<9月20日(木)> |
「今日の出来事」
●午前中は雑用をいろいろとこなし、お昼から阿川泰子さんのマネージャーさんにインタヴュー。これもU-Canさんの通販ボックス用の原稿になります。そして、4時頃いったん家に戻りまたまたデスク・ワーク関連。そして、夜は、ブライアン・シンプソンさんと一緒に丸の内コットン・クラブに行き、松居慶子さんのライヴを堪能させて頂きました。いや〜、素晴らしい! 昨日のベネイ&パウロも最高でしたけれど、また違った意味で感動的でした。涙出て来ちゃいますねー、いろいろな想いが交錯して....。終演後、久しぶりに慶子さんとお話しをしましたが、以前にも増して輝いていてホント、素敵でした。これからも頑張って下さい。心から応援させて頂きます。今日、それが確信出来ました!
●今日は、噂のB氏と軽いディナーをしましたが、本当に、真面目な方です。以下、彼の言葉を思いつくままに再現してみると....
「趣味? 特に無いよ。それに費やす時間があるなら、良い曲が出来ないか、作曲に費やすね。あとは家族サーヴィスもしないといけないし。読書? 昔は全然しなかったけれど、今は、移動の飛行機の中とかで読むようになったよ。10時間のフライトでずっと音楽を聴いて、っていうのももう飽きたしね。え? 何? 昨日の女の子? 2人のうち1人はメールをくれたけど返事は送ってないよ。他にも打たなくちゃいけないメールが沢山あったし、あと、未だにジェット・ラグが酷くて、午後になると急に眠くなってしまうからね」
といった感じで、昨日とは全く違うクールな二枚目のB氏。また思い出したら、何か書いてみます。
で、またまた慶子さんのライヴに話しは戻るのですが、バックは南アフリカの人が4人、ブラジルが1人、そして、アメリカからはARTizenからソロ作を出した黒人サックスマン:ジャッキーム・ジョイナーが参加。という国際色豊かな顔ぶれで、慶子さんが新作で目指していた、ワールド・ミュージックの発展系サウンドがしっかりと再現されていました。かと思うと、昔の曲で、どうしようもないオリエンタルなフレーズが出て来たり、はたまた、L.A.産スムース・ジャズの王道的な旋律もあったり。で、ジャッキームさんともお話しが出来て嬉しかったり、はたまた、昔のJ-WAVE時代のディレクター仲間に会ったり、なんか、嬉しかったです。皆、応援してくれてるんだな、と。
「Smooth Jazz Song File」
(263)Erykah Badu <On & On> from『Baduizm』(1997:Universal)
●1997年、突如、シーンに現れたディーヴァ、エリカ・バドゥ。オーガニック・ソウル、という言葉だけでは片付けられないジャジーなオーラを纏い、多くの人がビリー・ホリディを引き合いに出した。しかも、それに対する非難 --- すなわち、"褒め過ぎだ!""ビリーと並べ称すとはもってのほか!"といった類いのコメントはほとんど目にしていないし、その後も着実に進化を遂げ、まさにワン&オンリーな道を歩み続けている。1971年2月、テキサス州ダラスの生まれ。地元で行われたディアンジェロのライヴでオープニングを務め、彼のマネージャーに気に入られたのがデビューのキッカケだが、早かれ遅かれ、間違いなくレコード・デビューは飾っていただろう。その才能はスターになる宿命さえ感じさせるものだから。この曲<On & On>は彼女のデビュー作に収められ、全米12位、R&BでNo.1に輝いた、初期の代名詞的なナンバー。クールなビートをバックに淡々と展開する"Baduizm World"。こういう曲を交えてこそ、スムース・ジャズ・ステーションの選曲は幅が広がる、というもの。今なお、新鮮な"間"を運んでくれる。
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<9月19日(水)> |
「今日の出来事」
●午前中からUSEN AOR ch.の10月分選曲の仕上げに入り、夕方の5時過ぎに漸く完成。いつものようにCD-Rに焼いて2時間分2本をUSEN本社のコセリン嬢に速達便で発送しました。
で、2本の内訳ですが、1本はアーティスト特集で、珍しく、ホール&オーツにチャレンジしました。フォスターさんが2枚のアルバムをプロデュースしているので、考えようによってはAORな人たちですが、いや〜、甘かったです、フォスターさんが最初にやった78年作品『Along The Red Ledge』、あまり使える曲がなかったです、2時間の流れの中で。もちろん、<It's A Laugh>はマストですが。 逆に同じくフォスター・プロデュースの79年作品『X-Static』からは結構、セレクトしちゃいました。そして、AOR、に拘って、敢えて<Private Eyes>は外し、他にも、<Maneater><Out Of Touch><Say It Isn't So><Did It In A Minute><You Make My Dreams>...などのヒット・チューンは外してあります。逆に、<Nothing At All>とか<Falling>とかの渋めの曲を入れて....。 それから、ダリル・ホールさんのソロからも大好きな<I'm In A Philly Mood>他、4〜5曲を入れて....。楽しませて戴きました、再評価、再発見、も含めて。
