<8月10日(金)>

「今日の出来事」

●夏休み2日目。通販を済ませたり、「Smooth Jazz Song File」を少し書いたり、以外は特に何もせず。夜は、牡羊座生まれの3人組で飲み会。明日からお盆休み!という人が多いようで、結構、街は混んでいました。

●ジェイさんと軽くメール。相変わらず、レスが早いので、嬉しいを超えてほとんど恐縮しています。つまらない質問でもちゃんと答えてくれるので。

「Smooth Jazz Song File」
(222)Earl Klugh <Living Inside Your Love>
 from『Living Inside Your Love』(1976:Blue Note)


●アール・クルーのソロ・デビューは1976年。リー・リトナーのソロ・デビューと同じ年であり、クルーの師匠:ジョージ・ベンソンの『Breezin'』、スタッフの1st、クルセイダーズの『Those Southern Knights』など、クロスオーヴァーの名作が数多く登場した非常に重要な年である。そして、それがアメリカ建国200年という記念碑的イヤーだったことがなんとも感慨深い。その後、彼らを中心にフュージョン・シーンが確立され数々の名曲が創作されていくが、それらの多くはスムース・ジャズのステーションを通じて現代のリスナーにもしっかりと受け継がれている。アコースティック・ギターで独自の世界を切り開いたアール・クルーは<Captain Caribe><Dr. Macumba><Magic In Your Eyes>他、様々な名曲、名演を生み出し、後のスムース・ジャズ・シーンにとりわけ大きな影響を及ぼした。特に、デイヴ・グルーシンと共作したこの曲はサビに女性コーラスを配し、非常に都会的な雰囲気を醸し出している。テクニックの披露よりもハートフルな歌心を重視。その"勇気"が、結果、勝ち組へと導いたというわけだ。

<8月9日(木)>

「今日の出来事」

●中田の夏休みが始まりました。基本的には24日(金)まで夏休み。その間、仕事は選曲+原稿書きが2本(この週末に仕上げます)、打ち合わせが1本(来週早々)、それだけです。あとは何もしません。なので、この日記もお休みしようか、どうしようか....今日は誰と何処で飲んで....ばっかりになっちゃいますからね....

 で、今日ですが、朝も早から独りドライヴ。目的地は千葉の某所で、今回が初訪問。兼ねてから親交のある友人の家に押し掛けた次第ですが、無茶苦茶収穫多かったです。
 その友人は私と同世代。かつてはL.A.やN.Y.で音楽関係の仕事をしていた、という人で、私の何十倍もミュージシャンの友人がいる、ちょっぴり羨ましい存在です。オマケに、奥さん、日系航空会社のCAですし...(笑)。特に何の打ち合わせ、とか、用事が、というわけでもないのですが、千葉といっても結構、中心部からは離れた場所で、かなりリゾートチック。夏休み気分に浸るには丁度"適任"かな、と。
 で、本当に好い感じの住宅地、それも、なんだか、L.A.を思わせる場所なのですが、話しを聞くと、ミュージシャンやタレントさんの多くが2ndハウスとしてこの辺りに家を持っている、とか....。日本のスタジオ界を代表するリード奏者(でも、日本人ではないと思われます、名前、カタカナですから)が家の前でフルートを吹いていたり、日本国民誰もがご存じであろうジャニーズ系のあのタレントさんも近くのコンビニでよく目撃した、とか。サーフィン好きで有名ですからね、その人。

 で、私の友人は現在CM音楽の作曲だったり、いろいろなことをやっているのですが、とにかく自宅で済ませてあとはデータで送って、という世界なので、特に不自由はないそうです。普段は車で移動ですし、高速のインターから5分、10分の世界。加えて、バスに乗れば京葉線の駅まで行けるということなので、東京まで1本! これは非常に便利です。

 で、彼のスタジオでいろいろな音源を聴かせてもらったのでっすが、目玉が飛び出るくらい、スッゴイものを持っていました!!!!!! 自宅に戻り思い出してもスッゴイの一語。と言うか、マジで鳥肌立って来ました、これを書いている今も。恐らく、私が知っている中では一番のお宝。そう、お宝です、お宝。そんじょそこらのレア音源とかとは桁が違う、おそらく、熱狂的なコレクターさんだったら3桁は当たり前。いや、ひょっとしたら4桁まで出すんじゃないか、そんなスッゴイものです。4桁って、もちろん、4桁万円、ですからね。
 流石に、入手経路は教えてもらえませんでしたが(親しき中にも秘密あり!)、逆にこれだけは流出しないで欲しいですね。流出したらどんどん値が下がって、最終的には数千円になる、それだけは避けたいんです。とにかく本物のお宝ですから。あ、ものは、AORではないです、フュージョンでも。誰もが知ってるポップ/ロック/R&B系で、とりあえず2作聴かせて頂きました、さわりを。非常に興味深かったです、こんなだったんだ〜! と。
 あんまり引っ張ってもなんですから、ここで止めます、その話しは。

