増崎さんが持って来られたAOR系のお薦めチューンをご紹介し、そこで聴けるルークであったり、ランドウであったりの魅力、ポイントをお話し頂き、それに加えて、中田が今イチ確信出来ないでいた「このギター・ソロは誰?」を2曲、そして、「ツイン・ギターの左チャンネル、右チャンネル、どっちが誰?」みたいのを分析、解説して頂いたのですが、スゴイ!の一語。やはり、プロは耳が違います、なんたって、エフェクターの機種から、音の録り方まで、パッと答えてくれちゃうんですから、もう、鳥肌ものです。中田なんか、足下にも及ばないのはもちろん、ホントにこの仕事する資格あるのかな...この程度の知識、理解度で....と、結構、自信喪失状態にもなちゃいます(ま、とは言え、私よりも音楽(の構造)を理解していない物書きさん、喋り手さん、たくさん居るとは思いますから、ドント・ウォーリー、ビー・ハッピーではございますが....(苦笑))。
 ともかく、この日収録した番組は、今度の土曜日、6月9日、17時から放送、そして、増崎さんご登場は18時3分からラストまで、です。AOR系のギター・フリークはまさに必聴! アドリブ誌でも、誌上再現したいです、可能であれば....。

●今日はアルコール抜き! たまにはイイですね、もう若くないので(笑)。

「Smooth Jazz Song File」
(155)Deniece Williams <Free>
 from『This Is Niecy』(1976:Columbia)


●少し前に久方ぶりのポップ・アルバム『Love, Niecy Style』をリリースし、昔ながらのファンを和ませてくれた歌姫デニース・ウィリアムス。ビルボード誌のR&B/Hip-Hop Albums チャートでも最高41位まで上昇したと言うから、本国におけるその復活歓迎ぶりはかなりのものだったことが伺える。そのアルバムは、いわゆるソウル&ポップ・クラシックスのカヴァー集で、そこに現代の流行を感じずにはいられなかったが、発売がShanachieからだったことにさらなる衝撃を受けてしまった。そして、流石Shanachie、曲によって、ジョージ・デューク(p)、エヴェレット・ハープ(sax)、グレッグ・アダムス(tp)のソロをフィーチャーし、スムース・ジャズのマーケットをしっかりとターゲットに入れていることがよく理解出来た。故に、そのアルバムから1曲選ぶという手もありだったのだが、やはり、30年以上が経過しても全く輝きを失わないこの曲には太刀打ち出来ない。エンジェリックな歌声を自在に操る彼女の代名詞的な名曲。それまでのR&Bとはひと味違う斬新なスムース感を浮遊させた、まさに衝撃的な作品だった。

<6月3日(日)>

「今日の出来事」

●午前中から「Premium DJ Zone」の進行表作りをして、午後からアドリブ誌の原稿書き。レヴューを2本書き(何れもAORでは全然無い作品です)、そして、ジェフ・ローバーへのEメール・インタヴューを仕上げ、いったん休戦(笑)。夜は友達と食事をしたのですが、ほとんど1人で呑みまくって大変なことになっちゃいました。2軒行って、それぞれボトルを頼んだのですが(1軒目は中華系で紹興酒、2軒目はバーで赤ワイン)、どちらも8割以上自分が呑んだので、最後はヘロヘロでした(苦笑)。逆に帰宅は11時前と早かったのですが....

「Smooth Jazz Song File」
(154)The David Blamires Group <Deep Is The Midnight See>
 from『The David Blamires Group』(1992:Nova)


●パット・メセニー・グループの名作『Still Life(Talking)』(1987年)でヴォーカリストの1人に抜擢され、フュージョン・ファンにその名を広めたデヴィッド・ブラマイヤーズ。元々はイギリスの生まれながらカナダのトロントに移住し、そこで、アン・マレーからメタル系のトライアンフまでいろいろなセッションに参加するようになる。そしてパットのオーディションに合格し約2年間、グループに在籍。その後もパット・メセニーのソロ名義作に参加し、彼のサウンド・スケッチに大きな貢献を果たしている。そんなデヴィッド・ブラマイヤーズがトロントで結成した5人組がこのグループだ。アルバムは1990年に制作され、その2年後に西海岸の名インディ、Novaから発売されている。歌ものは2曲だけで残りはインスト・チューン。しかも、ライル・メイズそっくりのシンセ・サウンドが出て来たり、好くも悪くもパットの世界を継承しているのがよく解るが、この曲は頭ひとつ抜けた出来映えで、今でもたまに、向こうのステーションでプレイされている。シンプルながらドラマティック、そんな不思議な魅力を持つ名曲だ。

<6月2日(土)>

「今日の出来事」

●二日酔いではない朝は本当に素晴らしいです(笑)。季節的に、非常に清々しい気分になれますし。かといって、仕事が一気に捗ったかと言うと、そうでもないのが中田の中田たる所以。午前中は、買ってあって聴けていなかったCDをいろいろと聴いたり、データの整理。そして、午後から「ReMuTV」でスタートするAORの連載コラムを書きました。基本的には、AOR系アーティストの裏話しだったりを綴って行くコラムで、第1回のテーマは「ジェイ・グレイドンとの出会い」だったのですが、考えてみたら「ReMuTV」を訪問なさる方の半数以上、いや、ひょっとしたら9割は最もベーシックな部分ーーAORとはいったいなんぞや??ーーをご存じないと思ったので、まずはそれから説明。しましたところ、それなりの字数になってしまい、結局本題には入れず(笑)。勿体ぶるわけではないですが、ジェイさんとの話しは次回以降に持ち越されました。基本的には月2回の更新を考えていますので、今月下旬には、アップデートされているはずです、希望的観測からすると。あ、1回目の更新は6月4日、の予定だとか....ReMuTV、チェックしてみて下さい。

