<2月20日(水)>

「今日の出来事」

●今日は、グルメ通販、やりませんでした! と、こんなフレーズが一行目に来ること自体、音楽人と言うか、レーベル主宰者のHPには似つかわしくないのですが、でも、無茶苦茶ホッとしてます、毎日毎日誘惑のメルマガが来るので、それに釣られない喜び、強い意志。暫くは傍観者に徹します。
 と、それはともかく、本日、駿河湾産の手長エビが届き、早速、夕食時、刺身で食しましたが、いや〜、旨い!!!! で、これはやはり姉の家族にもお裾分けを!と、夕食後、チャリを飛ばして20分弱の姉の家に1人1尾+干物+etc.をお届けに参上。

 そして速攻で帰り、渋谷WASTED TIMEで行われた福冨英明さんのライヴに行って来ました。久々も好いとこですね。1年振りくらい??? 先日の「水中花」新年会にも来て頂いたし、メンバー数人でお邪魔しました。流石に超久々なので、新曲、知らない曲が多く、非常に新鮮でした。と言いつつ、定番もいろいろと登場し一同ご満喫。売れて欲しいな〜は、今なお、私の素直な気持ちです。福ちゃんと共作、っていうのも曲によってはありですし、今後はより頻繁に絡めるようにしたいです。
 あと、福冨さん+パートナー:ギターのヨッシー吉澤さん(Bossanova Cassanova)とのトリオでGAROのコピーを演ろう!という話しも密かに盛り上がっていて、店から渋谷の駅までの帰り道数分間、センター街を歩きながらGAROの曲をハモる、ちょっぴり妖しいヨッシーと中田でした。

 今日の昼間はひたすら「Smooth Jazz Seduction」の原稿書き。気が付いたら1週間以上溜まってしまったので....なんとか、週末までにはチャラ(?)に戻したいです。

「Smooth Jazz Seduction」
(051)Smooth Jazz Self-Cover 集
 Kirk Whalum <The Wave>
 from『And You Know That』(1988:Columbia)


●2007年の後半、Kirk Whalumの<The Wave>がRadio & Recordsの Smooth Jazz チャートを上昇した。そして、そのチャート上の表記を改めて見てみると<The Wave(2007)>となっている。これは、その年8月にリリースされた最新作『Roundtrip』に収められたニュー・ヴァージョンだが、元々はKirkの88年のアルバム『And You Know That』に入っていた曲だ。オリジナルから20年近くが経過し「そろそろ新しいアレンジで演ってみるのも面白いかと思って」というKirkのアイデアが吉と出たわけだが、その『Roundtrip』には、他にも自身の曲のリメイクが<Desperately><Glow><Afterthought>と3曲収められている。
 といったところで、今回は、同じ曲を2回以上レコーディングしているSmooth Jazz のアーティストをいろいろとリストアップしてみよう。
Doc Powell<What's Going On>
(『Love Is Where It's At』(1987)と『97th & The Columbus』(2003)に収録)
Alex Bugnon<Around 12:15 AM>
(『Love Season』(1988)と『Soul Purpose』(2001)に収録)
Chieli Minucci<Endless Summer>
(『It's Gonna Be Good』(1998)と『Sweet On You』(2000)に収録)
Walter Beasley<Free>
(『The Love Project』<various>(2004)と『Ready For Love』(2007)に収録)
Marcus Johnson<Love>
(『Just Doing What I Do』(2004)と『The Phoenix』(2007)に収録)
Tom Grant<Change>
(『Take Me To Your Dream』(1986)と『Reprise』(2001)に収録)
Eric Darius<Cruisin'>
(『Cruisin'』(2001)と『Night On The Town』(2004)に収録)
Ramesy Lewis<Sun Goddess>
(『Sun Goddess』(1974)と『Between The Keys』(1996)に収録)
 さらに、David Pack、Herb Alpert、Randy Crawford、Mark Winkler、Incognito、Kenny Rankin、Philip Martin....挙げていくとキリが無い。

<2月19日(火)>

「今日の出来事」

●朝早くから「Adult Oriented Radio」の検聴、Qシート書き他を済ませ、昼は珍しく人とランチ。赤坂のアメリカンなお店でパスタなんぞを食べてしまいました。今日はかなり暖かい外出日和で好かったです。

 そして、帰宅後は今夜の夕食の準備。またまた、連日のご奉公(?)となりました。
 今日は、利休ダレ、というのを作り、それで、さばの利休焼きなるものにチャレンジ。その他にも3品作り、今日も目出度く完食と相成りました。

