<3月21日(月)>
●AORツアー in LA:同行者の日記はこちらをご覧下さい!

「今日の出来事」
●中田的には超珍しく、12時過ぎから8時過ぎまで一気に寝てしまいました。昨日昼間頑張ったので最大の敵、時差ボケに勝った、という感じですね。なんかメチャクチャ好い気分! そして、昨日買ったヨーグルトとかを食し、うだうだしているうちに集合時間の午前10時半に。そして森口さんのコーディネーションで今日も行動開始。まずは、ハリウッドのギター・センターへ。中田はギターを少々弾くので、行けばかなり見てしまうのですが、逆に欲しくなっても困るので普段はまず足を運ばないわけですが、いやあ、たまに見ると本当に恋しくなったり、また、知らないメーカーがいっぱいあったり、各ギターの相場を知らなかったりで、新鮮な驚きが多々ありました。結果的には我慢しましたが、結構欲しいものが少なく無かったです。それこそ、こっちに住んでたら毎月1本買っているかも....。もし、今日1本買うとしたら....やっぱりギブソンのES-335ですかね。お値段は決して安くないですが....。あ、あと、フェンダーのアコースティック・ギターの12弦。これは安くて美味しそうでした。ガロのコピー・バンドを演る時はやっぱり必要ですから(笑:曲は<何もかも遠くに>です)。
●そして、今回初の中古レコード店巡り。今日はトミー・ファンダーバークさんとランチで、トミーさんが指定してきたのがウエストウッドのエリアだったのでその前にRhinoへ! 久しく行ってなかったのですが、いきなり美味しいもの、見つけちゃいました。アルフォンソ・ムゾーンの1975年作品『Mind Transplant』。かつて、Blue Noteから発表していたこのアルバム、ギターがトミー・ボーリン、リー・リトナー、そして、ジェイ・グレイドン!のお三方で、各人、ソロ・ビシバシ! 特にジェイさんの入っている曲のソロ、ヤバイです。クレジット上はジェイさんとリトナーさんの2人がソロを弾いていることになっていますが、ひょっとした全編ジェイさんかも....。生涯最高のソロ!なんて言うつもりは毛頭ないですが、でも、全編ジェイさんだったら、あのスティーヴ・キプナーの<The Ending>を2秒くらい上回る1分49秒なんです! ウワオッ! 
 ただですね、ギター・ソロのトーンは全く一緒なのですが、ひょっとしたら途中からリトナーさんに替わっているかも....。当時、と言うか、このセッションではおそらく2人ともES-335を使っていて、また、エフェクターの感じも似ている可能盛大で、ジェイさんのソロの終わりを聴いて、それをリトナーさんがスムースにバトン・タッチ。後半を担当した、という可能性も無きに下北半島です。前半のソロがジェイさんなのは間違いない(1975年なのでワイアークワイアーはもちろん登場しませんが、ジェイさんの手癖は早くも出ているの)ので、後半も全てジェイさんなのかは、明日、会った時に訊いてみたいと思います。もちろん、記憶的には定かでないと思うのですが、このCDを聴いてもらえば真偽のほどがハッキリするのでは....なんか、楽しみです、明日の食事会が。
Alphonse Mouzon『Mind Transplant』(RPM:1975)$7.99
前述の通り、ギター・フリーク必聴の1枚。どの曲もこの時代ならではのハード・フュージョンで、キメのユニゾンも多数登場します。主人公、ムゾーン選手の太鼓もとにかく手数王!といった感じで、我らが神保彰先生とバトルでもやったら、五月蝿くてしょうがないのでは..(笑)、とすら思ってしまいました。90年代以降のムゾーン選手はスムース・ジャズというかメロディック・フュージョンに変わっていますが、とにかくこの時期はスリリングでした。
Herbie Mann『Peace Pieces - The Music Of Bill Evans』$4.99
ヴェテランのジャズ・フルート奏者ですね、改めて言うまでもなく。ファンキーからメロウまで懐の深い彼が<Waltz For Debby>他のビル・エヴァンス・チューンをどう料理するのか楽しみで買ってみました。

● そして、いよいよトミーさんとランチ会。指定してきた場所がイラン・レストランだったのでエスニック苦手の中田としてはかなり退いていたのですが全然OK! チキンもフィッシュも美味しく食べられました。トミーさんとの話しの中身は非常に多岐に渡りましたが、トミーさんは今、Sovereign ArtistsというレーベルのA&R(日本で言う社員ディレクター、ですね)をやっていて、とにかく、ジャンルを問わず、大人が楽しめる、安心して聴けるサウンドを供給したい、と真剣に考えています。実質第1弾のドン・グルーシン『The Hang』は今年のグラミー賞で最優秀コンテンポラリー・ジャズ部門に見事ノミネートされたり、上々の滑り出しです。また、原盤ではなく販売を手掛けた第一弾、ハートの最新作もFMステーションで絶大なる人気を獲得したそうですし、さらにとにかく今後が楽しみです。西海岸系シンガー・ソングライターの強者とも契約した、という話しですし、今後が楽しみです。HPはwww.sovereignartists.com。ご興味のある方は、ぜひ、覗いてみてください。
● そして、時間があるのでサンタ・モニカに行き、ピア他を堪能。やはりここに来るとカリフォルニア!という気分に思いっきり浸れます。別に今日はウィークエンドでもなんでも無いのに、なんか、混んでますね。日本は丁度春分の日でお休みですが、こっちもそれ系なのかしら??? そして、3rdストリートのところにあるプロムナードを散歩。なんと、ここで新たなる音楽の楽しみ方を目撃?しました。それは、あの有名なスターバックスのコーヒー・ショップにおける新展開です。確かに入り口の看板はスターバックスですし、実際にコーヒーが飲めます、オープン・カフェ状態で。が、しかし、お店を中に入っていくと、そこはCDショップになっていて、いろいろなCDを“聴きながら”買えるのです。ヒア・ミュージック、という元々はコンピ盤を発表していたレーベルとスターバックスの合体がベースになっていて、ヒア・ミュージック独自のコンピ(例えば、ジョニ・ミッチェルが影響された12曲入りコンピ、ですとか、有名人12人が選んだスティーリー・ダンで一番好きな曲コンピ、みたいなマニアックなもの中心)がいろいろ買えるのはもちろんのこと、なんと、今流行のダウンロード・ビジネスを大々的にやっていて、ここで自分の好きな曲だけを集めた世界で1枚しかないコンピCDが直ぐ作れるのでした。カウンターには5台くらいそのマシン?が設置されていて、5曲までが$6.98で、以後1曲に付き$1。74分まで好きに収録できる、という仕組みです。日本でもやがてスターバックスでCDが買える時が来る....ってか?

