<8月20日(月)>

「今日の出来事」

●午前10時にチェック・アウトし、11時にヴァン・ナイズのスターバックスでブライアン・シンプソンさんと待ち合わせ。昨日バックステージでこっそり渡してもらった彼の最新作『Above The Clouds』(アメリカでは8月28日に発売)に関していろいろと聞いてみました。細かな内容は後日、CDのライナーや音楽誌、ラジオ番組などで紹介させて頂くつもりですが、アルバム・タイトルはジョージ・デュークがゲスト参加した曲のタイトルから取っているとのこと。で、その曲は例によって最初はタイトルが決まっていなかったのですが、ある日、飛行機に乗り雲の上をフライトしている時に「これだ! あの曲が持っているのはこの感覚だ!」と閃き、<Above The Clouds>としたとのこと。ちなみに、どんな曲かと言いますと、コードであったりの展開が全然着地せずに常に動いている感じを持っている、とブライアンは語っています。その他にもカーク・ウェイラム、デイヴ・コズ、ウェイマン・ティズデイル、チャック・ローブ等がゲストで参加。NYのチャックと接点があったとは意外だったのですが、ジャズ・フェスで知り合ってわずか2週間でレコーディングの参加を依頼し、サクッと演ってくれたとか。さらに、ラストのトラックではマイケル・ブレッカーの吹きまくりがあるのですが、このセッションについてはもうちょっと経ってからご紹介しましょう、美味しいネタなので。日本盤はVideoArtsさんから11月21日に登場予定。1人でも多くの方に聴いて欲しいです。

●そして本日から本格的なCD漁りも始まるわけですが、いきなり大ショック! Ventura Blvd.沿いのお気に店:Heavy Rotationが無くなってました。かなり落ち込んじゃいましたね。ため息連発。ここは安くて、かつ、新譜の中古がかなり早くから出回っていた貴重な店。おじさんも本当に優しそうな人で...。移転だったら好いのですが....
 で、もう1軒のお気に、同じくVentura沿いのCD Traderに行き、約20枚購入。欲しかったものは出て来ませんでしたが、あ、こんなの出てたんだ〜! 或いは、ベスト盤なんかを中心に購入しました。以下が戦利品です。

Rush 『Gold』(2006:Mercury)
いきなりハードロックで...(笑)。昔、大好きだったカナダのトリオの2枚組ベストがたったの$11.99。しかも、Disc-1の1曲目が<Spirit Of The Radio>で、その後も<Bastille Day><Anthem><Closer To The Heart><The Temple Of Syrinx><La Villa Strangiato><Fly By Night><Working Man>...と見てしまうと、もう押さえられません(笑・笑)。絶対に全曲iTunesに取り込みます!

The Association 『Greatest Hits』(:Warner)
一転、1960年代に活躍したソフト・ロック・グループのベスト盤。至って普通のベストです。

Queen 『A Night At The Opera』(2005:Hollywood)
DVDがオマケに付いたディジ・パック仕様の30周年記念盤。未開封にしてはリーズナブルだったので。

Slave 『The Definitive Groove Collection』(2006:Rhino)
スティーヴ・アーリントンも在籍したオハイオ・ファンクの雄の2枚組ベスト。未開封でこれまた$11.99は資料用として最適、という感じです。開けてみたらブックレットに英文ライナーもたくさん載っていましたし。

Various 『Carl Signman Songs』(:Major Songs)
2000年9月に他界した偉大なるソングライター、カール・シグマンの功績を讃えた音楽出版社制作による3枚組ベスト盤。フランク・シナトラ、メル・トーメ、サラ・ヴォーン、ビリー・ホリディはもちろん、ヴァン・モリソン、リンダ・ロンシュタット、アレサ・フランクリン、ベン・E・キング、ジョニ・ミッチェル、さらにはスカのスペシャルズまで収録し、ブックレットも30頁を超す超豪華な内容。そんな貴重な非売品が$8.99とは申し訳ない気分です。

Alan Bergman 『Lyrically, Alan Bergman』(2007:Largo/Verve)
奥様のマリリン・バーグマンとのコンビで数々の名曲を生み出して来た詩人、アラン・バーグマンが自らの楽曲を歌い上げた最新録音盤。以前も確か、ダイアン・シューアのアルバムでデュエットしていたり、味のある歌声は披露していましたが、ここに来てアルバムとは! 脱帽です。クリスチャン・マクブライドがベース、ティル・ブレナーがトランペット、2曲のピアノがランディ・ウォルドマン、2曲のアレンジがジェレミー・ラボックという豪華な作り。収録曲は<The Way We Were><The Windmills Of Your Mind><It Might Be You><How Do You Keep The Music Playing><You Don't ring Me Flowers>他、AORファンにもお馴染みのものが多数。アランおじ様の歌声は、とにかく温かくてホント、和めます。今年82歳でこのヴァイタリティ! アルバムを制作すること自体、凄いことです。

George Duke 『Ultimate』(2007:Mosaic)
8月18日だったかにカーク・ウェイラムのレーベルを超えたベスト盤がMosaicから出ているはずですが、これも同じレーベルから登場したベスト盤。EpicもElektraもWarnerもBPMも入ってます。監修はMatt Piersonで彼のライナーも掲載。

Jose Feliciano 『The Soundtrack Of My Life』(2007:Hip-O)
久々の新録です。数曲聴きましたが変わってなかったです。

Sara Gazarek 『Return To You』(2007:Native Language)
キュートなジャズ・シンガーの最新作。ポール・マッカートニー、ビリー・ジョエル、ジョニ・ミッチェル、レナード・コーエンなど、ポップスの名曲、隠れチューンをスタンダード風にアレンジした作品で、歌声もモロにジャズ風ではないところが幅広い人気の秘訣のようです。新作なのに安かったです。ラッキー!

Ellen Johnson 『These Days』(2006:Vocal Visions)
こちらも美人系ジャズ・シンガー。1曲目がジャクソン・ブラウンの<These Days>で、以後、ミンガスの曲あり、いわゆるスタンダードあり、な選曲。購入理由は、ジェフリー・ウエバーがプロデュースをしていたから。ただし、別にL.A.の美味しい所は入っていないので、特にチェックの必要もないかな、という感じです。

Donny Osmond 『Love Songs Of The '70s』(2007:Decca)
相変わらずのカヴァー・ブームですが、今度はダニー様もやってくれちゃいました。収録曲は<Sometimes When We Touch><When I Need You><Laughter In The Rain><Let's Stay Together><How Deep Is Your Love><If><Alone Again(Naturally)><Mandy>他、全12曲。フィリップ・セスが数曲でアレンジしています。

Bette Midler 『Cool Yule』(2006:Columbia)
昨年出ていたクリスマス・アルバム。プロデュースは全編ロビー・ブキャナンでした。大ヒットした<From A Distance>の"Christmas Version"を収録。

Barbra Streisand 『Live In Concert 2006』(2007:Columbia)
2枚組のディジパック仕様。ウィリアム・ロス指揮によるオーケストラが中心ながらドラムスはJR、ベースはスチューベンハウス、ピアノはランディ・ウォルドマンといった面子になっています。イル・ディーヴォを3曲でゲストに迎えるあたりは流石バーブラ、そつがない!といった感じです。

Freda Payne 『The Best Of』(2002:Capitol)
なんとなく買いました。

Linda Eder 『Greatest Hits』(2007:Rhino)
ミュージカルAOR(?)の歌姫、リンダ・エダーのAtlanticにおけるベスト盤。例によって、旦那様にして名ソングライターのフランク・ワイルドホーンが全曲のプロデュースを手掛けています。

Sergio Mendes 『The Sergio Mendes Four Sider』(1972:A&M)
かつては2枚組LPー4面に収められていた編集盤のCDヴァージョン。ちゃんと1枚で収まってます。全21曲入り。

Tito Nieves 『Exitos Eteros』(2004:Universal)
サルサ界の大御所ですよね、この人。家に確か2枚、オリジナル・アルバムがあるのでなんとなく買ってみました。<How Do You Keep The Music Playing>をやってます。

Bilal 『1st Born Second』(2001:Interscope)
ボニー・ジェイムスのアルバムにゲスト参加していたのでいつか聴いてみようと思った今時のR&Bシンガー。ヒット・シングルの<Love It>なんかはまあまあ好いですが、アルバムを通して、はキツイですね。

Barbara Morrison 『I Know How To Do It』(1997:Chartmaker)
かって、ポニー・キャニオンのPCHからリーダー作も出ていた西海岸ベースの黒人シンガー、バーバラ・モリスンの1997年作品。完全なる4ビート・アルバムです。オルガン=Steve Woodというクレジットにホンの少し惹かれました。

Various 『Jazz Lounge 3』(2007:Water Music)
なんだかよく解らないで買いました。ディジパック、2枚組で$5.99だったので。とか言いつつ、ジミー・ソマーズの新録がひょっこり入っていたので買った、というのが実のところだったりします。

Allen & Allen 『Allen & Allen』(1994:CGI)
ゴスペル系のジャズ・ユニット、アレン&アレンの、これは1stでしょうか? ビービー&シーシーの<Lost Without You>をいきなり1曲目で演っていました。

Oscar Castro-Neves 『All One』(2006:Mac Avenue)
ドン・グルーシン、ブライアン・ブロムバーグ、ゲイリー・ミーク、アレックス・アクーニャ他が参加した昨年のアルバム。ラストでマイケル・フランクスの<One Bad Habit>をカヴァーしています、ちゃんと歌もので。

●そして昼食はもちろんラーメン! 今日はL.A.で一番通っている「ラーメン日本」に行きました。ということでまたこれです!