 昨日、目出度く、お子様が誕生したmichiyoさんにインスパイアされ、1曲出来ました。タイトルは<Calypso Cradle>。赤ちゃんが揺りかごで揺られ、私(お母さん)がそれを見守っている、そして、ダンナ(お父さん)は代わりに家事をしている(笑)、という絵です。サビだけ歌詞を付けましたが、基本的にはインスト。なんだか、理由は解らないですが、私自身初(?)となるカリプソ・ソングになりました、どこからともなく降って来たので。ま、ハッピーな気分を表現したかったから、自然とそういった軽やかなリズムと旋律が浮かんできたのでしょう。メロディーの8割りはさ〜〜っと浮かびました。ちゃんと完成させてプレゼントしないと....。頑張ります!

 またまた今日も病気発生! 今日は、タラバ蟹を買ってしまいました....。もう、ここいられでストップかけます。ホント、毎日1品買ってますからね...
「Smooth Jazz Seduction」
(050)Smooth Jazz な独り言(2)
 David Benoit <N.W.A.(Musicians With Attitude)>
 from『Inner Motion』(1990:GRP)


●今日はサラッと。Dave Koz他、ごく数人の例外を除けば、Smooth Jazz のステーションでヘヴィー・オン・エアーを記録しているアーティストの大半が「僕はSmooth Jazzを演っているつもりはないから」と、否定的な言葉を発している。あるいは「ラジオで自分の曲が流れるのは嬉しいけれど、Smooth Jazz のステーションは同じものばかりかけていて、新しいサウンド、新しい才能を全く評価しようとしない」という台詞も何回も耳にしている。あるいは「商業ベースがね....」も。
 それらの発言はもちろん、解らないでもないが、しかし、ならば、そういったサウンドを放棄したレス・コマーシャルなアルバムへと移行すべきだと思う。Smooth Jazzのど真ん中を歩むようなアルバムを作り、Smooth Jazz のフェスティヴァルに頻繁に顔を出す人はもっと素直にSmooth Jazz 賛歌を唱えるべきであろう。なんと言っても、聴き手に安らぎと喜びをもたらす、極上の音楽なのだから!
 そんな今日の気分は、ズバリ、この曲!

<2月18日(月)>

「今日の出来事」

●午前中から「Adult Oriented Radio」の翻訳、そして、午後から収録。今日は、23日(土)O.A.分の前半1時間だけで、3時半には終了。4時半には家に戻り、速攻で、夕食の支度。母親が、またまた俳句の会で夕方まで外出のため、私が、それではやりましょう!と立ち上がったのですが、今日は1時間半で4品作れる、比較的シンプルな感じになっています。酸辣湯麺 1つは、夕べのうちから仕込んでおいたタラの西京漬。味噌と卵黄とお酒をベースに、ちょこちょこっと調味料を足した自家製西京ダレ。もちろんあとは焼くだけ、なのですが、これが非常に美味しく出来て家族からも大好評。クセになって、また近いうちにやってしまいそうです。その他、鶏のささみの胡麻焼き(?)。焼きカツを作る感じで、最後のパン粉を白ごまX2(煎り胡麻と擦り胡麻)に置き換えてやった香ばしさが売り、の一品です。これも、昼、収録に出掛ける前にお酒・醤油・味醂他につけ込んでおきました。
 あとは、最近、黒酢料理にハマっているので、酸辣湯麺風にというか、酸っぱ辛い中華スープも作り、それと、ベーコンをカリッと炒めたのとパルメザン・チーズの粉末、温泉玉子をトッピングした、サニー・レタス・サラダ。野菜も採らないとなんですからね。

 今日も、またまた通販で買い物。今日買ったのは、出汁パック(笑)。これは、メルマガではなく、新聞広告を見て。なんか、スッゴク美味しい出汁が出そうで....2箱も買ってしまいました。家のそばで工場直販所で売っているなかなかのものより2倍くらいの値段なので、美味しくなかったら、かなりショックです。って、本当に、AORネタがほとんど皆無な生活を送っています....ま、これが中田の自然体、ですからしょうがないですが....。

 友人のサックス奏者michiyoさんからメールが届きました。
「今朝超安産で無事に生まれました」
無茶苦茶、鳥肌ものです! 5分とせずに速攻でオメデトウ・メールを返しました。旅だって行く生命もあれば、こうやって、新たに誕生する生命もある....ここ1年は、いままでの何倍も命の重みを痛感してしまいます....。