●さて、で、なんで、千葉の奥まで行ったか、それは、千葉の道の駅で買い物がしたかったのと、そして、ラーメンの食べ歩きをしたかったから、なんです。で、今日は3軒、食べました。

 まずは内房、市原エリアにある「地どりラーメン」。今までも幾つかのラーメン本に載っていましたが、雑誌「Chiba Walker」のラーメン・ランキング:2006年版で「内房」部門の第2位にランクされていたのでこれは必食だな、と。
 地どりのしょう油ラーメンを食べたのですが、う〜ん、思っていたほど鶏が満喫出来ませんでした。これ、地どりの塩ラーメンにしたほうが好かったんでしょうね、恐らく。ラーメン自体は横浜家系に比較的近く、海苔とほうれん草が乗った、こってり系の鶏油入りスープ、そして、滑らかな太麺。ここに、尾道ラーメンのような背脂が乗り、と、かなり足し算的なラーメンでした。地どり塩、だったら全然違ったかもしれませんが、しょう油はちょっと詰め込み過ぎ。もう少し引き算した方が鶏が立つと思うのですが....でも、不思議なもので「地どりラーメン」という名前でなければ、単純に美味しい、美味しい、と堪能していたことでしょう。つまり、これをCDショップに例えますと、「AOR専門店」と銘打った店があり、マニアが足を運ぶと、期待が大きかった分、なんだこれくらいのセレクションか〜、と若干の落胆気分になってしまう。ところが、例えば繁華街にある、特に何の変哲もない小さな店に、2段くらいの「AORコーナー」を発見したら、お〜、素晴らしい店じゃないっすか〜! と、小さな興奮を覚える、ま、そんな感じですね。地どりへの期待が大き過ぎた分、less satisfied、かな、と。

 2軒目は、その千葉の友人と一緒に、彼のお気に入りである、大網の店「ラーメンみたけ」へ。実は、この店も「Chiba Walker」のランキングで「外房」部門の第2位にランクインしていたので、非常に興味がありました。小さめの海苔が1枚、そしてカイワレが乗って、という、上品な和風系ラーメン。東京で言うと葛西の「ちばき屋」を思い出させる1杯ですが、う〜ん、残念、最初から入っているコショウが完璧に邪魔でした。コショウはあくまでも個人の好みで入れるべきものであって、最初からこれだけ利いていると折角の繊細なスープの魅力が半減、です。そして、底の方に入っている柚子の小片も今イチ効果を発揮せず。思い切って、量を倍にしたらもっと際立つのではないでしょうか。もちろん、スープの上に柚子を浮かせ、ではなく、底の方に沈ませておいて、麺を食し、スープが減って、初めて顔を出す、味の変化が楽しめる、という狙いは好いと思うのですが、味の変化、まではいかない量でした、中田の舌では。麺は中細の縮れで、すいすい啜れます。デザートも用意しているので、女性にピッタリかな、と。外観は今時のお洒落な感じ、そして店内は明るく非常に清潔。うん、女性にお薦めのお店です。

 3軒目は知人宅を出た後にまたまた独り車を飛ばし、以前から非常に気になっていた東金の「しあわせラーメン 金の糸」。かつては「パーコーラーメン 風」の名前で、西千葉に店を構えていたのですが、数年前に東金に移転。名前もこう変わりました。でも、メニューは変わらず、看板メニューは今なお天塩パーコーラーメン。もちろん、それをオーダーしたのですが、ずばり、旨い! スープを啜った最初のひとくちから存在感、超大! お店の"顔"だけあって、揚げたてのパーコーも旨いの一語! これは近くに住んでいたら絶対にリピーター状態ですね。ま、それでも100%は褒めないとすると、写真よりもメンマの大きさが貧弱でした(味は全然問題ないですが)、そして、黄色い中細縮れ麺がホンの少し"だま"になっていました。作ってくれたのが店主なのか誰なのか解りませんが、もしヴェテランの職人でこれだったら、ちょっと驚きです。ま、それでも本日の中では一番、私好み(一番美味しい、ではなく、一番私好み、これを間違えないようにします)! また知人宅にお邪魔するような機会が在れば、ぜひとも再訪したいと思います。今度は、昔ながらの昭和の中華そば、にチャレンジしたいです。

P.S. 同じ通りにある讃岐うどんのセルフ系「中川屋」にも再チャレンジしたいです、今日も、帰り際、寄ろうかどうしようか、本当に迷いましたから、って、私は何倍食べたら腹一杯になるんだ〜!?

