<10月20日(土)>

「今日の出来事」

●今日はこの日記書き、というか、「Smooth Jazz Song File」をせっせこ書く、の半日と、またまた料理当番の半日、そして加えるならば、残念というか3タテはないでしょ、ジャイアンツ....な数時間、といった感じでした。スムース・ジャズは、やはり1本書くのに1時間は掛かってしまいます、改めて聴き直したり、何か情報はないか、と調べものをしていると。ま、それだけ愛情と熱意を込めてやっているので、引き続き(?)、宜しくお願い致します。

「Smooth Jazz Song File」
(293)Herbie Hancock <Give It All Your Heart>
 from『Lite Me Up』(1982:Columbia)


●ハービー・ハンコックは本当に"カメレオン"な人で、作品度に違ったアプローチでファンを楽しませてくれる。それだけ演りたいことがいっぱいあるのだろうし、完璧にそれをこなせるだけの技量と奥の深さが備わっているからこそ可能なわけだが、それでも、非常に長いキャリアを持つだけに、いわゆるジャズ・ファン、ハービー・ハンコック・ファンをガッカリさせるアルバムも世に出してしまっている。ジェイ・グレイドンやナラダ・マイケル・ウォルデンが制作に携わった『Lite Me Up』などはおそらくその尤もたる1枚で、ハービーはナントAORど真ん中のバラードを自ら歌っているのである。これは、スティングやクリスティーナ・アギレラ、ジョン・メイヤー、ジョス・ストーン他を迎えて制作した歌もの『Possibilities』(2005年)とは明らかに硬派度が異なる。そんな『Lite Me Up』のラストに収められていたこの曲は、ハービーがロッド・テンパートンと共作したブラコン・チューン。ハービーとパトリース・ラッシェンのヴォコーダー・ヴォーカルがジェリー・ヘイのホーンと軽やかに絡む、隠れた名曲。

<10月19日(金)>

「今日の出来事」

●午前中は、Amazonに載る、ジェイ・グレイドン・オール・スターズ:Live In JapanのDVDの原稿書き。まだリリースは随分先ですが、予約を募れますように、というお薦め原稿です。好い結果が出ますように....

●そして午後は来週収録の「Adult Oriented Radio」 にゲストでお越し頂けるビッグ・アーティストの方々用に、早くも進行台本作り。ここで、こんなお話しをして、ここでこんな曲をかけて....。楽しみです。

●そして、夜は、久しぶりにJ-WAVE時代の友人と食事会。最近のJ-WAVE事情をいろいろと聞いてふ〜んと納得する私。結構、10年前とメンバー変わってないみたいで驚きです。その頃、ADだった若者が今や立派なメイン・ディレクターに。あとは、誰が結婚してもうお子さん3人、とか。ちなみに今宵は私と同じ歳のクリエイター(リミックス、作曲、アレンジ、プロデュース)と、4つ下の番組エンジニア、の3人で飲んだのですが、お二人とも"現在は"独身。「将来、どうします? このまま独り、っていうのも考えものですよ」「中田さん、1回は結婚した方が好いですよ、1回は」など、本音?トークが新鮮でした。と言いますのも、私が普段、よく飲む人たちは、将来の事など全く考えていないであろうお気楽組(ゴメンナサイ!)なので、たまには、こういった会話も悪くないな、と。そんな訳で、今日は話しに熱が入り?、1軒、たったの4千円で、4時間強が流れて行きました。なんとコスト・パフォーマンスの好い食事会だったのでしょう! ちょっぴり得した気分です。

「Smooth Jazz Song File」
(292)All-For-7 <A Walk In Paradise>
 from『All-For-7』(2004:HipoHash)


