<9月30日(日)> |
「今日の出来事」
●そしていよいよ祖母の告別式です。朝9時過ぎに葬儀場に行きお経をあげて戴いた後火葬場に。やはりその時間は辛いですね。そしてまた葬儀場に戻り最後の食事会。僭越ながら献杯の辞も担当させて頂きました、突然のご指名を受けて。といった感じでこれにてひと段落。豪華絢爛とまではいかないかもしれませんが、十分にゆとりのあるお別れの儀だったと思います。おばあちゃんもホッとして旅立ってくれたのでは....。そうして2007年9月も幕を閉じるのでした。
「Smooth Jazz Song File」
(273)Yada Yada <Summer Strut> from『Fingalikkin'』(1999:Instinct)
●"ヤダ・ヤダ"はミック・タルボットとクリス・バングスの2人によるユニット、すなわち、Soundscape UKと全く一緒であり、実際、英国と日本ではYada Yada名義で出たアルバムがアメリカでは数曲差し替えた後Soundscape UKの名義、別のタイトルでリリースされている。ただ、Yada Yadaがあくまでもロンドンのアシッド・ジャズ/クラブ・シーンにフォーカスを当てているのに対し、Soundscape UKと名前を変え追加収録された曲はアメリカのラジオ・ステーション、すなわち、スムース・ジャズのマーケットを強く意識したキャッチーな作風になっている。(48)で紹介したSoundscape UK<Brand New Day>などはまさにその典型だったわけだが、Yada Yada名義でもアメリカの市場にピッタリ来るナンバーが発見出来た。この<Summer Strut>だ。クールなローズから始まり、インコグニートにも通じるセンスの好いコードワークで粋にグルーヴ。アメリカのステーションでは直ぐに受け入れられ、複数のコンピ盤にも収録されるヒットとなった。London meets US Smooth Jazz、のお手本的な1曲。
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<9月29日(土)> |
「今日の出来事」
●珍しく、ここ最近、1日が24時間以上あったら好いのに....1週間が7日以上あったら好いのに....と思っちゃいます、やることゴマンとあって。あ、ついでに1年間の利益がもっとあったら好いのに...(笑)
で、朝から、先日の松岡直也さんコメント取材の原稿を完成させてマネージャーさんにメール。その後、今度は。阿川泰子さんのマネージャーさんへのインタヴュー興しを完成させ、次なる仕事の阿川泰子さんプロフィール作成に取り掛かりました。もちろん、彼女のサイトなりを見れば、そういったことは掲載されていますが、それをそのまま写すのではなく、音楽的な面から見た補足系、それと、各年に起きた主な出来事、等も併せて書く、という項目なので、結構時間は掛かります。
と、そんなことをしているともう午後の3時とかそこらになり、プロフィール作りは半分も終わらないうちにストップさせ、何年か振りにネクタイ&スーツに身を包み祖母の通夜へと出発。そして、豊島区内の斎場に到着すると、ナント、某有名人の方から豪華な献花が! もちろん、ご本人のお名前入りで、もう大恐縮、です。スミマセン、本当に。ちなみに、この日記では翌日報告していますが、仕事関係でお知らせしたのは、鐘ちゃんを含めて僅かに4人。アドリブ編集部にも、「Adult Oriented Radio」 スタッフにも、一切伝えていません。なので、余計に吃驚です。と言うか、人伝えの威力、痛感ですね。
通夜は滞り無く終えられ、鐘ちゃんと、それからもう1人、仕事関係の方もご来場頂きました。そして9時過ぎに帰宅。運転手だったので一切呑めなかったので家でルービーをゴックン! 旨か〜! さ、明日も頑張りますよ〜!
