<9月10日(月)> |
「今日の出来事」
●またまた二日酔いです....当たり前か....。で、11時半に都内で林哲司さんプロジェクト(仮名:ただし、今後は都合上、そう呼ばせて頂きます。メンバーはいつもの3人です、林さん、某新聞記者さん&私)でランチ・ミーティングを行い、そのまま本会議へ。レコード・メーカーさん他、計7人の本格的なミーティングです。
それが1時から2時半くらいで、その後、速攻で家に戻り、今夜収録の「Adult Oriented Radio」 のワン・コーナー、"AC #1 Hits : Inside Stories"の翻訳。
そして5時半頃家を出て7時から10時近くまで収録。で、本当は、DIMENSIONのギタリスト:増崎孝司さんにゲストにお越し頂きたかったのですが、結局、スケジュール合わず。結果、今日収録、今週土曜日OA分の後半1時間は、私、中田が、いろいろとAORのギターについてあれこれ蘊蓄述べる感じになっちゃいました。 そして、ジェイ・グレイドン<The Ending>と並ぶ、"地球上、最も素晴らしいギター・ソロ!"として、遂に、禁断のあの曲までプレイしてしまうのでした! どこがAORだ〜!? というハード・ロック/ヘヴィ・メタルなナンバーです。なので、流石にフルでかける気はしなかったので、基本的にはギター・ソロだけです。いやあ、しっかし何度聴いても、目頭、熱くなっちゃいますねぇ!
その曲が何かは、当日のOAをお楽しみに! と言うか、聴ける地域の方は、是非とも、その素晴らし過ぎるソロに一緒に感動して下さい。聴けない地域の方は、OA当日以降にFM Co-Co-LoのHP内にある「Adult Oriented Radio」 の頁、http://www.cocolo.co.jp/aorをご覧下さいませ。宜しくお願い致します。
そしてスタッフ3人で食事。アッという間に山手線最終に近い時間になり、池袋から30分、てくてく帰り。好い運動です。
「Smooth Jazz Song File」
(253)Sam Riney <Tell Me What's On Your Mind> from『Playing With Fire』(1990:Spindletop)
●1980年代前半からL.A.のスタジオ・シーンに顔を現すようになったサックス奏者、サム・ライニー。マーク・ウィンクラーやデヴィッド・ベノワが自身のアルバムで彼を起用していたことから気には留めていたのだが、88年に発表したデビュー作『Lay It On The Line』はそのデヴィッド・ベノワが大半のプロデュースを手掛け、ラス・フリーマン、マイケル・ランドウ他の名手が多数参加。一気に注目の存在へと変わっていった。そのアルバムでエンジニアを手掛けていたのがポール・ブラウンで、彼はライニーの2nd『At Last』(1989年)ではプロデューサーへと昇格。そのアルバムはビルボード誌のContemporary Jazz Albums チャートで堂々9位まで上がる健闘を見せ、同じくブラウンが手掛けた3作目『Playing With Fire』(1990年)では最高5位という立派な成績をあげている。この曲はその3作目に収められたR&B寄りのミディアム・アップ・チューン。多分にサンボーンしたアルトと、サビに配したコーラスの絡みはまさにキャッチーそのもの。ちなみにキーボードは八神純子がプレイしている。
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<9月9日(日)> |
「今日の出来事」
●昼間のうちに「Adult Oriented Radio」 の選曲&進行表作りを済ませ、5時から、日本武道館で「プロレスリング:Noah」を久々に観戦。熱いひと時を過ごしました! 今回は、プロレス大好き! でも、Noahは観たことがない、という知り合い(ようは、新日本プロレス派ですね)を誘って行ったのですが、非常に感動してくれました。が、最後の最後で明らかなるミステイクを"体感"しちゃいました....あの、試合順はないですよね、うん、あり得ません! 1人が2試合続けてやって、かたやもう1人は1試合分休憩した後に再登場、という試合順。普通だったら、選手のことを考えて、どっちにしても3試合くらいは空けますよ....三沢社長に抗議しておきます!(って、残念ながら面識無いです。小橋建太選手とは以前に名刺交換していますが)
ま、どちらにしましても、私の中では、"モリシ"こと森島猛選手への想いがさらに強く、大きくなりましたね。おそらく、正統派スタイルだったら日本人で一番強いでしょう、なにしろデカイ! まあ、鈴木みのる選手とやったら勝てないかもしれませんが、技をかわさないタイプと戦ったらまず負けないと思います。事実、今日は秋山選手を真っ向勝負で下しているわけですからね。
そして、プロレス観戦に付き物の、そうです、反省会へ! プロレスは、観終わった後、誰もが評論家!ですから、これは止められません。結果、新宿で2軒、あっという間に3時に....流石に、高かったテンションもなだらかに下がり始め、「そろそろ帰ろう」コールが。今日の試合をTVで観るのも楽しみですし、水曜日の「週刊プロレス」も滅茶苦茶楽しみ。やっぱ、プロレス=ラーメン=スムース・ジャズ、が、私の三種の神器(?)ですから(って、何故に、このワープロ、「神器」が出ないのだろう...一種の驚き、ですね。巧い!)