●All-For-7はクリーヴランド出身のドラマー:ケヴィン・スティーヴンソンとN.Y.出身のキーボーディスト:ジェリー・ハッチンソンによるプロジェクト。そこにもう1人、パーカッショニストのウォーレン・ヘンリーを加えた3人で全曲のプロデュースとコンポーズを手掛けている。サウンド的には非常にソフィスティケイトされたスムース・ジャズ、という印象で、この<A Walk In Paradise>のようなスロー・チューンがアルバムのトップを飾っているのも彼らの特徴と言って好いだろう。特に、ジェリーのピアノはジョー・サンプルやデヴィッド・ベノワに通じる優美な世界を醸し出しているが、しかし、決してピアニストのソロ作、と思わせないところがAll-For-7のA--For-7たる所以かもしれない。サックスやトランペットも必要最小限で効果的に使われている。アルバムはこれ1枚で、ライヴも年に1〜2本。各人がセッションで忙しい、というわけでもなさそうだし、正直、実体が見え辛いグループだ。アルバムを通して楽しめるだけに、よりアクティヴな活動を願う限り。

<10月18日(木)>

「今日の出来事」

●朝から昨日のUSENの選曲仕上げと進行表作り、そして、ウエブ用のコメント書き。すると丁度2時くらいになり支度をして、牧山純子さんのアドリブ誌用取材に。恵比寿のカフェで1時間ほど、前回とはほとんどダブらずに質問をさせて頂き、またまたいろいろな部分が見えて来ました。なるほど、な、と。テープ興しは大変ですが、結構、全部、活字にしたいです、小曽根真さんの話し他、面白いのが多いので。

 そして、アドリブ:山崎さんと軽く打ち合わせ。5時、開店と同時に店に入り、小一時間、そう、本当に小一時間、軽くつまんで速攻で帰宅。そして、プロ野球、パ・リーグのクライマックス・シリーズ最終戦をTV観戦したのですが....成瀬 vs. ダルヴィッシュ、という両エース同士の先発ながら、球史に残るスゴイ試合!にはなりませんでした....ちょっぴり残念。で、途中からチャンネルを巨人 vs. 中日戦に回すも、こちらも、今イチ、ジャイアンツ....しっかりして下さいませ、応援していますから。

「Smooth Jazz Song File」
(291)Evan Marks <Coast To Coast>
 from『Three Day Weekend』(1998:Verve Forecast)


●スティーヴ・ロウリーの後を受け、1994年からファットバーガーのギタリストを務めるエヴァン・マークス。その後、直ぐに初のソロ『Long Way Home』を発表、それも名門Verveのフュージョン部門、Verve Forecastからのリリースで、当時、大いなる注目を集めている。以前はジャズ・ヴォーカルの大御所ビリー・エクスタインのバックを演っていた、というから、4ビート系も得意なのだろうが、ソロ作で聴けるギターはストラト系。オクターヴ奏法もフルアコのジョージ・ベンソン系とは若干ニュアンスが異なり、マイルドさよりもシャープなフィーリングが前面に出ている。その最も好い例である1stアルバムのタイトル曲は、Nilsの大ヒット<Pacific Coast Highway>を思い出さずにはいられない名曲だ。ただし、ラジオで最もヒットしたのは1998年に発表した第2作『Three Day Weekend』に収められたこのナンバー。レーベル・メイト:アート・ポーターのアルトと軽やかなアンサンブルを展開し、100% サザン・カリフォルニアな雰囲気を届けてくれる。ちなみにベースはウィル・リーがプレイしている。

<10月17日(水)>

「今日の出来事」

●午前中からUSEN AORチャンネル、11月分の選曲に取り掛かりました。アーティスト特集は、秋が似合う?ケニー・ランキン。最初は彼で2時間はキツイかな....と、やや不安だったのですが、完成する頃には、全然、自信を持ってお薦め出来る並びになりました。それから、もう1本の特集は「AOR通好みの曲」で、アドリブ:山崎氏の好きなウィルソン・ブラザーズ<Like Yesterday>、のように、ヒット曲、表向きの名曲ではないものの、熱心なフリークが思い入れたっぷりに「名曲です!」と主張するようなナンバーを2時間、30曲、チョイスしました。エアプレイは<Bix>、TOTOは<You Are The Flower>、ボズは<A Clue>、ネッドは<Valentine(I Was Wrong About You)>、マイケル・マクドナルドは<Love Lies>、ペイジズは<If I Saw You Again>、セルジオ・メンデスは<Rainbow's End>....さらに、ラリー・カールトンの<Where Did You Come From>も入れて...な選曲です。で、こちらは完成の1歩、2歩、手前で時間切れ。明日の午前中にはサクッと完成することでしょう。