「Smooth Jazz Seduction」
(049)Who were/are in His Band ?
 Randy Jacobs
 『From Me To You』(2005:Randy Jacobs)


●以前、Bobby Caldwellのバンドに在籍したサックス奏者はその後、ソロとして独り立ちするケースが多い、という話しをしたが、ここでは「誰々は誰それのバンドに居る/居た」を、思いつくままに書いてみよう。
 まずは身近なところから。Dave Kozのバンドは、キーボードのBrian Simpsonが10年以上、音楽監督を務めている。逆に言えば、BrianがDaveに売り込み、Daveが取締役を務めるRendezvous Entertainmentからアルバムがリリースされた、ということに繋がっていく。Dave Kozのバンドには、元RufusのTony Maiden(g)が少し前まで在籍し、現在は、1枚ソロ作を出しているRandy Jacobsへとスイッチしている。因みにKoz自身は、Bobby Caldwellの他に、Jeff Lorber、そして、Richard Marxのバックで長期ツアーに出ている。
 Rick Braun(tp)はSadeのバックも経験しているが、Rod Stewartのツアーに長い期間参加し、同じくRodのバンドに居たJeff Golub(g)とはその当時(1990年代初頭)からの知り合い。また、Rick Braunのライヴ・バンドには英国人ギタリスト:Chris Standringが出たり入ったりしている、とのこと。
 Peter White(g)は、Al Stewartのバンドに居たことが有名だが、1980年代中盤以降はBasiaのツアーでもお馴染みの存在だった。そして、そのPeter Whiteに替わってBasiaのツアーにも参加したことがあるのがMarc Antoine。彼は、Stingのバンドにも居たことがある。
 Stingのバンドのトランぺッターと言えば、もちろん、Chris Botti。その信頼関係の深さから、BottiのアルバムでStingの歌を堪能することが出来る。
 サックスのSteve ColeはBrian Culbertsonのバンドに参加し、その後、そのCulbertsonのプロデュースでソロ・デビュー。いきなり、メジャーと契約し、セールス的にも成功を収めた非常に稀な存在。
 ちょっとマイナーながら、名パーカッショニスト:Steve Reidのバンドから独り立ちしたギタリストがSteve Oliver。
 Euge Grooveは本名のSteve Groveで一時期、Tower Of Powerのメンバーだった(1988〜1992年)。これは、Richard Elliotがソロ活動に専念するためグループを脱退したから。因みに、Euge GrooveはRichard Marxのバンドでも、1990〜94年の間、プレイしている。続きはまた機会を見て。

<2月17日(日)>

「今日の出来事」

●明日収録の「Adult Oriented Radio」の選曲&進行表作り。

 今日もまたまた、通販で買い物....今日は、ちょいと奮発して、国産の手長海老を買ってしまいました。購入先は「伊豆グルメ」。カードで買えると思うと、本当、なんでも行っちゃいますね、ノン・ストップで。ホント、CDよりもグルメ系に興味が行っている昨今の私。人生、美味でナンボ、ですから、やはり。

「Smooth Jazz Seduction」
(048)続・Smooth Jazz Song File(7)
 Jan Hammer <Crockett's Theme(instrumental)>
 from『Miami Vice II』(OST)(1986:MCA)


●Jan Hammerという名前を聞くと、40代以上の音楽ファン、あるいは、コアなロック・ファンは直ぐに、1970年代中盤のJeff Beckとの熱き共演を思い出すことだろう。本業のキーボードはもちろん、ドラムスまでプレイした彼のオリジナル曲<Blue Wind>はまさに永遠の名曲、名演だ。また、より80'sなポップ・ミュージック・ファンにとっては、Jan Hammer = 人気TVシリーズ「Miami Vice」のテーマ曲。いくら番組自体が人気を呼んでいるとは言え、インスト曲で全米No.1(1985年)は立派の一語だ。そんなJan Hammerが音楽を手掛けた「Miami Vice」のシリーズで、今でも、たまにSmooth Jazz ステーションから流れてくるのがこの曲。主人公Don Johnson演じるCrockettのテーマ曲だが、クール&エレクトリックなサウンド・メイキングでどこか視覚に訴える世界を形成している。これも十二分にSmooth Jazz。

<2月16日(土)>

「今日の出来事」

●午前中はマイ・ペース。そして、午後からは「Adult Oriented Radio」の収録。アドリブ誌:山崎稔久エディターをお迎えしての、2月23日(土)O.A.分です。
 今回は、今、売っているアドリブ誌2月号に掲載されている、マイケル・フランクス&南佳孝:対談に併せて、その2人の曲をかけながら山崎さん語る、の巻です。山ちゃん曰く、海外で一番好きなアーティストと、日本で一番好きなアーティスト、とのことで、至福のひとときだったのでは?