『中田利樹の Ramens in L.A. 〜其の四〜 ラーメン日本』
ここに来るようになって、かれこれ15年くらいになるのではないでしょうか? L.A.に来ると、何はともあれここに足を運んでしまいます、それこそ、時には空港から直行する程。特に凄いわけでもなんでもない醤油味のスープなんですが、なんだか独特の出汁を醸し出し、加えて、まさに日本の家庭の味になっている半カレーとのセットが私の中の大定番になっています。
 が、しかし、今回はちょっと味が変わっているというか、以前よりも美味しくなかった気がします。スープを呑む前から色が前と違っていたことが解り(と言っても、本当に微妙な加減ですが)、美味しく進化していたらどうしよう!という一瞬の期待が直ぐに崩れた、そんな感じでした。ここの麺は特注の中太ストレートなんですが、これもホンのコンマ数ミリ細くなった気がします、以前より。カン水控え目、その分どこかパスタを思わせる食感は全然改良の余地があると思うのですがね....。これまではL.A.で不動のベスト3入りも、今回遂に圏外へと追いやられてしまう気がして来ました。まだまだ行きたい店、沢山ありますからね。

●その後、ホテルにチェック・インするも、定宿化していたヴァン・ナイズのTravelodgeがComfort Innに変わってしまい吃驚! が、ちらっと探りを入れると、値段も中身も変わっていなかったので直ぐに決定。逆に、外観は白青から薄茶系へと雰囲気を変え、さらにロビーが完全なるブレックファスト仕様になり、全体的には非常にシャープな感じ。これは好いですね。
 そして購入したCDをいろいろとチェックしているうちにあっという間に夕方に。ジェイさん含め、数件にコンタクトを取るもジェフ・カラザースさん以外捕まらず、また、結局、コールバックも無し状態。う〜〜ん、どうしましょう...明日の朝、コール・バックがあることを期待します。
 夜は今日もまたまたスーパーで買い出し&部屋で地味〜に。車で1分のところにVonsがあるのでそこに行ったのですが、恐いもの見たさに挑戦したスーパーの寿司、やっぱダメでした、残念。基本的にはカリフォルニア・ロール系がほとんどなのですが、エビの握りが3貫入ったちょっと大きめのセットがあったので食べきれるかどうか不安になりつつもそれを買ったのですが、シャリはベタッ〜としていて味もイマ2。根性で完食したのはやはりビール、という強力な助っ人?がいたからこそ。あ、それと、何故か、ガリだけは全然美味しかったです。それと、豆腐も売っていたのでこれも買ったのですが、これまたイマ1でしたね。キッコーマンの醤油で奴にして食べたのですが....。
 でも何事もトライ&エラーが大事なので、全く問題ありません。次回以降、避ければ好いだけのことですから、非常に安い授業料です。
「Smooth Jazz Song File」
(232)Seal <Kiss From A Rose>
 from『Seal』(1994:ZTT)


●シールの曲はスムース・ジャズのステーションで本当によく耳にしている。中でも、映画「Batman Forever」のサントラに収められ全米No.1を獲得、さらにACチャートでも12週間首位に立ったこの曲は定番と言って好いだろう。シールの歌声はとにかくクールでボーダーレス。彼の前ではジャンルの壁も何の意味も持たない気がする。感性と質感。つまりこれもスムース・ジャズの定義、そのままだ。精神的に豊かなアダルト層が優雅に楽しめる音楽。ただし、単なるイージー・リスニングとは違って、確かな聴き応え、高度な音楽性をしっかりと纏っている、という部分だ。シールことSealhenry Samuelは1963年2月19日、ロンドンの生まれ。両親はナイジェリア人とブラジル人で、学生時代は建築学を専攻。卒業後は電気技師や服のデザイナーなどいろいろな職を経て、地元のクラブやバーで歌うように。その後、ファンク・バンド:Pushに参加し、日本やアジアに大きな興味を持つようになった。そして、トレヴァー・ホーンとの運命的な出会いによって、唯一無比なアーティスト:Sealが形成されるのだった。

<8月19日(日)>

「今日の出来事」

●夜中、何回も目が覚めつつも、結局は8時過ぎまで眠れ、ギリギリの11時にチェック・アウト。そして今日もまたまた2軒のラーメン店を開拓、堪能する私でした。

『中田利樹の Ramens in L.A. 〜其の弐〜 中華そばGOMEN』
なんと和歌山ラーメンを打ち出すお店がL.A.にありました。この「中華そばGOMEN」です。場所はオレンジ・カウンティのStantonというエリア。モールの中の1軒なんですが、赤い文字で「中華そば」と書かれる外観からして日本の色をしっかりと打ち出し、店内の壁に書かれたメニューも全部日本語。英語でのフォローは基本的に無し! 物凄い勇気の要ることですが、でも、逆に天晴れで素敵です。もちろんウェイトレスさんというか女将さんというかは日本人で、しかも、厨房に告げる言葉も完全なる日本語。つまり、中で作っている人も恐らく日本人。これは期待が持てます。ちなみに、お客さんは韓国だか中国だか系もいましたが、日本人も多かったです。
 スープは和歌山系の醤油豚骨だけでなく、いろいろと用意されているようですが、とりあえず看板メニューと思われる醤油豚骨をオーダー。テーブルに運ばれて来た1杯をよ〜く眺め、心の中で「いただきます!」。そしてレンゲで口に運んだスープは、と言いますと。ああ、なるほど。が、第一印象。流石に、本家:和歌山ほどのこってり感はないですが、逆に言うと、私は井出商店系(本店他)とその他3〜5軒しか食していないので、このお店くらいの豚骨度(サラッとしている、ということです)、というお店も在るかもしれません。なので、この一口で、ちょっとコクに欠ける、と判断するのは失礼かもしれませんね。続いて麺を啜ると....ああ、これも井出商店系とはちょっと違って、かなり加水率高し、でした。非常にしなやかで、何故か、そうめんを思い出した瞬間も在りました。和歌山というと薄めのチャーシューがたくさん乗って、ですが、それはまんま伝承していて、これは日本と較べても遜色のない味。最初から入っている味玉の半身、これも、十分すぎるほど味が沁みてて、こちらも納得。メンマも味が十分に付いています。結局はスープは全て完食。いやあ、なんだかんだ言って、結局はかなりイケた方、というのがこの店の評価です。ちなみに店名は素直に「ゴメン」という模様。「ゴーメン」「ゴウメン」で「強麺」とかけた、とは無さそうでした。

 さて、それではもう1軒!と調子が上がって来たのですが、さっき車から「CD/LP/DVD」みたいな文字が見えたので、ちょっとそっちに寄ってみましょう。2軒目はそれからでも全然遅くないので。

 店はアナハイムのMagnolia Ave.沿いにある「Music Baron」というところで、結構、アナログも少なくない老舗的な所です。そんなに大きくないので、特に期待もしなかったのですが....
 以下が戦利品です。

Frank Stallone <Far From Over>(12ch single)(183:RSO)
『Staying Alive』のサントラで有名なあの曲の12インチ・シングル。A面が"Extended Club Re-Mix"でB面が"Instrumental"という内容。$1.99だったので買いかな、と。

Jim Horn 『Jim's Horns』(1973:Shelter)
セッション・プレイヤーとして大活躍するサックスマンの2作目。LPです。1stは持っていたのですがこれは持っていなかったので結構嬉しかったです。ディーン・パークス、スティーヴ・クロッパー、エド・グリーン、ルイ・シェルトン、マイケル・オマーティアン他が参加。たったの$4.99でした。ラッキー!

Nightingale 『Connection』(1990:Higher Octave)
以下はCDです。シンセ系のニュー・エイジ・グループ。HIgher Octaveだったので試しに買ってみました。

Akira Jimbo 『Panama Man』(1995:Kazu/Unity)
国内盤は持っていますが外盤だったので記念(?)に。

The Monroe Brothers 『Naked Options』(1993:Cool Nation)
4コマ漫画みたいなイラストのジャケットで全然スムースな香りはしなかったのですが、"A Tribute to Nelson Rangell"として彼の<Brasilia>をカヴァーしたり、なんか悪くなかったです。

Various Artists 『Hip Hop'n Jazz』(1994:Cema)
US3、Jazzmatazz、Digable Planets他の今となっては懐かしい人たちを収録したコンピ盤。今聴くと違って聴こえるかも、で買いました。

Gato Barbieri 『Rudy, Rudy』(1977:A&M)
巨匠の77年作品。ハーブ・アルパートがプロデュースを手掛け、ガッド、リトナー、パーディー他、豪華な面々が参加した聴き易めの1枚です。

Jim Chappell 『Saturday's Rhapsody』(1990:Music West)
ピアニストです。ニュー・エイジ系というか、ブルース・ホンズビーをそっち系にしたようなサウンドでした。

The Taliesin Orchestra 『Orinoco Flow』(1996:Intersound)
エンヤの曲をオーケストラで演じたアルバムです。タリエシン....懐かしい響きです。DPの1期を思い出しちゃいました。

The Munich Philharmonic Orchestra 『Plays ABBA Classic』(1991:Atlantic)
そしてこちらはミュンヘンのオーケストラによるアバの名曲集。

Various 『Wave Aid 4』(:Nimubus)
L.A.のスムース・ジャズ・ステーション、WAVEによるチャリティ・コンピ。ピーター・ホワイト、ガトー・バルビエリ、オットマー・リーバート他を収録。リリースは1990年頃の模様。