●そして、午後4時にジェイさんに電話。で、出てくれず....予めメールでお願いしておいたのですが、ま、そんな人です(笑)....。で、20分後にもう1回電話しますね、とメッセージを残し、再び電話。すると、今回はジェイさん登場。が、しかし、「悪い、1時間後に掛け直してくれ」。え、ダメです、私も出掛けなくっちゃ行けないので、と伝え、「解った、じゃあ、30分後はどうだ?」、はい、了解です。で交渉成立。メールではちゃんと何時何時、ってお願いしているのに....そんな人です。いつものことなので全然、気になりませんが(笑)。
 で、電話の内容は、12月にリリースされる『Jay Graydon All Stars Live In Japan 1994.1.19』のことに関して。ライナーも依頼されているので。で、メールでも好いのですが、やっぱり電話の方が突っ込めるので。しかし、ジェイさん、かなり忘れています、当時のこと。これはピンチです。ただ、非常に興味深かったのはフランスのシンガー、Sheilaさんによる<Stranded>など、全く知らない、という部分。ジェイさんバンドの<Stranded>はSheilaさんヴァージョンをなぞっているので、その関連性を聞いてみようと思ったのですが、見事に外しました。では何故に同じになったのか....? 誰のアイデアでああなったか覚えていない、と言われては、返す言葉もないのですが、唯一の可能性は、Sheilaのアルバムにも参加していたビル・チャンプリンによるサジェスチョン、ですが....。

●そして夜はブルーノート東京でアコースティック・アルケミーのライヴを鑑賞。アルケミーのライヴはニックさんが未だご健在の1990年代初頭に渋谷で拝見していますが、かなり別物的な印象を受けました。昔の曲は<Ariane>や<Lazeez>くらいしか演ってくれなかったし....。まあ、季節柄、<Catalina Kiss>ではないにしても、<Playing For Time>や<Same Road, Same Reason>、はたまた<Mr. Chow>は聴きたかったです。とは言え、黒人のリズム隊が超強力で、思わず納得。で、その2人、Gary & Greg Graingerは、Graingerの名義でアルバムを出してるんです、ファンキーなスムース・ジャズ系のアルバム『Phase 1』を。演奏途中でその事を思い出し、さらに、惹かれてしまいました。そしてもちろん、帰宅するや否や彼らのCDを引っ張り出してプレイ。全体的にはもちろんメロディアスな作品ですが、数カ所で聴けるうねりはまさに今日、ブルーノートで味わったものと一緒でした。再評価!&「Smooth Jazz Song File」行きは間違いないですね、昔から<Strawberry Letter #23>のカヴァーなんかがラジオで流れていましたし。

「Smooth Jazz Song File」
(290)David Sanborn <The Dream>
 from『A Change Of Heart』(1987:Warner)


●マイケル・ブレッカーはほとんどかからないが、デヴィッド・サンボーンの曲はいろいろオン・エアーされている。それがスムース・ジャズ・ステーションの現状だ。やはりサンボーンの曲の方がずっとポップであるし単純にラジオ向きな曲が多い。そしてそれは、彼のルーツがジャズよりもR&Bにある、という部分と密接な関係にあると思う。つまり、スムース・ジャズの起源が実はジャズではなくR&Bにあるのではないか、という発想も容易に出来る。サンボーンの重要なブレインであるマーカス・ミラー、ハイラム・ブロック、リッキー・ピーターソン....何れもジャジーなR&Bガイであり、インストと言えども常に歌心を重視。それがリスナーのハートに確実に伝わり、絶大な人気を呼んでいるという訳だ。そんな歌い上げるサンボーンのサックスの中でもひときわ人気が高いのがこの曲。マイケル・センベロが作曲&アレンジした、ど真ん中の80's風バラードで、あまりの実直さに時として恥ずかしさも感じてしまうが、いや、この王道曲に真っ向から対峙出来るのが彼の素晴らしいところ。素直に聴き惚れるのが一番だ。