「Smooth Jazz Song File」
(221)Terence Trent D'Arby <Sign Your Name>
 from『Introducing The Hardline According To Terence Trent D'Arby』(1987:Epic)


●80年代後半、いきなりイギリスでブレイクしたテレンス・トレント・ダービー。その風貌からジャマイカ系イギリス人とも考えがちだが、実際はNY生まれのマイアミ育ち。高校の時に始めたボクシングはプロ級の腕前で、18歳の時に入った陸軍でもゴールデン・グラヴ賞を獲得する強さだったことがバイオに記されている。TTDの発する音楽はR&BとR&Rを独自の配合でミックスしたもので、ゴスペルをルーツとしつつも、極めてロック的なシャウトも頻繁に登場する。その高音に快感を覚えいろいろな楽曲を楽しませてもらったが、L.A.の有名なスムース・ジャズ・ステーション:WAVE(94.7 FM)では、この曲が本当によく流れて来る。始めの頃は懐かしさ半分、意外性半分で聴いていたが、繰り返し耳にするうちに、こういった曲が出て来るからこそ、スムース・ジャズは決して狭義の1ジャンルではなく、アダルト層が安心して楽しめる間口の広い1テイストだということが実感出来た。全米4位、R&B2位、AC13位、そして全英でも2位まで上昇。"淡々と切ない"、そんな一種のミステリアスさが堪らない名曲だ。

<8月8日(水)>

「今日の出来事」

●今日もまたまた「Adult Oriented Radio」 の検聴、Qシート書き。8月18日(土)OA分と25日(土)OA分を一気にやりました。これで、当分、お休みです、月末まで約3週間。そろそろ、夏休み対策を練らないといけませんね....。

●私が音楽業界に入ってから20年以上、もう直ぐ22年になりますが、入りたての頃から知っているリットー・ミュージックの某氏が20日付けで退社する旨の一斉送信メールが来ました。作曲家の林哲司さんとも親しく、ご自身でも自主盤を出しているアーティスト指向の方。デヴィッド・フォスターが大好きだったこともあり、そんなことから話しが盛り上がり呑みに行ったことも結構ありました。そして、いろいろと話しをしてみると、私と同じ都立豊島高校に行っていたことが判明!(私が後輩です) ただならぬ縁を感じたのですが、今後はフリーで編集関係の仕事をしていく、とか。また、どこかでお仕事一緒に出来ると好いですね。まずは、お疲れ様でした。これからも頑張って下さい!

「Smooth Jazz Song File」
(220)Stuff <My Sweetness>
 from『Stuff』(1976:Warner)


●リチャード・ティー、スティーヴ・ガッド他、NYのファースト・コール・ミュージシャンが集ったスーパー・グループ、スタッフ。基本的にアルバムは全部所有しているが、彼らの研究家というわけでもないので、何故ツイン・ドラムスを選択したのか、何故ホーン奏者を入れなかったのか、地元ではどのようなクラブでプレイしていたのか、リーダー格とされるベースのゴードン・エドワーズが実際の音楽面でどれくらいイニシアチブを取っていたのか、などは全く理解していない。解っていることは、76年の1stアルバムが、ビルボード誌のJazz Albumsで22位、Black Albumsで53位、Pop Albumsで163位までそれぞれ上昇した、という事実。そしてもう1つ、恐らく10人中10人が心からこの曲を愛しているであろう、という部分だ。フュージョン、R&B、ポップ、AOR....全てのリスナーを虜にした典型的なリチャード・ティー・サウンド。彼の究極のフェンダー・ローズが、まろやか&ファンキーに鳴り響き、夢見心地と躍動感の両方を届けてくれる。30年以上が経過した今もその効力は全く衰えていない。まさに絶品の1曲!