それともう1本の特集は"Smooth Jazz meets AOR"。隙あらばハメ込む、そんな感じで、スムース・ジャズを取り入れる中田ですが、今回は、先日のアドリブ誌「AOR通信」にも載せていたAOR的スムース・ジャズを2時間に拡大し、U-NamやTom Braxton、j.dee、Phil Perry他の最新作で聴けるAOR系のカヴァーを核に歌もの、インスト、約半々のノリで25曲、並べてみました。 Najee<My Old Friend>、Pieces Of A Dream<How Much I Feel>、Walter Beasley<It Might Be You>....探し出すと無限にあるので幾らでも出来ちゃいます。なので、この企画も1年に1回くらい演ってますが、全然、ダブらずに2時間組めちゃいます。
●で、そんな選曲の合間を縫って、都内某ホテルに足を運び、マーク・マクミレンさん&ブライアン・シンプソンさんとランチをしました。2人が一緒に仕事をするのは初めてのようですが、非常に親しい感じでした。ま、特に何を話した、ということもないですが....あ、スムース・ジャズ界は、やはり、クルーズが大流行り、のようですね。特に、ブライアンが音楽監督を務めるデイヴ・コズさんはクルーズが結構多いようで、カリブも好いけどアメリカ西海岸のクルーズも好いよ、ですとか、客層は...なんて話しもしてくれました。そして、マークさんがバックを務めるボビー・コールドウェル・バンドもクルーズに参加したようなことを言っていました。でも、波がスゴイ時があって大変だったこともある、と言ってました。 そのマークさんに新作の完成予定は? と訊きましたが「まだ途中だよ」との答えが。最近はもっぱら映画の制作・編集、加えて出演!にも忙しいようで、その話しをブライアンにもしていました、「今度、コピーを渡すから、時間のある時に観て欲しいな。"スムース・ジャズ"をパロディーにしたような映画なんだけれど(笑)」。
●で、その2人がバックを務める、エリック・ベネイ&マイケル・パウロのライヴをサックス奏者、michiyoさん(http://music.geocities.yahoo.co.jp/gl/gajiji2004)と共にブルーノート東京で観て来ました。 で、まずはパウロさんが3曲インストをかましてくれて、その煽りビシバシのプレイで満員のオーディエンスはかなりハイ・テンションに。好きです、パウロさんのプレイ。メロディアスで洗練されてて、吹きまくってもクドさがない。
そしてエリック・ベネイが登場しますが、いきなり<India>を演ってくれて目頭熱くなっちゃいました。愛娘のことを歌った曲で、彼がディーン・パークス&ダニー・ペック!と共作したナンバーなんですが、デヴィッド・フォスターがプロデュースした2005年作品『Hurricane』の中で一番のお気に入りチューン。ホント、この曲から始まるなんて、嬉し過ぎます! その他にも来年2月に出る予定の新作からも2曲だか披露してくれたり、非常に聴き応え十分でした。<I'll Be There For You>は演ってくれませんでしたが、<Georgy Porgy>はバッチリやってくれましたし。ブルーノートで観るのは2回目ですが、前回とは比べ物にならないくらい好かったです。なんたって、バンドが素晴らしいですからね、マーク&ブライアンに加えて、ベースはメルヴィン・デイヴィス、ギターは元ミュージック・マジック、元Hiroshimaのフレッド・シュルーダーズ! なんか、親近感バシバシのバンドですね。
で、終演後に、マークさん、B氏のご両名が私らの席の所に来てくれていろいろと雑談をして...。で、隣りの席が空いていたので、ここに座れば、と私らがひとつずれて2人が着席、会話が始まったのですが....どうも、B氏、私との会話よりも、そのさらに隣りのほうに目線が行きっ放しなんですね。ちなみに、michiyo嬢は私の隣りではなく前に座っています。で、視線の行き先はmichiyoさんの隣り!に座っている20代と思われる女性のほうに向けられていたのでした。で、その女性としても、さっきまでステージで演奏していた人が直ぐ隣りのテーブルで寛いでいるのだから気にならないはずがない...。それを察した優しい優しいmichiyoさんが、その女性に声を掛けたのでした、 「好かったらサインでももらったら」 これによってB氏が喜び勇んでコミュニケーションを始めたのは言うまでもありません(笑)。 で、私らはB氏を残して、「そいじゃー、また、明日!」とブルーノートを後にしました、お邪魔虫は消えます!(笑)。あ、で、マークさんはどうしたかって? マークさんはその女性とお話しする前にバックステージに消えて行ったのでした、食事の時間だから、と。ま、簡単に言えば、B氏は、メシより女子、ということで(笑)。 あ、でも、これは、私が彼を信用、尊敬しているから、敢えて書いているのです、本当に。何故ならば、以前、ちょっと冷やかしで突っ込んだら「何、言ってるんだよ、僕には奥さんと3人の子供が居るんだから」と笑顔で答えてくれましたから。そう、焦って、ではなく、笑顔で返してくれたところに、浮気などするわけないだろ、的な余裕が感じられた、と。ちなみに、michiyoさんに「Bみたいな男性はどう?」と尋ねたところ、「いや〜、私はエリック・ベネイのほうが好いなー。ホント、格好良かった! 最近観た中で一番!」という答えが。ホント、歌も容姿も最高でした。エリック・ベネイ、さらに好きになりました!