「Smooth Jazz Song File」
(272)Kim Pensyl <Since You've Been Gone> from『When You Were Mine』(1994:Shanachie)
●1990年代初頭にGRPから2枚の新録を発表し、フュージョン・ファンの間でちょっとした話題を集めたキーボーディスト、キム・ペンシル。その頃は丁度GRPがインディで活躍する実力派を"青田買い"し出した時期であり、1988年のデビュー作から3枚全て(除くクリスマス・アルバム)がビルボード誌のContemporary Jazz AlbumsチャートでTop 10入りしたキムの人気に目を付けた、という流れだ。GRPにおいてもその第一弾『3 Day Weekend』(1992年)が3位まで上昇する好スタートを切ったが、94年には早くも契約が切れ、Shanachieへと移籍。心機一転、そこで制作した2枚のアルバムはセールスこそ成功を収めていないが、スムース・ジャズ的な魅力という意味では文句無しの内容になっている。特にこの曲は、メロウ、哀愁、転調、サビのコーラス、と耳を惹き付けるフックの連続で、一発でノックアウトされた。この後の彼はもう1つの武器:トランペット奏者としての面も表に出し、2001年作品では4ビート系の音も奏でているが、キム・ペンシルにはやはりこんなピアノを弾き続けて欲しい....。
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<9月28日(金)> |
「今日の出来事」
●祖母の通夜は明日、告別式は明後日なので本日は1日、自分の時間を黙々と遂行。昨日、途中までやった「Adult Oriented Radio」 の選曲&進行表作りを済ませ、夕方のミーティング用に某AORの選曲:その第二案を作り、そして、来週月曜日更新のReMu-TVのコラム:Vol.9を途中まで書きました。
そして、午後4時に、外苑前にある某レコード会社に行きライナー関係の打ち合わせ、その後、渋谷区某所にある林哲司さんのオフィスで打ち合わせ。いやあ、非常に好い所ですね、流石、林さん。18歳になられる息子さんもいらっしゃいましたが、すごくハンサム! Sophia(でしたっけ?)のヴォーカルに通じる甘味のイケメン。さぞかしおモテになられることでしょう、羨ましか〜!(笑) あ、でも、今時の若者ながら、凄く礼儀正しくて、そちらの面でも好感度大! 将来が非常に楽しみです。ちなみに、3人いらっしゃるお子さんの末っ子さんですが、長男さんは、某レコード会社に就職なさった、とか。林哲司DNA、これからも音楽業界に、どんどん"蔓延"して行くことでしょう。 あ、で、今日は、ま、簡単に言ってしまうとコンピレーションCDの選曲を、林さん、新聞記者のSさん、そして、中田の3人で煮詰めた、という感じです。中田がiPodを持って行って、そこに入っている各曲を聴きながら「あ、これこれ!」「いや、その人だったら<XXXXX>じゃない?」「これ初めて聴いたけど、好いですね〜!」など、ああでもない、こうでもない、をざっくばらんに語って戴き、非常に楽しかったです。お酒も飲まずに真面目に(笑)進め、9時過ぎに解散。家に帰ってからReMu-TVのコラムを完成させ、今日のところはお休みなさい。さ、明日の午後から明後日は最後のお別れ儀式です。ファイト!
「Smooth Jazz Song File」
(271)Pussycat Dolls <Feelin' Good> from『PCD』(2005:A&M)
●2007年、夏、10ヶ月ぶりとなるL.A.。西海岸の乾いた風を体感しながらレンタカーを走らせ、いつものように94.7 FMにチューイン・インする。94.7=WAVE。1987年2月14日、全米で初めてスムース・ジャズのフォーマットを打ち出した、絶対的なステーションだ。最近はラジオ局と車のリレーションシップが行き届いているようで、大概のO.A.曲の情報(曲名&アーティスト名)はがリアルタイムでフロントパネルに映し出される。この曲もそこで発見した、先入観ゼロで恋してしまったナンバーだ。ヴァン・モリスンの名曲<Moondance>に通じるジャジーなポップ・チューン。ただしテンポは遅めで、3拍+3拍+2拍という"偽・変拍子(?)"が曲の雰囲気をさらに奥深く演出する。プッシーキャット・ドールズ? 色物系? CDショップで見つけたアルバムは確かにこんなルックスだがそんなことは関係ない。日本に戻って自分の番組で紹介すると確実に反響を得られたし。プロデュースは職人:ロン・フェアが担当。2005年作品ながら、最近、本当にスムース・ステーションからよく流れて来る。チャート入りも間近、か?