<8月7日(火)>

「今日の出来事」

●昨日収録した「Adult Oriented Radio」 の検聴、Qシート書き。改めて聴き直し、沼澤さんの恐ろしさを体感する、の巻きです。その後は、雑用というか買い物系というか新規ラーメン店体験というか、出回ったりでそれなりの時間に。ちなみにラーメン店は、「東京一週間」に載っていた池袋エリアの新店なのですが、流石、雑誌の効力! 結構、並んでました。ただ、席が8人ぐらいのカウンターだけなのと、店主が、丁寧に、かつ、マイ・ペースに作り過ぎるので、物凄く回転が悪い、それによる"待ち"なのは事実。なので、忙しい昼時は避けたいですね。ただ、味は好かったです....特に麺が。駅から離れた住宅地でも、ちゃんと勝負できるという自信は流石! また、機会を見て足を運びたいです。今度はつけ麺にトライします。
 夜は、テレ玉(TV埼玉です)で西武ライオンズの試合を中継していて、これがまた首位ソフトバンク相手に好い試合をやってくれたので完全に釘付け。他の作業もしなくてはならなかったのに、結局、それで10時くらいに。早めに寝てしまいました。

●ビデオアーツのディレクターさんと久しぶりに電話で話し。11月21日は、スムース・ジャズ関連、どかっと出してくれそうです。しかも、多くがボートラ入りになるとのことでかなり期待できます。登場予定は、カーク・ウェイラム、ブライアン・シンプソン、ジョナサン・バトラー(以上、Rendezvous)、そしてリチャード・エリオット&リック・ブラウン(ARTizen)、の計4作。心から応援させて頂きます!

●今日、我が家の鈴虫が初めて鳴いてくれました。父親の趣味なのですが、やはり中田家の夏はそれがないと今イチ、ピンと来ません。五月蝿いくらいのハーモニー、期待しています。

「Smooth Jazz Song File」
(219)Spur Of The Moment <Steps To The Capitol>
 from『Urban Renewal』(2006:SOTM)


●1989年にワシントンDCで結成された黒人3人組、Spur Of The Moment。彼らは自分たちの音楽をこのように表現するーーA Smooth, Soulful Mix of Jazz with a DC Funk Twist。東海岸ではメンバーそれぞれが職人的な活動をしており、Wayne Bruceはメイザ、キム・ウォーターズ、ウィル・ダウニング、ロニー・リストン・スミス他多くのアルバムでギターをプレイ。そして、Kevin Princeはケン・ナヴァロ、エリック・ダリアス他、多くのアルバムでパーカッションをプレイ。また、Kenny Allenはマーカス・ジョンソンと組んでニック・コリオーンをプロデュースしている。といった名前を見ただけでもある程度のクォリティは期待出来るが、加えて、最新作『Urban Renewal』では今、最も波に乗るChris "Big Dog" Davisが8割以上のプロデュースに関わり、歌もの、カヴァー含めて、非常にそつのない音に仕上げている。今回、選出した曲はメンバーのKenny Allenの作・プロデュースで、2ステップがメロウにスムース・ジャズしたような絶品な肌触りを持っている。ラジオで頻繁にプレイ。あまりに当然の出来事だ。

<8月6日(月)>

「今日の出来事」

●今日もしっかり仕事しました。まず、ReMu-TVのコラム「中田利樹のAORウラ話し」を仕上げ、担当さんにメール。即日アップされましたので、お時間あったらご覧下さいませ。今回はジェイさんシリーズのパート4ですかね、Planet 3のレコーディング秘話、を書いてみました。

 そしてその後焦って(笑)、午後5時から収録の「Smooth Jazz Seduction」の選曲。そして、その後の7時から収録する「Adult Oriented Radio」 の最終選曲&進行表作り。
 今日録るのは、今週土曜日OAの後半1時間分=沼澤尚さんをゲストに迎えて、と、そして、その次の週、18日OA分の、こちらも後半1時間分。18日はリクエスト特集なので、どの曲を選ぶか決めてCDを捜して来てタイミングを取って、心地好い流れに配置し、リクエスト・メールを進行表にはめ込んで....。そして沼澤さんのほうは、ジェフ・ポーカロさん関連のCDを思いつくままに30〜40枚セレクトして、あとは、ご本人にスタジオでセレクトして頂く、という感じです。

 で、まずは、「Smooth Jazz Seduction」。今回は8月号で8月30日(木)22:00〜23:00、STARdigio:SKYPerfecTV 400chでOA。また、9月2日(日)の11:00〜12:00で再放送もあります。内容的には、8月=夏=リゾート=海辺のドライヴ=アメリカ西海岸PCH、ということで、Pacific Coast Highwayをドライヴしながら楽しむ軽快なスムース・ジャズ、をテーマに新旧取り混ぜ選曲してみました。もちろん1曲目はその名の通り、Nilsの<Pacific Coast Highway>で。