「Smooth Jazz Song File」
(252)Mark Baldwin <My Love> from『In The Pocket』(1999:Citylights)
●マーク・ボールドウィンはナッシュヴィルを代表するセッション系のギタリスト。CCMのコレクターならばそれこそ彼の名前がクレジットされたアルバムを何10枚も、いや、ひょっとした100枚以上所有しているのではないだろうか。マイケル・W・スミス、ブライアン・ダンカン、キャシー・トラッコリー、Take 6 ... 至る所に参加しているのだから。そんなマーク・ボールドウィンが作曲・アレンジ・プロデュースを全て手掛けたアルバムは少なくないが、多くのアルバムが企画盤であるため、いわゆる彼のリーダー作と捉えて好いものか、多少頭を悩ませてしまう。そんな中、このアルバムに関してはスタジオ・ミュージシャンも多数参加したちゃんとした作りになっていて、彼のアーティストとしての姿勢も十分に伝わって来る。特に、スムース・ジャズのステーションで何度と無く耳にしたこの曲は哀愁系AORの色も感じられるお薦めの1曲だ。売れっ子マーク・ドゥシットのサックスもメロウ but 力強いトーンでハートを刺激する。
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<9月8日(土)> |
「今日の出来事」
●今日は朝イチでカーク・ウェイラムさんへのメール・インタヴュー:質問事項を考えて、メールを送信。最新作『Roundtrip』(11/21にビデオアーツさんから国内盤登場!)のプロモーション用資料として、是非とも回答を頂戴したい私です。聴けば聴くほど好きになっていくアルバムなので(ご本人からは、もちろん、OK戴いてますが....)。
そしてその後は今日ももちろん、阿川さん(笑)。流石に終わりました。でも、ホント、お世辞抜きで魅力的な女性ですね、本当にお世辞一切抜きで。このインタヴュー・テープを聞き返していると、頭の良い、ドリーミーな女性であることに改めて感動してしまいます。さ、あとは、これをどう、3分の1に減らすか、ですね。デザイナーさんと無茶苦茶要相談です!
そして午後から買い出し&夕食の支度。 実は、家から歩いて1〜2分の所にあった某スーパーのチェーン店がこの春だったか、30年以上の長い歴史に終止符を打ってしまったのですが(でも、本店はもちろん他の支店は元気のようです)、その後のテナントが最近ようやく決まり、8月30日から営業を始めているんです。 その名も「業務スーパー」。 なんだか怪しく思いません??? でも、インターネットで検索すると、これが7月以降だけでも全国に10店舗近く新規オープンしていて、なんだか注目しても好さそうなお店なんです。で、そこに今日、初見参。あ、なるほど、単なる安いスーパーではなく、冷凍食品だったり、他店とは違ったものに力を入れ、差別化を図っているというわけですね。特に、某アメリカ系大型チェーンのように20本、30個、といった大量買いしないといけない、というわけでもなく、ま、今後はやり方と、それからその方向性を住民に理解してもらう、それ次第で生き残れそうな気がしました。初めてだったので、あれもこれも買いましたが、でも安いので¥2,000は行かなかったような....。とは言え、結局はいつものスーパーに行って足りないものを買ってきましたが....