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<9月27日(木)> |
「今日の出来事」
●今日はまた、本当にバタバタ、な1日でした。いろいろあって朝食を済ませられたのが午前10時半くらい。それから、明日がもう月末営業日ということもあり、各種振込を済ませたりなんだりで直ぐに午後に。そして、1時半過ぎに家を出て、TBSラジオの「ストリーム」という番組に生出演。出たのは3時から20分の短いコーナーですが、萩原健太さんだ、ピーター・バラカンさんだ、長門芳郎さんだ、誰だ、と、もう著名な評論家の方々がよく出ていられる、中波とは思えない思いっきり音楽!な時間が毎日あるんです。で、私にも出演依頼があったので、「ハイな! 喜んで!」と出向きました。ワイド自体はジャーナリストの小西克哉さんとTOKYO FMの元アナウンサー:松本ともこさんがパーソナリティーを務めているのですが、松本さんが休暇中で、替わりにTBSのアナウンサー、小島慶子さんが担当。ウォッ! 流石、ザ・TV業界! な激綺麗な方でした(既にお子さんのいらっしゃる人妻です)。
あ、で、番組にお呼ばれして何を語ったか、と言いますと、時節柄とでも言いましょうか、「ウエザー・リポートについて触れて下さい、流れ、選曲はお任せします、全曲ウエザーでなくても好いので」ということでしたので、本家の<Birdland>かけて、マントラの<Birdland>かけて、さらに、マントラがゲストで参加したウエザーの<Where The Moon Goes>かけて、その裏話をいろいろと。中波ですので雑談も多く、肝心の音楽ネタを深く突っ込む前にはい終了〜! という感じでしたが、私にとっては非常に新鮮な世界、でした。 また呼んで下さい。今度はAORかスムース・ジャズが嬉しいです(笑)。
P.S. 新聞のラジオ欄、TBSのところを見たら、「ストリーム」の番組欄、一番最後に「中田利樹」の四文字が! なんかやっぱり嬉しいですね、全く持って名前だけですが。それと、J-WAVE時代の知り合いが早速番組宛にメールを送って下さったり。ただただ感謝です!
そして帰宅後は来週収録の「Adult Oriented Radio」 の選曲を急遽やることに。中西圭三さんが番組に遊びにきて頂けることになったので、早めに進行表を制作しなければ、あ、だったら、もう他の部分の選曲とかも予めやっておこう、みたいな感じで取り掛かりました。で、今日は驚きの10時過ぎに就寝。はい、お疲れ様でした。
●えー、今朝6時前に、祖母が永眠致しました。早朝に入院先の病院から電話が入り、急いで駆け付けたのですが、既に帰らぬ人になっていました。この日記では全然触れておりませんが、実は、昨年の11月29日、突然倒れ入院してしまったんです。脳梗塞。その後、時たま目を開いたり、手を握ると握り返してくれたり、家族を喜ばせてくれた瞬間も在りましたが、言葉を発することは一度もなく、遂にこの日を迎えてしまいました。それでも、心拍数がゼロになったこともあったり、大きな山場が数回訪れましたが、それらを全て乗り越え10ヶ月、頑張って生き続けた様には頭が下がります。しかも、昨秋倒れるまで大きな病気は一度も煩わず、なにより全くボケたりしない本当に元気なおばあちゃんでした、頑張り屋で。98歳。残念ながら大台には届きませんでしたが、まさに大往生。悲しみももちろんありますが、それよりなにより、「長い年月、本当にお疲れ様でした」という気持ちのほうが数段大きいです。あ、あと、ゴメンナサイ! 最後まで孫嫁をお見せ出来ずで....(苦笑)。 基本的には晴れ〜曇りの1日でしたが、病院と家を行き来した朝、ホンの少しだけ雨が降ったんです。「涙雨かね....」、ちょっぴりジーンと来ました....。 午後4時過ぎ、ちょうど生放送から帰ると棺に収める時で、もちろん私も手伝わせて頂きました。実に好い顔してます。本当にお疲れ様でした。ゆっくり休んでね、おばあちゃん!