●その後はひたすら選曲モード。相変わらず、ゆっくり時間を掛けるのが好き、みたいです、最近は。「Premium DJ Zone」を並べ終え、そして、「Adult Oriented Radio」 も1時間分だけなので、ほぼ完成。あとは、再度、間際に最終調整、するだけです、進行表作りと一緒に。

「Smooth Jazz Song File」
(153)Steve Oliver <High Noon>
 from『Positive Energy』(2002:Native Language)


●スティーヴ・オリヴァーはカリフォルニア生まれのギタリスト&ヴォーカリスト。リック・ブラウンやガトー・バルビエリ、ザ・ネヴィル・ブラザーズ他のサポートを経て、パーカション奏者スティーヴ・リードのバンドに加入。ギター、ヴォーカル、作曲で素晴らしい貢献を果たし(2枚のアルバムに参加)、1999年に独り立ちしている。オリヴァーはギターとスキャットによるユニゾンを得意としているが、それはパット・メセニー・グループにおけるデヴィッド・ブラマイヤーズやリチャード・ボナからの影響だそう。ただし、音楽性までまんまメセニーのコピーということは全く無く、特にこの曲ではスパニッシュ・サウンドを上手く取り入れ、ナイロン弦のエレアコを実に効果的に響かせている。また、ウィル・ドナートのソプラノ・サックスも非常に洗練されたトーンで要所要所に絡み、まさにスムース・ジャズのお手本的な仕上がりだ。アルバムには他にブライアン・ブロンバーグ、ジェフ・カシワ、ブランダン・フィールズを始めとした名手が参加。Contemporary Jazz Albumsのチャートでも25位まで上昇した。

<6月1日(金)>

「今日の出来事」

●やはり....極度の二日酔い....朝はちゃんと起きてパソコンのメール・チェックなどはいつも通りに済ませましたが、結局、またバタンキュー。そして昼に家を出て表参道で某有名作曲家さん&有名新聞社の記者の方と打ち合わせ。なかなか前に進んでいないAORの企画の現状報告と今後の対策(?)、などをミーティングしました。と言っても、ティー・ルーム系で食事をしながらの雑談系ですが(あ、蛇足ながら、昼になっても食欲わかず、結局、ピザをほんの一切れ頂戴した程度です)。ま、慌てず、騒がず、じっくり行きましょう、ということで落ち着きました。

●そして真っすぐ帰宅し、家でうだうだ(笑)。夕食後にやっと元気が出て来て、久々に「Smooth Jazz Song File」の原稿の書き溜め。これで、これからはそんなに日記が滞ることはないと思います、このところ、3〜5日サボってしまったのが続きましたからね。ま、何はともあれ、そのコラム、無事に5ヶ月&150回を終えられましたので、とりあえず次なる目標は半年、の折り返し地点まで行き、さらに、後半も頑張って大晦日に無事、完走!といきたいです。ただ、さあ、これから夏だ〜!という時期に、寒〜い年末のことは考えたくないですが....なんか、暗くなっちゃいますから。

●先週、月曜日のイヴェント「Smooth Ladies Night」で知り合った元Mazeのキーボーディスト、フィリップ・ウーさんからメール。来週の火曜日(5日)と水曜日(6日)、丸の内のコットン・クラブで「Tribute to Billy Preston」を演るので、好かったら観にきてね、という内容でした。メンバーは....お、ヴォーカル:ロビー・ダンジーですか〜! さらに、ギターははんこやさん、ベースはクリフさん、という先週月曜日のコンビですね、そして、トランペットは小学校中学校私と一緒だった、元デ・ラルスの佐々木史郎クンの名前も。う〜〜ん、ただ私的にはちょいと微妙ですね....火曜日は基本的に家事手伝いの日ですし、水曜日はジェラルド・アルブライトを観にブルーノートに行く予定なので....。エニウェイ、ウーさんはとっても好い方だったので、キープ・イン・タッチはして行きたいです。ウーさんのライヴに関するインフォはwww.cottonclubjapan.co.jpをご覧下さい。

「Smooth Jazz Song File」
(152)Norah Jones <Don't Know Why>
 from『Come Away With Me』(2002:Blue Note)


●21世紀における、最もサクセスフルなヒロイン、ノラ・ジョーンズ。父親は、ジョージ・ハリスンとの共演で名を広めたインド生まれのシタール奏者ラヴィ・シャンカールだが、ノラ自身はNY生まれ、テキサス育ちという環境で、ジャズ、カントリー、ブルース、SSWなど、様々なジャンルの音楽をごくごく自然に吸収。程良い泥臭さが知的なフィーリングと巧みな化学反応を見せ、デビューと同時に大ブレイク。アルバムはチャートのNo.1を独走し、グラミー賞でも"Album of the Year"を獲得。加えて、この<Don't Know Why>で"Record of the Year"と"Best Female Pop Vocal"に輝いたのも記憶に新しいところだ。ジャンルレス、ボーダーレスな彼女の音楽性こそ、スムース・ジャズの中心に位置し、選曲〜曲の繋ぎと言う空気の流れをフッと変える存在感豊かなオーラがなんとも素晴らしい。また、御大アリフ・マーディンが施したさり気ないアプローチがよりスムースな肌触りを提供したことも間違いなかろう。この曲の大ヒットで作者ジェシー・ハリスも一躍有名人へと化した。10年に1度のミラクルな作品。