 そして、7時に沼澤さん登場! 今回もまたまた、超超盛り上がって最高でした! 選曲の中身は沼澤さんのセレクトが3曲で、あとは、リスナーの方から頂いたジェフ・ポーカロさん関連リクエストから2曲、そして、遂に実現した「この曲のドラマーは誰?」シリーズのパート1〜〜ビル・チャンプリンの『Single:独身貴族』における、ジェフ・ポーカロさんが実際叩いたトラックを分析、解説して頂くコーナー〜〜というメリハリのある(?)構成になりまして、圧巻はとにかく『Single』におけるドラマー分析。要は、このアルバムは、アルバム全体の参加ミュージシャンこそ書いてあるものの、曲毎のクレジットは無いのです。ドラマーにしてもジェフさんと、Duris Maxwell(Skylark)、Larry Tolbert(Raydio)の3人がクレジットされていて、さあ、どうしましょう、と。
 形式としては、もうCDの1曲目からプレイして、これはジェフさんだと思う、違う、を中田が勝手に分析し、それをフォローする形で沼澤さんが、正解、残念、を解説してくれる、という流れ。中田の推測がさて、どれくらい合っていたか、は、当日のお楽しみですが、やはりジェフさんの分析に関しては恐らく世界一ですね、沼澤さん。なので、バラード曲のイントロにおけるシンバル・ワークだけで解ってしまうんですって、凄過ぎます! 中田などは、跳ね系の曲でのスネア、フィル、たまにバスドラ、そして何より全体のグルーヴ感、辺りでジェフさんか違うか判断するのが精一杯。シンバルとハイハット、そのプレイの仕方の多彩な表情にジェフさんの個性が一番感じられる、などと言われても全然付いていけません。しっかし、またまた手前味噌になってしまいますが、こんな素晴らしい番組が関西エリアでしか聴けないのは、ホント、勿体ないです! 日本全国でネットして下さい! 私単独の回はともかく、ゲストさんをお迎えした時の貴重な話しは皆で分かち合いたいです! とか言って、でも、私的なインターネット・ラジオでの使い回しYouTube状態は絶対にアウトですからね!
 で、話し戻って、沼澤さんにも非常に楽しんで頂けたので、「この曲のドラマーは誰?」シリーズ、次回はフィニス・ヘンダーソン『Finis:真夏の蜃気楼』辺りを分析したいと思います。沼澤さんの次回登場は11月の予定ですが、I can't wait much longer!です。エニウェイ、沼澤さん、ご多忙の中、時間を割いて下さって、本当にありがとうございました! また宜しくお願い致します! 

P.S. 沼澤さんの収録を終え、スタジオの扉を開けたら、超有名なアイドル系タレントさんが丸テーブルで打ち合わせをしていました。いや〜、実物も本当に可愛かったです。一緒に写真を〜!とか、サイン戴けませんか〜?!とか、幾つものミーハーなフレーズが頭をかすめました。もちろん、じっと堪えましたが....

「Smooth Jazz Song File」
(218)Tania Maria <Come With Me>
 from『Come With Me』(1982:Concord Picante)


●男勝りなピアノと独創的なスキャットで早々に自己のスタイルを築き上げたブラジリアン、タニア・マリア。1948年生まれというからもう結構なヴェテランだが、未だヴァイタリティは衰えず。インタヴューの返答などを見ていても恐らく超が付くほどの負けず嫌いなのだろうな、と思ってしまう。そんな彼女の音楽をContemporary Jazzという括りで捉えるのは問題ないだろうが、しかし、Fusionと呼んだら渋い顔をするのではないだろうか。それだけに、彼女をSmooth Jazzの枠に入れたら、それこそ怒られるかもしれない。しかし、この曲だけは別格だ。インプロヴィゼーションではなくメロディ、スキャットではなくヴォーカル、それが心地好いボッサ系リズム&コードの上で踊っているのだから、ラジオ・ステーションが放っておくわけは無い。実際、ジャズ専門レーベル:Concordの歴史の中でも初のシングル・ヒット曲になったとのこと。録音はサン・フランシスコでバックにはジョン・ペーニャ(b)も参加。82年の音とは思えないほど今聴いても実に新鮮。そして実に好いオンナ的フェロモンも十二分に感じられる。

