<11月10日(土)>

「今日の出来事」

●ここ最近の楽しみベスト3は何と言っても、

1.インターネット・ラジオでスムース・ジャズを聴く
2.飲みに行く
3.料理を作る


この3つに集約されるわけですが、今日も1日、十分な時間があったので、またまた料理当番をさせてもらうことになりました。本当は、「Smooth Jazz Song File」の原稿を出来る限り書き上げる、という過ごし方もあったのですが、来週が、仕事だライヴだ何だかんだで全く食事を作れる時間が作れないので、一昨日やったばかりですが、またまた力作してしまった、という次第です。我ながら感心してしまいます、なんたって、2時過ぎから仕込み出して結局、そのまま休むこと無く夕食タイムになってしまったのですから。

 そんなわけで、今日は4時間くらい掛けてしまったのですが、作ったのは計6品。今までで一番、力入れてしまったのでは?と呆れて(?)います。でも、経済観念しっかりしているので(笑)、お金は結構、節約しています。スーパー・マーケットのいろは(?)も熟知していますし。

 そして、夜は、スムース・ジャズのCD-R作り。特に意味はないのですが、iTunesで楽しく組み立て....という感じで1日が過ぎました。

●パイロットのマネージャーのカークさんからメール。もう、あと1週間に迫ったんですよね、待望&まさかまさかの初来日公演まで。リハは上手く行っているのでしょうか....。期待大!

「Smooth Jazz Song File」
(314)Earth, Wind & Fire <That's The Way Of The World>
 from『That's The Way Of The World』(1975:Columbia)




<11月9日(金)>

「今日の出来事」

●今日は、久々に原稿もひと段落したので、1日中、遊んでました、という感じです。まず...大阪の友人から「関西一週間」が届き、速攻で読み入る、私です。
 実は、今週の火曜日に発売された「東京一週間」が年に1度の"ラーメン・オブ・ザ・イヤー"特集だったんです。それで、フムフム、新しい店は全然知らんわい、でも、今、行ってもどうせ混んでるだろうから、年が明けてからゆっくり行きましょうかね...などと、読みふけっていたのですが、あれ、ひょっとしたら、関西でも同じくラーメン特集の可能性があるのでは...と、インターネットを調べると、お〜!まさに関西版"ラーメン・オブ・ザ・イヤー"が発表になっているのが解り、関西の友人に電話して速攻で買って&送ってもらった、というわけです。
 で、それが、今朝、早々に着いてしまったので、ふむふむ、なるほど...と言うか、9割が知らない店で、吃驚&ニコニコ。
 来月、また大阪出張があるので、その時、頑張って食して来ます。さ、何軒行けますやら〜。

●なんてことをして午後になり、またいろんなスムース・ジャズのCDを聴いて、「Smooth Jazz Song File」の曲を決めて....でも、相変わらず見つからないCDがあり、それを探すために数十分。しかしながら出て来ない、というものが何枚かあって大変です。

 そんな中、格闘の末に出て来たCathi Ogden『Out There』(2001 : Debut)は、まさに安らぎの地。2回繰り返して聴いてしまいました。
 元々はオーストラリアの出身。その後、UKにベースを移したシンガー・ソングライターなんですが、Instinct Jazzのスムース・ジャズ・ボックスに入っていた2曲で一気にファンになっちゃいました。
 で、アルバムを購入したは好いものの、全然聴けてなかったのですが、ようやく今日それを満喫出来た次第です。
 曲によって、ヘレン・ロジャース(ポール・ハードキャッスル)を思わせたり、リサ・スタンスフィールドを思わせたり、キャシー・デニスを思わせたり、ホンの少しだけバーシア? アイ・トゥ・アイ? といった感じで、いろいろと雰囲気が変わっていくところが好いです。
 それと、プロデュースはナイト・フライトのトニー・キャンベルで、彼が共作している曲もあり、また、メゾフォルテのフリドリック・カールソンがギターを弾いている曲あり、ポール・ハードキャッスル一派のゲイリー・バーナクルがサックスを吹いている曲あり、という、ま、言うなれば中田好みのプロダクションになっている、という1枚。
 「Smooth Jazz Song File」ではおそらく5曲目の<It's A Feel Thing>を紹介すると思います。って言うか、そっちの原稿もそろそろ書き上げないと....溜まりまくってますからね....明日、頑張ります!