 その後、スタッフ全員で国際フォーラム・ホールAへ。バート・バカラックの来日公演を堪能させて頂きました。
 1曲目は<What The World Needs Now Is Love>で、1コーラスくらいで終了。その次が7曲のメドレーと4曲のメドレー。そして、フル・コーラスものを3曲演って、再び4曲メドレー。終盤には映画音楽の11曲メドレーが登場したりで、結局2時間強で40曲、演ってくれました、最後の最後の皆で歌おう<Raindrop Keeps Fallin' On My Head>を含めると。
 バカラック・シンガーズは3人で、チャーミングな声のJosie James、男らしくソウルフルに頑張っていたJohn Pagano、この2人は非常に好かったです。が、もう1人は、私的にはダメでした、特に名前も書きませんが。Josieが黒人だからもう1人は白人女性でも好かったのでは....と思うのは私だけでしょうか....
 あ、それからスペシャル・ゲストで、話題のトレンチャが2曲歌いました。CDではえらく気に入った私ですが、ま、ライヴではあんな感じでしょうか、特に、ノックアウト、までは行きませんでした、好い素材だとは思いますが。

 総体的には、そのメロディーの素晴らしさ、それも、その数の多さに改めて感動、でした。<On My Own>他、演って下さらなかった曲はいろいろとありましたが、何の不満も生じないヴォリューム。初心者もマニアも、ご年配も若者も、全てが満喫、は、そう簡単に成せることではないですからね。
 現在79歳。それで、あのパフォーマンスはスゴイです。やはり、恋をすること、がいつまでも若さをキープする最大の秘訣ではないでしょうかね? これからも、スゴイ曲、期待しています。

 その後の酒も非常に美味しく戴けました。やっぱり、好い音楽と美味い飲み食いと...ですね。明日からの活力に!

「Smooth Jazz Seduction」
(047)Curved Soprano
  Kim Waters
 『In The Groove』<DVD>(2006:Shanachie)


●2006年3月末、Dave KozがKirk Whalumと共にブルーノート東京に出演し、本場のショーアップされたSmooth Jazz で、オーディエンスを大いに魅了してくれた。基本的にKirkはテナーを吹き、Daveはアルト、ソプラノ、テナーを曲に併せて持ち替えていたが、そんなDaveが愛用しているソプラノ・サックスがカーヴド・ソプラノだ。形状的にはアルトと同じで、それをひと回り以上小さくした感じ。一般的にソプラノ・サックスというと、下向きではなく正面向きに構えたプレイでお馴染み、Kenny Gがプレイしているストレート・ボディが大半だが、Dave Kozはカーヴドに拘っている。理由はいくつかあるだろうが、なによりライヴでは、その音の拾い方に優れている、という利点がある。通常、先端の吹き出し部分に小型マイクを付け、そこから音を拾う形になっているが、朝顔管の先に付けるカーヴドの方が安定した音が録れる模様。Kirk WhalumとDave Kozの2人にインタヴューした際、KirkがDaveにそのことを確認していたのだからまず間違いはないだろう。そのKirk Whalumもカーヴドを所有しているらしい。
 その他、Smooth Jazz シーンでカーヴド・ソプラノを常用しているプレイヤーというと、このKim Watersがやはりその代表格であろう。しかも、彼のカーヴドは赤くペイントされている部分が多く、Kim Waters の象徴的な楽器になっている。Shanachieから出ているDVDで、そのプレイが堪能出来る。また、マイナーなところでは、Michael Brown、Andre Ward、さらに、まだ二十歳くらいという若手の女性サックス奏者Shannon Kennedy(Peter Whiteと共演)辺りがこの楽器を使っている。

<2月15日(金)>

「今日の出来事」

●午前中は、昨日選んだUSENの選曲シート制作。1本で1時間以上、たっぷり掛かってしまいます、曲名、アーティスト、CD番号、タイミング、をExcelにタイプして、それプラス選曲の意図というか、ウエブ用のコメントを書いて。そして午後は、またまた、「Smooth Jazz Songlist」用にいろいろな曲のデータを取って追加。