<10月16日(火)>

「今日の出来事」

●本当は昨日更新だった、ReMu-TVのコラム「中田利樹のAORウラ話し」を午前中に書き上げ速攻でメール。一応、今回が10回目なので、区切りを付けて最終回、とさせて頂きました。で、最後に相応しい(?)オムニバス状態。実際に会ったことのあるいろいろなアーティストを一言ずつコメントしております。まあ、ただ、悪い事は書けないのでね....誰々は金にウルサい、特に日本のプロジェクトだと法外な金を吹っかけて来る、みたいなこととか....は。尤も、AOR界は9割以上が好い人なので、暴露本、みたいなのは成立しないと思いますが。

●そして、午後から昨日収録した「Adult Oriented Radio」 の検聴、Qシート書き、発送。そして、夕刻に。夜は気になってしょうがないパ・リーグのクライマックス・シリーズをTVで観て、全く機能せず。

●先週Dave Serenyさんの初CDを入手してゴキゲンの私。以前1度だけ質問メールをしたことがあるので、その彼に「アルバム、好かったですよ! つきましては1点、質問が...」とメールをすると、ものの2時間で返事が。とっても好い方ですね。質問の内容は収録曲に<Victor George Street>というのがあるので、これには何か深い意味があるのですか? というものだったのですが、無茶苦茶、深くて吃驚! 詳しくは下記を。

●さて、先週、チラッとご紹介した、AOR、夢の共演ライヴが今日、目出度く情報公開となりました。
TOTOとボズ・スキャッグス。夢の競演が遂に実現!
◆公演日程
【東京】3/20(木・祝)、21(金) JCB HALL 
【大阪】3/24(月)、25(火) フェスティバルホール
【名古屋】3/27(木) センチュリーホール 
◆チケット発売日:[東京]11/3(土)*他公演は未定です。
¥13,000はちょいと痛いですが、その価値は十二分にありそうですね。しっかし、東京ドーム・シティに出来る、JCB HALL、いったいどんな規模なのでしょうか....そちらの興味も津々そのもの、です。

「Smooth Jazz Song File」
(289)Dave Sereny <Victor George Street>
 from『Take This Ride』(2007:NuGroove)


●デイヴ・セレニーは今、注目のギタリスト。このアルバム『Take This Ride』がデビュー作となるが、ここにも収められたオリジナル曲<St. Tropez>、そして<Beata>はコンピレーションCD『Smooth Jazz / The Jazz Room』(2004)に収められ、ラジオでもリピートされていた。そんなデイヴ・セレニーはカナダ:トロントの生まれで、現在41歳。影響を受けたギタリストはウエス・モンゴメリー、ジョージ・ベンソンだと語るが、それ以外にも、マイケル・ジャクソン、マイケル・マクドナルド、ディープ・パープルなど、様々なジャンルのアーティストにインスパイアされている。この曲は、ベンソンの<Affirmation>を思わせるメロウさが光る好トラック。タイトルにも"George"の名前は出て来るが、それは偶然で、ハンガリーの虐殺から生き残った両親を助け、匿ってくれた非ユダヤ人の名前がVictor Georgeだったとのこと。彼の存在無くしてデイヴ・セレニーはこの世に生を授かっていないし、ましてやギターなど弾いていないという意味を込め、この曲を彼に捧げている。

<10月15日(月)>

「今日の出来事」

●朝8時から「Adult Oriented Radio」 の選曲、進行表作り、そして翻訳を一気に済ませ午後2時から収録。そして家に戻ってから,朝出来なかった雑務をいろいろと済ませ、夜の打ち合わせへ(笑)。まさにアッという間に過ぎ去った1日。充実系です。