食事の後は、またまた巨人・阪神戦に釘付けの私。いやあ、今日も、無茶苦茶好い試合でした! 選手の皆さん、ありがとうございます!
そして、早くも、というか、月曜日収録の「Adult Oriented Radio」 の選曲をば。月曜日は午前中からミーティングで、1日、バタバタしそうなので....なんだか急に忙しくなって来ちゃいましたね....好いような悪いような....。
「Smooth Jazz Song File」
(251)The Isley Brothers <For The Love Of You> from『The Heat Is On』(1975:T-Neck)
●スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、ビル・ウィザース、EW&Fといったソウル/R&B界の大御所はスムース・ジャズのシーンにも大きな影響を与えているが、もうひと組、忘れてならないのがこのアイズレー・ブラザーズだ。フォープレイもカヴァーした<Between The Sheets>、アヴェレージ・ホワイト・バンドによるインスト版がチャートを上昇した<Work To Do>を始め、両方のフィールドをクロスオーヴァーした名曲は少なくない。さらに、ロニー・ロウズによるアイズレーのアルバム『Harvest For The World』の丸々カヴァー、という企画も90年代後半に実現している。そんなアイズレーのスムース的な極めつけと言えばやはりこの曲であろう。キャンディ・ダルファー、アール・クルー、ピーター・ホワイト他、数え切れないアーティストがこの曲をレコーディング、しかもリスペクトの気持ちから大きなアレンジを施さず原曲の雰囲気を守っている点がポイントだ。もちろん本家のヴァージョンもステーションから流れて来る。貫禄と官能の完璧な風を伴って....
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<9月7日(金)> |
「今日の出来事」
●今日もほぼ1日、阿川さんのインタヴュー、テープ興し。ようやく先が見えて来ました(笑)。その他、「Smooth Jazz Song File」を少し書き溜めたり、な1日。あ、その「Smooth Jazz Song File」、お陰さまで、本日250回に到達しました。節目を飾るのはクリス・ボッティ。今後も、節目は大物、人気スターを予定しています。引き続きのご愛顧をば。
夜は、プロ野球:巨人 vs. 阪神戦をTVで観ましたが、いやあ、好い試合でしたね! 特にどっちを応援しているわけでもないのですが、これだけ面白い試合はそうはないでしょう。プロ野球万歳! なので、もう少し「放送終了の時間ですが、このまま野球中継を延長してお送り致します」をご検討下さい。なんたって、首位決戦の巨人・阪神戦、ですからね。
「Smooth Jazz Song File」
(250)Chris Botti <Indian Summer> from『A Thousand Kisses Deep』(2003:Columbia)
●ジャズ界きってのイケメン・トランぺッター、クリス・ボッティ。生まれは西海岸のオレゴン州ながら、1980年代中盤からNYのスタジオ・シーンで活躍するようになり、1990年から5年間、ポール・サイモンのグループに在籍。グループ卒業と共にソロ活動を始め、また、スティングのツアー・メンバーに抜擢されたことも手伝い、2000年以降は圧倒的な人気を得ている。マイルス・デイヴィスを彷彿とさせるミュート奏法ではまさに御大そのままの孤高の世界を描き出し、それ以外のプレイでもとにかくメロディアスな旋律を届けてくれる。演じる音楽もスムース・ジャズからスタンダードまでアルバム毎に違ったコンセプトを打ち出しているが、どんな曲を演ってもスムース・ジャズのステーションからは常に好意的なエアプレイをキープ。故にヒット曲、名曲は多いが、1曲だけ選ぶとしたらチャートのNo.1にも輝いたこの曲ではないだろうか。クールながらちょっと抜いたような独特の疾走感はまさにボッティならでは。作曲&プログラミングは職人:マーク・ゴールデンバーグが担当。こちらも、面目躍如、な仕事ぶりだ。
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<9月6日(木)> |
「今日の出来事」
●午前中は家族の買い物の運転手、他。そして午後から先日行った阿川泰子さんロング・インタヴューのテープ興し。これは、時間掛かります、楽しいですが。差し当たっての締め切り、来週月曜日に間に合うのかどうか、非常に不安になって来ました。