Various 『GRP & FN98 KIFM Present The Smooth Sound Of San Diego』(1991:GRP)
ジョージ・ハワード、リッピントンズ、リー・リトナー、デヴィッド・ベノワ他、14曲を収録。

Various 『GRP Digital Sampler Volume 2』(1985:GRP)
グルーシン、リトナー、コブハム、ガレスピー、ヴァレンティン、スペシャルEFX他、初期のGRPを代表するナンバーを10曲収めたサンプラー。

 値段はどれも手頃でしたし、さくっと寄ったにしては十分な戦績だったかな、と。そして、今日2軒目のラーメン店を目指したのですが、ようやく辿り着いたはずがすでに店は無く、新たに寿司屋さんになってました。で、入ろうかなどうしようかな等、全く考えもせず、ならば次! と即移動。そこから5分と行かない所にまた別のラーメン店があるのでそちらを優先しました。

『中田利樹の Ramens in L.A. 〜其の参〜 麺どんTAMAYA』
名前の通り、麺だけでなく丼ものも売りにしている典型的なL.A.スタイルの店。ウェイトレス2人は日本人の若い女の子で、メニューもかなり日本語。でも、お客さんは中国系、韓国系が大半でした。醤油ラーメンを頼んだところ、これまたオードソックスなさっぱり系が登場。かなり澄んだスープで麺は中太のやや縮れというまさに定番系。で、スープを一口啜った感想は---コンソメ! そして呑むうちになんとなくピリッと辛い雰囲気も味わえ....あ、これ、七味唐辛子ですか? 入れ過ぎない程度に、隠し味程度に、ではございますが、こう来ましたか! でも、麺はシコシコ感あって、今まで食べた3軒の中では一番好かったです。具も全然問題ないですし。

 そしてフリーウェイをL.A.のダウンタウン経由ハリウッドまで車を走らせ、宿探し。過去に何回か泊まったことのある安いモーテルを訪ねようすると、あれ〜、看板が変わってる! 買収されちゃったんですかね...。ま、でもとりあえず値段を聞いて...うわっ、無茶苦茶上がってる! やめます、はい、済みませんでした。で、3軒目でようやく決定。妥協、という気が無きにしも、ですが、今晩だけの1泊ですから。

●そして1時間くらい仮眠をしていざ出陣! 30分弱のんびり歩いてハリウッド・ボウルに行き、6時からスタートするJVC Jazz Festivalを堪能させて頂きました。以下がそのリポートです。

 最初に登場したのはニュー・エイジ系スムース・ジャズのピアニスト、ジム・ブリックマン。ソロ・ピアノで4曲演奏し、1曲ヴォーカルも披露してくれました。そして<Escape>という曲はかなりフォスターしていて思わずニンマリ。確かこの人、私と同じ1961年生まれですから、多感なる青春期にフォスター節をいろいろと注入されたのかもしれません。
 そして5曲目の<Valentine>からサックス奏者マイケル・リントン登場。改めて言うまでもない、ボビー・コールドウェル・バンドの卒業者。最近ではボビーに負けない人気をアメリカでは獲得しています。で、まずはその曲をデュオで聴かせてくれましたが、これがまた美しかったです。マイケルのアルト、本当に歌心に溢れています。加えて、北欧人だけにスラッと背も高く、かなり格好良いです。
 続く6曲目からバンドも加わりクインテット編成に。で、そのバンドですが、ドラムスがリッキー・ローソン、ベースがロベルト・ヴァリーという著名なリズム隊。7曲目からはジムが引っ込み、マイケル・リントン・バンドとして3曲をパフォーマンス。最新作『A Song For You』からスティーヴィー・ワンダーの<All In Love Is Fair>をしっとりと決め、続く2曲は前作『Stay With Me』からのお馴染みチューン<Pacifica>と<Show Me>。<Pacifica>のイントロが流れた時は思わずイェ〜イ!と声を上げてしまいました。超名曲ですからね。そして<Show Me>では客席に降り、サビのフレーズをオーディエンスに歌わせる、というパフォーマンスで盛り上げ、フィナーレ。
 そしてかつてのドリフ(?)のステージではないですが、セット・チェンジはステージの中心が回転して、という超スムース設定。マイケル・リントンが終了すると間髪入れずにアール・クルー・アンド・ヒズ・リトル・ビッグ・バンドのステージへと変わりこちらも9曲、小一時間の演奏を届けてくれました。リトル・ビッグ・バンドはホーン4人からなり、中にはジェフ・ジャーヴィス、なんていう有名どころ(?)もいました。かと思うとカリフォルニア州立大学ロング・ビーチ校の学生さんもいたり、その顔ぶれが面白かったです。とは言え、それほどビッグ・バンド的な曲は多くなく、<Living Inside Your Love><Dr.Macumba>といった定番をちゃんとやってくれましたし、アル・ジャロウが歌った<This Time>も黒人ヴォーカリストの歌でしっとりと届けてくれました。

 そして、この後も間髪入れずにトリのデイヴ・コズに、と行かないところがまた好いですね。オーディエンスもトイレに行きたいでしょうし、飲み物、食べ物も欲しいでしょうし。その辺りのメリハリが巧いなあと思いました。それと、この頃にはすっかり陽も落ち、スクリーン・モニターもしっかりと観れる暗さになっています。そこでデイヴ・コズのパロディ・ポスター集(?)を映し出していてこれがまた楽しかったです。彼の最新作は『At The Movies』というタイトルで、いわゆる映画の名曲をいろいろとカヴァーしています。なのでそれに絡めて有名な映画のポスターの、メイン・キャラクター(主人公の顔の部分)をデイヴに差し替えた、いわゆるアイコラしたものをいろいろと見せてくれました。例えば、"King Kong"が"King Koz"、"Jaws"が"Kawz"、"The Wizard Of Oz"が"The Wizard Of Koz"など。これを10パターン以上作って、中にはかなり無理あるな〜、と思うものもありますが("Koza-Blanca""Superkoz""Lord Of The Sax"....)、でも、アメリカ人ならではの遊び心がなんだか微笑ましかったです。

 そしていよいよライヴがスタート! 相変わらず元気に飛ばしてくれて、2曲目で<Together Again>、3曲目で<Honey-Dipped>。もう早くも観客は最高潮、という感じです。とにかくハリウッド・ボウルですからね、場所は。一万数千人いるであろうオーディエンスのノリは半端ではなく、本場でのデイヴ・コズ人気の恐ろしさ(?)を思い知らされました。そしてその<Honey-Dipped>の後半でデヴィッド・ベノワが登場しピアノ・ソロを披露。正直、ちょっと噛み合っていない気がしないでもなかったですが、いやいやこの共演を生で観れるだけでもう興奮もの。贅沢は言いません。
 4曲目は1993年のアルバム『Lucky Man』に入っていた<Tender Is The Night>。CDと同じくフィル・ペリーが登場してソウルフルに歌い上げます。続いて、ベノワさんの昨年のヒット<Beat Street>が演奏され、ここでコズさんはいったん休憩。しかし直ぐに戻って、ベノワ&コズでデイヴ・ブルーベックの<Blue Rondo A La Turk>を演ると、間奏部でアール・クルーもステージに登場、華やかさ極まりない瞬間を届けてくれます。
 そして今度は19歳の女性シンガー、ケリー・スウィートが登場しヒット中の<Raincoat>、そしてデビュー・アルバム『We Are One』のタイトル・チューンを披露。クラシカル・ジャジー・ポップと呼びたい彼女のアルバムは来週には日本盤も登場予定。売れて欲しいです。
 9曲目は再びフィル・ペリーが登場し、最新作から<Ride Like The Wind>のカヴァーを力強く届けてくれました。そしてデイヴ・コズ、お得意のレパートリー、<Silverlining>で第一部はほぼ完全燃焼。これだけでも全然大満足ですが、ショーは続く第2部も見物でした。
 2部は前述のコズさんの新作『At The Movies』をクローズ・アップしたものなのですが、まず、何故そういう企画だったのか他をコズさんが語り、さらにバリー・マニロウからプロデューサーのフィル・ラモーン、そしてエンジニアのアル・シュミットまで登場するドキュメント・タッチのPVを10数分流して、いよいよ第2部のスタート、という構成。ブルーノートでのライヴがメインとなる今秋の来日公演では流石にここまでは観れないと思うのでやはり貴重です。
 そして<As Time Goes By>で、比較て大人しめにスタートするのですが、コズさんがハンフリー・ボガート宜しくトレンチコートに帽子、みたいな出で立ちで登場し、客席は大盛り上がり。その後も<Moonriver><Pink Panther><Over The Rainbow>と披露してくれますが、<Over The Rainbow>は2年前に亡くなられたお母さんのお気に入りだったのでレコーディングすることにした、旨、語っていました。
 そして続いて"Music Of James Bond"メドレー。デヴィッド・ベノワさんをフィーチャーしてのパフォーマンスになったのですが、ここでも面白い演出を少々。まず曲を弾き始めるのですが、そこでコズさんが「ちょっと待った、ちょっと待った」とバンドを止め、さ、何が在るのかと思ったら、ベノワさん、その時はジャケットを羽織ってなかったんです、ワイシャツ系だけで。なのでコズさんが「ジェイムス・ボンドはやっぱりジャケットを着なくっちゃ〜!」と発して、アシスタントがベノワさんのところにジャケットを持って来ます。で、それでは改めて仕切り直し、と思ったら、またまた演奏開始後数秒後にコズさんが止める合図。「やっぱりこれがないとジェイムス・ボンド、物足りないでしょう!」と言い、アシスタントがベノワさんの所に持って来たのはというと、マティーニのカクテル! 流石、アメリカ人ですね。ベノワさんがひとくちマティーニを啜ると今度こそ曲がスタート、という粋な演出でした。
 そしてこうなるともう突っ走るのみ! "Austin Powers"メドレーで楽しさの極限へと導き、フィル・ペリーの歌う<It Might Be You>で気持ちトーンを落としつつ、最後はフィル&ケリー・スウィートが歌う<Car Wash>! ローズ・ロイスのヒット曲ですが、こういうので頂点に持っていく所がアメリカ人ですね。で、よくよく調べたらこの曲、クリスティーナ・アギレラによるカヴァーがなんかの映画のサントラに収録されているんですね、納得です。
 そしてアンコールで<You Make Me Smile>を演奏し、さらに<I'll Be There>で得意の、メンバー:ソロ or 歌い回し大会をやり、ジ・エンド! 盛り上がりました、楽しかったです。コズさんだけで2時間以上、全部で4時間を超す長さでしたが全然飽きず。来て好かったです。

