<2月10日(日)>

「今日の出来事」

●午前中は、インターネット・ラジオでSmooth Jazzを聴きながら、またまた、Smooth Jazz Songlistに楽曲をどんどんと追加。趣味とも仕事ともとれる、最も楽しいひと時です。そして、午後から2枚組コンピ盤『California Oceangroove』のライナー書き。3月末にソニーさんから出るAOR系のコンピで、今日はそのプロローグをああでもない、こうでもない、と。基本的に有名曲しか入っていない、それも、ボズとTOTOの競演コンサートにターゲットを絞ったものなので、マニアックなナンバーは皆無。40代の女性をターゲットにした「こういうの、あの頃、よく聴いてたわ」的な作品です。Daytime SideとTwilight Sideの2枚組になっています。いかにも、な、イラストのジャケットで勝負! です。

「Smooth Jazz Seduction」
(041)続・Smooth Jazz Song File(6)
 Alfonzo Blackwell <Funky Shuffle>
 from『Reflections』(2001:Shanachie)


●N.Y.生まれの黒人サックス奏者、Alfonzo Blackwell。John ColtraneやCannonball Adderey、Sonny Rollinsなどに影響受け、4ビートを吹かせてもかなり硬派にアルトを吹きまくるプレイヤーだが、自らのアルバムではソプラノをメインにしたブラコン風サウンドを前面に出している。多くの打ち込みを自ら手掛け、それが時にチープな感じを与えなくもないのだが、作風やメロディそのものは非常に親しみ易い。本国での人気はなかなかのものがあり、1995年のデビュー作がビルボードのContemporary Jazz Albums チャートで14位を記録。その後も2ndが同チャートで7位、3rdが14位、5thが12位、6thが17位と非常に安定した数字を残している。中でも、2001年に発表した5作目『Reflections』はDavid Mannがプロデュースで参加し、その旨味をワン・ランク上に導いた。特にこの曲はRadio & RecordsのSmooth Jazz チャートで年間12位というスマッシュ・ヒットを記録した。

<2月9日(土)>

「今日の出来事」

●火曜日収録の「Adult Oriented Radio」の選曲。そして、「Smooth Jazz Seduction」の原稿を数本。やっと追い付きました。そして、久々に、「Smooth Jazz Songlist」にいろいろな曲を追加。最近買ったアルバムからの曲をいろいろと加え、いつでも出動体制(?)OKです。

 そして、中1日でまたまた今日も夕食を担当。シンプルにハンバーグを作るも、結局、ベーコンも乗せてチーズも乗せてソースはオリジナルで作って....な感じで楽しみました。後は。渡り蟹の"漬け"を作ったり、最近、2〜3回に1回は取り入れようとしている黒酢料理から中華系(?)の炒めものをやったり。あ、初めて、スーパーで買って来たスルメイカ一杯を自分で下ろしたのですが面白かったです、全然難しくなく。

 午後から降るのでは?と言われた雪は結局、深夜になってから落ちて来ました。ま、落ちて来た、という程度で積もるというレヴェルではなかったですが。

「Smooth Jazz Seduction」
(040)Where to Purchase Smooth Jazz CDs
 Pamela Williams
 『The Pamela Williams Collection』(2008:Pamela Williams)(format:CD-R)


●Smooth Jazz のCDを入手する際、一番、確実なのはやはり、HMV、Tower Recordsに代表される外資系のCDショップになるだろう、それも、インターネットでオーダーすればより豊富なタイトルを入手することが出来る。また、インターネットで言えば、やはり、Amazon.co.jpも¥1,500以上送料無料、といった打ち出しで非常にリーズナブル。また、中古CDも豊富に入手出来るメリットがAmazon.co.jpにはある。そしてその本家アメリカ版Amazon.comに行けば、中古のタイトルがさらに何倍にも膨れ上がるが、送料がそれなりに嵩むので、合計金額でいくらになるか、その見極めはしっかりとしておきたいものだ。また、Smooth Jazz 系のCDでも、英国ものはAmazon.comで捜すと総体的に入手がやや難しめ、あるいは、値段が高めになってしまうが、逆に、Amazon.co.ukに行くとすんなり購入出来る場合も少なくない。送料はアメリカの約¥750よりも高い、約¥1,000になってしまうが、それでも臨機応変でチャレンジしたいものだ。
 それから、インディ系の Smooth Jazz は、CD Babyでいろいろなものが見つけられる。インターネット・ラジオでプレイされるマイナー系アーティストの多くがCD Babyと直結しており、そこでは試聴も出来るので、最終的な購入のするしないもしっかりと決断出来る。CD Babyはインディの味方故にCDもCD-Rで販売しているものが少なくないが、その表記もちゃんとされているのでそれも併せてチェックしたい。
 なお、日本のCDショップで特に何処が Smooth Jazz に力を入れているかを把握するのは難しいが、販売担当者の熱意、という意味では、恵比寿の駅ビル:Atreに入っている新星堂が非常に好感が持てる。壁面に多くの作品をディスプレイし、場所柄OLさんが多く購入して行く、とのこと。なんとも好い話しだ。