「Smooth Jazz Song File」
(313)Lloyd Gregory <Shinti>
 from『Wonderful』(1992:TNT)




<11月8日(木)>

「今日の出来事」

●朝から今晩の食事の仕込み。今日は、おでんです。寒くなって来ましたからね(というほどキビシくはないですが、まだ....)。
 で、出汁を取るのに時間を掛けました、結構。東京人ではございますが、関西風の澄んだ系が好きなので、それを目指すべく。
 今までは薄味で始めても、結局、おでんのネタを煮込んでいるうちにお出汁が濁って来てしまう、ということに涙を飲んでいたのですが、今回は、それを避けるためにある手段を使いました、弱火でトロトロ、という基本以外にも(詳細は極秘です)。なので、結構、いや、かなり上手く行きました。自分で作ったおでんの中で一番美味しかったかな、と。
 ネタですが、東京人なのでちくわぶは必須。あとは、ボールにウインナー巻き、黒コンニャクに昆布、ハンペンに餅巾着、大根にじゃがいも、うずらの卵と牛スジ、といった感じです。それ以外にもオリジナル棒棒鶏(?)を作って、刺身をチラッと、な夕食。堪能出来ました。

●そして、その合間を縫って、スタッフの『Live At Montreux 1976』のDVDのライナー書き。12月19日にビデオアーツさんから登場するその作品のライナーという大役を任され、プレッシャーの中(?)、映像を拝見させて頂いたのですが、非常に新鮮でした。なるほど〜、という感じで。私は、彼らのライヴ(in Japan)を観ていないので、スタッフがスタッフとして動いているのを観るのはこれが初めて。MCもせずに、黙々とプレイする彼らに、並々ならぬ職人気質、を感じずにはいられませんでした。1stアルバムからは2曲だけで、あとは、スティーヴィー・ワンダーだったり、アイズレーだったり、EW&Fだったりのカヴァーばかりという内容ですが、イージー・リスニング風にカヴァーするのではなく、あくまでもスタッフ風に演じているので、かなり楽しめます。ビデオアーツさんのライナーは基本的に2,500〜3,000字と短めで指定されるので、書きまくったジェイさんの時とは対極にあるというか、あれこれ書かないうちに終わっちゃいました。ま、でも、長けりゃいいってもんじゃないですし、コンパクト、もたまにはありですね。

●某レコード会社の人と、某コンピレーションの話しが前に進みました。と言っても、中田は中に入るだけというか、選曲はまた他のスペシャリストさんにお願いしました、今日。
 そして、直ぐにお返事のメールが! ツアー関連で忙しいようですが、でも、選曲候補を出す一応の締め切りには間に合わせます、と力強いお言葉頂戴しました。楽しみにしています! 何のコンピか、何方に選曲をお願いしたかは、もう少し固まってからアナウンスさせて頂きます。かなり美味しいことだけはお約束致します。暫しお待ちを。

●もうひとつ、大事なインフォを忘れてました!
 ジェイさんのライヴのDVDのライナーを書かせて戴いたWardレコードの方が月刊誌「Player」の最新号を送ってくれました。12月号。表紙はエディ・ヴァン・ヘイレンとデヴィッド・リー・ロスという、涙無くしては見れない2ショットです。ヴァン・ヘイレンのデビューから来年で満30年。来日公演など実現しようものなら、何が在っても足を運びます!
 って、それが伝えたいのではございません。そのプレイヤー誌12月号にジェイ・グレイドンさんのギター・コレクション&インタヴューが掲載されています。ハッキリ言って、これはファン必携です。一家に1冊ならぬ一家に複数冊。見る用と保存用、さらに、将来プレミアが付いた時に高く売る用(笑)、今直ぐお求め下さい!

