<11月30日(金)>

「今日の出来事」

●アドリブ誌の原稿用にピーター・シンコッティのインタヴュー・テープ興し。今回は、重要ポイントだけ押さえれば好いかな、と、最初思っていたのですが、結局、いつものようにベタ興しすることにしちゃいました。それで数時間。
 最新作『East Of Angel Town』はデヴィッド・フォスターがプロデュースしているのですが、「彼こそ、理想的な人!」とフォスターを完璧にリスペクトしつつ、「僕はもう1枚、(典型的な)デヴィッド・フォスター(・サウンド)のアルバムを作るつもりは全くなかった」と言いきってしまったり、とても24歳の若者とは思えない信念の強さが凄いと思いました。要は、大物、なんですよ、あるいは、本物。ランスも最近買ったCDの中では、このアルバムとオリヴィアのクリスマス・アルバムがお気に入りのようでした。日本盤は12月5日にワーナーからリリース。アメリカ盤は来年1月。ヨーロッパ盤がいち早く店頭に並んでいます。

●夜はDJの友人と新宿厚生年金会館の前にある「ちゃんこ両国」へ行き、普通のとキムチと2種類を堪能。相変わらず世界で一番!の美味しさです。その後、六本木のバーへ行くと、"ボス"が知人とやって来て、うわっ!と合流。またまた超盛り上がってしまいました。

「Smooth Jazz Song File」
(334)Dan Siegel <Just Like That>
 from『Inside Out』(2004:Native Language)


●知的な旋律、絶妙のタッチで根強い支持を集める西海岸のキーボーディスト、ダン・シーゲル。ソロ・キャリアは既に四半世紀を超え、アルバムもInner City、Elektra、CBS、Polydor、Sin-Drome他、いろいろなレーベルから登場している。中には、ビルボード誌のジャズ系チャートでトップ10入りした作品も2枚あり、また最新作『Departure』(2006 : Native Language)に収められた<Street Talk>に代表されるように、ラジオでのエアプレイも今なお絶大な人気を誇っている(Radio & Recordsのスムース・ジャズ・チャートに20週間ランク・イン。最高22位)。ダン・シーゲルの名曲というと、初期のポップ・フュージョンした時代ももちろん捨て難いが、結局はこれに落ち着いた。曲頭のピアノはストレート・アヘッド風、そして直ぐにキャッチーなギターがスムースの世界へと導き、ダンのアコピがメロディーを奏でる、という構成はまさにヴェテランならではのツボを得た作りという感じがする。ギターはアラン・ハインズ、リズム隊はアレックス・アル&オスカー・シートンがそれぞれ担当している。

<11月29日(木)>

「今日の出来事」

●昼間は「Smooth Jazz Song File」の空欄になっている部分をランダムに書き(と言っても更新はしていませんが....)、そして、打ち合わせ、でも、ないですが、物の受け取りに出掛け、その後、某レコード会社絡みでコンピの選曲。"レーベルの制約""アーティストの制約(コンピ盤への収録が99%不可能、という人が多々います、特にビッグ・アーティスト)"という垣根が付きまとうので、どこまで満面笑みな作品が出来るか解りませんが、現時点では十分に納得のいく仕上がりになっています。ま、気軽に待ちたいと思います、海外からの許諾の返事を。

「Smooth Jazz Song File」
(333)Jeff Golub <Uptown Express>
 from『Temptation』(2005:Narada Jazz)