<2月8日(金)>

「今日の出来事」

●午前中は父親の買い物の運転手で、御徒町の安売り店:多慶屋へ。父の趣味のひとつがインコを飼うことなのですが、最高に多い時で約70羽、そして、今でも40羽は居ると思われるので、毎月の餌代が結構掛かるのです。ですので、一俵(?)に20袋入っているのをまとめ買いして来てetc.、です。行きも帰りも、有名な湯島のラーメン店「大喜」の前を通るのですが、11時半頃通った帰路では実に30人くらいが行列していました。3年くらい前に夜の部で6時くらいに入った時はガラガラだったんですけれど、昼はスゴイですね....。それに反して、12時頃通った池袋の「なんつっ亭」、空いてはいなかったですが、1人も行列してなかったです....大人気だって聞いたのは間違い???

 午後は「Smooth Jazz Seduction」の原稿を書いたり、またまた、明日の夕食作り担当になったので、今日のうちに買い物を済ませてしまおう、と。明日は午後からまた雪になる可能性大ということなので、な生活でした。まさにマイ・ペース。明日から3日間はちゃんと仕事しますので。

「Smooth Jazz Seduction」
(039)Smooth Jazz Label File(6)〜 Higher Octave 〜
  Craig Chaquico
 『Panorama : The Best Of Craig Chaquico』(2000:Higher Octave)


●1980年代前半に大きなブームを呼んだNew Age Music。その主役がWindham Hillであり、そこの看板ピアニスト:George Winstonであったことは誰もが認めるところであろう。アンビエントな独特の空間は、環境音楽、という名称でも括られ、昨今で言うヒーリング・ミュージックの礎にもなっている。そんなWindham Hill(発足は1976年)に追い付け追い越せと、その後、いろいろなレーベルが頭角を現し、New Age Musicのシーンをさらに大きなものへと導いていくが、David Lanz擁するNarada(1983年発足)、Yanni擁するPrivate Music(1984年発足)、に続いて登場したHigher Ocatve(1986年発足)は、その後のSmooth Jazz シーン形成に大きな役割を果たしている。
 このコラムの初期に記しているが、1987年2月14日、L.A.に開局したFMステーション、WAVEの基本コンセプトは、New Age Music、Contemporary Jazz、Vocal Music、この3つの巧みな融合、であった。アンビエント過ぎてもいけないし、インプロヴィゼーションが多過ぎてもいけない。かと言って、他の局でもかかるようなポップな歌ものが多いのも没個性になってしまう。そのバランスの妙でWAVEが大きな成功を収めた事は改めて言うまでもないが、それによって、それまではラジオからのヒットなど考えなかったであろうアーティストが、よりキャッチーな楽曲を書くようになる、あくまでも自分のスタイルを崩さずに。その最もたるアーティストが、このHigher Octaveのギタリスト:Ottmar Liebertで、"ヌーヴォー・フラメンコ"と称した彼のスタイルはまさに当時のSmooth Jazz フォーマットのど真ん中に位置した。
 その後、Higher Octaveは様々なアーティストを世に送り出し、また、JourneyのNeal SchonやJonathan Cainのように、それまでの路線とは違うスタイルを発表する場としても実に大きな貢献を果たしている。特に、その新たなるサウンド提示の場、として、レーベルの方向性と最も合致し、かつ、成功を収めたのがギタリストのCraig Chaquico。ご存じ、元Jefferson Starship〜Starshipので、当然の如く当時はエレクトリックをシャープに鳴らしていたのだが、1993年にHigher Octaveとソロ契約してからは金属的なアコースティック・サウンドに拘り、一聴して彼と解る独自のスタイルを築き上げた。
 他にもWilliam Aura率いる3rd Forceが、Smooth Jazz のフィールドで大きな人気を獲得。また、2000年代以降はAcoustic Alchemyもここに移籍し、セールス的にも確実な数字を残しているが、現在はNaradaに吸収され、レーベルそのものが既にクローズ状態となっている。