 そして終演後にバック・ステージに。このフェスも実はRendezvous Music Entertainmentの人にお願いしてインヴィで入れて頂きました。なのでバック・ステージにも行けたのですが、なんと、大大大好きなリン・フィドモントさんを発見したので「貴女のアルバムの大ファンなんですよ!」と、自分から挨拶。東京で音楽人演ってます、みたいに言うといきなり「フィリップ・ウー!」という名前が出て来て吃驚。さすがのコネクションですね、ウーさん。
 その他にも、ベノワさんご夫妻に挨拶をし、はたまたバンド・メンバーのキーボード:ブライアン・シンプソン、ギター:ランディ・ジェイコブス(トニー・メイデンからこの人にチェンジしています)、ベース:ビル・シャープなどと話しをし、さらに、6月に日本で取材をしたケリー・スウィートにも挨拶を、と思ったら、そこで凄いハプニングが!
 実はハリウッド&ハイランドの交差点からハリウッド・ボウルまで10分くらい歩いていったのですが、その道のりでずっと私の近辺を歩いているご夫婦がいました。歳の頃は40代後半の奥様と50代の旦那様、という感じでしょうか。すると、そのご夫婦、客席でも私と同じ列の少し離れた所に座っているではないですか。実は後で解ったのですが、その一角はいわゆる招待系の業界席。なので、そのご夫婦もバック・ステージに来ていました。そして、ケリー・スウィートさんのそばに立っていたのですが、旦那様の方が私に声を掛けて来たんです、「君、来る時ずっと、そばを歩いていたよね。そして、席もそばで」って。そしてこう自己紹介してくれました、「ケリー・スウィートの父親だよ」と。うわっ、そうだったんですか、吃驚仰天です! でも、もっと吃驚したのは向こうでしょう、その後、私がこう返したので。「本当ですか! 実は、私、ケリーさんと東京で会ってるんですよ、インタヴューで。は〜い、ケリー、覚えてる? トシだよ!」と。なんか、it's a small worldでとても面白かったです。
 そして最後に、ようやく人が減ったデイヴ・コズさんの所に行き、は〜い!とハグ。そして2ショットの写真も撮ってもらい、10月、東京でまた会いましょう!と。帰りにまたまたハンバーガーを買い部屋で夕食。今回のメイン・ステージを堪能出来たことを祝してビールで乾杯! さ、明日からはCD漁りに全力を注ぎます!
「Smooth Jazz Song File」
(231)Sugar & Silk <Prints Of Persia>
 from『Fact Or Friction』(2000:Heaven Sent)


●2006年にソロ作を発表し確実にその名を広めたキーボード奏者オリ・シルク。英国ならではの知的なピアノ・タッチは多くのリスナーを魅了するものだが、そんな彼が、イスラエル生まれ、英国育ちの黒人ベーシスト、ダニー・シュガーと結成していたのがこのシュガー&シルクだ。2人は1996年に大学で初めて出会い、音楽の趣味が一緒だったことから直ぐに意気投合。幾つかのバンドを経てこのユニットに落ち着き、2000年にこのアルバムでデビューを飾る。アルバム全編で熟練された英国風スムース・ジャズを展開しているが、この時点で2人とも未だ21歳だったという事実には改めて驚かされる。2002年にも『Duality』というアルバムを出し、これもまた十分なるポテンシャルを持っているが、初めて聴いた時のインパクト、という点では1stに収められたこの曲がやはり一番だ。メロディらしいメロディは無く2種類のリフの組み合わせだけなのだが、インドチックなスティール・ドラム系とレイヴ系、この2つのシンセのフレーズが頭から離れず、ほとんど中毒状態。この柔軟な感性はまさに大物の片鱗の証明だ。

<8月18日(土)>

「今日の出来事」

●5時に目覚ましをかけ6時過ぎに部屋を出てチェック・アウトを....って、フロント、まだ開いてないじゃないですか! さすがローカルなモーテル。ビジネス・タイムは朝の7時からでした。仕方ないので、部屋に鍵を置いてそのまま退散。ま、こういう経験は以前にもありましたので特に問題はございませんが。そしてレンタカーを返却し7時前に空港にチェック・インするも、相変わらずセキュリティーは非常に厳しくて、トータル100m以上の待ち行列。その分、ゲートで待つ時間はグッと減り、特に暇せず飛行機に乗れました。もちろん今回は機体のトラブルも無くオン・タイムで離陸。時差ボケ&心地好い疲れもあって約2時間半のフライトのうち半分以上は寝ていた感じです。好か好か。

 そうして約10ヶ月振りのL.A.に到着。すんなりレンタカーも借りられ車を走らすと....うわ〜、嬉しいです! いきなりスムース・ジャズ・ステーション:WAVE(94.7FM)にダイアルが合っているではないですか! この車を前に借りていた人もWAVEを聴いていた、というわけですね。思わず「ヤッホー!」と声を上げてしまう私。やはりL.A.に来るとグルーヴが変わっちゃいます。

 さて、今回のL.A.滞在ですが、目的は....ジャズ・フェスを2つ観て、ジェイさんやブライアン・シンプソンさんやジェフ・カラザースさん、デヴィッド・ガーフィールドさん辺りに会って近況を聞き、あとは例によってCDショップをいろいろと覗いて....。
 でも今回はそれだけではなく、改めてL.A.のラーメン店総チェック! してみようかな、と。当たり前ですけれど、ちゃんと在るんですよね、「L.A.のラーメン特集!」みたいな記事が。なので今回は今まで行ったことがないラーメン店にも結構チャレンジルする予定。して、その第一発目がこの日の午後2時前に訪れたこの店でした。

『中田利樹の Ramens in L.A. 〜其の壱〜 めん処EBISU』
「創業17年。年に一度日本のラーメン店から技術指導を仰ぎ絶えず進化を続ける」というフレーズに惹かれ、L.A.の中心部からは無茶苦茶遠いこの店に行ってみました。場所はオレンジ・カウンティのFountain Valleyというエリア。ディズニーランドで有名なAnaheimよりもずっと南で、Huntington BeachやNew Port Beachにほど近い地域なのですが、日系人が少なくないのでしょう、周りも日系の店がいろいろと建ち並んでいました。
 さてこの店ですが、まず驚いたのがその店構え。ラーメン店と言うよりはレストラン、という大きさで、収容人員は約100名。で、土曜日だったからかでしょうか、2時前だと言うのに9割は埋まってました。そして私は醤油ラーメンと半チャーハンをオーダー。さほど待たずに出て来たラーメンのお味は---実にオーソドックス! あっさりとした鶏ガラ系の醤油で、面は若干縮れた中細という、これまた懐かしい出で立ち。さすがアメリカ、チャーシューはデカくてしっかりとした厚みのものが2枚。メンマも十分なる存在感で、後は半身のゆで卵も入っていました。それにもやし。次から次に新しい味が登場している日本の、特に首都圏のラーメン店に慣れている私には、全く持ってインパクトはゼロでしたが、ひとつひとつの仕事を分析していくと、まあそれなりの完成度かな、と。なんたってここはL.A.ですからね。チャーハンも味は至って凡庸ですが、それにしても量が非常に多いのでお腹の空いている人のオマケ・メニューにはちょうど良いかな、という感じでしたし。ちなみにラーメンもチャーハンも、作っているのは中国系の人、および、メキシカン系でした。ウェイトレスの女性に日本人がいた感じですが。メニューは激多くて、一品ものからうどん、そばまでそれこそ100品を越える数でした。

 かなりの満腹感を携え、中田は次の場所へ。車をさらに東へ走らせ、辺りは完全に広大なアメリカの大地状態。最終的にはフリーウェイの15番に出てまずは部屋探し。Diamond Driveという出口の所にモーテルが幾つか発見出来、さらにお店もかなりありそうなのでここに決定。Travel Innというところにチェック・インし部屋を覗くとしっかり冷蔵庫もあり、ベッドも枕3つの完全なキング・サイズ。ここで1時間くらい横になり、さ、本日のメインであるWilson Creek Winery & Vineyardsへ! 7時から始まるショーに余裕を持って向かったわけですが....ナント、Googleで調べたマップがいい加減で完璧違う所に! 拙いと思いフリーウェイの出口近辺まで戻り、スーパーで地図を探すべく格闘?するもダメで、しょうがないから、と、その辺を歩いている人に聞くも説明のし間違えか中田の聞き間違えかで、これまた違った方向へ! 大ピンチです! もうよっぽどホテルに戻ろうか、と思ったほどです。時間もかなり押して来ましたし。で、最後の手段とばかりに、ガソリン・スタンドに併設されたお店で地図を探すと、ありました、ありました、Temeculaのローカルなシティ・マップが。で、それを見てようやく場所を確認出来ました。なるほど、こっちか、と。で、速攻、車を飛ばすも結局は30分遅れ。もちろん既にショーはスタートしていましたが、諦めようかと思ったことを考えればこれくらいなんのその。なんたって、まだオープニング・アクトが演奏中で、メインはこの後にどんと控えていますから。