●スムース・ジャズ界を代表するギタリストというと、やはり、アコースティックのピーター・ホワイト、そして、エレクトリックのノーマン・ブラウン、この2人の名前が真っ先に挙がってくるが、ミュージシャン仲間からは彼らと同等の評価を得ているのがこのジェフ・ゴラブだ。スタイルは、極めてロック寄りのファンキー&ブルージー系で、スタジオで緻密に、ではなく、相手を鼓舞するのに持ってこいのジャム・セッション型。決して難しいコード進行など必要ない。3コードで十分だ。ジャケットでは度々フルアコを抱えているが、むしろ、ストラトでシャープにエッジするほうがイメージ的には断然近く、一度観たライヴでもストラトでギンギンのロック魂を溢れさせていた。元々はロッド・スチュワートのバンドに在籍し、他にも各セッションから引っ張りだこの存在。やはりそのフィーリングが共感を呼ぶのであろう。AWBの<Cut The Cake>や2007年にNo.1に輝いたフォー・トップスの<Ain't No Woman>他、カヴァーの名演も非常に多いが、今回はオリジナルから、"らしさ全開"曲をセレクト。

<11月28日(水)>

「今日の出来事」

●午前中は、「Smooth Jazz Song File」を数本書いたり。そして午後から「Adult Oriented Radio」 の収録。12月8日OAの後半1時間でお送りする神保彰さん、ゲスト登場分です。いや〜、ホント、5年以上お会いしていなかったのですが、顔を合わせた瞬間に、もうそういったブランクが一瞬にして飛んでいっちゃいますね。相変わらずすらっとした体型とお洒落な着こなし、髪型。しかし、変わった〜!と思わせる部分が一点。ひょうきんになられましたね〜、先輩! 嬉しい驚き。まさか、私に合わせて頂いてる? それとも、関西のリスナーを意識している? え? ただ、オヤジ化しただけ?
 神保さんは、NEWS WEEK誌の「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれている、まさに本物のグローバルなアーティスト。ヨーロッパだ、南アフリカだ、どこだ、に単身乗り込み、ドラムスのソロ・パフォーマンス、レクチャーを繰り広げる様は本当に凄いの一語ですね。心から尊敬してしまいます。
 番組では前半で1990年代にアメリカのNAC/Smooth Jazzチャートを賑わしていた神保さんのソロ作から厳選の3曲をOA、そして、後半では今年リリースした10年振りのソロ名義作『Four Colors』から3曲ご紹介させて頂きます。

●そして、夕方に友人が家に来てくれて、私のパソコンをいろいろと診てくれたのですが、結局、データの完全移し替えに失敗。2時間以上掛けたコピーを終え、最後の最後、という時点で見事にフリーズ!!!! また後日、一から始めることになっちゃいました。まだまだ当分はこのノートさんとの密接な関係が続きそう....。

「Smooth Jazz Song File」
(332)Akira Jimbo <Dreams Of Rio>
 from『Slow Boat』(1991:Tokuma)


●1980年からカシオペアのドラマーとしてその凄腕ぶりを十二分にアピールした神保彰。その後も、Jimsaku、Pyramid、Jbプロジェクト(神保彰/Brian Bromberg)、Synchronized DNA他、いろいろなユニット、グループで唯一無比の高等技術を披露しているが、1986年からスタートしたソロ名義アルバムはアメリカのラジオ・ステーションでも大きな人気を獲得。Radio & Records誌のNAC/Smooth Jazzチャートにおいても、半ば常連さん的な存在になっている。そこでの彼は千手観音の如く叩きまくるのではなく、あくまでもメロディメイカーとしての一面をアピール。松居和がプロデュースを手掛け、レコーディングはL.A.の俊英達と共に、というスタイルで1997年までに10枚のアルバムを制作し、うち半分がアメリカでも発売されている。日本人的な優美の旋律を散りばめながらも、基本的な質感はサザン・カリフォルニアそのもの。その辺りがアメリカで受けたのは容易に理解出来る。特に大ヒットしたこの曲などはその好例。マキシ・アンダーソン他のヴォーカル隊をフィーチャーした"軽やかなリオ"、な名曲だ。