「Smooth Jazz Song File」
(262)James Vargas <Won't Be A Fool> from『James Vargas』(2004:Trippin' N' Rhythm)
●UKの若手サックスマン、ジェイムス・ヴァルガス。オリ・シルク&ダニー・シュガーによるプロジェクト:Sugar & Silkのアルバムに参加するなど、ここ数年、確実にその存在を浸透させてきたアーティストで、オリ・シルクがかなり気に入っていることからこのデビュー作のプロデュースも全編彼が担当している。サウンド的には、いわゆるクールなロンドン・アシッド系と言うよりは、多分にアメリカナイズされている。それはTrippin' N' Rhythmというレーベルを考慮してのことなのか、あるいは、ジェイムスの目指す音楽性がそちらのほうなのか、答えは見つかっていないが、しかし、オリ・シルクも同じTrippin' N' Rhythmから昨年ソロ作を出しアメリカのマーケットを視野に入れ始めたことと、どこか関係があるかもしれない。ジェイムス・ヴァルガスはアルトとソプラノをメインにファンキーなR&Bスタイルを繰り広げるが、この<Won't Be A Fool>はアルバム中、唯一テナーでプレイし、最もUSソウル的な作りになっている。特にコーラスの付け方は非常にキャッチーで美味。サックスのトーンも実にイケメン風。
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<9月18日(火)> |
「今日の出来事」
●今日はまた忙しい1日...ということで、朝も5時に起き、直ぐさまメール・チェック! と言うか、本当は目が覚めてしまったので数分パソコンの前に座って、チェックしただけなのですが、すると、ブライアン・シンプソンさんからメールが入っていて「トシ、今、東京だよ。好かったらホテルに電話しておくれ」というメッセージが! うわ〜、そうでした、ブライアンがバックで同行しているエリック・ベネイ&マイケル・パウロ・バンドのブルーノート東京公演、昨日からでした〜! 大失敗。速攻で、ブルーノートのHPを覗くと、え〜〜! もう1人のキーボード、マーク・マクミレンさんなの〜〜!?!? そ、そ、そんなー、マークさん、教えてよ〜! と速攻でメール。これはなんとしてでもライヴに行かなくてはならないのですが、今日の今日は無理なので、明日の最終日に賭けるしかないですね。あ、で、もちろん、ブライアンにもメールを返信して、まあ、どちらにしても、水曜日のランチでも一緒にしたいですね、と。
で、朝食後の8時過ぎから今週土曜日にOAされる「Adult Oriented Radio」 の検聴、Qシート書き、発送、を一気に済ませ、さ、松岡直也さんの家で取材だー!と意気込むも、最近、ポータブルMDプレイヤーの調子が今ひとつなので、取材中にトラブルがあったらいけない、と、家でチェックしていると、うわ〜、ついに、ダメになりました....ディスクを読み込まない....
で、行く時、池袋のビック・カメラに寄ってレコーダーを買って(う、予想外の出費...)、そして、新宿でお菓子などを買って、小田急線の某駅でマネージャーさんと待ち合わせ。 「宜しくお願い致します!」 と、その時、昨日、触れた飲み仲間のHさんもそこに登場! すでにマネージャーさんとHさんは前からの顔見知りだったので、早速、打ち解け、松岡邸についてからも終始楽しくお話しを訊かせて頂きました。そう、阿川さんに関するインタヴューは15分くらいで終了し、あとは、松岡さんの昔のお話をいろいろと聞かせて頂いて....で、これが興味深い裏話しの連続なんですが、あれだけの大御所でありながら、本当に、完璧、"超"が付くほどの好い方でちょっと感動しちゃいました。自慢話しはゼロ。そういった話し方ではなく、淡々とヒューマンに語ってくれて、「へ〜、そうなんですか〜!」の連続。勉強になりました!