 なんだか最近ハマっているのが、通販でのショッピング。今まではCD以外、ほとんど買ってませんでしたが、食べ物系にハマり出し、四国から魚買ったり、讃岐うどん買ったり、あと、高円寺の名店「田ぶし」のラーメン&つけ麺まで買ってしまいました。もちろん、お店で食べるより、数段劣ってしまうのは承知の助ですが、私のように家で仕事、ですと、昼食に何を食べるか、も、かなりの楽しみだったりします(ま、サラリーマンさんの外食、もそうだとは思いますが...)。
 今日はその讃岐うどんを昼に食しました。「日の出製麺所」のうどんなんですが、ここは以前にも2回くらいオーダーしていて、結構ファンなんです。今回も、3種類注文して、それぞれの味の違いを味わってみよう、といった感じなのですが、まずは、「究極のさぬきうどん」を戴きました。季節がら、釜揚げにしてしまったのですが、若干、茹で過ぎちゃった感じですね、コシに欠けるような気もして....ホント、茹で方、締め方、温め方、で、かなり変わりますから、恐るべし、ですよね、生麺....。
 しっかし、食品の通販は本当に恐ろしいです。買いたいもの、食べたいものが、山ほど在り過ぎて.... Smooth Jazz のCDを少し減らして新たなる旅路(?)に出ましょうかね....便利な世の中、恐怖の世の中....

「Smooth Jazz Seduction」
(046)Smooth Jazz Label File(7)〜 Trippin 'N' Rhythm 〜
  Jaared
 『Addiction』(2008:Trippin 'N' Rhythm)


●現在のSmooth Jazz シーンにおいて、最も上り調子となっているのがこのTrippin 'N' Rhythmであろう。リリースする作品がセールス、エアプレイ共、常に上位にランクするPaul Hardcastle/The Jazzmastersをメインに、Gregg Karukas、U-Nam、Chris Standring、Roger Smith、Oli Silkと、ハズレなしの作品を次々に発表。最近、最も気に入っているJaaredの3作目『Addiction』もここからのリリースで、これが彼にとって初めてのビルボード誌チャート・インとなった(Contemporary Jazz Albumsで21位を記録)。
 Triipin 'N' Rhythmは1999年にスタートしているが、主宰者のLes Cutmore氏は以前、アーティストのマネージメントを手掛けていた、とのこと。既に多くの成功を収めているアーティストを呼び入れるよりも未だ広くは認知されていない新たなる才能の発掘により大きな力を入れる、それをレーベルの哲学とし、足掛け10年、早くもそれを具現化しているのは本当に素晴らしいことだ。特に、ラジオでのエアプレイが非常に好調だが(Gregg Karukasはもちろん、Chris Standringも、U-Namも、Oli Silkも、Radio & Records誌のSmooth Jazz チャートで好成績を挙げている)、2007年、ビルボード誌の"Best Radio Promoter"に同社のJeff Lunt氏がノミネートされている。また、レーベル自体も"Best Indie Label"にノミネートされている。
 今後は5月に、Quincy Jones、The Isley BrothersからMaysa、Will Downingまで数多くのセッションに参加している売れっ子ベーシスト:Sekou Bunchの新作『The Next Level』を発表予定。こちらも要注目だ。

<2月14日(木)>

「今日の出来事」

●今日はUSEN:AOR ch.3月分の選曲を2本。アーティスト特集はやはりこの時期ということで、Boz Scaggs & TOTOをミックスで120分。ただし、実際に、こんな選曲、流れで共演コンサートを演ってくれた涙が止まらないだろうな、という選曲になっていて、1曲目は<Child's Anthem>、そして2曲目は<Lido Shuffle>、3曲目は<Jojo>で、4曲目は<St. George And The Dragon>、次に<Waiting For Your Love>が来て....という流れです。設定は2008年ではなく、未だジェフさんが健在な頃に、この競演が実現していたら...という1980年代終盤、にしてあります。iTunesに並べて聴いてるだけで自分で盛り上がってしまう、珍しいことです。ちなみに、両者だいたい1時間ずつ、で並べた関係で入り切らなかった曲、山ほどあります。<Miss Sun>までカットしたのは罰が当たりますでしょうか....それほど濃い選曲になっています。
 そしてもう1本も、『Jeff Porcaro Session Works』。ソニーさんから出るコンピに合わせて、ですが、もちろん、ここではレーベルの垣根を越えて自由に選曲出来るのでより幅が広がります。1曲目は<Black Friday>、ラストは<Nice Changes>。ボズとTOTOの曲はダブらないように1曲ずつ限定で差し込みました、<Gimme The Goods>と<Goodbye Elenore>を。