<2月7日(木)>

「今日の出来事」

●今日はなんだか1日ボ〜ッとしてました。午後は夕食担当で、今夜はおでんに決めたので早くから仕込みを開始し、何してこれして。まー、出来としては、今ひとつ、でしたね....。市販のおでんの出汁の素、みたいのは使わない、天然の出汁で勝負、が、私のポリシーなんですが....ちょっと空振りでした。

 昨日届いた Smooth Jazz 系の新作、2枚とも堪能しています。
 1枚はPaul Hardcastleの『Hardcastle 5』。基本的に相も変わらず、なんですが、でも、新しい面もちらっとあり、なにより安心して聴けるのが嬉しいです、オシャレ系ですし。
 そしてもう1枚はサックス奏者Jaaredの『Addiction』。Richard Elliotによく似たルックスの人で、男気を感じさせるプレイもElliotさんそのまま。楽器こそ、テナーは吹かず、アルトとソプラノだけですが。で、これが、今までの3枚の中で圧倒的に大傑作。その理由は、と言いますと、プロデュース&共作がOli Silkだからでしょう、<Easy Does It>のヒットを持つ、英国出身のキーボーディスト。そのOli Silkのソロ作『So Many Ways』でJaaredさん、何曲かフィーチャーされていたのですが、そんな流れからでしょうかね、Oliと同じTrippin' N' Rhythmからのリリースになっています(Paul Hardcastkeも同じレーベルです)。ゲストは特に凄くないですが(Steve Oliverくらいでしょうか)、曲が好く、また、Jaared自ら歌うJermaine Jacksonのカヴァー<You Like Me Don't You>がこれまた素晴らしい仕上がり。歌もイケる、はなかなか美味しいポイントです。早速、知人のSmooth Jazz愛好家さんにメール。オマケで数曲ファイルで送ったところ、直ぐに喜びのレスポンスが。そう、このアルバム、かなりにグッドです。

「Smooth Jazz Seduction」
(038)Smooth Jazz Chart(6)
 Boney James <Let It Go>
 from『Shine』(2006:Concord)


●Radio & Records 誌の Smooth Jazz Chart はまたまたBoney James<Let It Go>が首位に返り咲き。これで3回目のNo.1になるが、過去2回はいずれも2週連続とは行かなかったので、今回こそトップの座を死守したいところだ。そんな中、予想通りに強力な追い上げを見せているのがPaul Hardcastle<Lucky Star>。2月5日にリリースされた最新作『Hardcastle 5』からの1stシングルだが、先週の5位から今週3位に浮上。まさに無駄なし、品好く、の完璧なHardcastle節をなびかせているので、今回もNo.1になることはまず間違いない。それが次週か、はたまた、さらにその次か、注目したいところである。
 その他では、先週20位に初登場したKenny G<Sax-O-Loco>が今週はいきなり10位まで上昇。近年、ここまで素早くジャンプ・アップしている曲はないので、この曲も十分にトップの座を狙える存在と言えよう。また、Everette Harpの<Old School>も12位から8位に上昇。こちらも、トップ5は手堅そうな勢いだ。
 初登場組ではRick Braun & Richard Elliotの2ndシングル<Better Times>が25位に顔を見せている。比較的シンプルな曲調のミディアム・アップ・チューンだが、ホーン2本で奏でるメロディは、かつての伝統的なジャズ・コンボにおけるアンサンブルを思わせるもので、聴き込むに従ってハマっていくタイプの曲だ。
 そしてもう1曲、Michael McDonaldの<(Your Love Keeps Lifting Me)HIgher And Higher>も26位に初登場。Michaelは23位にも<Walk On By>がランク・イン(登場4週目)しているが、この票割れがどう出るかは微妙なところ。何れも、3月頭にリリースされる『Soul Speak』(Motown)に収められているものだ。

<2月6日(水)>

「今日の出来事」

●恥ずかしながらの二日酔い....。しかも、またまた雪で寒さが沁みる1日。しかしながら、夜の食事会はホットに盛り上がりました、というか、私だけが飛ばしていた感もありますが...。
 メンバーは作曲家&アーティストの林哲司さん他、計5名だったのですが、音楽好きの集いだったので、洋楽アーティストの名前が次々に登場し、そして、ジャネット・ジャクソンの新譜が出ますね、という話しになった時、思わず私は林さんにこう訴えるのでした。
「ジャネットの<Together Again>っていう、結構、前の曲、(林さんの書いた杏里さんのヒット曲)<悲しみがとまらない>によく似てますよね」
 林さんはどの曲だか思い出せなかったのですが、iPodにジャネットの曲が入ってる、という人がいて、それを林さんが聴くと、「あ、ほんとだ! 歌の前はボズの<Lowdown>だし」と、目が輝き、どれどれ、と残りの人たちもそのiPodで回し聴きし、皆で「うわ〜、知らなかった!」と盛り上がり、「よし、これで、ジャネットを訴えましょう!」と宣う私。