「Smooth Jazz Song File」
(270)David Mann <Stone Groove> from『Touch』(2001:N-Coded)
●このところ頻繁に名前が出て来るプロデューサー、デヴィッド・マン。アメリカ東海岸を代表するスムース・ジャズのスペシャリストで、特にここ10年の需要はチャック・ローブと並ぶトップ・クラスと言って好いだろう。本業はサックス奏者で、今なお各種セッションを精力的にこなし、スペシャルEFXのサブ・メンバーとしても活躍している。マイケル・ブレッカーの師匠でもあるジョセフ・アラードに師事し奇才ジョージ・ラッセルのオーケストラでプレイ、という経歴を持ち、1980年代終盤にIsland系のAntillesから2枚のアルバムを発表。そして、94年に兄のネッド(b)とThe Mann Brothers名義で1枚アルバムを出し、2001年、N-Codedから3枚目のソロ『Touch』をリリースする。ビルボードのチャートにこそ入っていないが、ここでは面目躍如とも言うべきキャッチーなフレーズ、巧みなアレンジを次々に披露。加えてAORファンが喜びそうな歌ものまで収めた、充実の内容を届けてくれた。中でも一番人気はこの曲。都会的なグルーヴ感とメロディアスな旋律を融合させた、思わず笑み、な佳曲に仕上げている。
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<9月26日(水)> |
「今日の出来事」
●まずは、山野楽器「Jam Spot」の原稿書き。それも、今日が締めきりなれど、これだ!という紹介したい音源が見つからず、本日到着の2枚のアルバムの白盤サンプルに期待をしたら、なんと、これがバッチリ合格! よし、これを紹介させて頂きましょう! となりました。モノはフライヤーが出来上がってからご確認下さい。
そして、先日の阿川泰子さんのマネージャーさんインタヴュー興し。これと、通販他の作業で夕方に。そして、メセニー&メルドーの来日公演を観に行こうかどうしようか最後の最後まで迷った挙げ句、結局、開演時間にも間に合わなくなったので断念。でも、クァルテットのCDとか聴いても全然、ピンと来ないんですよ、正直。メセニー・グループの80〜90年代の作品とかはかなり好きなものがありますが、4ビート系とか行くと、ちょっと....。私はジャズ"評論家"ではないので、メセニー&メルドーの好さが解らないことを少しも恥じたりはしません。大好きな4ビートはたくさんありますが、最近の人たちのはどうも....あ、これって、AORと合致しますね、昔のは好かったけれど、最近のはどうも....。
夜は、ウッカリ忘れていたUSEN AOR ch.のウエブ用原稿書き。このところバタバタで完璧抜けてました。反省、反省。
「Smooth Jazz Song File」
(269)Shakatak <Easier Said Than Done> from『Nightbirds』(1982:Polydor)
●言わずと知れたシャカタク、だ。1982年の<Nightbirds>で、日本のカフェ・バーを占拠し、その前後のヒット・チューン<Easier Said Than Done><Invitations>との3本立てでその人気はお茶の間にまで飛び火。ブリティッシュ・ジャズ・ファンクの大ブームを巻き起こしたことは多くの人が記憶しているはずだ。そして、デビューから四半世紀以上が経過した今なお現役、それも、ほとんどメンバーを変えずにライヴ&アルバム制作に没頭する様はまさに頭の下がる思い。尤も、一時期は日本向けのアルバムと本国イギリス向けのアルバムを分けて制作するほど精力的だったのだから、最近の活動などはまさに朝飯前、か。そんなシャカタクのアルバムの何枚かはGotaやCount Basic他ロンドンのスムース・ジャズ系を多数紹介しているレーベルInstinctを通じてアメリカでも紹介されている。当然の如くラジオ・ヒットも生まれているが、1曲を選ぶとしたらやはりこれであろう。前述の3大名曲の中で、今聴いても決して古さを感じさせない普遍のグルーヴを持ったナンバー。そう、これもやはり原点の1曲だ。
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<9月25日(火)> |
「今日の出来事」
●今日はせっせこ仕事デー。少し休憩?していた阿川泰子さんの通販ボックス用原稿をなるべく今月中、遅くとも来週前半までには仕上げなくては、と、いよいよ追い込み状態になりました。ま、今週は「Adult Oriented Radio」 の収録、選曲もないし、一気にグァッ〜と行きたいです。と、言いつつ、今週はまた、ライヴX2、中波の生ゲスト出演(!)、打ち合わせ...と、それなりに用事もあって、多少は不安ですが....なんたって、収録曲150曲の解説も書かなくてはならないので....。