 今年も極めて少数ですが、番組リスナーの方からチョコレートetc.を頂戴しまして、本当に、恐縮極まりない私です。

「Smooth Jazz Seduction」
(045)Smooth Jazz Chart(7)
 Paul Hardcastle <Lucky Star>
 from『Hardcastle 5』(2008:Trippin' N' Rhythm)


●Radio & Recordsの2008年2月15日付けSmooth Jazz Chartから。またまた首位交代! Boney Jamesの<Let It Go>は今回もまたまた1週でトップの座から脱落。変わってNo.1のポジションを手に入れたのは、Paul Hardcastle<Lucky Star>。やはり、Hardcastle強し! Jazzmasters名義による2006年の<Free As The Wind>、そして、ソロ名義による2005年の<Serene>と、3曲連続でトップに輝いた。シングルを連発しない代わりに確実に超ヘヴィ・ローテーションを記録する、それも、全く飽きられることなく、は見事の一語。いや、むしろ、1年に1曲、くらいのゆったりしたペースだからこそ、選曲者側もこぞってプレイするのかもしれない。この勢いは当分衰えないであろう、最低でも3週間は首位をキープすると予想される。強力な追い上げというと、やはりKenny Gの<Sax-O-Loco>で、この曲は先週の10位から今週は8位に上昇。ベスト3は確実であり、何週間後にPaul Hardcastleを抜くか、非常に興味深いところだ。
 その他では、個人的に声援を送り続けるNyee Moses<Between Us>が遂にトップ10入り。これは何よりの喜びだ。そして、期待のニューカマー:Jessy J<Tequila Moon>も21位から18位へと確実にジャンプ・アップ。また、初登場組ではNils<Dreamin'>、Marcus Miller feat. Corinne Bailey Rae<Free>、Norman Brown<Pop's Cool Groove>がそれぞれ28位、29位、30位にランク・イン。来週以降の動きに注目したい。

<2月13日(水)>

「今日の出来事」

●午前4時頃、なんだか突然目が覚めてちょっと気怠い雰囲気だったので、ギターをつま弾き、突然の作曲活動。こんな時はマイナーな暗いメロディーもありだな...と触っていると、出て来たメロディーは半音使いを取り入れた、まさに、ミッシェル・ルグラン風。しかも、無理に歌ものにするよりは、ピアノ・インストの方が合うかもしれない曲調です。因みに、私はルグランさんの研究家ではないので、浮かんだメロディーが既製のルグランさんの曲なのか、雰囲気が似ているだけなのか、全く判断出来ません。ま、彼の有名曲でないことは確かですが。今度、「Adult Oriented Radio」のスタッフに聴いてもらいましょう。

 そして、朝食後もまたまたメロディーが浮かんできました。明け方の続きを、と思ってギターを弾き出すも、なんだか、全然関係ないDmaj7を弾くと急にソフト・ロック=アソシエーション風が出て来ました。でも、全然、真似ではありません、あくまでもあの雰囲気だけ、です。なんたって、Bメロからいきなりサンバに変わるので、180度違う曲調です、アソシエーションとは。これもデモ・トラックを作りたいです、そのうち。って、なんだかんだ言って、今年早くも10曲は浮かびましたね、断片的なものも含みますが。そろそろ"営業"しないと...(笑)。

 昼間は昨日収録した「Adult Oriented Radio」の検聴、Qシート書き。やはり、沼澤さんの解説は的を得ていて凄いな〜、と痛感する私でした。

「Smooth Jazz Seduction」
(044)Smooth Jazz Producers File(3)Brian Culbertson
  <Jingle Bells>
 from『A Soulful Christmas』(2006:GRP)