「Smooth Jazz Seduction」
(037)女性の Smooth Jazz Artists
 Keiko Matsui
 『Deep Blue』(2001:Planet Joy)


●AORの世界ほどではないが、やはり、圧倒的に男性アーティストが多いSmooth Jazz のシーン。確かに最近は少しずつフロントに登場して来ているとは言え、バリバリにギターを弾き、ドラムスを叩き、サックスを吹き、というフィーメイルはそう多くはない。本来はもっといてもおかしく無さそうなキーボードでさえ、やはり、成功者の大半は男性である。結局は、Anita Baker、Sadeに代表されるように女性が一番目立つSmooth Jazzのフィールドはヴォーカルになってしまう、ということか。
 そんな中、Smooth Jazz の各種アワード系でBest Female Artist of the Year の常連となっているのが我らがKeiko Matsui。最も権威のあるNational Smooth Jazz Awards においても2000年と2001年の2年続きで同賞を受賞し、2001年のアルバム『Deep Blue』はビルボード誌のContemporary Jazz Albums のチャートでトップの座も獲得。スーパースターの仲間入りを果たしている。
 その他でチェックすべきやはりサックス勢であろう。日本でもお馴染みのCandy Dulfer、そして、ポスト・キャンディーの座を狙う(?)Mindi Abair。Mindiは歌ものでも勝負出来るところが将来的にセールス・ポイントになるのではないだろうか? そして2人に続くサックス奏者としてはグラマラスなセクシー系、Pamela Williamsも安定した人気を獲得している。そして、話題のニューカマー、Jessy Jの活躍にも大きな期待を寄せたい。Paul Brownがプッシュするという実力は、3月にリリースされるアルバムで明らかになる。興味津々。
 その他の楽器では、ギターのJoyce Coolingの健闘が光る。ピックを使わず全て指でプレイするまろやかなトーンが、メロディアスで軽快な楽曲と非常によくマッチしている。また、渋いところでは、Norman Brownバンドのキーボーディスト兼ミュージカル・ディレクター、Gail Jhonson(JohnsonではなくJhonson)も中々に才能を秘めた逸材だ。そして、エレクトリック・ハープのLori Andrewsは日本でもアルバムが出ているその筋ではよく知られた存在。また、フルートのヴェテラン:Sherry Winston、そして、中堅のAlthea Reneも確実に評価出来る実力派。今後も華やかな女性の登場、活躍に期待したい。

<2月5日(火)>

「今日の出来事」

●朝から「Adult Oriented Radio」の検聴、Qシート書きをさっと済ませ、午後はアドリブ誌の原稿書き、最後の1本。5日に書いているようじゃあ本来は顰蹙ですね、はい。毎回、来月こそは早めに済ませよう、とか、思うんですが....。

 夜は地元で鐘ちゃんと呑み。2人だけで呑むの、久しぶり、でした。ここのところ、3人、4人、が多かったので。でも、なんだかあっち行ってこっち行って、で、たらふく呑んでしまい、ギヴ・アップ寸前。それでも、締めのラーメンを啜ってしまう私はなんだか愚か者にも思えて来ました。でも、久々に行った大山のラーメン、美味かったです。3年くらい行ってなかった気がしますが、こんなに美味しい塩ラーメンを提供していたとは〜! 熱々でとにかく冷めないスープは寒いこの季節にピッタリ。そして、また、気持ち縮れの太麺がこれまたバッチリ合うんです。これからも、夜食代わりに夜な夜なチャリで出没しようかしら....等と、さらに、不健康な道を歩みそうな中田でした...。

「Smooth Jazz Seduction」
(036)Smooth Jazz Trivia(2)
 Rick Braun <Love Will Find A Way>
 from『Body And Soul』(1997:Mesa/Bluemoon)