<8月5日(日)>

「今日の出来事」

●午前中は家族の用事で運転手関係。そして、午後は夕食当番のために、またまた4〜5時間を掛け、な日。今日もいろいろと作ってしまいました。食後は明日更新のReMu-TVのコラム「中田利樹のAORウラ話し」を書き出すも、眠くなってしまい途中で床へ....。続きは明日の朝イチで仕上げます。

「Smooth Jazz Song File」
(217)Torcuato Mariano <Last Look>
 from『Last Look』(1995:Windham Hill)


●1990年代中盤、Windham Hillから発表した2枚のアルバムが日本でもBMGから発売されたギタリスト、トルクアート・マリアーノ。イヴァン・リンスやセルジオ・メンデス、ガル・コスタのバックを務めたという実績を持っているのだから、その腕前には"確か"というよりも"信頼"の二文字がよく似合う。ソロ作における温かみ溢れるトーンや美しいメロディはまさにプロの技そのものだ。2006年に215から発表した『Lift Me Up』も会心の一撃で、タイトル・トラック他複数の曲がスムース・ジャズ・ステーションで人気を呼んでいる。そこから選出するものもちろんありだったが、そこでは、エレクトリックでポップなプレイを展開していて、ちょっぴり微妙な気分になる。曲は最高だが、出来ればアコースティックで弾けて欲しかった、という身勝手な拘りだ。そういった意味ではスティーヴィー・ワンダーの<Overjoyed>とG.ベンソン&E.クルーの<Jamaica>を足して2で割ったような雰囲気、コード進行を持つこの曲こそ、彼の最も自然な姿だと思う。大らかでお洒落、都会的リゾート、そんな理想的響きを放つ必聴曲!

<8月4日(土)>

「今日の出来事」

●昨日結局完成には至らなかった「AOR通信」を朝イチで仕上げ、続いて、アドリブ誌のライヴ評で6月のジェラルド・アルブライトを執筆。午後は少しのんびりして夕方から「Adult Oriented Radio」 の収録。今日は、8月25日(土)放送分の、アドリブ誌:山崎稔久エディターを迎えてコーナー。先日のアドリブ編集部&スイングジャーナル社、お引っ越しによってひょっこり出て来た懐かしいアルバム中心?の選曲でした。そして、その後、懇親食事会。全然早く、11時には解散しました。それにしても今日は浴衣姿の女性が多く、心が和みました。若い男性も、なかなか粋に着こなしていた人が居ましたし、これからもさらに流行るのではないでしょうかね? あ、あと、麦わら帽子もよく見かけますね、山崎さんも愛用者ですし。

「Smooth Jazz Song File」
(216)Everette Harp <Monday Speaks>
 from『In The Moment』(2006:Shachie)


●サンボーンに通じるソウルフルなアルト・サックスで男気たっぷりに歌い上げるエヴァレット・ハープ。1961年、テキサス州ヒューストンに生まれた彼がL.A.に出て来たのは1988年とやや遅めだったが、そのプレイは直ぐに認められ、アニタ・ベイカー、シーナ・イーストン、ケニー・ロギンスといったビッグ・ネームのバックに抜擢。レコーディング・セッションも急に忙しくなり、ジョージ・デューク、マーカス・ミラーと言った重鎮からも声が掛かるようになる。ソロ・デビューは1992年で、Capitol/Blue Note系から発表した最初の5作は全てビルボード誌のContemporary Jazz AlbumsチャートでTop 10入りする人気ぶり。そして、Shanachie移籍第1弾となるこのアルバムで同チャートのNo.1を獲得した。ジョージ・デューク、ジョナサン・バトラー他、アルバムには豪華なゲストが多数参加しているが、1stシングルとしてスムース・ジャズのチャートも上昇したこの曲は作曲がチャック・ローブ、ゲストがノーマン・ブラウンという、これまた贅沢な内容だ。"疾走感溢れるスムース"、ぜひともご堪能頂きたい。

<8月3日(金)>

「今日の出来事」

●基本的にはアドリブ誌「AOR通信」の原稿書き。そして昼過ぎから目白にある某通信販売の大手会社にて打ち合わせ。3ヶ月以上音沙汰がなかったので、はて、どうなっているのだろう、と心配?していたプロジェクト、ちゃんと進んでいました。で、某国内アーティストのCD10枚組ボックスとして登場するのですが、そのブックレットの中身や進行状況をいろいろと話し合い、9月の頭から忙しくなるな〜、という感じでした。ま、たまにはちゃんと仕事をしないといけませんからね(笑)。