●Brian Culbertsonは1973年1月12日生まれというから、デビュー作『Long Night Out』を発表した時は21歳ということになる。まだ大学生だった、という話しも聞くが、その若さで既に作曲・演奏はもちろん、プロデュース、ミックスまでやっていたのだから、これはただ者ではない。聞くところによると、父親のJim Culbertsonもプロのトランぺッターだということで、やはり、親の遺伝子を受け継いだ天性のミュージシャンという気がするが、しかしながら、ソロ・デビューと同時に大ブレイク、とまでは流石に至っていない。また、他のアーティストのプロデュースも翌1995年のBob Mametからスタートしていると思われるが、最初のうちはヒットに恵まれず、試行錯誤の日々を送っていた。
 そんなBrian Culbertsonが初めてブレイクしたのは1997年。自身4枚目となるソロ作『Secrets』で初めて外部のプロデューサーに仕事を依頼。Paul Brownに2曲プロデュースを任せ、結果、ビルボードのContemporary Jazz Albums のチャートで最高15位を記録している。そして、そのPaulの仕事の進め方で得る部分が大きかったのであろう、翌98年にRick Braunの『Full Stride』で2曲共同プロデュースを任され、そこで名曲<Hollywood & Vine>を生み出し、アルバム自体もCJ Albumsで最高2位まで上昇した。さらに同じ年、彼のグループのサックス奏者Steve Coleのソロ・デビュー作『Stay Awhile』も全編プロデュースし、これがCJ Albumsで11位まで上がる幸先の好いスタートになっている。
 そこで確かな手応えを得たのであろう、全編自分でプロデュースした自身の5作目『Somethin' Bout Love』(1999年)はCJ Albumsで最高3位を記録し、続く、2001年の6作目『Nice & Slow』は、CJ Albumsで初のNo.1に輝いた。
 以後、自身のアルバムやツアーをメインとしつつも、いろいろなアーティストのプロデュースを手掛け、ごく最近も作曲・プロデュースを手掛けたEric Marienthal<Blue Water>がRadio & Records 誌のSmooth Jazz チャートでNo.1を獲得している。
 Brian Culbertsonのサウンドの特徴はシンプルなメロディ、飾らないプロダクションの中に、インテリチックなセンスを発揮する、という部分であろう。また、時に、エレクトロニクス系も巧みに導入し、90年代、或いは、2000年代の風もしっかりとインプット。その辺りも若いプロデューサーならでの感性によるものか。
 彼の作品の中で、どうしても忘れられないのが、2006年に発表した『A Soulful Christmas』に収められた<Jingle Bells>。この曲は、ファンクで始まり、途中で4ビートに変わり、またファンクに戻って、4ビートに移行し...という構成になっているが、ナント、ファンクの時はAlex Al & Oscar Seaton、そして、4ビートの時はBrian Bromberg & Vinnie Colaiutaと、リズム・セクションをチェンジしている。それを自然な流れで聴かせる辺りは舌をまくしかないが、一体、どうやってレコーディングしたのか、興味は尽きない。Brian Culbertsonの新作は4月8日にリリースされる『Bringing Back The Funk』。EW&FのMaurice Whiteがエグゼクティヴ・プロデューサーとして関わっている、という情報が入っている。

<2月12日(火)>

「今日の出来事」

●またまたいつもの翻訳コーナーを済ませ、午後から収録。今週の土曜日、16日放送分ですが、まずは、沼澤尚さんのゲスト・コーナー分を収録し、その後、前半の1時間を、という流れにしたのですが、沼澤さんパートで、またまた、衝撃が! 「このアルバムでジェフ・ポーカロさんが叩いているトラックはどれとどれ]シリーズのパート3を行い、今回はボビー・コールドウェルの3作目、『Carry On:シーサイド・センチメンタル』(1982年)を取り上げたのですが、グァ〜ン!と衝撃がありました。今回は8曲中7曲、中田は当てることが出来たのですが、その外した1曲のショックが大きく、結構、凹みました。沼澤さんが言うのですから間違えはないと思いますが、流石にショックでした、このアルバムを取り上げた根本が崩れてしまうので...。
 ちなみにそのジェフさんのタイコ当てクイズ、全問正解の方はいらっしゃいませんでした。惜しい方は結構居ましたが...。ただ、愛情に溢れていたので沼澤さんが「全員に差し上げます!」と、言ってくれちゃいました。応募なさった方、超ラッキーですね! 家宝物にして下さいませ。

 収録後は打ち合わせで参上したアドリブ:山崎さんを含めたいつものクァルテットで食事。またまた、火鍋食べ放題¥2,480に行き、腹がはち切れそう状態。しっかし、これはヒットですね、私らの中では。他にも餃子だ何だつまんで、さんざん呑んでもせいぜい¥5,000ですからね。

「Smooth Jazz Seduction」
(043)Smooth Jazz 来日コンサート
 Dave Koz<Can't Let Go(The Sha La Song)>
 from『The Dance』(1999:Capitol)