さらに、こちらが気を遣わなくてはならないのに、逆に、プレミアムなルービを出して頂いたり、もう恐縮極まりないひとときでした(松岡さんは全然呑めないそうで、私とHさんの2人だけがゴックン。スミマセン!!!!)。
それから、松岡さんもワーナー時代の音源他、ご自身のリーダー作を自身のレーベル:ANTで再発している、ということで、ちょっぴり、クール・サウンド主宰者として親近感を覚える瞬間もあったりしました。これからも是非、お見知りおきのほど、宜しくお願い致します。12月18日の六本木STBでのライヴ、楽しみにしています!!
その後、新宿に戻って1件、ちゃんとした(笑)打ち合わせ。そして、家に戻って、いろいろと仕事を少しずつ片付け....。そして、おっと、マーク・マクミレンさんから早速、メールのレスがありました。はいな、明日、ランチしましょう! とこちらも速攻でリターン。明日も仕事だ何だ、多忙な1日になりそう....って言うか、当分、極忙状態ですね....でも、全部、好きな仕事なので全然、苦にはなりません。明日も早起きだ〜!!
「Smooth Jazz Song File」
(261)Joe McBride <Highland Park> from『Keys To Your Heart』(1997:Heads Up)
●スティーヴィー・ワンダーに通じる大きく包み込むようなサウンドで、聴き手に夢とロマンを届けてくれるキーボーディスト/ヴォーカリスト、ジョー・マクブライド。ゴスペル的なタッチ&洗練された音使いでスムースこの上ないピアノを奏で、また、時にソウルフル、時にAORチックな節回しでヴォーカリストとしても一級品の存在感を放つ、盲目の二刀流職人だ。プレイヤーの全米No.1ヒット<Baby Come Back>を歌ものでカヴァーしたヴァージョン(1997年の『Double Take』に収録)など、ため息が出るほどの雰囲気を醸し出しているし、同じアルバムに収められたスキャット・チューン<One Sunday Afternoon>はラジオ局から圧倒的な支持を集めている。その2曲のどちらかを推すことももちろん可能だが、ここ20年、本拠地にしているテキサスのファンク・スピリッツ、すなわち、クルセイダーズ〜ジョー・サンプル的なピアノを響かせるこの曲に、敢えて一票を投じさせて頂いた。アルバムには、グローヴァーやカールトン、フィリップ・ベイリー他の著名人も参加。シンプルでゴージャス、な大人の味が堪能出来る。
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<9月17日(月)> |
「今日の出来事」
●午前中は、本来、今日更新である「ReMu TV」のコラム"中田利樹のAORウラ話し"を、拙い、拙い、遅くなってしまった....と必死(?)に書き上げました(でも、結局は、本日更新されず....)。今回は中田の考える「Jay Graydon Band」の理想的な編成、です。で、エアプレイではなく、ジェイさんバンドなのでフォスターさんは入れていません。ま、ジェイさんの来日公演があるわけでもなんでもないのですが、なんとなく、コラムの流れでそうなっちゃいました。好かったら読んでやって下さいませ、http://www.remu-tv.com/column/25/です。
そして、またまたUSENの選曲に取り掛かるも、今日も完成せず....そんなに難しいことを演っているわけではないのですが....。そして、午後からはまたまた食事当番で買い出し、仕込み、調理。そして、今日は母親が外出していた関係で夕食のスタートも遅くなり、終わって後片付けをしていたらもう9時に....で、TBSで総合格闘技の「HERO's」をやっていたのでそれを観て....あ、もう遅くなっちゃいました、今日もやり残しの仕事がplenty ofですね...恥...。 寝るまでは、明日、ご自宅にお伺いさせて頂く松岡直也さんへの質問をさらっと考えたり、HPを覗いたり。これは、例の阿川さんプロジェクトの一環でございまして、あの81年の名作にして、私も大学時代お世話になった(?)『Sunglow』のアレンジを手掛けていたのが松岡さんなので、当時の想い出等をお伺いしたいな、という感じでございます。面識は全く無いのですが、私の呑み友達の1人:H記者が実は松岡さんと非常に親しく「とにかく好い人!」と教えてくれたので、緊張せずに臨みたいと思います。
「Smooth Jazz Song File」
(260)Dominic Miller <Gymnopedie No.1> from『Shapes』(2004:Decca)