「Smooth Jazz Song File」
(312)Keith Jacobson <Get Up>
 from『Turn On The Charm』(2007:Keith Jacobson)




<11月7日(水)>

「今日の出来事」

●「Adult Oriented Radio」 の検聴、Qシート書き、発送。11月10日OA分で、後半には沼澤尚さんが登場して下さるのですが、改めて一リスナーとして番組を聴くと、ホント、スゴイ番組だな、って感動出来ます。何、自惚れてるんだ、って思われるかもしれませんが、自分単独のパートはともかく、タカさんによるジェフ・ポーカロさん奏法解説、こんなのを平気で出来る番組、そうそう無いですよ。関西地区の方、マジで必聴です。

 と、そう言えば、他局にも、「Adult Oriented Radio」 という番組があるそうで、よく人から教えてもらいます。ただ、内容的には全然似ていない、とのこと。うちの番組はもう4年半以上続いているのですが、そちらはどうなんですかね? その手で言えば、配信の会社でCool Soundというのがある、という話しも昔から聞いています。それは確かうちのほうが早かったと思いますが、業績では、足下にも及ばないでしょうね、当社が(苦笑)。と、今日もひたすらスムースに過ごす呑気で呑兵衛な私でした。明日こそやります、今日締め切りのライナーを。

「Smooth Jazz Song File」
(311)Brenda Russell <Piano In The Dark>
 from『Get Here』(1988:A&M)




<11月6日(火)>

「今日の出来事」

●朝からジェイ・グレイドン・ライブDVDのライナー書き、仕上げ。結局、今日も4時間くらい費やし、なんとか完成。都合2万字ほどになりましたが、別に自己満足で書いた、でも、むやみに余計なデータを書いて原稿料稼いだ(笑)、とか、そういうつもりはなく、ただ単に必要最低事項を思いのままに書いていたらこの文字量になった、という感じです。

 そして、それを担当者さんにメールして、次の作業に。昨日収録した「Adult Oriented Radio」 の検聴、Qシート書き、発送、を夕方までに済まそうと思ったのですが、ちょっとしたミスが発覚し、急遽、前枠だけ録り直し、になってしまいました。ディレクターの土屋さんはちゃんと捕まり、かつ、スタジオも空いていたから好かったのですが、結構、冷や汗ものでした。で、それを録って夕食は家で余裕で。そして、もう1つ、次の作業を、とも思ったのですが、CD Babyで買ったスムース・ジャズのCD10数枚が本日届いたので、それを聴く方を優先してしまいました。早速、パソコンに取り込むCDも数枚あったり、それなり、な収穫でした。

「Smooth Jazz Song File」
(310)Rick Derringer <Hot & Cool>
 from『Free Ride』(2002:Big 3)


●スムース・ジャズのステーションでいろいろな曲を聴いていると、へ〜、こんな人もかかるんだー、ということが少なくない。そして、それは10年、20年聴いた後も新たなる出会い、発見として大いなる刺激となっている。リック・デリンジャーのこの曲もまさにその典型。1970年代に大活躍したアメリカン・ロックの名ギタリストが、実にスムースなアルバムを発表していたのだ。しかも、単なる柔化、ではなく、<Jazzy Koo(Rock & Roll Hoochie Koo)><Free Ride><Frankenstein(Smooth Frank)>等、自身の名作、及び彼が活躍したウィンター・ファミリーの名曲をジャジーにリメイクしているのだから、これは侮れない。曲によっては完全にスムース・ジャズのフォーマットを意識している感じで、ウォームななサックス、クールなピアノも効果的にフィーチャー。理屈抜きに惹き込まれる。この曲はこのアルバム用に書かれたと思われるオリジナルで、ジャズ・ジャズし過ぎないオクターヴ奏法が軽快に響くポップ・チューン。かつての美形男子が、好い歳の取り方をした、と表したい、好感度溢れる1曲。