 ところで、目白と言うと、ラーメン・フリーク的にはつけ麺の老舗「丸長」だったりするわけですが、実は生まれて初めて、この日、「丸長」に入りました。いつ行ってもスゴイ行列で並ぶのをメゲては他のラーメン店に方向転換してしまう私ですが、今日は、折角、目白で打ち合わせだから、と、30分くらい並ぶのも覚悟で出向いたのですが、なんと待っているのは3人だけ、それも1時10分とか、そんな時間でですよ。結構、吃驚。で、ものの3分5分で入店出来て、食べ終わってもまだ1時半前という、完全なる時間読み違え。で、流石にもう1軒食べようとはならないものの、自転車だったので隣りの池袋駅のラーメン店探訪ーーつまり、1時半過ぎにおける人気店の混み具合をチェックしたのですが、どこもガラガラ。流石にこの時期、学生さんが夏休みだと全然違うんだな〜を痛感した中田です。逆に言えば、この時期こそ狙い目ですね、混雑店でそれほど待たずに入店、が。
 あ、そう言えば、変なラーメン店ありました、池袋の丸井の裏の裏辺り。大きな店の看板をワザと斜めに掲げて、かなり大きい提灯も吊るさずにワザと地面に置いて、しかも、豚骨だか何だかどんな味なのか全然見せない、ただたんに「ラーメン」と。で、中も少しだけ外から見れるのですが、なんだか入るのは躊躇してしまう感じ....。今度、機会を見てチャンレンジしたいとは思いますが....。あ、そう言えば、そこから直ぐの所にある立教通り沿いの「ぶしょう屋」も新しい店に変わってました。ラーメンの写真からするに「二郎系」を思わせる柏の「角ふじ」に似ているような....こちらも近いうちにチャレンジしてみます。こここそ、授業が始まったら立教大生で行列になるのでは....。若者が好きそうなコッテリ&ヴォリュームばっちり系みたいですからね。早めにチェックしてみます。
 そうそう、話し戻って「丸長」のつけ麺ですが、美味しいは美味しいのですが、つけダレの底の方に砂糖が残っている感じで、それは辛かったです。基本的に中田はラーメン党なので、次回はラーメンを食し、そこで改めてこのお店の評価を下させて頂きます。って、今月中に行かなくてはならないラーメン店がたんまり。汗をかきかき食すラーメン、最高です!(ウソです、もうそれが辛い歳になって来ました....涙)

●さて、今日、人から伝え聞いたのですが、私の番組「Adult Oriented Radio」 がインターネット・ラジオで許可無く勝手に転用されているとか....つまり完全なYouTube状態。恐らく、エアチェックしたものを個人のインターネット・ラジオで流しているんだと思いますが、中田的にももちろん嬉しい話しではないことですが、なにより、FM Co-Co-Loさんに失礼です。まさか、この日記をご覧の方でそんな非常識なことをする方はいないでしょうが、とにかくやめて下さいね。或いは正式にFM Co-Co-Loさんの許諾を得て下さい。皆さんも発見したらこちらまでお知らせ下さい。宜しくお願い致します。

「Smooth Jazz Song File」
(215)Gregg Karukas <Avalon>
 from『You'll Know It's Me』(1995:Nightowl)


●西海岸を代表するスムース・ジャズ系キーボーディスト、グレッグ・カルーカス。リッピントンズのメンバーとして初期の名作『Moonlighting』(1986年)、全曲でプレイ。その後もソロ・アーティストとして、プロデューサー/アレンジャーとして、サポート・プレイヤーとして充実した活動を続けているが、日本では筒井望氏(ID Net、K-Zen、MK Music)の多大なるサポートによって、ソロ作のリリースからリーダー・ライヴの実現まで非常に身近な存在になっている。そしてそこで出会えたのは等身大の人柄と、そしてその何倍もビッグな音楽性、この2つであった。耳と心に残る素晴らしいメロディ&旋律の数々、そして巧みなインプロヴァイジング、加えて他のメンバーを立てるバッキングのセンス。まさに"理想的なソフィスティケイテッド・ミュージシャン"、それがこのグレッグ・カルーカスだと確信出来た。そんな彼の優しさ、知的なセンスが十分に発揮されたナンバーがこれだ。爽やかに心が弾む、幸せ気分に浸れる名曲。筒井氏が監修した日本独自のベスト盤でも、CDのオープニングを飾っていた。