●夜、聴いたDwayne Kerrの『Higher Calling』に結構、ハマりました。黒人のフルート奏者で、いわゆる、スムース系なのですが、なんでしょう、フルート特有の女々しさ(スンマセン!)が全然無くて、音が太い。そして、なにより、トラックが好く出来ています、曲が、でもあるのかもしれませんが、それ以上にトラックが、という感じです。一歩間違うと、在り来たりのサウンド、予想通りの音が鳴っているスムース・ジャズの世界....まあ、それ故に安心して酔える、とうのももちろんあるのですが、このアルバムは、なんか、アイデアが豊富で、いろいろな音が非常に効果的に配置されている、そう思わずにはいられませんでした。1曲目が<Ain' No Sunshine>のカヴァーで、エリカ・バドゥのヴォイスをフィーチャーしているのですが、これがまた非常にクリエイティヴティに富んでいてえらく感心させられました。あ、ちなみに、このDwayneさんはエリカ・バドゥのバンド・メンバーらしいです。で、アルバムには他にも、カーク・ウェイラムがゲスト参加した曲があって、これまたグレート。ホント、探求し出すと本当にキリが無いのですが、こういうアルバムに出会えると、伊達にマネーをつぎ込んでないな〜、と思わず笑みがこぼれてしまいます。CD Babyのサイトhttp://cdbaby.com/cd/dwaynekerr2で試聴出来ます。R&B系スムースのお好きな方は、ぜひとも、チェックしてみて下さい。

「Smooth Jazz Song File」
(288)Quincy Jones <One Hundred Ways>
 from『The Dude』(1981:A&M)


●何の説明も必要としない御大クインシー・ジョーンズ。彼の数10年に及ぶ歴史の中でいったいどの曲がスムース・ジャズ・ステーションで一番ヒットしたかは、残念ながら解っていない。ただし、『The Dude』に収められた2大バラード、<Just Once>と<One Hundred Ways>は結構、耳にしているし、1989年の『Back On The Brock』に収められた<I'll Be Good To You>も<Tomorrow>も<The Secret Garden>もかなりオン・エアーされているはずだ。逆にクロスオーヴァー・エラの<Stuff Like That>や<Killer Joe><If I Ever Lose This Heaven>、映画「Austin Powers」でリヴァイヴァルした<Soul Bossa Nova>などはほとんど聴いた記憶がない。そんな流れの中で1曲に絞るとしたらやはりこれであろう。甘味のメロディの中に軽やかなグルーヴが芽生え、なんともロマンティックな<One Hundred Ways>。ジェイムス・イングラムの歌声も申し分なく、グレッグ・フィリンゲインズのエレピ共々、聴くほどに惹き込まれる。1981年のL.A.を象徴する音にして今なお新鮮な、普遍たる作品。

<10月14日(日)>

「今日の出来事」

●今日は週に1度の楽しみ(って、別に1度じゃなくても好いのですが...)、夕食当番の日でございます。で、今日はどうしても作りたいものがあったのですが、何軒行っても食材が見つからず....で断念。何を買いたかったかと言いますと、穴子の白焼き、だったんです。2〜3日前に買った松茸(でも、アメリカ産です<笑>)と一緒に作ってみたいものがあったので3〜4軒探しましたが、いやあ、全然無いもんなんですね、勉強になりました。ま、それでも、4品作って、なんとかしましたが....。次回こそリヴェンジ?したいですが、松茸、大丈夫ですかね....? 冷蔵庫に入れてはいますが...