そして、連休明け、もあり、クール・サウンドの通販も結構あったので、それも一気に済ませ、夜は、今週最初のライヴ、STB139で行われた阿川さんのライヴを堪能させて頂きました。久しぶりですねー、拝見するの。で、終演後、ご挨拶に行ったら「あ〜ら、センセ〜!」と笑顔で迎えて下さり、思わずハグの私たち(「欧米かよ!」、いや、「横柄です、私!」)。で、泰子さんにも「(ライヴに来るのは)随分とお久しぶりじゃない?」と言われて「ギクッ!」苦笑いの中田です。 肝心のライヴはピアノ・トリオに村岡建さん、という編成でスタンダードが中心ですが、途中、ニック・デカロさん(90年のアルバム『Your Songs』でアレンジを担当。その後、ライヴでも一度共演)の話しもちょっと出て、涙腺が緩みそうになったりもしました。でも、ホント、MCが絶妙ですね、有名曲の背景、歌詞の内容とかを解り易く説明してくれて。ガーシュウィンの<A Foggy Day>は、まんま、霧のロンドンをテーマにした曲だなんて、全然、考えもしなかったですから、今まで。いかに、メロディしか聴いていないか、歌詞を疎かにしているか、ちょっぴり反省、です。
で、阿川さんボックスのスタッフも当然足を運んでいたので、終わってからバーで二次会。で、結局、いつものボス(ちょい悪オヤジです)に拉致されて、またまた2時過ぎまで至福の時、基、美味しいお酒を堪能させて頂きました。ちなみに、今日のボスの名言。
「オレ、宝くじで3億円当たったら.....女房を替える!」
なんだか解らんことを言ってますが、ま、そんな50代です、結婚して28年とかそれくらいの。とまあ、夜は、ただの飲ん兵衛ですが、昼間の仕事はキッチリしているので、こちらも逆に気が抜けません。頑張らないと....。
「Smooth Jazz Song File」
(268)Boz Scaggs <Lowdown(Unplugged)> from『Fade Into Light』(1996/2005:Virgin)
●1996年に日本単独で発表されたバラード・アルバム『Fade Into Light』は、2005年に<Love T.K.O.>のカヴァーを追加収録、そして、DVDとのDual Disc(両面ディスク)というフォーマットでようやくアメリカでも発売された。基本的にはセルフ・カヴァー・アルバムで、<Harbor Lights><We're All Alone><Simone><Lowdown>他の名曲をアンプラグド・スタイルで再演。そこに新曲のバラード<Fade Into Light>を加えた、'70年代中盤からのファンが安心して浸れる唯一の'90年代作品となったわけだが、アメリカでのリリースに際し、このアルバムを一番歓迎したのが、ACではなくSmooth Jazzのラジオ・ステーションだった。特に1stシングルとなったこの曲は、最高位11位、そして、約半年に渡ってチャート・インする、大いなるサポートを受けた。1976年のオリジナル・ヴァージョンはそれこそジェフ・ポーカロ=デヴィッド・ハンゲイトのタイトなリズム隊が核になっていたが、ここではテンポを落としたなシルクな肌触りに転身。当時既に50歳を超えていたボズの、自然体の魅力が堪能出来る。
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<9月24日(月)> |
「今日の出来事」
●昨日が秋分の日で、かつ日曜日、だったので今日は振替休日。2週連続の3連休となったわけですが、なんだか私の方も半休状態。「Adult Oriented Radio」 の今週末放送分を検聴、Qシート書き、発送した以外はひたすら「Smooth Jazz Song File」用のCDチェックばかり。原稿自体は5本しか書いていませんが、曲選び他は随分と先まで済ませジャケ写捜しも多数完了。それに併せて、All Music GuideやAmazon.comを覗いていると、うわ〜、この人、昨年、こんなアルバム出してたの〜!?!?と慌ててオーダーしたり(でも、ベストでした、ホッ)、同名異人で危うくCDオーダーしそうになったり、新しい発見が多々ありました。
「Smooth Jazz Song File」
(267)Kevin Toney <Going Out Of My Head> from『110° And Rising』(2005:Shanachie)
●ケヴィン・トーニーは<Walking In Rhythm>のヒットで知られるブラックバーズの元メンバー。その主宰者であるトランぺッター:ドナルド・バードのアルバムには10代の若さで参加しているのだから、その才能はまさに持って生まれたものと言って問題ないだろう。また、彼はレイ・パーカーJr.と子供の頃からの知り合いだそうで、レイの2006年の来日公演ではバックを務めていた。そんなケヴィンは1982年に初のリーダー作を発表するが、コンスタントなソロ活動は1994年の『Lovescape』(Ichiban)から。そして1999年の『Extra Sensual Perception』以降はShanachieのアーティストとして、クール&ファンキー、大人が安心して聴ける良質のスムース・ジャズをクリエイトしている。『Lovescape』に入っている<Kings>や、『Sweet Spot』(2003年)に入っている<Mister T>他、オリジナル曲の人気も高いが、今回は彼にしては珍しいカヴァー・チューンをセレクトした。Little Anthony & Imperialsの1964年の大ヒットを、デヴィッド・マンのプロデュースで再構築。スッキリ無駄のない、絶妙のリメイクだ。