 オープニングはDown To The Boneのメンバーとしても活躍している英国のサックスマン、Shilts。男気溢れるテナーでファンキーにブロウするのが彼の特徴ですが、この日も軽快に飛ばしていました。3曲くらいしか聴けませんでしたが全然OK。その存在感は十分に伝わって来ました。そしてメイン・ステージがスタート。出演するのはこの人たち。

Norman Brown's Summer Storm featuring Peabo Bryson、Marion Meadows & Jeff Lorber

 早速リポートさせて頂きますと、まずは、主役のノーマン・ブラウンが元気に登場! そう、無茶苦茶テンション高くて元気そのものでした。抱えているのはサンバーストのフルアコ。マイケル・ジャクソンの<Don't Stop Till You Get Enough>のグルーヴに似た曲をサラリと演じ、直ぐにメドレーで現在スムース・ジャズのチャートNo.1を独走中の<Let's Take A Ride>へと移行させる美味しい展開。そして、流石この時点で6週連続No.1というラジオの力! オーディエンスが一緒に口ずさんでいます、インスト曲なのに! ちなみに会場には1,400人くらい入っているそうですが、完璧に満杯、ソールド・アウト状態。インヴィで入れるようにしてくれたジェフ・カラザースさんには改めてお礼を申し上げたいです。
 次もヒット・チューンの<West Coast Coolin'>! 得意のスキャット&ギター・ユニゾンをファンキーに決めてくれます。そして、ジェフ・ローバーが登場、こちらもいきなり今ヒット中の<Anthem For New America>を演ってくれちゃったのですが、なんか泣けそうでした、ピアノの旋律が心に沁みて。この曲を最初に聴いた時は、なんかジェフ・ローバーっぽくないな〜などと勝手なことを思ったのですが、ここで聴くと効果倍増! 流石御大です! そしてジェフさんはもう1曲、今度は同じく新作からアップ&アグレッシヴな<Surreptitious>。アルバムではデイヴ・ウェックルが叩いている曲なんですが、今日のドラマーさんもかなりウェックルな雰囲気、醸し出していました。
 そしてマリオン・メドウス登場。2曲をバシッと決め、リリカルなソプラノでオーディエンスを魅了してくれました。続いて、お待ちかね?のピーボ・ブライソンが出て来ました。しかも、スーツに薔薇の花、というのがブルーノート公演での定番だったのと比較するとガラリと変わって、かなりポリスマン的なコスプレでやや吃驚。1989年の曲、<Show And Tell>を軽快にキメ、あっという間に引っ込んでしまいました。う〜ん、ピーボ!
 その後もノーマン・ブラウン・バンドだけ、さらに、プラス・ジェフ・ローバー&マリオン・メドウスで<Ain't Nobody>を演ると観客もかなりのノリに。そして再びピーボが出て来ると、今度は白いスーツで<I'm So Into You>を歌い、これまたオーディエンス、大喜び。
 その後は、ノーマンの遊び心シリーズ(?)で、ジミヘン風、ウエス風、GB風と、様々なギター・プレイを披露し、そのままピーボをヴォーカルに迎えた<This Masquerade>でアダルトな世界を構築。
 続いて、そろそろ僕にもスポットライトを、とばかりにマリオン・メドウスが彼の大ヒット・チューン、<Suede>と<Dressed To Chill>を立て続けにプレイ。かなり嬉しかったです、この2曲をライヴで堪能出来るなんて! そしてノーマンをフィーチャーした曲が3曲くらい続き、再びピーボがフロントに立つ<Feel The Fire>、さらにもう1曲でいったん終了。続いてアンコールでマーヴィンの<What's Going On>を皆で演じ、ショーはフィナーレへ。
 好いライヴでした、とっても。特にノーマン・ブラウンへのイメージはかなり変わりました、もちろん好い方に。しっかし、ワイナリーでのライヴだけに、オーディエンスはかなりお酒で盛り上がり状態。でも、皆、車で帰らなければならない、は、ちょっと微妙ですね、飲酒運転撲滅キャンペーンを行っている日本からしたら(って言うか、アメリカだって絶対ダメなんですよ、それは)。でもって、このショーのスポンサーに某ヨーロッパの高級車メーカーも付いている。って、こうなって来るとなんか複雑。私はこの日、アルコールは全然飲まず、です。好いんです、飲めなくても。我慢、我慢。そしてホテルのそばのスーパーとハンバーガー屋で夕食を調達。ビールを飲みながらの地味な独りディナー、今日もまたまた堪能してしまいました。

「Smooth Jazz Song File」
(230)Larry Carlton <Smiles And Smiles To Go>
 from『Alone/But Never Alone』(1986:MCA)


●ラリー・カールトンと言えば=<Room 335>。彼がソロを採用してもらえなかったスティーリー・ダンのナンバー、<Peg>のリフを流用した1978年の名曲だが、1990年、ラリーがGRP在籍時にリリースされた『Collection』にはその名刺代わりの1曲が含まれていなかった。当然、日本のリスナーの多くは不満と疑問を抱かずにはいられなかったわけだが、しかし、ラジオ文化が日本の数十倍発達し、NAC〜Smooth Jazzというフォーマットが大いなるパワーを発揮するアメリカに於いては、<Room 335>よりも重要とされるナンバーが多く存在する、というわけだ。とりわけ、アコースティック・ギターを前面に出した『Alone/But Never Alone』は彼に初めての"#1 Contemporary Jazz Album"をもたらした非常に重要な作品であり、中でもこの曲の人気は別格。フォープレイのライヴでもアンコールでこの曲を演ってみたり、アメリカでは誰もが知っている有名曲といったところだ。アコギを弾いてもラリーらしさは存分に打ち出されているし、ラジオ向けの中にも十分なる芸術性が込められている。まさに面目躍如の名演。

<8月17日(金)>

「今日の出来事」

●午前中から友人と一緒にChateau Ste. Michelleというワイナリーに行き、いわゆるワイン工場無料見学ツアーを楽しみました。もちろん、英語でのガイドなので、半分くらいしか理解出来ていませんが、白ワインと赤ワインの違いは白い葡萄と赤い葡萄の違い、ではなく(当たり前!)、葡萄の皮を入れるか否か、どれくらい熟成させるか、その辺りによるものだ、という超基本的なことを学びました。飲ん兵衛だけに味には結構ウルサいつもりですが、その制作過程等、全く気にしていなかった自分にちょっとだけ落ち込んだりもしましたが、ま、この日の学習を糧に、よりその奥深さを探求していきたいな、と思った私です。日本に戻ったら、まずは、インターネットで再度学習です!

●そして、中古レコード店にも3軒行きました。同じショッピング・モールに全て揃っていたのでこれはチャンスだな、と。が、しかし買ったのはというか私の餌に引っ掛かったのはHalf Price Books、たったの1軒だけ。そこではこんなものを買いました。

Vince Jones 『Here's To The Miracles』(1996:Intuition)
オーストラリアの粋なジャズマン、ヴィンス・ジョーンズの1996年作品。歌とペットで独自のハードボイルド・ワールドを構築しています。

Bobby Bloom 『Song And Dance』(2007:Origin)
かつてはGRPに在籍してた黒人ギタリストの最新録音。1曲目からザ・ビートルズの<Can't Buy Me Love>をストレート・アヘッドに決め、2曲目がゆったり4ビートの<Where Is Te Love>、その後もオリジナル数曲を経て<Superstar><Smile><Wichita Lineman>などヴァラエティに富んだ選曲で楽しませてくれます。トリオ編成で録音はシカゴで行われています。

Deborah Henson-Conant 『Altered Ego』(1998:Golden Cage)
こちらも以前GRPに所属していたハープ奏者の98年作品。なんでも、96年に発表した『Alter Ego』の4曲をそのままに、そして、残りを再録したアルバムだそうです。大半の曲は自身による歌ものですが、ジェフ・ベックに捧げた<Beck's Blues>というインスト曲もあって、そこでは、Distort-Harpとクレジットされるほど、ちょっぴり歪んだブルージーなハープが楽しめます。でも、個人的にはスムースな方が好きですが....