<11月5日(月)>

「今日の出来事」

●少し早めに起きて、昨日のライナーの続くを書くも、思ったほど進まず。そして、それより何より、今日収録の「Adult Oriented Radio」 の選曲・翻訳・進行表を優先させねば、といったん中断。そして、それをガ〜ッとやったらもう出発の時間。そして、スタジオに行きサクッと収録し帰宅。そのままライナーの仕上げに取り掛かるべきなのでしょうが、当初の予定では今日の夕方までには全て終えている計画だったので、知人と飲み会の予定を入れていたのでした! ということで、ドタキャンも申し訳ないので、今宵はそちらを優先(笑)。楽しいひと時を過ごさせて頂きました。

●話し戻って、収録の時、スムース・ジャズ好きなスタッフが「こないだ、これ(Les Sabler『Sweet Drive』)買ったんですが、好いですね! 何者ですか?」と一言。今、発売中のアドリブ誌でも輸入盤レヴューに載っていますし、これは、ホント、掘り出し物だと思います、スムース・ジャズ好きにとっては。あとは、Marcus Johnsonの最新作『Phoenix』も流石の一語。懐の深さ、ですかね。そろそろ今年の個人的 Best 10 を考える時期なりましたが、なんかワクワクして来ちゃいます。大好きなアルバム、たくさんありましたからね。

「Smooth Jazz Song File」
(309)Joe Kurasz <Funky B>
 from『Soul Searching』(2004:Ren Music)




<11月4日(日)>

「今日の出来事」

●午前中から、まずは、ジェイ・グレイドンのライヴDVDに関する原稿をアドリブ誌で2本執筆。1本は、作品紹介、そして、もう1本はジェイさんへのインタヴュー紹介、といった2本です。

●そして、いよいよ、午後から、DVDのライナーノーツに取り掛かりました。
 で、そのパッケージはオーディオCD&北欧公演のミニチュア・ポスターなんかも付く限定特別盤と、DVDだけの通常盤、この2パターンがあるわけですが、ライナーも差別化を、という要請がございまして、通常盤はホント通常の量、3,000〜4,000字で仕上げ、そして、特別盤は何字でも好い、多ければ多いほど好い、みたいなことを言ってくれるんです、Wardレコードの社長さんが。燃えちゃいますね〜、俄然。
 パターン的には2つあると思うんです、書き方。まず、とにかく、何字でも好い、という長いほうを仕上げ、そこから通常用に抜粋して短縮版を作るというやり方と、とにかく、別物を書く感じで行く、というパターン。中田は今回、後者のパターンになりまして、まず、夕方までにショート・ヴァージョンを仕上げ、その後、満を持して、ロング・ヴァージョンに取り掛かったわけですが、24時の時点で今日はギヴ・アップ。一応の締め切りは明日ですが、寝ちゃいました。ちなみに、この時点で、ライヴまでの流れとメンバー紹介が終了し、字数的に約10,000字。これから、楽曲解説に入り、さらに、総まとめを書くと....ま、20,000字って感じでしょうか....。明日も頑張ります!

「Smooth Jazz Song File」
(308)Cabo Frio <Tough Enough>
 from『The Best Of Cabo Frio』(2006:Cabo Frio)


●カーボ・フリオはアメリカ東海岸をベースにするフュージョン・グループ。その名前はアール・クルーによる同名曲から取ったものか、はたまた、その起源であろう、ブラジル:リオ・デ・ジャネイロの東にある観光地に敬意を表したものかは解らないが、シリアスな音楽性の追求型ではなく、ポップで親しみ易い、それこそ、時にはブラジルの陽光を感じさせる、そんなサウンドが主体のグループだ。創設メンバーにして現在もリーダーを務めるのはドラマーのカーティス・ケンドリックで、大半のオリジナルは彼が書いている。アルバムでは必要に応じてキーボードもプレイし、これがなかなかフックのある佳曲を届けてくれる。特に、時代の経過、経験の積み重ねと共に無駄のない曲を創り上げるようになり、初のベスト・アルバムに収められた新曲3曲はどれもラジオ向きの耳当たりを備えている。中でもこの曲はピアノとサックスの絡みが非常に美味な軽やかビート・チューン。ミックスはナッシュヴィルでデニー・ジオサが担当。それも完璧にプラスに左右している。もっと話題になってもおかしくない人たちだ。