●10年以上に渡ってスティング・バンドのレギュラー・ギタリストとなっているドミニク・ミラー。スティング以外にもレヴェル42、フィル・コリンズ、ジュリア・フォーダム、ポール・ヤング他、ビッグ・ネームのアルバムに数多く参加する、英国を代表するプレイヤーだ。純然たるロック・ギタリストと言うよりも、ジャズやクラシックのテイストを取り入れたクロスオーヴァーなサウンドが彼の魅力で、作曲のセンスも抜群。特にスティングと共作した<Shape Of My Heart>と<La Belle Dame Sans Regrets>の2曲はドミニクのギター無くしては生まれなかったであろう重要な役割を果たしている。ソロ作は既に5枚が確認されているが、何れも売れ線とは別次元のアーティスティックな姿勢で制作。故に、あまりエアプレイ向きなアーティストとは言い難いが、唯一メジャーから発表した『Shapes』だけは別で、スティングをゲストに迎えた<Shapes 〜>の再演など親しみ易い曲が多く収録されている。中でもこの曲は芸術性と大衆性が完璧な融合を見せる珠玉の仕上がり。このクールな質感はまさにスムース・ジャズだ。
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<9月16日(日)> |
「今日の出来事」
●午前中は寛ぎ、午後は、USENの10月分の選曲を途中までやったり、「Smooth Jazz Song File」を少し書き溜めたり、某選曲をやったり、阿川さんプロジェクトかじったり...な、一口ずつつまみ食い、な1日でした。
●毎週、日曜日のお昼過ぎに、FM Co-Co-Loのスタッフから、「Adult Oriented Radio」 宛に届くリクエスト・メールがまとめて転送されてくるのですが、今日は昨日かけたヘヴィ・メタ・チューンにグレートな反応がありました(笑)。しかも、「中田さん! あなたはわたしですか」という文で始まる、なんとも嬉しい1通。つまり、中田が大好きだという曲が、そのリスナーさんの大のフェイヴァリットでもあった、ということですが、それにしてもインパクトありますね、 「あなたはわたしですか」。 ちょっとツボに来ちゃいました。
「Smooth Jazz Song File」
(259)Gato Barbieri <Mystica> from『Que Pasa』(1997:Columbia)
●アルゼンチンが生んだサックス界の鬼才、ガトー・バルビエリ。映画「Last Tango In Paris」(1973年)のサントラでグラミー賞を獲得した彼のテナーは恐ろしいほどの存在感を放ち、ある意味それは心地好い聴き易さを生命線とするスムース・ジャズの世界とは対極に位置するものと思われがちだ。しかしながらサンタナ<Europa>のカヴァー(1976年)はスムース・ジャズ・ステーションで今でも好意的な支持を得ているし、同じく76年のアルバム『Caliente』に収められたマーヴィンのカヴァー<I Want You>もまさに今のヴァイブとピッタリはまる至上の世界を創り上げている。また、リチャード・ティーが活躍する<Speak Low>(1979年)もこれまた素晴らしい仕上がりだ。そして極めつけは1997年の復活作『Que Pasa』。フィリップ・セスが全面のプロデュースを手掛け、コンテンポラリーなサウンドにチャレンジしたのだがこれがまた絶品の内容だ。特に多くのエアプレイを獲得したこの曲はサティの<Gymnopedie>をイントロで用いるなど実に洒落た展開を繰り広げる。改めて御大を崇拝、そんな印象深い名曲。
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<9月15日(土)> |
「今日の出来事」
●今日は土曜日ですが、「Adult Oriented Radio」の収録。昨日録り損なったパート25分と、それからアドリブ:山崎さんを迎えての月1コーナー、1時間を収録。そして、スタッフ4人で。メシ、呑み、呑み、呑み、 のフル・コース。1軒目の寿司居酒屋(?)「日本海」もやたらと美味しかったですが、4軒目に入った目黒のとある店が衝撃でした。
お蕎麦と酒、という感じの店で、しかも、カウンター+テーブル1つ、という小さな作り。店主が1人で切り盛りしているので、それくらいがちょうど好いそうなのですが、何が衝撃って、壁に吉田美奈子さんの色紙が飾ってあるんですから吃驚です(でも、店主一番のご自慢は高倉健さんのサインでしたが....)。