●昨日の続編、「このアーティストはこのパートを演らせても天下一品!」、の第2回。
 Larry Carltonにもかつてはヴォーカル・アルバムが存在するが、ソロ・デビュー作が実は完全なる歌ものだったのがトランぺッターのRick Braun。日本単独でテイチクから発表した『Gypsy Lady』(1984年)がそれだが、その後もREO Speedwagonにヒット曲を提供するなど、ジャズマンとして成功する前にまずは、シンガー、ソングライターとしてのスタートを切っていた。トランぺッターとしてブレイクしてからはアルバム『Body And Soul』に収録の自作曲<Love Will Find A Way>でヒューマンな歌声を披露している。
 そして、実は結構歌う、というサックスマンがWarren Hill。1990年代後半のDiscovery在籍時はかなり積極的に歌い込んでいた、それもジャズではなくかなりロックなフィーリングで。元々はハード・ロック・バンドで歌っていた、というのがよく解る一幕だ。
 その他で、ファンにはお馴染みの二刀流がBrian Culbertsonのトロンボーン(メインはキーボード)、そして、ここ何年もずっとレコーディングで弾いているJeff Lorberのギター(こちらも本業はもちろんキーボード)。何れも、ただ演奏するだけでなく、自らの音楽の幅を広げる意味で、非常に効果的な存在になっている。

<2月4日(月)>

「今日の出来事」

●午前中から「Adult Oriented Radio:AC #1 Hits Inside Stories」の翻訳、そして、午後から出掛けて収録。5時半前に終わったので、今日は久々のラーメン・ツアー。2軒とも美味しかったし、雑誌で紹介されている所なので、実名&正直な感想で行きましょう。

 まずは、新宿南口から5分くらい歩いた所にある「風雲児」。昨年の秋だかに出来た、まだ新しめの店ですが、少し前に出た「DANCYU」のラーメン特集で表紙に載っていた、というのは非常に大きく、これは食せねば、と思っていました。
 売りはつけ麺のようですが、夜の部だけ、しかも、15食限定という「かまたまーめん」、これが今静かな注目を集めています。いわゆる、讃岐うどんにおける「釜玉」のように、熱い麺に卵と生醤油、というスタイル。もちろん、チャーシュー、メンマ、他の具はあります、別皿盛りで。で、これがまたモッチリ太麺で非常に美味なのですが、麺を半分くらい食べたところで店員さんに声を掛けると特製スープを出してくれて、これをその汁無しだった「かまたまーめん」にかけて食べる仕組み。ですので、後半は和風豚骨のラーメンへと変身。これがまた喜び倍増です。お値段¥800は、全然お値打ち。ちなみに、色黒、やや長めの髪の店主は、ホスト風(?)とも言えるイケメンですが、言葉遣いが異常に丁寧で、一歩間違うとあっち系かと思われそう....。「DANCYU」の記事によると、元々はイタリアンで修行をした人だとか....。また行きたいです、今度は、普通のつけ麺かラーメンで。

 十分な量だったので、このまま帰宅しても全然問題無かったのですが、折角だからもう1軒。ならば、ここから20〜30分、歩いて行ける立地が食後の運動的にもちょうど好いのでは? と勝手に判断し、京王線幡ヶ谷にある「そばはうす不如帰(ほととぎす)」に。これが、六号通りという商店街を抜けて、途中を左折した左側にあるんですが、もう、目立たない地味な所なので、かなり探しちゃいました。で、ここはオリジナルのハマグリ味のスープが美味、と評判を呼び、昨年11月の「東京1週間 ラーメン・オブ・ザ・イヤー」でも見事に醤油部門の賞に輝いています。で、ようやく、初来店。店の作りは完全に元はカフェかバー、という感じでした、椅子からナニから。で、1杯1杯丁寧に若めの作るマスターの作品、しかと堪能させて頂きました。スープを一口啜った時の印象が「あ、食べたこと無い味!」、そして、麺も細いながらしっかりと噛み応えのある名品。マニアックな立地のせいでしょうか、それとも、午後6時過ぎという時間帯のせいでしょうか、お客さんは2人しか目撃出来ませんでしたが、ずっとずっと続けて欲しいお店です。因みに、このスープだったら、醤油より塩ラーメンの方が合う気がするので、今度は、それを食したいと思います。
P.S. 考えてみたら、私は卵入りをオーダーしたのに、卵が入っていませんでした....しかも、店を出て歩き出すまで気が付かなかった私、そして、店主。わざわざ引き返して、も、なんなので諦めちゃいました。今度、サーヴィスして頂きましょう、っと。私の風貌、ちょっちやそっとじゃ忘れられないでしょうから(笑)。

 流石に、ハシゴしたので十分腹も重くなりました。と言うことで、家まで2時間くらい(?)歩いて帰ろうと果敢に歩き出すも、中野の手前で小雨がポツリポツリ。おっ、と思い、地下鉄に乗ってしまったのですが、それでも、トータル1時間半近くは歩いているので好しとしましょう、収録用の素材一式も結構重いので、ただ単に歩く、というよりは十分運動になるので。逆に、明日、足腰痛かったら拙いですが<笑>。