「Smooth Jazz Song File」
(287)Sherry Winston <Love Mission>
 from『Love Madness』(1989:Headfirst)


●フュージョン界における女性フルート奏者の第一人者、シェリー・ウィンストン。憧れの存在だというヒューバート・ロウズと共演したり、また、クインシー・ジョーンズのバックを務めたり、その業界ではかなり名の知れ渡った人だと思うが、意外にも、ソロ・デビュー前の1980年代中盤まではレコード会社に勤務し、プロモーションの仕事を手掛けていたという。しかも、Warner、Arista、Columbiaといったメジャー・レーベルで。そんな彼女が念願のソロ活動をスタートさせたのは1986年からで、西海岸のフュージョン専門レーベル、Headfirstからアルバム『Do It For Love』を発表。そしてその3年後に第2作『Love Madness』をリリースすると、これがビルボード誌のContemporary Jazz Albums チャートの第7位まで上がるヒットを記録し、その名声を決定づける。そして、そのアルバムに収められ、今でもスムース・ジャズのステーションから流れて来る"密かな名曲"がこれだ。タイコもシンセも今聴くと音色は古臭いが、曲と雰囲気は抜群。これもまたNACの時代が生み出した、シンプル&スムースな名曲だ。

<10月13日(土)>

「今日の出来事」

●今日こそこの2週間分の日記を完成させようと力んで執筆も9割方完成、止まり。日記自体は大した労働力必要ないのですが、「Smooth Jazz Song File」に時間が掛かってしまいます、ストックが完璧ゼロだったもので。なにしろ、相変わらずCDが見つからない! すでに年間のローテーションを決めているので、なるべくそれに従って行こうと思うのですが、もう、全然そうはならず。今回も、10月2日にSherry Winston(fl)をやるつもりが、どこをどう探しても彼女のCD一式が出て来ない! なので、他のに替えよう、でも、前後とは同じ楽器にしないようにしよう、とか、いろいろ悩み、そのCDを探しにいくと、また出て来ない....。本当に整理しないとダメですね、一度。

●午後から「Smooth Jazz Seduction」と「Adult Oriented Radio」の収録。土曜日でもやる時はちゃんとやります。で、スムース・ジャズの方は「Smooth Jazz Drive Part II」という感じで、今回はマイアミ〜キー・ウエストに向かうOverseas Highwayをドライヴしながら、という設定です。嗚呼、懐かしや、23年半前の卒業旅行で訪れたその地。あの7 mile bridgeの興奮が甦ります! ホント、また行きたいですね、いつか。
 O.A.は、10月30日(火)、22:00〜23:00、そして再放送が11月3日(土)、11:00〜12:00で、何れもSTARdigio:SKYPerfecTV 400chです。宜しくお願い致します!

 そして「Adult Oriented Radio」 はアドリブ:山崎氏を迎えて、の、10月27日(土)放送分。前回は、どこがAORなのかしら....? という、微笑ましい(笑)選曲でしたが、今回はかなりAOR! 本人も「たまには僕もAORかけますから」と言って紹介してくれた程ですからね。そして帰って直ぐに夕食、そして、またまたプロ野球パ・リーグのクライマックス・シリーズを観てフムフム、の私でした。

「Smooth Jazz Song File」
(286)Isaac Hayes Movement <The 405>
 from『Raw & Refined』(1995:Pointblank)


●アイザック・ヘイズ。映画「Shaft」の音楽で一世を風靡した"ブラック・モーゼ"だ。決して鋭い眼光を放つ人ではないが、サングラスをかけた時の彼はちょっぴり恐い存在で、ラップならぬ"語り"も低音を効かせたかなりの迫力を持っている。そんなモーゼがスムース・ジャズ、というのもかなり違和感を覚えるが、元々彼はインストに比重を置いており、ジャズにはかなり明るい模様。一時期共演していたディオンヌ・ワーウィックに提供した名曲<Deja Vu>にしてもコード進行やメロディの流れは多分にフュージョンであったし。この曲は1995年にVirgin系のレーベルから2枚同時リリースしたうちの1枚、『Raw & Refined』のラストに収められていた曲で、典型的な西海岸フュージョンといった、非常に"柔い"ナンバーだ。ラジオから流れて来た時は本当にアイザック・ヘイズ?と耳を疑ったが、これはL.Aからサン・ディエゴに続くワーストなフリーウェイ:405をテーマにした曲で、その渋滞の苛立から少しでも逃れられるようにという思いが込められた曲だと解り、十分、納得させられた。素直に身を委ねたい。