実は、こちらのご主人、知る人ぞ知る蕎麦打ち職人で、講習をやったり、パーティーなどで出張打ち(?)をやったり、多方面で活躍していらっしゃったというお方。それ以外にも、六本木の「ハード・ロック・カフェ」の店長(だったと思います...)をやっていた時期があったり、何があったり....。最近は、このお店に専念してマイ・ペースで楽しまれているようですが、そんな方ですから昔からのファンが多数お店に押し寄せる、とのこと。そして、美奈子さんもそんなご主人のファンで以前から蕎麦打ちのご指名がよくあった、ということです。あ、それから羽根田ユキコさんのことも御存知だとか....。
ご主人はラーメンもよく食べ歩いている、ということで、蕎麦とラーメンの美味しい店をいろいろと言い合ったり、アッという間に1時が過ぎ、終電アウト! 久々に高いタクシー代を払ってしまいましたが、これは非常に貴重な時間だったので全然構いません。あ、つまり、土曜日で、11時過ぎで、という時間だったので、お客さんも我々3人だけになり、その分、ご主人と延々話しが出来た、ということです。平日の早い時間だったら絶対にこうはいかなかったでしょうから。
あ、で噂のそばは非常においしかったです、もちろん。昔ながらの二八スタイルに拘っているのですが、まるで、山芋を繋ぎに使ったかのような粘りがあって、う〜ん、感激。しかも、それは、そばがきで食べるとさらに実感してしまいます。
あと、特別に、と、裏メニューの太打ち麺も出してくれたのですが、これがまた美味い! かえしに秘密があるようで出し汁も辛過ぎず甘過ぎずの奥深い味わい。これは熱心なファンが付く、というのも非常に納得です。
すみません、お店の名前と場所は書けませんが、ひとつご了承下さいませ。小さな店ですし、以前、美奈子さんのブログに載った時も店名・場所は伏せてあったそうなので、私もそれに準じさせて頂きます。
ちなみに、ご主人が日本で一番好きなうちの1軒は、大阪市大正区にある「そば切り 凡寓」だそうです。このお店、以前、本で見てちょっぴり気になっていたのですが、そうですか、やはり、スゴイのですか....。次回の大阪出張の際は是が非でも寄ってみたいと思います。並ぶ時はかなり並ぶようなので、時間の頃合いだけはバッチリ考えていきたいですね。う〜ん、楽しみ。
●1週間ほど前に送ったカーク・ウェイラムさんへのEメール・インタヴューの答えが本日、返って来ました。流石、律儀で心優しいカークさん。来週辺り、早速、ライナーに取り掛かりたいと思います。頑張ります!
「Smooth Jazz Song File」
(258)Matt Bianco <Ordinary Day> from『Matt's Mood』(2004:EmArcy)
●1984年にデビューを飾り、とりわけ日本で高い人気を誇るマット・ビアンコ。ジャジーな洒落たサウンドに、ヴォーカリスト:マーク・ライリーならではのスパイスを振りかけ、"男気溢れるエレガント"・ポップスを展開。メンバー・チェンジも最小限に抑え、一度も休止すること無く走り続けた姿は尊敬に値する。そして、デビューから丁度20年、オリジナル・メンバーのバーシア(vo)とダニー・ホワイト(key)がグループに戻り、原点回帰を図った作品がこの『Matt's Mood』だ。意外にも、と言うか、まあ納得、と言うか、非常に微妙なところではあるが、マット・ビアンコはシングルもアルバムもビルボードのチャートにはこれまで一度もランク・インしたことがなかったが、このアルバムで初めてContemporary Jazz Albums にチャート・イン。最高8位まで上昇し、ようやく全米でのステイタスを確立した。そして、そこからの1stシングルとしてスムース・ジャズのチャートを駆け上がったのがこのナンバーだ。シンプルながら奥の深い大人のサウンドは流石、マット・ビアンコ。アルバムも全編、文句無しの出来映えだ。
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<9月14日(金)> |
「今日の出来事」
●久々に絶不調な1日でした。絶不調 for what ? 正解は、「Adult Oriented Radio」 の選曲に関して。とにかく、何を選んでも最終的には、「やっぱり違う...」で却下。季節がら、と、秋の歌とか9月の歌、その辺りも抜き出して、とCD捜しに行くと、これがどこかに散歩中。何処をどう捜しても一向に出て来る気配無し。などと繰り返していると、当初の予定時間を大幅にオーヴァー。結局、「AC #1 Hits : Inside Stories」を翻訳する時間が作れずで、遂に断念。夕方からの収録では結局、そのコーナーを除く1時間半分だけを録り、残りは明日、再トライ、ということになりました。気分一新頑張ります!