●その後、いったん宿に戻り、友人と再度合流し夕食&今回のシアトル訪問の最大の目的、Safeco Studiumに足を運んだでございます! と、その前に、スタジアムのそばにラーメン店がある旨、教えてもらったのでそこに足を運びました。「Goemon Noodle」という小さな店ですが、日本人の、それも博多出身?と思われる女性がオーダーの際、いろいろと説明してくれて、結構、期待が持てました。そして、出て来たラーメンは....あ〜、ホント、スープは本格的な九州の味ですね。ただ、長浜系の白濁とんこつではなく、むしろ久留米〜佐賀系に近い感じ。あるいは、博多 with 和歌山テイスト、みたいな。麺も博多の加水率低めの細いストレート、ではなく、もうひとまわり太くて、水分多くて、という感じ。というわけで、こてこての博多とはちょっと違いましたが、でも、予想以上に美味しかったです。替え玉もしちゃいましたし! もしまたシアトルに来るようなことがあったら、ぜひ、また寄りたいです。

●さ〜、それでは、Safecoに入りましょう! チケットは予め友達に押さえておいてもらったので何の問題も無く入場出来ましたが、入り口付近にあるグッズ売り場。結構、広いのにもうお客さんでいっぱい! レジも長蛇の列で、もういきなり購買意欲削がれてしまいました。で、席に着くと、これが結構観易いところでした。場所は3塁側1階席の結構レフト寄り。お値段は税込みで1枚$38。そんなに安い、とうわけではないですが、それにしてもよく入っています。
 日本でも野球をよく観て来ましたが、それ故、というか、ひとつのイヴェントを皆で楽しもう! といった点では日本の数倍上を行っているな、というのが全体としての印象。マルチスクリーンの活用の仕方がとにかく上手いですし、基本的にはホーム・チームの応援が9割で、アウェイ・チームは攻撃時のバッター・ボックスに入る際も紹介は最低限もいい所。ウグイス嬢ではなく低めの男声でボソッと「中田、サード」くらいだけ。一方のマリナーズの際はもちろん、打席に入る際の入場曲がそれぞれあって、城島選手が通称ジョー、に肖ってジミ・ヘンドリックスの<Hey Joe>だったのには驚かされました(って言うか、スミマセン、全然予備学習せずに出向いたもので....)。
 この日の相手はシカゴ・ホワイト・ソックス。ひと月前だかまでは井口選手もいたのですが、今はトレードされてしまったので全く知っている選手はおらず。でも、そんなことは関係ありません、イチロー選手&城島選手が観られれば。で、そのイチロー選手の姿を目にして、まずは涙が....。どのシーンかと言いますと、1回の表の守備に付く時。「センターフィールド:イチロー!」のアナウンスに導かれ守備に付く彼がセンターまで全速で走っていく姿、そこに感動してしまったのです。あれが、ちんたらジョギングで行ったら、見ている側もレイドバックするのでしょうが、あの走るスピード感だけで私は釘付け。なるほど、これがメジャー・リーグなんだ! ということを瞬時に植え付けられました。
 そしてもう1つの泣き所は試合開始前のアメリカ国歌斉唱、の時。地元だかの若い聖歌隊が歌ったのですが、そのゴスペルっぽさ、スピリットの籠りまくった歌声に、あ、子供の頃からそういう所でそういう歌を歌っているアメリカ人には勝てないな、と半ば"諦めながら感動"しちゃいました。
 試合はマリナーズの4番、アイバネス選手の2ランで先制し、その後、イチロー選手のセイフティ・バンドが相手の守備のエラーを招き一気に3塁へ、そしてその後、きっちり犠牲フライで追加点、など、終盤まで5−0で余裕だったのですが、いきなり満塁ホームランを打たれて1点差。最後は結構、冷や冷やものでした。ま、楽勝もいいけれど、辛勝の方が勝った喜び大きかったりしますから全然ノー問題ですが。
 それではその他の気が付いた点を幾つか。現在投げているピッチャーの球速が出る、というのは日本でもあまりにポピュラーですが、加えて、そのピッチャーのトータルの投球数、そしてそのうちストライクが何球でボールが何球、それが常に表示されているのは流石だな、と思いました。特にメジャー・リーグでは先発ピッチャーが最後まで投げる必要は無く、だいたい100球ぐらいでリリーフ陣に渡す、というのが主流ですから、これは便利です。
 それから攻撃が交代する、民放TVで言ったらCMの時間帯も客席を飽きさせない催しが豊富。スクリーンを使ってのゲーム、クイズは、無茶苦茶効果的でした。野球のヒストリーにおける3択から、あとはHat Trickと言って、3つ出て来た帽子の中、ひとつだけにボールを入れ、その帽子3つが右だ左だにスピーディーに移動、さらに帽子が1つ増え2つ増え回る回る。さ、最終的にボールの入っていた帽子はどれ?という単純なものですが、スピード感があってホント、釘付け状態でした。動体視力を鍛えるのには最適、ですね。
 あ、あと、グランド整備。日本では5回の攻撃が終わると整備、ですが、こちらは3回と6回の攻撃後に整備員が出て来ます。が、20人近く入るうちの4人は整備をせず、整備のトンボ(解ります?)を使ってのダンス・パフォーマンス。しかもBGMがビーチ・ボーイズの<Surfin' Safari>で、パフォーマンスもツイスト乗り。まあ、日本でもこれをやれば好い、とは思いません、下手したらお笑いだけで終わって選手のテンションが下がってしまうかもしれないので。でも、そこにまたまたアメリカの素晴らしさを見た感じがして、私は大喜びでした。
 最後に、スクリーンを使ったパフォーマンスをもう2つ3つ。毎回ホーム・チームのバッターが打席に入ると、その選手へのミニ・アンケートが映し出されていました。質問内容は「野球以外で観るのが好きなスポーツ」とか「趣味」とか、いろいろですが、イチロー選手の時は「試合前に食べたもの」という項目とともに「Rice Ball(おにぎり)」という答えが出ていて、なんか微笑ましかったです。それと、やはりスクリーンに映し出されたのですが、相手が見送りの三振した時は「Froze Him」という文字が出て、バッターが凍り付き、そのまま氷が砕けるシーンをアニメ風に映し出したり、また、空振りの三振の時は「Funk Blast」という文字が出ていたのが印象的でした。

 とまあ、書き出したらキリが無いほど為になった、面白かったMLB体験。実は、10年以上前、野茂選手がL.A.のドジャースに居た時、1回、ドジャース・スタジアムに足を運んでいるのですが、その時はそこまで入り込んで観てなかったな〜、と(苦笑)。エニウェイ、また機会が在ったらMLB、生で観戦したいです。ホント、TVで観るより何十倍も楽しいですよ!

●気が付いたらもう10時過ぎ。シアトルの夜は一部のバー系を除いて閉まるのが結構早いです。なので、ガイドブックで見つけたお寿司屋さんももうクローズ(本では週末は24時まで、などと書いてあったのですが....)。車ということもあり飲みには行かず、その後はあっさりと解散。勝利の余韻に浸るべくお酒も本当は欲しかったのですが.....で、結局中田はホテルの近くの24時まで?やってるスーパーでビール他を買い、部屋で1人打ち上げを行いました。さ、明日は5時起き、6時出発。寝坊しないように頑張ります!
「Smooth Jazz Song File」
(229)Marvin Gaye <What's Going On>
 from『What's Going On』(1971:Motown)


●スティーヴィー・ワンダーやEW&Fと同様、スムース・ジャズ系アーティストの多くはマーヴィン・ゲイの曲も好んでレパートリーに入れている。フォープレイによる<After The Dance>は非常に有名だろうし、<Mercy Mercy Me>もアポストゥルズやジェフ・ゴラブ他、多くの名演が存在する。また、キム・ウォーターズやアーバン・ナイツがヒットさせた<Got To Give It Up>などは原曲からしてサックスを大きくフィーチャーしたジャジーな味付けになっていた。そして、エヴェレット・ハープによるアルバム単位でのカヴァー『What's Going On』(1997年)や、ジェイソン・マイルスによる『What's Going On ? : Songs Of Marvin Gaye』(2006年)も記憶に新しいところ。そしてもちろん、本家マーヴィンのヴァージョンもスムース・ジャズのステーションで今なお根強い人気を誇っている。中でも、ピーター・ホワイト、ノーマン・ブラウン、最近ではヴィクター・フィールズがカヴァーしたこの曲は別格といったところか。イントロから軽やかに登場するサックスはステーションにとっても最高の素材と言えよう。

<8月16日(木)>

「今日の出来事」

●ようやく本物の夏休みがスタートしました。今回は7泊9日のアメリカ西海岸ツアー! 残念ながら(?)、クール・サウンドのリリース関係とは全く無縁のジャスト・プライヴェート。まずはシアトルに行きイチロー選手の試合を観て、その後、L.A.に移動しスムース・ジャズ系のライヴを堪能。さらに、何人かのミュージシャンに会い、いろいろとネタを仕入れる、そんな三昧旅行です。
 で、今回は身支度も余裕で、かつ、成田でもヴェリー・グッドな時を過ごせ、よっしゃ、これは良い旅になるぞ!と微笑んだのですが、ま、全てが上手く行くわけも無く、いきなりイライラが頂点に達したりもしました。まだまだ精神的に未熟ですね、私。ということで7泊9日の旅の始まりです!

 家を出たのは11時過ぎで、成田空港には1時頃に到着。そしてさっとチェック・インを済ませ、出発までにはまだ3時間近くの時間が。今までですと、空港内のお寿司屋さんとかに陣取って、ゆっくりとビール、つまみ、締めの握り、辺りを三昧、あるいは、ラウンジに"潜り込んで"リッチな気分を堪能、だったのですが、今回はJRの成田まで戻り、そこから2分くらいの所にある、最近、フリークの間で有名なラーメン店、「麺や 福一」に初見参しました。見た目はラーメン店と言うよりも、う〜ん、スナックに近いメシ屋さん、という感じ。まさかここが美味なラーメンを出すとは想像し難いです。で。この店は、いろいろな味、全てが売りという、遠くから来る人間にとっては非常にありがた迷惑な店。なので最初から2杯食すつもりで入店しました。まずは醤油ラーメンをオーダーし、かなり黒目のスープを一口啜ると、うわ〜! なんだこれ! 美味過ぎる! と早くもKO負け。出汁も醤油もコクが極限までに引き出されていてとにかく圧巻。それに続いて麺を食すと、これがまた丸みを帯びた中太麺で、これまたもっちりもちもちの超お気に。おそらく、今年初めて食べた店の中では最高の一杯ではないでしょうかね、参りました! そしてもう一杯、今度は塩ラーメンをオーダーしたのですが、こちらは醤油とはガラリと違う魚介系の品の好い味。麺も中細のやや縮れ系となり、これまた実に見事な完成度でした。また、これ以外にも平日の夜と週末にしか食べられない白鶏系のラーメンがあり、これがまた絶品だとか。ああ、成田に引っ越して来たら、ここのラーメンが食べ尽くせるのになあ...とさえ考えちゃいました。とにかく最高です、「福一」万歳!