その他、昨日やったAORの選曲を共同監修人(?)に見てもらい、補足、お互いの意見を交換などして、とりあえず完成。こちらも週明けのミーティングで、その先が見えて来そうです。と、久しぶりに仕事モードな人生に入っている(でも、飲みます!)、中田利樹でした。
P.S. 2日続きで就寝BGMが大当たり。夜中、目が覚めたら、また同じCDを頭から or 途中からPlayし、非常に心地好く眠らせて頂いてます。 昨日が、Mark Adams『Feel The Groove : A Souljazz Experience』(2007:RMG)で、今日がAct Of Faithの『Release Yourself』(1996:Expansion)。共にそのうち、「Smooth Jazz Song File」に登場することでしょう。 マーク・アダムスは速攻で1stもオーダーしちゃいました(これは2ndです)。アクト・オブ・フェイスは前から欲しかったのですが在庫切れだったり、中古はバカ高かったり、で、地団駄踏んでました。が、しかし、なんてことはない、Amazonのアメリカでは高値でも、UKに行けば全然安値、ということを思い出し、少し前にゲット。送料が¥1,000くらいと勿体ないですが、アメリカも今では送料値上がりして¥800くらいですから、ま、特に問題ないかな、という感じです。やはりUKものはAmazonのUKで捜した方が断然見つかり易いですからね。
「Smooth Jazz Song File」
(249)Gail Jhonson <Just For Kicks> from『Keep The Music Playing』(2004:Philly The Kid Music)
●夏に観たノーマン・ブラウンのライヴでキーボードを務めていた女性がこの人だった。ワープロの打ち間違えではなくGail Jhonson、それが彼女のアーティスト・ネーム。しかもただのセッション・プレイヤーではなくノーマン・ブラウンの音楽監督まで任されているのだから、これはただ者ではない。そのキャリアを遡っていくと以前は元タイムのモーリス・デイのバンドに居たというからボニー・ジェイムスを思い出してしまう(ボニーはもちろん、サックスが本業だが、キーボーディストとしてモーリスのバンドに参加していた)。この曲は2004年に発表した唯一のソロ作に収められていたナンバーで、力強いコード・ワークとキャッチーなメロディーに好感を抱かずにはいられない。さすが、バークリーを出て音楽理論の本を数冊出しているだけのことはある。と同時にノーマン・ブラウンで培われたであろう、大衆に喜ばれる旋律も熟知しているところが彼女の最大の魅力だと思う。アルバムではビー・ビー&シー・シー・ワイナンズの<Heaven>他をカヴァー。5曲目のジャジーな<Soleh>も絶対に"かけたい"1曲だ。
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<9月5日(水)> |
「今日の出来事」
●午前中は倒れてました、流石に。う〜ん、こんな生活をしているから、お医者さんにお世話になったりするのでしょうね....。
そして午後から夜まで延々、AORの選曲をやってました。これはまた違った企画用でして....トータル約200曲。さ、何曲が生き残る? 採用される? ことでしょうか....。この結果は来春、ハッキリします(って、随分と先でスミマセン)。
(248)Andrew Neu <Wine> from『In Clear View』(2007:Andrew Neu)
●Justin Youngと並ぶ、2007年に見つけた将来有望のサックスマン、アンドリュー・ニュー。TOTOのヴォーカリストだったジョセフ・ウィリアムスに通じるなかなかのイケメンだが、サウンドのほうも実に二枚目風。スムース・ジャズ道のど真ん中を歩みながらも、清涼感と男らしさを漂わせ、媚を売った印象など決して与えない。アルバムの1曲目がクール&ザ・ギャング<Celebration>のカヴァーで、これは流石にラジオを意識した感じがゼロとは言わないが、しかし、その辺りを得意とするウェイマン・ティズデイル〜ダーレン・ラーンのコンビにも負けない爽快感はむしろ天晴れといった感じ。また、ライオネル・リッチーの<You Are>とスティクスの<Babe>もリメイクしているが、オリジナル曲も素晴らしいものが多く、1曲を選ぶのに苦労してしまうほどだ。これが2作目だが、アルバムのプロデュースはブライアン・ブロンバーグが手掛け、ジェフ・ローバー、ヴィニー・カリウタ他の名手が参加している。1974年9月23日、フィラデルフィア郊外の生まれ。是非ともブレイクして欲しいアーティストだ。