<11月27日(火)>

「今日の出来事」

●午前中はマイ・ペースに過ごし、午後から「Adult Oriented Radio」 の検聴、Qシート書き。
 そして、夜は渋谷のJZ Bratで行われたヴァイオリニスト、牧山純子さんのアルバム発表ライヴを堪能。アルバムと同じく幾見雅博さん、島健さんら、錚々たるメンバーがバックに参加し、素晴らしい演奏を聴かせてくれました。ソールド・アウトも出るほどの超満杯ライヴで、牧山さんも凄く気持ち好さそうにヴァイオリンを響かせていました。
 本編でアルバムの約3分の2を披露。そしてアンコールでチック・コリアの<Spain>、そして、マイルス・デイヴィスの<Seven Steps To Heaven>を披露。この2曲での圧倒的な演奏力も、ある意味、嫉妬ものでした。楽器を自在に操れるって、ホント、気持ちイイだろうな....

 終演後はそこから歩いて1〜2分のお気に入りバー、Rain Frog:渋谷区桜丘町29-5 石島ビル101 で音楽聴きながら3杯ほど呑んでアドリブ誌:山崎エディターと締めのラーメンを1杯。早い時間でしたが池袋から30分歩いて帰り、健全な眠りに就きました。

「Smooth Jazz Song File」
(331)Queen Latifah <Poetry Man>
 from『Trav'lin' Light』(2007:Verve)


●クイーン・ラティファ。向こうのチャート本に載っている肩書きはFemale rapper/actress。個人的には特にその動向を追い掛けること無く、ある意味、別世界の人だと考えていた、老舗のMotownに在籍していた時期があったにしても。ところが、2004年、Interscopeから発表した『The Dana Owens Album』(Dana Owensは彼女の本名)はスタンダードを中心としたカヴァー集で、全編ヴォーカルで勝負。アリフ&ジョー・マーディン親子によるプロデュース、ジェリー・ヘイによるアレンジも冴えを見せ、結果、グラミー賞の"Best Jazz Vocal Album"にノミネートされる栄誉(?)まで手にしてしまった。その勢いは、Verveに移籍して発表した3年振りの新作『Trav'lin' Light』でも全く衰えること無く、今度はビルボードのTop Jazz AlbumsチャートでNo.1を獲得。そこからのリード・シングルとなったこの曲も、スムース・ジャズのチャートでトップ10入りを果たしている。フィービー・スノウの1974年の名曲をクール&スムースにカヴァーし、新たなるファンを獲得。もちろん、自分もその1人だ。

<11月26日(月)>

「今日の出来事」

●朝から「Adult Oriented Radio」 の選曲、翻訳、進行表作りをして、加えて、明後日収録の「Adult Oriented Radio」 ゲスト分の進行表作り。ご登場頂けるのは世界に誇る名ドラマー:神保彰さん。久しくお会いしていませんが、一時期は毎年のように取材をさせて頂いたり、非常に親しくさせて頂いた方です。実は、偶然ながら、私の小学校の先輩でもあったりします。なので非常に楽しみ!
 そして、3時から本日の収録。今日は、12月1日(土)の前半だけなので、さくっと終わりました。ちなみに、その日の後半は既に録り終えている、平原綾香さんをお招きしたスペシャル・ゲスト・パート。スムース・ジャズ、の話し、と言うか、スムース・ジャズ界で人気のサックス奏者の話しを盛り込み、彼女が如何にピュアーな音楽ラヴァーなのかが実感出来る、60分です。関西地区の方、是非とも、聴いて下さいませ! 
 夜はまたまた楽しく飲み会。週の始めから元気に飲み会。少し抑えないといけないと、解ってはいるのですが....。

「Smooth Jazz Song File」
(330)Warren Hill <Take-Out Dreams>
 from『Kiss Under The Moon』(1991:Novus)