●と、ラーメンで頂点に達したのも束の間、例によってのノースウエストは今回も私を落胆させてくれました。まず、予定より30分遅れの出発でーーま、これは全然平気なのですが、さ、それでは離陸、という時にいきなり「機体に異常が見つかったのでいったんゲートに引き返します」という私がこの世で一番嫌うパターンをやってくれちゃったんです。何回目だろう、これ....。で、空調だかがおかしくて至急修理を、となり結局2時間以上機内で待たされてしまいました。ホント、辛かったです、精神的に。いったん外に出してくれれば何分でも待つのですが、機内で待機、いや、閉じ込められたままですからね。
 が、しかし、そんな時だけに飛び立つまで機内での携帯電話使用自由! で、電源を入れたら、こういう時に限って、3件もメールが届いているではないですか!(この1時間くらいのうちに集中、というのが吃驚でした) しかも、3件のうちの1件は、あのミュージカル界のスターにしてAORコレクターの石井一孝さんから。
内容は、26日(日)に北千住:天空劇場 (東京芸術センター 21階)
〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1
TEL:03-5354-4388
JR北千住駅西口より徒歩7分/東京メトロ北千住駅1番出口より徒歩5分
で行うソロ・ライヴでエアプレイの<Nothin' You Can Do About It>を演リますから観にきて下さいね、と。
 うわ〜、遂に演っちゃいますか! エアプレイのアルバムの中でもとりわけ音楽的に複雑なあの曲に! 流石、カズ様(笑)。まあ、バックを務めるのも凄い人たちですからビシッと決まるのではないでしょうかね。
ドラムス:Scott Latham チャカ・カーンとも共演。
キーボード:光田健一 ex‐元スターダストレビュー。小田和正さんのコーラスとしても有名な、シンガーソングライター
ベース:樋沢達彦 上田正樹バンド、桑田佳祐さん、渡辺美里さんのサポート etc.。そして、サックスでサンフランシスコ在住の女性、音恵さんなる人も登場。彼女に関しては全く存じ上げていないのですが、ちょっぴり期待。<Nothin' You Can Do About It>のユニゾン、ばっちり決めて下さいね。楽しみにしています!

 で、それはさておき、飛行機はなんとか飛び立ち特に大きな揺れも無くシアトルに到着。そうそう、エコノミー・クラスでも1人に1つモニターが付いていて、映画、音楽、ゲーム、etc.、が楽しめました。これはポイント高いです! 挽回、挽回! 頑張れノース!
 そしてシアトルに着き、出迎えにきてくれた友人と一緒に、まずは、飲茶でランチを済ませ、いったん解散して、私は予約しておいたホテルにチェックイン。普段は行き当たりばったりでモーテルに飛び込むのですが、昨今のインターネットで予約、事情は非常に進んでいるので、この最初の2泊だけ予め押さえておきました。あと、税関だったり申告書だったりで米国における居住場所、みたいのをハッキリさせないといけないので、っていうのもありますね。

 で、夜は、再び知り合いと合流して食事をしたのですが、シアトルのダウンタウンが一望出来る対岸、アルカイ・ビーチにあるレストラン「Salty's」でシーフード系を堪能。シアトルではとにかくクラムチャウダーを食べたかったのですが、まずはここで一杯。気持ち冷め気味でしたが、でも、身がしっかりと入ったトロトロ系で思わず笑み笑み、の私です。しっかし、例によってヴォリュームが半端ではないので、前菜系だけでお腹いっぱい、メインに行けずにギヴアップ。ま、全然、問題ないですが。そして今日はこのまま解散し明日に備えることに。明日も朝から頑張りまっす! メイン・ステージが待っていますから!
「Smooth Jazz Song File」
(228)Jaared <Happy Times>
 from『Hangtime』(2002:Marimelj)


●リチャード・エリオットを思わせるルックス、そしてレーベルがマーカス・ジョンソンのMarimeljと来れば、興味を持たずはいられない。しかも、2枚出ているソロ作ではアンブロージア<How Much I Feel>とプレイヤー<Baby Come Back>をカヴァーしているのだからなおさらだ。フル・ネームはJaared Arosemenaで、1967年1月20日ワシントンD.C.の生まれ。90年代に入ってからメイザ・リークのバック他で頭角を表し2001年にソロ・デビュー。正直、1stでのアルトはちょっとベタつく感もあったが、この2枚目ではそれが解消され、彼のアイドル:デヴィッド・サンボーンを思わせる瞬間にも度々遭遇出来る。曲もより練られるようになり、全体のクォリティがグッと上がっているが、この曲<Happy Times>は、一緒にツアーに出るなど最も信頼を寄せるピーター・ホワイトをゲストに迎えた注目曲で、マーカス・ジョンソンの作曲、プロデュースも実に無駄なく上手く作られている。続く3作目はオリ・シルクがプロデュースを手掛け、Trippin'N Rhythmから登場する予定。こちらも非常に楽しみだ。

<8月15日(水)>

「今日の出来事」

●今日もまた超バタバタ、な1日でした。まずはUSEN AOR chのウエブ用コメントを書き、さらに、来週月曜日更新のReMuTV「中田利樹のAORウラ話し」のコラム原稿を一気に執筆。
 するとお昼前に、FM Co-Co-Loのプロデューサーから携帯に電話が。今週土曜日放送分の素材が未だ届いていない、とのこと。そんなはずは無い、と調べると、10日(金)に送ったヤマトのメール便、未だ到着の形跡無し、です(ヤマトのウエブで検索出来ますので)。で、近くにある営業所に行き、品物の伝票番号を元に大至急調べてちょ、を依頼。最悪紛失の場合はどうしよう...と東京側のディレクターさんに携帯で相談。最悪、バックアップで録ってあるDATを明日の午前中に宅急便で送る手はずを云々と、テンパッちゃいましたが、やがてヤマトさんから電話が来て「今日の午後に先方さんに到着します。お盆の時期なので、道が混んで、通常よりも日数が掛かっちゃいました」とのメッセージが。まずは、ホッとし、FM Co-Co-Loのプロデューサーさんにその旨伝え、モノがちゃんと届いたら念のためご一報お願いします、でなんとかひと息。夕方、「届きました!」の連絡が入り、ようやく緊迫解除。
 その他は、通販関係を一気に済ませ、池袋の法務局に行き弊社の謄本関係を取って来て今度はそれを持って郵便局で海外送金ーーと言いましても新しいアルバムの契約金ではなく、お陰さまで品切れ寸前のパイロット2作の追加オーダー購入分ですーー。その後、家の用事を済ませ、さらに....としているうちに夕方に。
 夜は新聞社の人、シンガーのお友達、そしてその彼女の知り合いで最近沖縄に移住したというTVディレクター&フォトグラファーetc.さんと表参道で食事会。和食系の店でしたが、締めのうどんが非常に美味で一同感動。私はここに来るの、3回目か4回目ですが、ちゃんとしたうどんを食べるのは初めて(鍋の締め、とかはありましたが....)。これは今後も使うしかない、ですね。結構隠れ家にしたいお洒落な店で、場所は表参道の交差点からものの20秒くらいの地下です。「栞」という漢字がお店の名前に入っています。

「Smooth Jazz Song File」
(227)Ralph MacDonald <Mr. Magic>
 from『Just The Two Of Us』(1996:VideoArts)


●グローヴァー・ワシントンJr.<Just The Two Of Us>と、ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ<Where Is The Love>、これら不滅の名曲を生み出したラルフ・マクドナルドは、プロデューサーとして、パーカッショニストとして、幾多ものベスト・セラーに携わってきた。ひとたび彼のサウンドが振りかけられると、曲の至る所からヒューマン・グルーヴが"発芽"し、文字通りの"ミュージック・マジック"を開花させる。そしてそのサウンドを象徴するかの如く、ラルフ・マクドナルド本人もとにかく愛に溢れたオジ様であったりする。音は心を表す、か。1970年代にTKからリリースされたソロ作はコアなクロスオーヴァー・ファン、クラブDJ達から今なお人気のようだが、1995年の『Reunion』以降のスムースな彼も非常に魅力的だ。周りが機械に走る分、ラルフのオーガニックなプレイはさらなる輝きを放っている。インストも歌物も非常に完成度は高いが、今回はグローヴァーの代表曲ともなったこの曲の作者再演版をセレクトした。トム・スコットのテナーが男気溢れるリフ、グル−ヴと絶妙のマッチングを見せている。

<8月14日(火)>

「今日の出来事」

●今日もUSEN AOR ch、9月分の選曲。今日は「AOR Standards - Female Vocal 編」。女性のAORアーティストは男性と較べると圧倒的に少ないのですが、それでも、楽曲単位で捜していくと"Standard"と呼ぶに相応しい、お馴染みのナンバーが多数見つかるものです。ブレンダ・ラッセルの<It's Something>、キャロル・ベイヤー・セイガーの<It's The Falling In Love>、カーリー・サイモン<You Belong To Me>、ローレン・ウッド<Fallen>、ディオンヌ・ワーウィック<For You>....。1曲目はカーラ・ボノフの<Personally>で、2曲目はクリスティン・マクヴィーの<Got A Hold On Me>、という自分でも"意外な並び"になっちゃいました。