「Smooth Jazz Seduction」
(035)Smooth Jazz Trivia(1)
 Bobby Lyle
 『Journey』(1990:Atlantic)
Bass : Gerald Albright


●全くの偶然かもしれないし、あるいは、一芸に秀でる人は多芸を制す(?)なのか、Smooth Jazz のスーパースターは十八番のパート以外にも別の楽器を巧み操るパターンが少なくなかった。
 例えば、サックスのBoney James。彼がバック・ミュージシャンとして参加した初めてのメジャー・ツアーは元Timeのヴォーカリスト:Morris Dayだったが、その時はサックスではなくキーボーディストとしてそこに参加。たまたま空き時間に吹いていたサックスが気に入られ、ツアーの途中からサックスも披露するようになり、その後、本格的にサックス奏者としていろいろなアーティストをサポート、そして独り立ちへと繋がって行く。彼が、コンポーズはもちろん、アレンジ、プログラミングで優れた才能を発揮しているのは、そういったキーボーディストとしての実績があるからと言って好いだろう。
 そして、同じように、有名アーティストのツアーに最初はキーボードとして参加した、というのが人気ギタリスト:Peter White。まだL.A.に移る前の英国時代、Al Stewartのオーディションに合格し、その後、ギターも達者だということをアピール。ギタリストとしてソロ・デビューを飾ってからもアルバムでキーボードはよく弾いているし、Basiaのライヴに同行した際も、アコーディオンを巧みに操っていた。
 そして、ライヴで本業以外の楽器を披露し、拍手喝采を浴びる人と言えば、そう、Gerald Albright。彼は元々サックスを吹いていたが、Louis Johnsonのサンダー・ベースを目にした瞬間、大いなる衝撃を受け、その楽器をマスターするようになっている。そして、サックスで参加したとあるバンドのツアー中、途中でベース奏者が参加出来なくなると自らがその代役を買ってで、残りのツアーを滞り無く済ませた、という話しがある。以後も、ベースを弾く機会は極めて多く、自らのライヴでスラッピング・タイムを設ける他、1990年前後のBobby Lyleの作品他、ベースだけで参加したセッション・アルバムが少なくないほど、その腕前はL.A.のスタジオ・シーンで広く知れわたっている。

<2月3日(日)>

「今日の出来事」

●朝起きると、結構な雪。2週間くらい前の「今夜から明日にかけて都心でも雪が積もるでしょう」予報こそ大きく外れましたが、全体的にはかなりの確率で当たりますね。今回も見事的中。普段は温風マットこそオンにするものの暖房(ヒーター)は点けない私が流石に今日はオンせざるを得なかったというか....でも、1日トータルで1時間は点けていませんが。

 そんな今日はアドリブ誌の残りの原稿をいくつか書き、そして、明日収録の「Adult Oriented Radio」の選曲&進行表作り。後半1時間はバート・バカラック来日特集。もちろん、AORなテイストで。

「Smooth Jazz Seduction」
(034)続・Smooth Jazz Song File(5)
 Yellowjackets <Matinee Idol>
 from『Yellowjackets』(1981:Warner)


●昨年、「Smooth Jazz Song File」用の365アーティストをセレクトした際、Yellowjacketsを入れるかどうか最後まで頭を悩ませた。L.A.のフュージョン・シーンを語る時、彼らの存在を外すわけにはいかないが、彼らが追求している崇高なContemporary Jazzは、ポップス感覚で聴けるラジオ向けの楽曲とは違う次元位置する。故に、楽曲の選定自体が非常に難しい。Michael Franksが歌った<The Dream>? Bobby Caldwellが歌った<Lonely Weekend>? どちらも、Adult Contemporaryとしては素晴らしいが、Smooth Jazz の質感とは若干異なる気がしてしょうがない。むしろ、<Daddy's Gonna Miss You>や<Homecoming>といったインスト曲のほうがフィットするだろう....そんなことで頭を悩ませていた時、ラジオからこの曲が流れて来た。そう、これだ! Tommy LiPumaがプロデュースを手掛けた記念すべき1stアルバムの、それも1曲目。胸のつかえが取れた。

<2月2日(土)>

「今日の出来事」

●午前中はマイ・ペースに過ごし、午後はアドリブ誌「AOR通信」の原稿書き。今回は<特集>が3月5日発売の『Jeff Porcaro Session Works』で、下はいろいろと、細かなニュースを。その他は特に....でしたね....。

「Smooth Jazz Seduction」
(033)Smooth Jazz Internet Radio Stations
 Nyee Moses <Between Us>
 from『Nyee Moses』(2006:Nyee Moses Music)