<11月3日(土)>

「今日の出来事」

●今日も真面目に1日パソコンと格闘。ひょっとしたら昨日も今日も一歩も外に出ていないのでは....? そう言えば、昔、一人暮らしの音楽ライターさんが、一歩も家を出ないのはもちろん、誰とも話しをしない日がある、ようなことを言っていました。物書きさんって、孤独な職業なんですねェ(他人事です<笑>)。

●エニウェイ、今日もひたすら頑張りましたが、朝、この日記書きのBGMにと、大好きなインターネット・ラジオ:Smoothjazz.comにチューイン・インしたらいきなりカーク・ウェイラムの<The Wave>(再録版)が流れて来てニッコリ。と同時に、これは、「そろそろ"カークさんの来日応援します"コメントを書いたらどうか?」という天からのお達しにもとれたので、早速、その原稿に取り掛かりました。
 11月23日(祝:金)から25日(日)の3日間、東京:仙川の「KICK BACK CAFE」で行われるカーク・ウェイラム公演(with John Stoddart)に寄せてのコラムで、もちろん、お仕事ではなく単純に1ファンとしての推薦文です。書き出したら、あっという間に1,600字くらいになっちゃいましたが、ま、善しとさせて下さい、これでも最低限、な量なので。デイヴ・コズさんによるカークさんコメントも挿入していますしね。
 チケットはかなり売れている模様で、指定席ソールド・アウトの日もあります。お急ぎ下さいませ。

●その後、昨日、途中で終わってしまったケンジ・サノさんへのインタヴューMD興しを完成させ、続いて、アドリブ誌用の原稿を少々。ライヴ・リポート2本で、1本は9月末の阿川泰子さん(STB 139)、そして、10月頭のデイヴ・コズさん(ブルーノート東京)。共に400字という少ない字数なので、あれも書きたい、これも書きたい、でも、書けない、どうしよう...といった葛藤を経てなんとか完成させました。

●その後、今度は、デイヴ・コズさんへのインタヴューMD興し。時間的には35分しか入っていなくて(それしか時間がもらえなかったんです)、1時間ものより楽と言えば楽ですが、でも、時間が短くなった分(当日、45分から減らされちゃいました...)、通訳さんには中田の質問だけを訳して頂き、返しは一切無し。コズさんの英語は非常に解り易いから全然問題ないんですが、ま、結局は、全部英訳が入っている1時間ものと全く変わらないヴォリュームになっています。なので、それで、またまた4時間以上掛かってしまい、それを今度はちゃんとインタヴュー原稿(これも「アドリブ誌」用)にして...。でも、スペースの都合上、全興ししたインタヴューの30分の1、ひょっとしたら、50分の1しか誌面では反映されないんですが、ま、そんなことはどうでも好くて、将来、ちゃんとウエブでご紹介出来たら、という先行投資?気分でやってます。と言うか、単純に楽しいんですよね、インタヴュー興しって(もちろん、自分でやった、自分の好きなアーティストのものだけですが)。

●ジェイ・グレイドン・バンドのライヴDVDライナー用にジェイさんとちょこちょこメールのやりとりをしてるんですが、今日は、遅まきながらメールでお送りした<Stranded>のSheilaヴァージョンに対する返答が来ました。
「初めて聴いた。(エンディングが偶然一緒だけれどもこのヴァージョンは)全く知らなかった。好いヴァージョンだよ。ただ、エアプレイがキー=Eで演ってるのに対し、彼女はキー=Dだったけれどな」
さ、そろそろ明日くらいには、そのライナーに取り掛からないと....ちょいと恐いですが....