「Smooth Jazz Song File」
(257)Jason Miles <Sexual Healing> from『What's Going On?:Songs Of Marvin Gaye』(2006:Narada Jazz)
●マーカス・ミラーとの強いパイプからマイルス・デイヴィス、ルーサー・ヴァンドロス他、多くのビッグ・ネームと関わりを持ち、N.Y.のスタジオ・シーンで、隠しスパイスのような職人技を披露していた80年代後半。そして90年代に入るとリーダー作も発表。2000年以降は本職のキーボードよりもトータル・プロデューサー的な仕事がメインになり、N.Y.のみならずL.A.のフュージョン/スムース・ジャズ界、さらに、ポップ界までも幅を拡げ、グローヴァー・ワシントンJr.、ウェザー・リポート、イヴァン・リンスのトリビュート・アルバムの指揮官として確実に評価を高めて行った。そんなジェイソン・マイルスが2006年に発表した極めつけ的な1枚がこの『What's Going On?:Songs Of Marvin Gaye』だ。ハーブ・アルパート、ジェイ・ベッケンスタイン、ボビー・コールドウェル他の人気アーティストをゲストに迎え、マーヴィンの名曲を愛情たっぷりにカヴァー。どれも高い水準を誇っているが、シングルとしてRadio & Records 誌のスムース・ジャズ・チャートを上昇したこの曲がやはり一番キャッチーで親しみ易い。
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<9月13日(木)> |
「今日の出来事」
●今日はゆっくりと出来たので、若干、溜まってしまったこの日記を更新し、併せて「Smooth Jazz Song File」もいろいろと書きました。そして、夜は、笑顔で呑みに....またまたかなりのハシゴ君でしたが、それでも、最後は地元に戻って、だったので、帰宅は余裕でした。
「Smooth Jazz Song File」
(256)Steve Reid's Bamboo Forest <Hideaway Of Love> from『Mysteries』(1997:Telarc Jazz)
●L.A.フュージョン界を代表するパーカッショニスト、スティーヴ・リード。1980年代中盤から幾多ものセッションに参加し、奥行きのある音世界を演出してきた名手だが、あのマイルス・デイヴィスのバックも務めたことがあるという経歴は本人にとっても大いなる名誉だったに違いない。フュージョン・ファンには、ラス・フリーマン率いるリッピントンズのメンバーとして認知されていたと思うが、その他にも変わった所ではスーパートランプのサブ・メンバーとしてプレイ。そのヴァーサタイルな方向性は1994年から発表しているリーダー作にもしっかりと反映され、リッピントンズ系の構築美フュージョンから、パーカッシヴな"ジャングル・ジャズ"、そしてAOR系の歌ものまで、多彩な魅力を届けてくれる。この曲は、彼のバンド名義で発表した3作目からのナンバーで、現在ソロ・アーティストとして活躍するスティーヴ・オリヴァーのギター&ヴォーカルをフィーチャーした王道のACチューン。ジェフ・カシワ、デイヴ・コチャンスキー他リッピントンズのメンバーもバックに参加した、極上の1曲になっている。
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<9月12日(水)> |
「今日の出来事」
●比較的マイ・ペースな1日でしたが、遅い午後からまたまたU-Canさんで「阿川泰子さんボックス」の打ち合わせ他があり、そちらに出向きました。 今回は収録曲をそろそろ固めましょう的な会合だったので、私も出来る限りのアルバムを飛ばし聴きし、懐かしいあの頃を思い出しながら「これ入れましょうよ!」案を考える日中でした。 基本的にはU-Canの担当さんが各Discのテーマ付け+ラフな選曲案を出して下さり、それを皆で、あれはどう? これはどうかな....? 1曲目はこれでしょう! ラストはこの曲! と意見を述べ合う、という会でして、非常に楽しかったです。 中田はすでに3曲くらいはリクエストをしているのですが、それに加えて今日も『Ms. Mystery』収録の<Try Again>他数曲をリクエスト。ラフ案の曲と差し替えてもらえて、素直に嬉しい気持ちです。
そして今日は真っすぐ家に戻り、夕食後は「週刊プロレス」を興味深く読んだりなんだり。そうでしたかー、Noahの秋山選手が怒り爆発だったのは、試合の順番云々ではなく別のことだったのですね! 納得です。そりゃあ、選手にとっては非常に不愉快ですよね、ああ来ちゃったら。