<10月12日(金)>

「今日の出来事」

●午前中から明日収録の「Smooth Jazz Seduction」の選曲を完成させ進行表にしてディレクターさんにメール。そしてまたまた日記書きを少々、他、いろいろと雑用。そして夜は大阪からラジオ関係の知人が出て来ているので一緒に食事会。そして、折角なので、と、かつては大阪をベースにしていた女性DJにも声を掛け一緒に盛り上がったのですが、いや〜、楽しかったです。渋谷で焼き鳥して、その後、音楽が楽しめるバー「Rain Frog」に行ったのですが、もう、酒はお代わりしまくるわ、マスターと直ぐに親しくなってリクエストはしまくるわ、そのノリの好さは流石!という感じでした。次回は、念願の紅白歌合戦(?)、でっせ〜、カラオケ大会! 秘密兵器(?)のKKKさんにもご登場頂いて。打倒赤組!です。実現する事を心から願う私、です。

「Smooth Jazz Song File」
(285)Paul Jackson, Jr. <It's A Shame>
 from『Still Small Voice』(2003:Blue Note)


●ポール・ジャクソンJr.と言えば誰もが御存知なL.A.スタジオ・シーンの顔的なギタリスト。カッティングの切れは泣く子も黙る鋭さで、また、その音使い、フレーズのユニークさは音楽通をも唸らす独自の世界を築いている。そんな彼が初めてのソロを発表したのは1988年。Atlanticからリリースされた『I Came To Play』がそれだが、そこではぐっとシックでアダルトなR&Bインストを提示し、セッションでのプレイとはひと味違った側面を打ち出している。その路線はその後も忠実に守られ、評価は確実にアップ。3作目の『A River In The Desert』(1993年)はContemporary Jazz チャートで最高6位を記録し、ソロ・アーティストとしての確固たる地位を築き上げた。その後、Blue Noteに移籍するが、ラジオでのエアプレイは相変わらずの好調ぶりをキープし、スティーヴィー・ワンダーがスピナーズに提供したこの曲のカヴァーは完全に定番化した。原曲を大切にしながらも随所に職人業を織り込み、まさに貫禄の仕上がり。ポップでハッピーな風と、仕事人ならではの技術が見事に合いまった完璧なトラックだ。

<10月11日(木)>

「今日の出来事」

●今日もまたまたマイ・ペース。そして、ようやく日記書きを再開。あとは、阿川泰子さん関連の原稿書き。そして、夜は飲み会に。あとは特に....あ、そうでした、国内のCDショップの通販で買った2枚、Soul BalletとDave Serenyが届き、共に非常に楽しめました。特に全く無名であろうセレニーさんの今後への期待を込めて、近日、「Smooth Jazz Song File」に登場予定です。宜しくお願い致します。

「Smooth Jazz Song File」
(284)Act Of Faith <Release Yourself>
 from『Release Yourself』(1997:Expansion)


●Act Of Faithはアルバムのジャケットにも写し出されるインパクト十分のシンガー:Gary Bardouilleを擁するユニットでベースはロンドン。1990年代中盤に登場しいつの間にかいなくなった、そんな人たちだが、その主要作品となるこのアルバムは本当に出来が好い。それはもちろん、Garyのヴォーカルに依るところが大きいが、なにより、曲、そしてプロダクションがきっちりとしている、それに尽きる。そして、そのサウンド面での主人公は、プロデュース、アレンジ、ミックス、全てを手掛けるトニー・キャンベルその人だ。トニーはあのNite Flyteの主宰者でもあり、ダンカン・ミラー他いろいろなアルバムのプロデュースに携わっているUKの職人だが、実は、このグループからGaryが脱退したため、次なるアプローチとして結成したのがNite Flyteだったという経緯だ。このAct Of FaithはNite Flyteよりも数段"ブラコン"しているが、あくまでもUKスタイルであり、そのクールな出で立ちにスムース・ジャズとの接点がはっきりと見つけられる。アルバムのオープニングを飾るタイトル・チューンをセレクト。