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<9月4日(火)> |
「今日の出来事」
●午前中は「Adult Oriented Radio」 の検聴、Qシート書き、そして発送。そして午後1時にU-Canさんに集合し、2時から阿川泰子さんへのロング・インタヴュー。はい、U-Canさんで私が携わっている企画は、この阿川泰子さんのCD10枚組ボックス・セットでした。発売は11月でタイトルは『Jewels』。選曲に関してはアドヴァイザー程度の関わりですが、彼女のバイオ、150曲の楽曲解説、そして今回のロング・インタヴューと、読み物では結構深く関与しております。かなり大変ですが頑張るしかない、かな、と。約3年振りにお会いした阿川さんは相変わらず美しくて明るい方でした。自分で言うのもなんですが、結構、気に入られてるんです、私(笑)。まあ、いわゆるジャズの評論家の先生とは全然違いますからね、ノリが。
インタヴューは1時間半ちょっとで終了し、4時頃から5時半くらいまで近くのイタリアン・レストランで軽食会。もちろん、阿川さんを交えて、です。阿川さんはハイネケンのビール(小瓶)を3本ほど飲まれましたが、基本は常温、なんです。生温いビールなど、私の中にはあり得ないことなのですが、すると、蘊蓄大好きオヤジ(?)が一言、「そう、元々は常温で飲むものだった...」。
結局、そのうちの3名で店を変えて本格的な飲み会に発展。なんだかんだでまたまた帰宅は3時過ぎ。流石にへとへとです。でも、まあ、インタヴューは無事に終わって本当に好かったです。
「Smooth Jazz Song File」
(247)Ronny Jordan <So What> from『The Antidote』(1992:4th & Broadway)
●リリース当時、まさに一世を風靡するほどの話題を呼んだロニー・ジョーダン<So What>。デヴィッド・サンボーン、キャンディ・ダルファー他、多くのフュージョン/スムース・ジャズ系アーティストも取り上げている御大マイルスの名曲だが、ロニーはクラブ系の打ち込みビートを大胆に取り入れ、ロンドンのミュージック・シーンで最先端を行くインパクトを与えてくれた。その後、いろいろな試行錯誤を経て、現在ではよりMOR的なジャズ・ギタリストとして活動。確かに彼自身は打ち込み系のクラブ・ミュージックではなく、よりオーガニックなジャズこそが本来のスタイルだと口にするが、単なるアイデアの面白さではなく、演奏・アレンジ、全てで完成された1曲だけに、トータルでこれを凌ぐ作品というのはなかなか作り得ない。ちなみに、メロウ系では同じく1stアルバム『The Antidote』に収められた<After Hours(The Antidote)>が今なお、スムース・ジャズのステーションでプレイされている。こちらはロニーのオリジナルで、メロディメイカーとしての可能性を十分に感じさせる仕上がりだ。
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<9月3日(月)> |
「今日の出来事」
●朝から「Adult Oriented Radio」 の選曲、進行表作り、そしてコーナーの翻訳。そして収録は2時から。今日は仕込みが押してしまい、スタジオ入りが20分ほど遅れてしまいました。スミマセン...。 そしてサクッと収録を済ませ6時に帰宅。夕食をして、夜はアドリブ誌のレヴュー追加分、1本をやり、続いて、明日インタヴューする阿川泰子さんへの質問事項を改めて整理。2〜3時間の長丁場インタヴューですので、いくつかの項目にテーマを分け、ダレないようにすることを最重要視。お会いするのは3年振りくらいですが既に何回もお話ししているので、楽しく出来ることでしょう。自然体で臨みます。 その後、「Smooth Jazz Song File」の原稿も数本書いて、今日のところはこれくらいで勘弁してやるわ(笑)...と就寝。BGMはNajeeの最新作『Rising Sun』(Heads Up)で。いろんな曲が入っていますね...。好きな曲、そうでもない曲が完全にハッキリするアルバム、とでも言いましょうか...