●午後は家族で買い物に行き、夜も、私が夕食担当。大した力作は無かったですが、結局、片付けも終わると9時過ぎ。嗚呼、結局、仕事、やり残しちゃいました....かなり。

「Smooth Jazz Song File」
(226)Ray Obiedo <Sweet Summer Days>
 from『Sweet Summer Days』(1997:Windham Hill Jazz)


●サン・フランシスコ:ベイ・エリアの職人系ギタリスト、レイ・オビエド。1970年代後半、ハービー・ハンコックのグループで注目を集め、80年代は主にスタジオ・ミュージシャンとして活躍。また、シーラ・Eの父、ピート・エスコヴェードのグループでも重要なスタッフの1人となり、1989年にWindham Hillからアルバム『Perfect Crime』でソロ・デビュー。2作目の『Iguana』、3作目の『Sticks & Stones』がビルボード誌のContemporary Jazz チャートで共にトップ10入りを果たし、一気にブレイクした。彼の音楽は、デビュー作から4枚目の『Zulaya』(1995年)までは、"Contemporary Jazz"という形容が最も相応しかったが、5作目の『Sweet Summer Days』はズバリ、"Smooth Jazz"。オクターヴ奏法を巧みに取り入れたメロディアスなナンバーが耳に残り、このタイトル曲ではピーボ・ブライソンをヴォーカルに迎え、極上のAdult Contemporaryを展開している。ちょっぴり霞がかかったようなS.F.の夏....。ラジオから流れて来たこの曲は実にScenicーー風景が浮かび上がるほどの説得力を持っていた。

<8月13日(月)>

「今日の出来事」

●久しぶりに仕事系。午前中からUSEN AOR ch.、9月分の選曲を1本。ちょい渋めですが、そろそろマーク・ウィンクラー特集でも、と思って2時間分セレクトしたのですが、いやあ、改めて佳曲の多い人だな、と感心させられました。歌声も実に安心して聴けるものですしね。クール・サウンドでリリースしたベスト盤に収められていないものでも、かなり好いものありまして、ホント、改めて評価したいアーティストだな、と。宜しくお願い致します。

●午後から目白のU-Canさんで通販ボックスの打ち合わせ。基本的に、会議、打ち合わせは大嫌いな私ですが、このチームのは非常に楽しいです。デザイナーのHさん(結構、業界では有名な粋なオヤジです<笑>)がアクティヴでイイです、とっても。次回の打ち合わせは夕方スタート、そのまま飲み会、だそうで、非常に楽しみです。でも、9月に入ると地獄が待っていそうですが....

●帰宅後は、通販を済ませたり、雑用関係。明日もちょいと仕事して、水曜日から完全休養、と持っていきたいです。

「Smooth Jazz Song File」
(225)Alyson Williams <Holding Back The Years>
 from『It's About Time』(2004:Three Keys Music)


●Def Jamからデビューを飾り、久保田利伸とのデュエットで日本における知名度をグッと上げた実力派、アリソン・ウィリアムス。これは13年振りとなる3作目『It's About Time』に収められたシンプリー・レッドのカヴァーだが、なんとこの曲、Three Keys Musicの主宰者マーカス・ジョンソンの2004年作品、『Just Doing What I Do』でもボーナス・トラックとして収録されていたのだ。因みにマーカスはトラック作りに一切タッチしていない。つまり、レーベル・メイトの宣伝以外の何物でもないというわけだ。しかし、マーカスのアルバムの流れを決して失うことはないし、単純にアリソンのアルバムが聴きたくなってしまったのだから、完全にその策略にはめられた感じだ。そしてそのアルバムがまた非常に好い出来で、昨今では希少価値な"Adult Oriented R&B"が満喫出来る。この曲はそこに2ヴァージョン収められているが、セレクトしたのはジェラルド・マッコウリーが制作したメイン・テイクの方。イントロから実にクール&ゴージャスで、数あるこの曲のカヴァーの中でもトップ・クラスの出来と断言出来る。

<8月12日(日)>

「今日の出来事」

●もちろん、今日も夏休み。本当はやりたいことがあったのですが、所狭しと積み重ねている部屋のCDをどひゃ〜っと崩してしまい、その整理でしっかり半日費やしてしまいました。でも、お陰で、今まで見つからなかったCDの数々を発見することが出来ましたし、不幸中の幸い、終わり良ければ全て良し、結果オーライ、ま、その手の感じです。

「Smooth Jazz Song File」
(224)Eastwest Connection <Cuppa Chino>
 from『The More I Get...』(1999:Chilli Funk)


●ロンドンのクラブ・シーンで活躍するLoftyがDr. Bob Jones、Neil Cowleyと結成したプロジェクト、イーストウエスト・コネクション。アルバムは1999年と2000年に発表し、2ndでは約半数が歌ものになっていたが、1stはインストにより重点を置き、アグレッシヴなクラブ・ジャズが味わえる。寿司、スコッチエッグ、トンカツ...が映し出されたジャケット写真は、あまりにあまりだが、内容的には十分合格点。1曲目がテディ・ペンダーグラス<The More I Get, The More I Want>のカヴァーで、他にもフォー・トップス<Love Music>をリメイク。そのマニアックな拘りもDJならでは、か。クラブ系だけにとにかくリフとグルーヴが生命線で、細かな旋律、アンサンブルは二の次、という感じだが、ダウン・トゥ・ザ・ボーンの成功を見ても解るように、リフとグルーヴだけでも"本物"は広く支持される、ということ。バックにはそのダウン・トゥ・ザ・ボーンのメンバーで、ソロ作も好評なサックス奏者Shilts(Paul Weimar)も参加。Neil Cowleyの疾走するエレピ(完全に手弾き)を確実にサポートしている。

<8月11日(土)>

「今日の出来事」

●夏休み3日目。今日は来週末か再来週前半に会う友人への手土産を仕込みに、池袋までサイクリング。
 ついでに、2時頃、例の目白「丸長」に行くと1人も並んでいなかったのでチャンス!とばかり入店。で、今回はラーメンを注文してみたのですが....

全国の丸長ファンの方、本当にゴメンナサイ!
でも、ウソは書けませんので正直にリポートさせて頂きます。
昨今、こんなに美味しくないラーメン、食べたことがありません!


 いやあ、ショックでかかったです、本当に。スープをひとくち飲んだ瞬間に、「え〜、ウッソ〜?!?!?」と気が動転し、麺を啜った後、「まいったな〜...」と一気にブルー・ワールドへ。
 とにかく、スープは奥行きも何も無いですし、麺も茹で具合から何から全く持ってベストとは思えず。大勝軒以上に古臭い味、と実感しちゃいました。懐かしい味、ではなく、古臭い味、つまり進化ゼロ、といった味でした。もう、絶対にここでラーメンを食べることはないでしょうね、一生。
 そう考えたら、先週食したつけ麺は全然、美味しかったです、つけ汁の底の甘味以外は。
 でも、それはそうと、このお店のアットホームな接客は地元密着型的で好いんですよね。お洒落な、しかし、どこか気取った感じのラーメン店が次々に誕生している昨今、この「丸長」の庶民臭さは逆に貴重なプラス・ポイント、という印象。いや、それだけに、ここのラーメンに対するショックは、どデカでした。ま、お客さんの9割以上はつけ麺をオーダーするのですから、ラーメンが美味しくなくてもお店の人気、評価には全然影響を及ぼさないでしょうが...。

P.S. 「丸長」は過去に、荻窪、桜台、新井薬師、に行ったことがありますが、どこも、全然美味しかったです、ラーメン。

●午後から、またまた夕食の仕込み。最近はとにかく暑いので、早めに作って、冷蔵で冷たくして、が続いています。今日も、冷やし茄子、生春巻き、三つ葉のお浸しは早めに作り、夕食直前に中華の炒め物を作り、あとは刺身だ何だ、という世界。そうそう、ここ数日、ビールは冷凍室で冷やした大ジョッキに入れて飲んでます。これがまた旨い! 測ったかのように633mlピッタリ入り、まさに必需品化しています。

「Smooth Jazz Song File」
(223)David Lanz <Big Sur>
 from『The Good Life』(2004:Decca)


●ニュー・エイジ・ミュージックの旗手、Naradaレーベルの中心的存在として、数々のベスト・セラーを生み出して来たピアニスト、デヴィッド・ランツ。独特の空間に描く、透明感溢れるサウンド・スケッチがトレードマークの人だが、2001年にはデイヴ・コズやグレッグ・カルーカスと共演したアルバム、『Finding Paradise』をDeccaから発表し、それがビルボード誌のContemporary Jazz Albumsチャートで12位まで上昇。新たなるファン獲得に、成功した。それに続く3年ぶりのスムース・ジャズ・アルバムがこの『The Good Life』で、今回はジャケットのイメージからして大胆に変身。1曲目に収められたこの曲から、ジェフ・ローバー&スティーヴ・ドゥービンとの共作でど真ん中のスムース・ジャズ道を歩んでいる。他にも、マイケル・パウロ、ジェリー・ヘイ、ポール・ジャクソンJr.、グレッグ・カルーカス、エリック・マリエンサルなど、L.A.のトップ・ミュージシャンが多数参加。昔からのファンにとっては"微妙な"作品かもしれないが、スムース・ジャズ的には手放しで歓迎! そんな名作になっている。