●1966年4月15日、カナダ:トロントに生まれ、このところはL.A.をベースにするサックス奏者、ウォーレン・ヒル。眼光の鋭いイケメンで、そのプレイ/トーンも爽快なほど、男らしさを漲らせている。とは言え、リチャード・エリオットに代表されるソウルフルな汗の匂い、ではなく、あくまでもセクシーな男っぽさが特徴。デビュー当時はこの写真のようなルックスで、また最近はやや長めのブロンドにしているが、長い間、ロングの黒髪をなびかせ、世の女性のハートを虜にしていた。もちろん、外見だけの人では全くなく、ポール・ブラウンの右腕としてプロデュース&アレンジに活躍するジェフ・カラザースは「スムース・ジャズのシーンで一番技術的に優れているサックス奏者はこのウォーレン・ヒルでは?」ということを語っている。自慢のアルトでラテンの世界を疾走する<Mambo 2000>(2000年)から、ソプラノで王道のバラードを奏でる<U R The 1>(1997年)まで、捨て難い曲はたくさんあるが、ソプラノで夜のムードをクールに演出するこの曲がまた最高の味わい。デビュー作にして早、大物の風格だ。

<11月25日(日)>

「今日の出来事」

●やっぱり、溜まり気味なので、頑張って日記&出来る限りの「Smooth Jazz Song File」を書き午前は終了。そして、午後からはマイ・ペース&またまた食事担当、だったのですが、急遽、原稿の手直しをたのみます!メールが来て、それをまずは優先。そして、夜は珍しく(?)3品だけ、というシンプルな作りながら、またまた非常に好評でした。1時間半くらいしか掛けていないにしては上出来。ちなみに、何気に頑張ったのは、白身魚のウニ・ソース和え。カジキマグロにした味を付けて焼いたものに、完璧自己流のウニ・ソースをかけて食べる、という代物ですが、確かに、美味く行きました。やめられませんね、料理当番。ま、週に1回くらいしか出来ないから好いのでしょうがね。毎日、は、完璧無理ですからね....。

「Smooth Jazz Song File」
(329)Slash <Obsession Confession>
 from『Curdled』<OST>(1996:Geffen)


●スラッシュ、という名を聞くと、ガンズ&ローゼスで一世を風靡したあのカリスマ・ギタリストを思い浮かべる人が少なくないだろうが、驚くなかれ、ここで紹介するスラッシュはまさにその本人なのである。かく言う自分も最初はなかなか信じられなかった。スムース・ジャズのステーションで何度もプレイされ、そのオン・エアー・リストを見る度に同一人物か否か頭を悩ませたものだ。なにしろ曲調はフラメンコ系。全編アコースティックで、へヴィー・メタルの"ヘ"の字も出て来ないのだから、それも仕方のないところ。ジプシーな旋律の速弾きを見せつけるではなく、アルペジオ系のメロディーが、終始、曲をリードしていく展開は、まさに後ろ髪を引かれる哀愁ロマンもの。リピートするうちにどんどんハマってしまう奥深い雰囲気を携えている。ご存じの通り、ガンズ&ローゼスはL.A.メタルの雄として一世を風靡したが、スラッシュ自身は英国生まれのL.A.育ち。体内の奥に潜んでいた英国の陰りがこの曲を生み出したのではないだろうか。サントラ以外にもいくつかのコンピに収録された、知る人ぞ知る名曲だ。

<11月24日(土)>

「今日の出来事」

●この日記の更新はもちろん、久しぶりに「Smooth Jazz Song File」を書いてみたのですが、思うようにペンが進まず3曲でダウン(苦笑)。果たして、年内に無事365曲を書き上げられるのか、ちょっぴり不安になって来ました。これから年末にかけて、各種の書き溜め、録り溜め、が要求されて来ますからね。ま、ダメな時はダメでしょうがないですが....。

●夕方からランスと食事会。鐘ちゃんを含む、4人という小さなパーティーでしたが、これがかなり盛り上がりました。例によって、鶏系の店から始まって、その後、六本木のバーに行って。嗚呼、ハワイが恋しくなって来ました。もう、22ヶ月、行ってないですからね....。