<8月2日(木)>

「今日の出来事」

●今日はアドリブ誌の原稿書き。ものは6月末に行ったケリー・スウィートのインタヴューで、今月末にビクターさんから日本盤が出るので、それに合わせた露出となります。しっかし、改めてキュートですね、ケリーさん。もちろん喋り方が、です。現在19歳ですが、日本の同年代とはなんか全然違う感じでとにかく素敵です。凄くしっかりとした考え方を持っているのに、でも、10代ならではの瑞々しさも持っていて...理想ですね。例によって、インタヴュー全編興しをして、それから本原稿に取り掛かる、というパターン。デビュー作ということもあり、結果的にはインタヴュー原稿というよりも書き原スタイルになりましたが、ま、でも、本人が語った内容はちゃんと生かされています。1日作業というか、しっかり夕方まで掛かり、さ、夜はまたまたネオンの街、ではなく、グルメの街へ、旅だった私です。収穫は結構ありました、グルメ系の。

「Smooth Jazz Song File」
(214)U-Nam <Street Life>
 from『Back From The 80's』(2007:Soulvibe)


●輝き、ヴァイブが半端ではない。1970年、パリに生まれたギタリスト、U-Nam。U-Namとは以前のステージ・ネームManuを逆にしものだが(本名はEmmanuel Abiteboul)、同時にフランス語でOne Soulも意味するとのこと。2005年のデビュー作を手に入れた時はジャケット写真の出で立ちからヒップなストリート系ミュージシャンかと誤解してしまったが、実際は完全なフュージョン世代。ジョージ・ベンソンをこよなく愛し、この2ndでも彼の<Turn Your Love Around>をカヴァーしただけでなく、<Mister GB><Breezin' M.A>というオリジナル曲も演じている。当然、オクターヴ奏法を駆使したクロスオーヴァー系サウンドが十八番となっているが、冒頭にも書いたように、輝き、ヴァイブが半端ではない。すなわち、現在のMr. GBにはない若きストローク、ピッキングで聴き手を十二分に煽り、それでいてスムース・ジャズとして楽しめるトータルな音楽性。まさに脱帽だ。クルセイダーズの名曲をカヴァーしたこれを聴けば一発でそれを理解してもらえるはず。現在、チャートのトップ10を赤丸上昇中。素直に崇拝!

<8月1日(水)>

「今日の出来事」

●午前中は雑務、そしてお昼過ぎに家を出て1時から5時近くまで「Adult Oriented Radio」 の収録。8月11日、18日、25日放送分の前半1時間を一気に録ってしまいました。何故に、そんな先まで収録するかと言うと....特に意味はありませんが、スタジオもお盆休みになってしまったり諸々ありまして、という感じです。各日、後半の1時間は後日ゆっくりと。リクエスト特集あり、アドリブ:山崎さんとのダブルDJあり、そして! 8月11日放送分ではまたまた沼澤尚さんにご登場頂き、ジェフ・ポーカロさん話しを中心にこれでもかとプロの目線、耳線で音楽を分析して頂きます。今回こそ、ビル・チャンプリン『Single(独身貴族)』の曲毎ドラマー分析を実現させたいです。たっのしみ〜!

「Smooth Jazz Song File」
(213)Lynne Fiiddmont <Holiday>
 from『Flow』(2006:MidLife)


●L.A.のスタジオ・シーンで売れっ子のヴォーカリスト、リン・フィドモント。ここ数年も各種セッションに加え、スティーヴィー・ワンダーやフィル・コリンズのツアーに同行し、確かなバックアップぶりを見せている。そんな彼女の初のソロ作が2006年に発表した『Flow』。その年に聴いた新譜の中でも間違いなく五指に入る傑作で、特に頭3曲の出来、流れは見事としか言い用が無かった。セッション系シンガーがソロ作を作る時考えられるケースは、ルーツ:素顔であるゴスペルものであったり、私的なSSW系であったり、あるいは、人気プロデューサーの手を借りたヒット狙いものであったりすることが大半だが、彼女の場合は曲作りもプロデュースも完全に自分が中心となり、まさに、今まで隠されていた音楽的才能をようやく人前でアピールした、という内容だ。エンジェリックな声を自在にコントロールし、ブラコンからブラジリアンまで全てをスムースに仕上げている。イチ押しのこの曲はCDの冒頭を飾るフレディ・ワシントンとの共作。洗練されたL.A.系サンバのリズムがまさに軽やかな休日気分をなびかせている。