「Smooth Jazz Song File」
(246)Carl Anderson <How Deep Does It Go> from『Pieces Of A Heart』(1991:GRP)
●"感動的"と表現するのが最も相応しいであろう、カール・アンダーソンのパフォーマンス。豊かな声量、幅広い音域、並々ならぬ表現力、この3つを自在に操る彼こそスムース・ジャズ界で最高のヴォーカリストと言って間違いないだろうし、その彼を失った代償は計り知れない(2004年2月23日、58歳で死去)。ミュージカル「Jesus Christ Superstar」でその存在を知らしめ、80年代前半にEpicからソロ・デビュー。カズ・マツイ・プロジェクト、ウエザー・リポート他、数多くのセッションにも参加しポップ、R&B、ジャズと様々な分野でその才能が認められていた。特に1991年にGRPに移籍してからはコマーシャリズムと芸術性がバランス好く披露出来るようになり、本人にとってもさぞかし満足のいく歌唱だったのではないだろうか? スムース・ジャズのステーションからも人気を独占し多くのコンピ盤に彼の曲が収められているが、中でも一番人気はこのナンバー。作者はリオン・ウェアで、プロデュースはラス・フリーマンという組み合わせ。カーク・ウェイラムのサックスもじわりじわりと沁みて来る。
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<9月2日(日)> |
「今日の出来事」
●明日が更新日なので、ReMu-TVのコラム「中田利樹のAORウラ話し」を書き、あとは、アドリブ誌のレヴューと「AOR通信」を書き...といった1日。昨日もかなり飲みましたが、気持ち悪いよ〜系の二日酔いは全く無くいたって体調宜し。なので、心配には至りません。知人や「Adult Oriented Radio」 のリスナーさんが「大丈夫ですか〜!?!?!」と何通もメールを下さりましたが、はい、全然大丈夫です。むしろ恐縮気味です、お気遣い戴きまして。今週から仕事がめちゃくちゃ忙しくなります。ファイトで乗り切れ〜!
「Smooth Jazz Song File」
(245)George Jinda <Just My Imagination> from『Between Dreams』(1996:Shanachie)
●1941年6月4日、ハンガリー:ブタペストに生まれたジョージ・ジンダは66年にNYに移り、82年にキエリ・ミヌッチとバンドを結成。それがSpecial EFX誕生の源となる。84年の1stアルバムのジャケットを見るとあたかもパーマネントなグループのように映るが、基本的にはパーカッションとギターの2人というユニークな編成で、そこに必要に応じて外部のミュージシャンが加わる、という流れ。キエリの方がより音楽的な主導権を握っていたからか、ジョージ・ジンダの方が先にリーダー作、サイド・プロジェクトに力を入れ、92年&93年にGeorge Jinda & World Newsとしてアルバムを発表、そして、97年には脱退したキエリに替わってSpecial EFXを先導して行くがその数年後に重度の卒中のため帰らぬ人になってしまう。そんな彼が残した唯一のソロ名義作にして傑作が96年の『Between Dreams』。NYの名手たちと都会的な王道スムースを展開し、中でもテンプスのカヴァーとなるこの曲はラジオからこよなく愛された。軽やかなグルーヴ感はまさにジョージならではのリズムの輝きと言って好いだろう。
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<9月1日(土)> |
「今日の出来事」
●今日も体調は優れず...というか、薬も効かずかえって悪化の感じも...。ま、でも、呑みには行けるくらい元気なので大したことはありませんが....。
で、昼間はアドリブ誌のレヴュー用のアルバムを2枚、繰り返し聴き、さ、原稿を書くか...といったまさにその時、宅急便さんが来て、某国内レコード店でメールオーダーした輸入盤が10枚、届いてしまうではないですか!
10枚の内訳はスムース・ジャズ系の新譜が半分ちょいで、在庫切れによりなかなか入手出来なかったPamela Wiiliams『Look Of Love』、こちらも若干待たされたJeff Kashiwa『Play』、知人は「つまらなかった..」と漏らしたNajee『Rising Sun』、聴いたことが無かったので楽しみだったMark Adams『Feel The Groove』、マイナー・レーベルなのにちゃんと取り扱ってくれて嬉しいな、のTom Braxton『Imagine This』、そしてそして久々の新作で正直胸を躍らせているCount Basic『Love & Light』などで、この辺りは速攻でiTunesに取り込みました。
なんてうちに夕方になり、いざ飲み会! iPodに入れたCount Basicの新作を聴きながら向かった場所は吉祥寺! まあ何故、吉祥寺だったかと言いますと、3人組の1人がそっちの方だった、ということで。いつも23区内で遅くまで付き合わせてしまっているので、たまには私らが出向きましょう、と。で、また、今日はかなり何時間も頑張ってしまいましたが、なんだか盛り上がるんですね、このトリオ。とある店での、とある会話を再現。
S(自分は"ドM"、を売りにする、インディ・レーベル主宰者)
T(Toshiki...私です)
H(火曜日も一緒に飲んだ大手新聞記者)
S:最近、改めてオジー・オズボーンにハマってる。オジーってメタルっていうよりポップで好いよね!