 そのランスからいくつかのCD-Rを頂戴致しました。
 1枚はランス自身のもので、新曲数曲のデモ+『LA-Honolulu-Tokyo』の進化型数曲。アレンジをガラッと変えた全くのニュー・ヴァージョンあり、ヴォーカルだけ残してトラックを作り替えたものあり、で、非常に興味深く聴けました。いつか形にしたいです。
 それと、ドイツに生まれ、地元では作家として大活躍、そして現在はハワイで活動中というJoerg Alfterさんの曲も歌ものとインストものに分けて、CD-Rでデリヴァーしてくれました。かなり好い感じです、この人。AORと言うよりはアダルト・コンテンポラリー・ポップスですが、曲も声も非常に洗練されていてかなり好みです。http://www.joergalfter.com/で音が聴けますので、宜しかったら、訪問してみて下さい。
 そして、そのヨーグさんが作曲、プロデュースした女性シンガー:Sunwayさんの4曲入りデモも預かりました。10年くらい前にビクターから数枚アルバムが出ていた女性シンガーですが、その頃とは全然違うアダルトな路線で、知人曰く「ジェナイ辺りに通じる音だね」と。時間を見つけて売り込み活動に出掛けたいと思います。
「Smooth Jazz Song File」
(328)John Stoddart <Angel>
 from『Wings To Walk This Road』(2003:Reprise)


●2007年11月、東京:Kick Back Cafeで行われたカーク・ウェイラムの来日公演に同行したキーボーディスト&ヴォーカリスト、ジョン・ストッダート。玄人筋からは大いなる注目を集めている人で、そのカークはもちろん、ボニー・ジェイムス、デイヴ・コズ、ノーマン・ブラウン、アル・ジャロウ、セリーヌ・ディオン他、多くのアルバムで彼の名前を見つけることが出来る。また2000年には、カーク、ポール・ジャクソンJr.、アレックス・アクーニャらと共にスーパー・グループ:The Staffの一員としてアルバムも残している。ルーツはゴスペルながら、非常にヴァーサタイルな音楽性を持つ人で、キーボードも、歌も、どちらも完璧。しかも、作曲能力にも長けた、まさに天から授かった才能の持ち主だ。インディでは2枚のアルバムを発表し、1997年の1stは非常に"らしい"内容だが、唯一となるメジャー盤『Wings To Walk This Road』はまさに面目躍如たる仕上がりで、中でも結婚式で奥様にプレゼントしたというこのバラードは珠玉の出来映え。清く、甘く、美しく、を極めた、スタンダード的な名曲だ。

<11月23日(金)>

「今日の出来事」

●結局、今日も、修理から戻って来たパソコンの"再始動"に四苦八苦したあげく、私のパソコンの先生でもある近所の弟分(?)に電話で相談するも解決せず。しかも、彼とのスケジュールがなかなか合わないので、直ぐには家に来てもらえない状況。しょうがないので、引き続き当分はノート・パソコンをメインに仕事類を致すことに。と、言いつつも、今日もマイ・ペースで片付け作業。それでも、全然、進みません.年末までに何とかなるのでしょうか....

●そして夕方から出掛け、東京:仙川のKICK BACK CAFEで行われるカーク・ウェイラムのライヴを観に行きました。まず、凄い人! もう立ち見までぎっしり! チケット代が1万円を超していたり、場所がやや遠目なことも考え、どうかな....と、ちょっぴり不安に思っていたのですが、まずはこのオーディエンスを目にして「よっしゃ〜!」と心の中で吠える私。そして、そんな中、お店の方に席を用意して頂いたその直ぐ左隣りには平原綾香さんファミリーがいて、
「あ、どうも先日はありがとうございました!」
「いえ、こちらこそ。あ、うちの両親です」