「Smooth Jazz Song File」
(307)Doc Powell <What's Going On>
 from『97th & Columbus』(2003:Heads Up)


●1980年代初頭から、ドク・パウェルのギターはN.Y.のブラック系セッションで欠かせぬものになっていた。特にルーサー・ヴァンドロス絡みのレコードではお決まりの存在であり、1987年に発表した初のリーダー作『Love Is Where It's At』(Mercury)ではそのルーサーを始め、マーカス・ミラー、ヨギ・ホートンら当時のN.Y.派がこぞって参加。良質な東海岸風ブラコンを届けてくれた。実はそこでもこのマーヴィン・ゲイの定番をインストでカヴァーしているのだが、それから16年後、再びその曲にチャレンジ。87年ヴァージョンでもしっとり味わい深いスムース・ジャズに仕上げていたが、さらなる円熟味が加わり、彼の代表的トラックに挙げたいほどの内容になった。特に、エレクトリックとアコースティックの使い分けが巧みで、実にアダルト。ルーサーらによるバック・コーラスも非常に洗練された味わいだ。この曲以外では、1996年の『Laid Back』に収められたオリジナル曲<Sunday Mornin'>が人気。レイド・バックしつつもドク節は健在で、カーク・ウェイラムのサックスとも抜群の相性を見せている。

<11月2日(金)>

「今日の出来事」

●今日は真面目に1日中、ディスクワーク。まずは、途中まで書いていたアドリブ誌用:牧山純子さんインタヴュー原稿書きをサクッと完成させ午前10時過ぎにメール。そしてお昼過ぎまで、溜まってしまったこの日記を出来る限り書き上げ(と言っても、「Smooth Jazz Song File」にまで取り掛かれる時間作れないので、それは、時間が作れる来週水曜日以降に更新します、まとめて)、その後、ちょっと前にやったジェイ・グレイドン電話インタヴューのテープ興しを完成させ、続いて、火曜日に青山でやったケンジ・サノさんへのインタヴューのテープ興し。これが4分の3を終えた時点で24時を過ぎたので今日はこれにて終了。残りは明日に! 頑張って土・日+月曜2時までに締め切りの大半を終えないと...。で、それを終えたら、来週は遊びます!(って、毎週遊んでますが....)。

●ビデオアーツさんからリリース・インフォの一斉メールが到着。そして、ようやくTOTOの最新ライヴ『フォーリング・イン・ビトウィーン・ライヴ』が来年1月23日に国内発売される他、ケニー・ランキンの1st〜7thが全て紙ジャケでリイシューされるとのこと。こちらは来年の1月と2月の2回に分けて出て来るそうです。本人がリイシューした『Silver Morning』のディジパックが、待望のCD化!のわりには、なんだか今ひとつだっただけに、ここでビシッとキメて欲しいですね、期待してます。

「Smooth Jazz Song File」
(306)Michael Buble & Nelly Furtado <Quando, Quando, Quando>
 from『It's Time』(2005:143/Reprise)


●新しい感覚でポップもスタンダードも粋にジャジーに歌いこなすヴァンクーヴァー生まれのシンガー、マイケル・ブーブレ。同じカナダの大先輩、デヴィッド・フォスターに認められ全米デビューを飾るや否や、そのスケールは何倍にも膨れ上がり、2007年の『Call Me Irresponsible』では遂にアルバム・チャートでも全米No.1を獲得するにまで至っている。独特のスウィング感や、既製の有名曲を新しい解釈で焼き直す感性の豊かさが彼の最大の持ち味で、また、一方ではちょっぴりフォーキーなアダルト系ポップス<Home>や<Everything>でACチャートも制覇。そこでは、作者の1人として、シンガー・ソングライターとしての才能も発揮している。そんな彼がカナダ:ブリティッシュ・コロンビア生まれのネター・ファータードと共演したこの曲はまさに絶品の一語。元々はイタリアの歌で、1960年代初頭にパット・ブーンが英詞を付けて小ヒット。そんなナンバーをデヴィッド・フォスターが軽いボッサ風にアレンジし、なんとも軽やかな風を運んでくれる。途中のサックスも実に好い感じで鳴っている。