T:日記にも書いたけど、この間、ブラック・サバスの70年代のライヴ盤、買ったー。
S:最近出たの?
T:いや、数年前。
H:オジーか....、キーの低い。
T:って言うでしょー、皆。でも、実際はそんな低くないよ、B(シ)くらいまで歌ってるし。
H:Bか....。ねえ、ツェッペリンの『永遠の詩』の完全版出るでしょ、11月に。
S:あ、知ってる、それ。
T:『永遠の詩』かあ、いっつも寝てたな...
H:皆、そう言う。
T:昔2〜3回観たけど、毎回、同じ所で寝てた、ジミー・ペイジがテルミンだか、ヴァイオリンの弓だかでソロ演るところ。名画座で観たの、「ウッドストック」とかと一緒に。飯田橋のギンレイ・ホール。
S:あ、そうそう、ギンレイ・ホール。あと「バングラディッシュのコンサート」とかも一緒だったでしょ。
T:そうそう。
H:で、だからね、その『永遠の詩』が完全版で出るんだよね!!
T:あれ、そう言えば、イーグルスの新譜が出るよね、10月末だっけ。
S:28年振り。でも、折角、ウォルマートでしか手に入らない、っていう4曲のスタジオ・トラック入りDVDーーメルボルンのライヴのやつーー買ったのに、どうしよう、それが全部入ってたら...
T:どうなんだろうね....。プロデュースはビル・シムジクらしいよ。
H:って言うか、『永遠の詩』の完全版が出るんだけれど、興奮しないの〜、皆???
T:(笑)。ジミー・ペイジねー...好い曲書くよね。
H:彼はねー、本当は凄く巧いの! でも、波があるから、好不調の。絶好調の時なんか、凄いなんてもんじゃないよ!
T:ジミー・ペイジって、ジェイ・グレイドンに似てるんじゃない? プロデュースの人。ツェッペリンのソロとかだって独りで録音してたんでしょ?
H:だからさー、皆、嬉しくないの? 完全版出るんだよ〜!!!!! オレ、生涯で一番好きなアーティストってツェッペリンかも。
以下省略。以上、酔っぱらいオヤジの会話でした。失礼しました! このシリーズ、これからもたまにやってみます、読者の迷惑を顧みず(笑)。
「Smooth Jazz Song File」
(244)Chieli Minucci <My Girl Sunday> from『Sweet On You』(2000:Shanachie)
●ジョージ・ジンダ(perc)とのユニット、Special EFXでデビューを飾ってから早20年以上が経過した。そして彼のソロ活動はグループがまだ健在だった1995年からスタート。JVCで3枚、そしてShanachieで4枚のアルバムをこれまでに発表し、ここ3作はビルボード誌のContemporary Jazz Albumsチャートにランク・インする、安定した人気を獲得している。キエリはプロデュース感覚を多分に持ち合わせたギタリストで、テクニカルなソロよりも全体のトータル・バランスを重視。フックのある曲作りを念頭に置きつつもラジオだけを意識するのではなく、常に新しいフィールドに潜り込めないかチャレンジしている、そんなアーティストと言って好いだろう。一歩間違うと無謀に思われるジェフ・ベック<哀しみの恋人達>のカヴァー(1996年の『Renaissance』に収録)もしっかりと自分のものにしていたし、他にもNYならではのアクティヴなスムース・ジャズをフレキシブルにクリエイトしている。この曲は彼にしては珍しい、哀愁系のラテン・チューン。胸キュン・チックな泣きの旋律でチャートの2位まで上昇した。
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