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<9月23日(日)> |
「今日の出来事」
●お彼岸ということで家族と一緒にお墓参りに。昨年は家を10時頃に出て江戸川区にあるお寺に着いたのが11時過ぎ、すると、お寺の駐車場はすでにパニック状態。仕方なく、近所のパーキングに停めざるを得なかったことを思い出したので今日は9時に出て10時過ぎに到着。余裕で停められました。 そして、そのまま家に帰り午後はデスクワーク関係を少しやり、またまた今日も私が夕食を担当させて頂きました。今日のヒット作は....挽き肉類の替わりに今が旬な秋刀魚の焼いた身を詰めた和風ワンタン・スープ、でしょうか。スープだけを味見した時は若干、単調かな、せっかく摂った天然の出汁が今一歩活かされていない...と思っていたのですが、最終的には秋刀魚の旨味がスープにも伝わり、かなりイイ感じになりました。あとは、プチ・トマトを豚肉で巻いて塩、胡椒、オリーヴ・オイル、赤ワイン...で味を整えて。これも、結構イケました。
夜はまたまた巨人戦に釘付け! いや〜、この日の終盤逆転勝ちはデカイ! ホント、今年はプロ野球が面白いです。嬉!
「Smooth Jazz Song File」
(266)Michael Paulo <Millennium Swing> from『Midnight Passion』(1999:Noteworthy)
●カラパナの初期のメンバーとしてシーンに登場してから早30年以上が経過したヴェテラン、マイケル・パウロ。フィリピン人の父親と日系二世の母親を持ち、"タツオ"という日本の名前も持つ彼はMCA〜GRPというメジャーでのリリースも経験し、アル・ジャロウから最近のエリック・ベネイまでセッション活動においても多忙を極め、毎年6月末の土曜日にハワイ島で行われるDolphin Daysのジャズ・フェスティヴァルでも音楽監督を任されている。加えて、彼自身の近作はもちろん、Seawindの再発系からBrian Simpsonの1stまで興味深いアルバムを出しているインディ・レーベル:Noteworthyのオーナーでもあった。そんなマイケル・パウロの代表曲と言うと、何よりこの曲が頭に浮かぶ。リリース直後に訪れるニュー・ミレニアムを見据えてのオリジナル曲で、トラックのベースとなるのはシュトラウスの<2001>。グルーヴィーなプログラミングで創り出すサウンドはまさに"宇宙の旅"的な雄大なスケールを届け、マイケル・"パッチス"・スチュワートのトランペットとも絶妙のコントラストを描き出している。
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<9月22日(土)> |
「今日の出来事」
●仕事をせねばいけない日なのですが....ジェイさんからJaRの6曲入りCD−Rが届き、速攻で試聴。「お、今度こそ間違いなく音は入っているぞ!」と確認し、お礼のメールを送ると直ぐに返信。
「トシ、前に話しをした、(Jay Graydon Band)1994年の日本公演のライヴは、12月5日にWARDからリリースされる。2種類出るようで、ひとつはDVDだけ、そしてもうひとつはDVD+Audio CD、のようだ」
なるほど、あの感動的な1回目のライヴがようやくリリースされるんですね。メデタシ、目出たし。そう言えば、ジェイさんはこんなことも前に言ってました、「海賊盤じゃなくてちゃんと収録したヤツだ」と。そう、ネットとかで氾濫してますからね、不法音源&映像。中田もタダの1ファンだったら観たい、聴きたい、という衝動に駆られるのでしょうが、恥ずかしながらこれでもレーベル・オーナーなので、そういった不法ソフトを助長するような行為は絶対に致しません。本当にアーティストの音楽を愛しているのならば彼らを裏切るような行為は絶対に出来ませんからね。と、以上、たまにはお堅い中田でした。
その他、CD Babyで購入したスムース・ジャズを中心としたCD約20枚が、これまたジェイさんのCD-Rと同じ日に到着。これじゃあ、仕事にならないですよ...と、ズルい言い訳(笑)。何がグレートだったかはまた近日、ご報告させて頂きます。
そして今日から3連休ということで、姉の家族が家に来て皆で食事会。テーブルに乗らないくらいの料理&お鮨も殆どなくなってしまうとは、流石、育ち盛りの若者はよく食べます。そして、今年20歳を迎えた甥っ子がビールを結構飲むようになって吃驚! 2〜3ヶ月前の食事会の時は、甘いカクテル系しか口にせず、「ビールなんてこんなニガいもの、どこが美味しいのか解らない!」と言っていたのですが、やはり大学生=コンパ、で鍛えられたのでしょう。将来は結構な飲ん兵衛になるのでは....?