●Internet Radio Scene は世界的にかなり活発化されており、特に、iTunesであらゆるジャンルの音楽を楽しむことが出来る。もちろん、改めて言うまでもないことだが、これにハマってから、Smooth Jazz のCD購入はさらにエスカレートしてしまった。昨年で言えば、Nyee Moses<Between Us>などは間違いなくここで出会ったのだから。
 それでは、それぞれのステーションの聴き所と個人的な評価をここに記してみよう。
Bay Smooth Jazz : 現在一番気に入っているステーション。L.A.のWAVE等と較べると、圧倒的にポップ・ヴォーカルの比率は小さく、初心者には結構マニアックに響くかもしれないが、選曲のセンスは非常に好く、都会的。On Air リストが無く、現在かかっている曲しかインフォメーションを得られないのが難点だが、それを除けば特に問題はない。ジョージア州から発信している模様。
Absolutely Smooth Jazz on Sky.fm : 2000年にN.Y.でスタートした人気ステーション。iTunesでは、通常のSmooth Jazzが聴けるが、その他、HPを見るとUptempo Smooth Jazz というチャンネルも設けられているので、気分によってその2つをテレコで聴くのも悪くないだろう。マニア度は解りやす過ぎず、難し過ぎずのちょうど好いバランス。中級者ならば恐らく名前は知っているであろうアーティストの曲が大半で、妙にインディーな人はあまり出て来ない。
SmoothJazz.com : iTunes内では最も人気を得ているのではないかと思うステーション。何より、そのシンプルで解り易いステーション名が初心者に入って行き易い。ただし、かかっている曲はその人気を上手く反映させたHP内の広告とリンクし過ぎて、商業ペースが強すぎる気がしないでもない。ただし、逆に言えば、新譜系のイチ押し楽曲が繰り返し流れてくるので、今の旬な曲が何なのか、(耳というよりは)身体で理解出来る。尤も、タイアップ重視故、Radio & Records の Smooth Jazz Chart には入れないようなインディーな曲が多く、内容的には多分にマニア寄り。ただし、On Air リストも常に10曲前後が掲載され、そこからダウンロードやCD購入にワン・クリックで行けるので使い勝手はある。
SmoothLounge.com : Chill Out系のアンビエントなSmooth JazzをマニアックにOAするステーション。如何にもラジオ向きな爽やか系サックスが苦手な人はむしろこちらのステーションを愛聴するのではないだろうか? 気分転換や就寝時には悪くないが、昼間、仕事をしながらバックにかけるBGMとしてはマニアックかつ無機質すぎる気も....。
The Source : Smooth Jazz And More Radio : 有名アーティストの中にインディ系を程良く挟み込む、なかなかに凝った選曲が楽しめる。ただし、HPの面白さが今ひとつと言えなくもない。折角、10曲分のOAリストが載っているのに、現在かかっている曲以外はアルバム名や購入モードに移行出来ないようだし。
 他にもいろいろあるが全てを解説するのは困難なのでこの辺りにさせて頂こう。WAVEはiTunesでも聴くことが出来るが、音質はかなり悪いので、聴く際はあくまでも曲の内容そのものを楽しむようにしたい。

<2月1日(金)>

「今日の出来事」

●今日は結構スッキリしてます。多少は落ち着きを取り戻せたというか....ですので、この日記を書き始めたのですが、でも、逆に、活字にすることによって昨日、一昨日を振り返ると、やはり、涙が浮かんできちゃいます。そして、あ、そう言えば、現在は名古屋のFM局で仕事をしているかつての私のアシスタント、彼も、渡邉直彦さんを師匠として崇めていた1人なので、伝えるべきだろうと短いメールを送ったところ、直ぐに電話を掛けて来ました。彼もあまりに突然のことに気が動転して....

 午後からは、「Smooth Jazz Seduction」の原稿も書き出し、さらに、アドリブ誌のレヴューも2本。
 1本はマリリン・スコットの新作『いつもさよならを』。Venus Recordsから出る初のスタンダード集で、録音はN.Y.で2日間。バックはお気に入りピアニスト:サイラス・チェスナット他の5人で、いわゆる、一発録りだと思いますが、全然、歌は安定しています、なんか、フィーリングは最高だけれど、ピッチが今ひとつ、という印象がどうしても抜けない彼女ですが、全然、そんなことなく安心して聴けました。ただ、マリリン・スコット・ファン、および、女性ジャズ・ヴォーカル・ファンは歓迎でしょうが、ポップス・ファン全般にお薦めしたいか、というと....
 そんな意味では、もう1本のトレインチャ『フール・スピーク・フォー・ラヴ』のほうが、受けは好さそうな気がします。内容はバート・バカラックのソングブックで、1曲バカラック自身の書き下ろしも収録されている、という優れもの。トレインチャはオランダの女性で、Blue Noteのアーティストなんですが、歌が素晴らしいです。そして、パトリック・ウィリアムスによるプロデュースも非常に手堅く、とにかく楽しめました。早速、番組で使ってしまいましょう、バカラックさんの来日記念特集を組むので。