といったやり取りがあり、一方、丸テーブルに同席している右側の可愛い女性もちょっと気になる私(笑)。どこかで見たことがあるような...。サックスの小林香織さんでした、ビクターからアルバムを発表し好評の。彼女のディレクター他、共通の友人も数人いるのでそんな話しを出しつつ、ご挨拶。
「スムース・ジャズ普及委員会に入って下さいね!」
私の連れのS氏が、"健全な勧誘"をしてくれました。

 で、肝心のライヴですが、もう、カーク色100%! オリジナルあり、ゴスペルあり、何あり、の。キーボード&ヴォーカルのジョン・ストッダートさんとのデュオなんですが、バンドではない分、カークさんのパーソナリティーがよりダイレクトに伝わり、これぞ、ジャンルを超えたカーク・ウェイラム・ミュージック!を痛感させられました。テクニックだなんだ、ではなく、ハート、人間性、メッセージ、これらが前面に出る音楽。染み渡ります。深〜く、深〜く。
 敬虔なクリスチャンとしても知られる彼のメッセージは、MCの際もちゃんと日本語通訳を会して聴衆に伝わりましたし、そういったストーリー、曲のエピソードを聞いてから曲を聴くと、その聴こえ方が全然違ってくる、効果覿面、という感じで、多くの方が静なる感動の涙を流していました。
 終演後、カークさんに再会のセイ・ハローをし、ジョンさんにもご挨拶。ジョンさんは2003年にRepriseから発表したアルバム以外にもインディ盤が2枚ある(除く、クリスマス盤)のですが、それも購入(彼のサイトでは前から見ていたのですが、今回漸くゲット!)。ニコニコ顔の私です。彼は本当に才能があり、しかも、人柄も無茶苦茶好い感じ。今後の活躍にも大きな期待を寄せています。
 その他、R&B系の評論家の大御所を2人発見。久々に会話出来たのも嬉しかったです。そして、スムース・ジャズ普及委員会のS氏、及び、カークを崇拝するサックス奏者のmichiyoさん(なんと、出産のために福岡に帰っているのですが、7ヶ月の身重もなんのその、このライヴのために本日、飛行機で上京しました!)と3人で駅近くの居酒屋に入り、サクッと呑み。小一時間盛り上がり、幸せ気分で帰宅しました。

「Smooth Jazz Song File」
(327)Nite Flyte <Lift Off>
 from『Ascension』(1998:Passion Jazz)


●ナイト・フライトと言っても、もちろん、<If You Want It>や<You Are>で知られるハワード・ジョンソン&サンディ・トラーノのグループとは別物。PerceptionやAct Of Faithといったグループで活躍したUKのギタリスト&プロデューサー、トニー・キャンベルが主宰するユニットで、ロンドンのアシッド・ジャズの流れをアメリカのスムース・ジャズへと移行させる、見事な橋渡し役を果たしている。Passion Jazzから出た初期の2枚はアメリカではお馴染みInstinctからリリースされているが、タイトルは1stのままでジャケットは2ndのものをベースに制作。さらに、アメリカのラジオ向け用にと新たに<Open Your Heart>を追加収録する念の入り用。その甲斐もあり、ラジオではトップ10ヒットも生まれる好リアクションを得ている。曲の好さ、ツボを得たアレンジ&プロダクション、この2つは他の追随を許さないほど見事なもので、今回も選曲に頭を痛めたが、サックスとヴァイブがキャッチーな旋律をユニゾンするこの曲に落ち着いた。Soundscape UKと双璧を成す、絶品の英国サウンドが堪能出来る。