<11月1日(木)>

「今日の出来事」

●朝起きると、ちょいと身体に違和感が。これは二日酔い(苦笑)の類いではなく、また、風邪というわけでもないのですが、そんなこんなで午前中からチラッとお医者さんに。そして薬を頂戴したら夜には全然、元気になりましたが、大事をとって、夜はアルコール抜きの食事。家族にとっても超久しぶりの休肝日になったようです(笑)。

●そんな中、昼間は、しっかりと原稿書き。アドリブ誌の原稿が珍しく多く(断わったものが無ければさらに多かったです...)、まずは、ビデオアーツさんから出るスムース・ジャズの4作(リック・ブラウン&リチャード・エリオット、カーク・ウェイラム、ジョナサン・バトラー、ブライアン・シンプソン)をサクッと紹介し、レヴューを2本書いて(イーグルスの新作とボニー・ジェイムスのクリスマス・アルバム。イーグルス、素晴らしかったです!)、そして「AOR通信」を執筆。さらに、ヴァイオリニスト:牧山純子さんへのインタヴュー原稿を途中まで書いて。

●そして、夜、大阪からFM Co-Co-Loの営業の方が丁度、東京に来ていて、家の近くまで来て下さる、というのでお会いし、来月の、恒例:生放送!の番組内容を中心に打ち合わせ。ま、打ち合わせ、と言いましても、「企画はお任せですので」と言って下さいますし、
「中田さんの番組、いつもレーティングは好いので、普段通りで問題ないですよ」
と、嬉し過ぎる発言が! レーティングの結果、ってほとんど聞いたことが無かったので、悪い気はしないな、とふんぞり返る(笑)私です。生放送は、12月15日(土)の予定。今度は、制作のプロデューサーさんとも相談をしなくては!

●一般発売は明後日、11月3日から、と聞いていたので、そろそろチケットの手配をせねばと思い、ウドー音楽事務所の知り合いさんに電話。TOTO&ボズの来日公演をお願いしようとしたら「中田さん、すみません、もう売り切れちゃいました...」という一言が...。でも、私、明るく「あ、そうなんだ、了解!」と。ま、それだけ皆さんの期待が大きいのは好いことです。問題は、その両者がいったいどれだけ一緒にステージに立ってくれるか、ですね。ま、全編共演、は夢のまた夢、でしょうから....。

「Smooth Jazz Song File」
(305)George Howard <Love Will Find A Way>
 from『Dancing In The Sun』(1985:TBA)


●スムース・ジャズを語る時、やはりこの人の存在を忘れては行けないだろう。今は亡き黒人サックス奏者、ジョージ・ハワード(1998年3月20日、癌のため41歳で死去)。生まれはフィラデルフィアで、同郷の先輩:グローヴァー・ワシントンJr.から大きな影響を受け、かつ、一時期彼のバンドでプレイ。そして1982年にPalo Altoからデビューを飾り、85年に発表した3作目『Dancing In The Sun』(TBA)から88年の『Reflections』(MCA)まで4作連続でビルボード誌のContemporary Jazz Albums チャートのNo.1を獲得。ケニーGと共に、シーンの頂点に立っている。そのケニーGもソプラノ・サックスがトレードマークになっているが、ジョージ・ハワードもソプラノでメロディアスに歌い上げるのを得意としている。フレーズはいつも流麗で、甘さとシャープさ、その両方を備えたアーバン・コンテンポラリー・サウンドが溜まらない。カヴァーにも積極的でケニー・ロギンスからシャーデー、レジーナ・ベルまでポップ・ヒットを多数再演。そのメロディアスなサウンドは今でもFM局の御用達、といったところだ。