●今朝、新聞を見たら、ジョー・ザヴィヌルさんが亡くなられたことが載っていました。昨日、9月11日、ウィーンの病院で死去。死因は書かれていませんでしたが、75歳、生涯現役、はある意味、理想の人生だったかもしれません。 実は、私、かれこれ10年以上前、当時、L.A.のマリブの山の上にあったザヴィヌルさんの家を訪れたことがあるんです。知り合いが彼の写真を撮り、それを見せに行く際、同行させていただいたのですが、景色抜群の素晴らしいロケーションでした。その後、マリブの山火事事件が相次いで発生し、ザヴィヌルさん宅も被害を受けた受けない、マスターテープ他がダメになったならない、といった噂は耳にしましたが、結局その後直ぐに、NYに移られ、あとは全く接点なかったです。 そうそう、私の番組のスタッフがザヴィヌルさんのヒストリー本を読まれ、ジェイ・グレイドンがプロデュースしたザ・マンハッタン・トランスファー『Extensions』の中に入っていた<Birdland>(ザヴィヌルさんの作曲したウエザー・リポートのインスト、に、マントラのメンバーが歌詞を付けたもの)に関してザヴィヌルさんがえらく怒っていた、ということが書かれていたそうです。その他、ジャズ・ファンにとっては興味深い話しの連続だとか....。雑誌以外、一切、本を読まない私にとっては読破はまた夢の夢ですが.....。なんだか、その本も併せて"伝説"になっちゃいましたね....合掌。
「Smooth Jazz Song File」
(255)David Pack <The Secret Of Movin' On(Travelin' Light)> from『The Secret Of Movin' On』(2005:Peak)
●かねてからの友人デヴィッド・ベノワを介してラス・フリーマンとも親交を深め、ラスのPeakレコードから実に20年振りのオリジナル・アルバム『The Secret Of Movin' On』を発表したデヴィッド・パック。その間、プロデューサーとして、コンポーザーとして、そして時にセッションマンとして輝かしい足跡を残してはいるが、自分がどんなアーティストかを改めて大衆にアピールするという意味で、アンブロージア時代に生み出したヒット曲のリメイクに挑戦。<You're The Only Woman>と<Biggest Part Of Me>を新しいアレンジで再演し、結果、2曲ともスムース・ジャズ・チャートのTop 10入りするリヴァイヴァル・ヒットを記録した。しかしながら、そのアルバムにおけるベスト・トラックはベノワ&フリーマンの2人と共作・共演したこの曲と言って問題ないだろう。リリカルなピアノと透明感漂うアコギが織りなす調べ、そしてそこに絡むヒューマンな歌声、このコンビネーションにはまさに"無敵の美"が溢れている。ビルボードのACチャートではこちらがランク・イン。最高25位まで上昇した。
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<9月11日(火)> |
「今日の出来事」
●午前中は、CDを取りに某ディストリビューさんの所までサイクリング(笑)。往復1時間くらいのちょうど好い距離ですが、早稲田というか高田というか面影橋にあった、中華そばの美味い日本そば屋が取り壊されていて、すっごいショックでした。あれは改装では無さそうな....そう言えば、新大久保の激ウマ店も「当分の間、お休みさせて頂きます」だったし... BR> そして午後から「Adult Oriented Radio」 の検聴、Qシート書き、発送。そしてその後は、週に1度の楽しみ、夕食当番を担当させて戴きました。 今回は揚げ物、がメインで、海老をすり潰したものに刻みタマネギを入れて食パンで挟んで〜からうずらの卵まで全部で5種、そして、鶏のささ身を使ったチキン・サラダ、そして、超吃驚! ナント、鯛の尾頭付きまるまる1匹お刺身で、が、¥1,280という安価。しかも、ハッキリ言って40cmはありました。こんなに大きな鯛を家の食卓に並べるのは生まれて初めて。そして、味も全然OKでした。デカくて安いだけの大味、では全然無く、家族皆、美味しい美味しいと残さず食べてくれました。 頭だけでも15cm四方はあり、身も全然詰まっているので、明日、お吸い物にしてまた堪能しましょう、と。
作る楽しみももちろんですが、こういったスーパーでの掘り出し物との出会い、これも捨て難いですね。あ、今日の買い物は、環七の小茂根にある「OK」でした。最近はここが一番、気に入っています、値段も品揃えも。
「Smooth Jazz Song File」
(254)Urban Jazz Coalition <True Love> from『Down To Get Up』(2006:Major 6th)
●アーバン・ジャズ・コーリションはオハイオ州コロンバスを本拠地とする7人組。そう、ポイントはこの"7人組"というところ。ベースのフィル・レイニーをリーダーに、キーボード、ギター、ドラムス、パーカッション、サックス、トランペットという編成で非常に多彩かつ堅実なアンサンブルを届けてくれる。サックスとペットの2本だけでも分厚いオーケストレーションを醸し出すし、キーボードもギターもテクニックは申し分無し。つまり、アルバムを通して聴いても決して飽きることのない多彩な表情を持っている、それが彼らの最大の魅力だ。そして、こういったバンドによく見られる筋金入りのファンク道、ではなく、実にメロディアス&都会的、すなわちスムース・ジャズの王道を邁進しているのがなんとも嬉しい。これは2006年発表の4作目に収められていた曲で、そこにはTOTOの<Georgy Porgy>の洒落たカヴァーも収められているが、敢えてこのオリジナル曲にプッシュしたい。共作者のニルス(g)がゲスト参加した軽めのグルーヴ・チューンで、ギター、ペット、フルートが織りなすサビのフレーズが最高だ。
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