<11月22日(木)>

「今日の出来事」

●朝からしっかりCDの片付け。は、好かったのですが、わずか中1日でデスク・トップ・パソコンの修理が完了。早速、電源を入れてみると、ああ、やっぱりハード・ディスクは新しくなり、その分、以前のデータはすっからかんになっていました。ま、ノートからまた移し戻せば問題ないだろう、と、余裕で構えていると、これが、テキスト類は簡単に移せるも、肝心のインターネット系がどうにも戻らない....。まさか、1からパスワードだ何だを打ち直すのもなんだし、いや、絶対に的確なコピー手段があるはず、と、アップル・ケアに相談するも、またまた50数分掛かって進歩無し! もう時間も無いので、明日、また読み込ませ直し(2時間掛かります、データの移し替え)、ということで、本日は断念。夜の街に吸い込まれていく私です。

「Smooth Jazz Song File」
(326)Hil St. Soul <Until You Come Back To Me>
 from『Soul Organic』(2000:Dome)


●ヒル・ストリート・ソウル。ザンビアに生まれ、5歳の時に家族共々ロンドンへと移った黒人女性Hilary Nwelmaをフロントに据えたグループの名前で、2000年に1stアルバム『Soul Organic』を発表。その後、2002年に『Copasetik & Cool』、2006年に『SOULidified』とリリースし、後の2枚はビルボード誌のTop R&B/Hip-Hop Albumsにランク・インを果たしている。また、スムース・ジャズのステーションでも、非常に好意的な受け止め方をされており、アメリカでも確実にそのポジションを築き上げているアーティストだ。オリジナル曲ももちろん悪くはないが、1stに収められたスティーヴィー・ワンダー作によるこの曲、そして2ndに収められたアイズレー・ブラザーズの<For The Love Of You>など、アルバム1枚につき"1曲"集中、なカヴァーもしっかりとしたスピリットが込められ、かなりの仕上がり。特にこの曲はイントロから好い感じのエレピ系が鳴り、抜群の好感度を醸し出す。アルバムにはアコースティック・ヴァージョンも収められているが、アレンジはもちろん、キーまで違う、全くの別テイク。その聴き較べもまた楽し、だ。

<11月21日(水)>

「今日の出来事」

●昨日出来なかった「Adult Oriented Radio」 の検聴・Qシート書き・発送を済ませ、そしてこちらも昨日の続きで、CDの整理。中田のように、ケースを捨てて、盤、ジャケット、バック・カヴァーの3点だけをヴィニールに入れて保存、という方法ですと、よく、その3点がバラバラになってしまうんです。加えて、番組収録の時は、そのうちの盤とジャケットだけを抜き出して持っていくので、これが、よく迷子になるんです。あれ〜、バック・カヴァーが残っているヴィニールが見つからない、と。その、まるで、神経衰弱的な行為(?)にも時間が掛かり、あらあら、今日も夜に。ま、今週は、特に忙しくない週なので、問題はございませんが....。

「Smooth Jazz Song File」
(325)David Garfield & Friends <Let's Stay Together>
 from『Tribute To Jeff』(1997:Pony Canyon)


●フュージョンとAORの中間に位置するL.A.のキーボーディスト、デヴィッド・ガーフィルド。カリズマやロス・ロボトミーズの中心メンバーとして、また、ナタリー・コール、ジョージ・ベンソン、オリータ・アダムス他、様々なビッグ・スターのバック・メンバーとして各地を旅する忙しい存在だが、これは10数年間親交を深めたワン&オンリーなドラマー、故ジェフ・ポーカロに捧げたトリビュート・アルバムからのキー・トラック。ジェフを尊敬してやまないミュージシャンが物凄い数参加し、それを纏めるという作業でプロデューサーとしての手腕を見事に発揮している。日本のポニー・キャニオンに続いて、アメリカではコアなフュージョン系で知られるZebraから発売。ラジオ・プロモーションにしっかりと力を注ぎ、L.A.のWAVEステーション:94.7FMでも数え切れないほどこの曲を耳にした。曲はもちろんアル・グリーンのカヴァーで、マイケル・マクドナルド、デヴィッド・パック、ドン・ヘンリー、リチャード・マークス、ビル・チャンプリン他、超豪華な顔ぶれが素晴らしい喉を披露している。