●2月29日(金)から2日間(3ステージ)、「JVC Jazz Festival with Blue Note Tokyo 20th」が開かれる。出演は、Dave Koz with Friends、The Crusaders、Incognito、Harvey Mason他で、場所は渋谷のBunkamura オーチャードホール。Dave Kozは驚くべきと言うか、2006年3月末の初来日公演以来、丁度2年:24ヶ月で実に4度目の来日ステージ。そのライヴの素晴らしさが口コミで広がっているのであろう、とにかくその評判はうなぎ上りそのものだ。今回も、前日の28日(木)にMotion Blue Yokohamaでの単独公演が予定されている。演奏は素晴らしいクォリティを誇っているが、加えて、エンタテインメントとしての要素もしっかりと加味。誰もが楽しめるステージはまさに必見だ。オーディエンスに歌わせ、盛り上がりを見せる<Can't Let Go(The Sha La Song)>が今回も繰り広げられるか、あるいは、最新作『At The Movies』をより重視した選曲になるのか、それは当日のお楽しみ。
 その他、The Crusadersの単独公演が、2月25日(月)から27日(水)、そして、Incognitoの単独公演が2月28日(木)から3月3日(月)、何れもブルーノート東京にて。
 また3月のブルーノート東京にはJeff Lorberが出演。スケジュールは14日(金)と15日(土)の2日間だが、バックにはRicky Lawson(ds)、Nate Phillips(b)、さらに、吹きまくりの若手注目株Eric Darius(sax)が同行。これも見逃せない。

<2月11日(月)>

「今日の出来事」

●コンピ盤『California Oceangroove』の曲目解説。2枚組、全36曲ですのでそれなりに時間は掛かります。ま、根を詰めずにマイ・ペースで楽しく解り易く書かせて戴きました。リリースは3月20日前後だった気がします。ビギナーの女性の方は、絶対にお求め下さいませ、改めてAORとは何ぞや、も解説しておりますので。

「Smooth Jazz Song File」
(042)Grammy Awards と Smooth Jazz
 Dave Koz
 『At The Movies』(2007:Capitol)


●2月10日(日)、第50回の式典が行われ、Herbie Hancock『River : The Joni Letters』が、Contemporary Jazz だけでなく、全体のAlbum of the Yearに輝き、多くのリスナーを驚かせた。
 そんな今年のノミネーション、受賞関係から Smooth Jazz 的なアーティストを振り返ってみよう。
 まずは"Best New Artist"。Verve Forecastからデビュー作『Lost & Found』を発表した黒人女性シンガー、Ledisiがノミネート(WinnerはAmy Winehouse)。ブラコン系Smooth Jazzはこの人にお任せ!のRex Rideoutがアルバムの半数以上をプロデュースし、洗練されたContemporary R&Bをクリエイトしている。
 続いて、"Best Male Pop Vocal Perfrmance"。Smooth Jazz のチャートで最高12位、年間チャートでも37位を記録したMichael Buble<Everything>がノミネート(WinnerはJustin Timberlake<What Goes Around...Comes Around>)。
  "Best Pop Instrumental Performance"はDave Koz<Over The Rainbow>(taken from 『At The Movies』)とSpyro Gyra<Simple Pleasures>(同『Good To G-Go』)がノミネート(WinnerはJoni Mitchell<One Week Last Summer>)。
 "Best Pop Instrumental Album"は、Dave Koz『At The Movies』、Kirk Whalum『Roundtrip』、Soyro Gyra『Good To Go-Go』、Chris Botti『Italia』がノミネート(WinnerはBeastie Boys『The Mix-Up』)。
 "Best Tradiotional Pop Vocal Album"はMichael Buble『Call Me Irresponsible』が受賞。他にもQueen Latifah『Trav'lin' Light』がノミネート。
 "Best Female R&B Vocal Performance"は Smooth Jazz チャートで18位まで上がったAlicia Keys<No One>が受賞。同曲は"Best R&B Song"にも輝いている。
 "Best Traditional R&B Vocal Performance"はRandy Crawford & Joe Sample<All Night Long>(taken from 『Feeling Good』)がノミネート(WinnerはGerald Levert<In My Songs>)。
 "Best R&B Album"はChaka Khan『Funk This』が受賞し、Ledisi『Lost & Found』も堂々のノミネートを果たしている。
 そして、"Best Contemporary Jazz Album"には、Brian Bromberg『Downright Upright』、そして、Jeff Lorber『He Had A Hat』がノミネートするも、栄冠はHerbie Hancock『River : The Joni Letters』に。
 また、"Best Jazz Vocal Album"では、Patti Austin『Avant Gershwin』が受賞。
 Bebel Gilbertoの『Moment』が"Best Comtemporary World Music Album"にノミネート。これも、曲によっては十分な Smooth Jazz フレイヴァーを感じさせるなかなかの作品だった。