「Smooth Jazz Song File」
(265)Nestor Torres <Velvet Nights> from『Treasures Of The Heart』(1999:Shanachie)
●プエル・トリコに生まれ、ハイ・スクール卒業と同時にNYに移住。80年代前半からセッション活動をスタートしたフルート奏者、ネスター・トーレス。1989年にVerve Forecastから待望のソロ・デビューを飾るとこれがビルボード誌のContemporary Jazz Albums チャートで堂々21位にランク・イン。フュージョン界の新星として確実な注目を集めるように。ラテン・ジャズのテイストを強めた彼のサウンドは<Watermelon Man>やサンタナの<Smooth>といった名曲カヴァーで底知れぬパワーを発揮。また、その路線のオリジナル曲<Cafe Cubano>も、ベスト盤のオープニングに配されるほど彼のサウンドを象徴する作品だ。またデビュー作『Morning Ride』のタイトル・チューンも、"ウエスト・コーストの風"を思わせる名曲でこれも捨て難い。しかしながら、NYのヒットメイカー、デヴィッド・マンとコラボレートしたこの曲がやはりスムース・ジャズ的な魅力を一番感じさせる。キム・ウォーターズ(sax)とバリー・ダニエリアン(tp)がゲストで参加した、キャッチーなミディアム・グルーヴ系の、忘れ得ぬ1曲だ。
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<9月21日(金)> |
「今日の出来事」
●午前中は「Adult Oriented Radio」 の進行表作り+翻訳。そして、午後に収録。夜は家に戻り、マイ・ペースなひとときを。といった1日でした。メール関係も特にこれといったニュースはありませんし....
「Smooth Jazz Song File」
(264)Noel Webb <Anticipation(Let 'Em In)> from『Satin Sheets』(2000:Labrador)
●5弦のエレクトリック・ヴァイオリンを駆使する、レアなジャズ・ヴァイオリニスト、ノエル・ウェッブ。敢えて、ジャズ・ヴァイオリニスト、と書いてはみたものの、実際は非常に間口の広い人で、アルバムにはR&Bもポップもニュー・エイジも混在する。そして、ジミ・ヘンドリックスから大きな影響を受けたという音楽性は、時に彼をロック・ヴァイオリニストにも変身させる。そんな特性を生かして、ソロ・デビュー以前はREOスピードワゴン、チューブス、BS&Tからリッピントンズ、チック・コリアまで様々なアーティストと共演。1997年にデビューを飾り、3作目の『The Soul Of(邦題:Like A Dream)』は筒井望氏のMK Musicから日本盤CDも紹介されている。それに伴い、グレッグ・カルーカスとの共演など、何度か日本でもライヴを披露しているが、独特のエモーションを引き出す彼のサウンドはまさに一聴の価値あり。今回も1曲に絞るのに頭を悩ませたが、ウィングスの名曲<Let 'Em In>が最後に登場するこの曲をセレクトした。大らかなグルーヴがL.A.の風を運び、ゆったり、ハッピーな気分にしてくれる。
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