 夜は、水中花の新年会。もう、2月に入ってしまいましたが、この日しか皆が集まれる日がなかったということで、遅まきながら「明けましておめでとうございます」。
 「水中花」は、清水さん、中田、女性陣、で行う飲み会で、清水さんの「水」、中田の「中」、そして、女性陣は「花」、ということで、中田が2001年暮れに命名した会です。メンバーは誰でもオッケーで、昨日も、シンガーの福冨英明さん、ギタリストのヨッシー吉澤さん、アドリブ誌:山崎さん、ここのところ至るメディアで取材されているR35のプロデューサー:ワーナー酒井さん、私の番組スタッフ、大手出版社の王子、スタジオ・ジブリのヒロさん、そして、音楽業界、マスコミ関係の女史etc.で2軒(と言うか、私は電車のあるうちに帰ったので、他の方々がどこまで行ったかは解りません)。気分転換には非常に好い飲み会でした、久しぶりだったので。そして、終電で池袋に戻ると、タクシー待ちが長蛇の列。寒い中、歩いて帰るのも全然苦ではなく、帰宅後もサッと眠りに就く私でした。

「Smooth Jazz Song File」
(032)Smooth Jazz Label File(5)〜 Peak Records 〜
 The Rippingtons
 from『20th Anniversary』(2006:Peak)


●現在の Smooth Jazz シーンにおいて最も勢いのあるレーベルは間違いなくこのPeak Recordsであろう。2007年のリリースだけに限っても、Paul Brown、Norman Brown、Marc Antoine、そして、Will Downing、Peabo Brysonといったヴェテラン勢がこのレーベルに移って来たし、さらに2〜3年遡ると、David Benoit、Gerald Albright、Lee Ritenour、David Packらを獲得。大半の作品がビルボード誌のContemporary Albums チャートでトップ10入りを果たし、Gerald Albrightの『New Beginnings』に至ってはNo.1の座も手に入れている。
 もっとも、今でこそ、メジャー・レーベル並みの快進撃を続けているが、2000年にジャズ・レーベルの老舗Concord Recordsと提携するまでは、比較的、大人しめの活動だったことは否めない。1994年のスタート時こそ、The RippingtonsのRuss Freemanが立ち上げ、GRPが全面バック・アップ、ということで話題になったが、その第1弾となったMark Williamson『Time Slipping By』はセールス的には失敗し、その後のアーティスト獲得やリリースの話しが全く聞かれないようになってしまった。
 しかし、1997年にPeak RecordsはWindham Hillと提携し、それに際し、それまでGRPの看板アーティストだったThe RippingtonsもWindham Hillに移籍。CDのジャケットやレーベル面にはPeakのロゴも加えられ、ここから主宰者Russ Freemanも自社のアーティストとして全力投球出来るようになった。そして、前述のように2000年にConcordと提携。マーケティングとディストリビューションをその老舗に任せることによって、安定したセールスを手に入れ、新たなるスタートを切ることが出来た。サックスのPaul Taylor、Eric Marienthal、そして、シンガーのRegina Belle、Phil Perryらと契約し、The RippingtonsのアルバムもContemporary Jazz AlbumsのチャートでNo.1を獲得。そして、前述のような有名どころが次々に移籍し、まさに一大勢力を築き上げるに至った。
 Peak Recordsの音楽性、それは=The Rippingtonsの音楽性と言えなくもなく、ラジオでかかるポップなジャズ、それも、R&Bあり、ラテンあり、な、ヴァーサタイルな世界が繰り広げられている。チャートのNo.1に輝いた彼らの結成20周年記念盤、その名も『20th Anniversary』(2006年)などはその最もたる作品と言えるのではないだろうか。
 2008年もその勢いは衰えを知らず、まずは、2月26日にR&Bシンガー:Chante Morreの『Mood』がリリースされ、続いて3月4日にPaul Brown秘蔵っ子的な女性サックス奏者:Jessy Jのデビュー盤『Tequila Moon』が発売。4月にはMindi Abairの移籍第1弾『Stars』とDavid Benoitの『Heroes』、そして、6月にはJeff Lorberの移籍第1弾がそれぞれ予定されている。