●その後移動の際に、Pico Blvd.沿いにあるレコード店、House Of Recordsにホンの少しだけ寄り、ここでもCDを購入しました。
New Edition『One Love』(Bad Boy:2004)$7.99
昨年リリースされた再結成盤ですね。実際はもう結構いい歳になっているでしょうが、ジャケットの写真などはまだまだ若々しく、かつての悪ガキ振り?をしっかりと表しています。ジャム&ルイスも数曲やっていますが、大半は知らないプロデューサーばかり。中田は、今時のR&Bにはホント、疎くなっています。全く、問題ないですが。
Various『Smooth Jazz Volume Two』(Rhino:2000)$8.99
Various『Smooth Jazz Volume Three』(Rhino:2000)$8.99
前者にはグローヴァー・ワシントンJr.、ボブ・ジェイムス、デヴィッド・サンボーン、クルセイダーズ、リー・リトナー、スタッフ、イエロージャケッツ、デクスター・ワンゼル、ジャン・リュック・ポンティ、他を、後者にはスパイロ・ジャイラ、チャック・マンジョーニ、ヒロシマ、ナジー、カルデラ、ジェフ・ローバー・フュージョン他を、それぞれ収録しています。最近のスムース・ジャズど真ん中路線!、ではなく、1970年代〜80年代に創造されたメロウ・フュージョン系がほとんどで、どの曲も実に温かくオネスティな感じに溢れています。個人的にはカルデラが入っていたのが嬉しかったです。CD化されている1stからなので特にレア音源ではないですが、(今は亡きLAの名ドラマー。後にデヴィッド・ガーフィールドとカリズマを結成する)カルロス・ヴェガが居て、(同じくデヴィッド・ガーフィールド・ファミリーのサックス奏者)スティーヴ・タヴァローニが居て、(EW&Fのサポートで大活躍したコンポーザー&キーボーディスト)エディ・デル・バリオが居て、(ストランツ&ファラーでブレイクしたギタリスト)ホルヘ・ストランツが居て…という隠れスーパー・グループですからね。
Jason Miles『World Tour』(Lipstick:1994)$4.99
プロデューサーとしての活躍のほうが有名な東海岸のクリエイターの1stアルバム。すでに持っているのですが、私の所有物とはジャケットが違ったので(こちらは緑っぽいバックのイラストもので、私が以前から持っているのは本人の写真もの)買ってしまいました。バックにはルーサー・ヴァンドロス、マイケル・ブレッカー、レニー・ホウイト、マーカス・ミラーを始めとした俊英達が多数参加。メロディックでタイトなフュージョンです。
Various『Sketches Of James - Selections From The James Taylor Songbook』(Koch:2000)$7.99
ロベン・フォード、ジェラルド・アルブライト、ニュー・ヨーク・ヴォイセズ、フローラ・プリム&アイアート、タワー・オブ・パワー他、フュージョン系を中心としたアーティストによるジェイムス・テイラー作品集。う〜〜ん、内容は今一つ、でしょうか。バック・カヴァーに記載された収録曲名も曲順がデタラメだったり、きめ細やかさにはかなり欠けます。プロデュースは全編ティム・ウエストン(ex.Wishful Thinking)が担当、よく見ると、Hori Proのロゴも付いていました、カヴァーには!
Dave Valentine『Jungle Garden』(GRP:1985)$6.99
フュージョン系フルート奏者の6枚目くらいのアルバム。タニア・マリア、ビル・オコネル以外は、若干、無名なアーティストがバックを担当。程良いラテン・フレーヴァーが心地好いです。スティーヴィー・ワンダーの<Love Light In Flight>他をカヴァー。

●そして午後5時きっかりにレストランを予約し、森口さんお薦めのプライム・リブを堪能しました。場所はサンタ・モニカ・ブルヴァード添いにある「Palm Restraunts」という場所で、ステーキは在庫たんまりながらプライム・リブは数に限りがあるので予約しておかないと拙い、とか。で、出てきたそれのデカいことデカいこと。吃驚です。厚さ3cm、サイズ25cmx15cmくらい。私ら一行はこれを2つとり、5人でシェアしたのですが、アメリカ人はこれを1人で食べるのですか!? だとしたら驚異!です。あと、それからもう1品、ロブスターも頼んだのですが、これが、4ポンド、という大物で、手足を入れずの胴体だけでも40cmはゆうにある超特大サイズ。私は生まれて初めて見る大きさでした。ホント、全てがビッグです、アメリカン! 味は、プライム・リブもロブスターも非常に美味でした。お値段的には、ワインをいっぱい飲まなければ1人$40くらい、な感じです。決して高くはないのでは、日本と較べたら。
●食事をさっと切り上げ、一行は車を約1時間東西の方向に走らせ、ヴェンチュラ・フリーウエイの奥にあるThousand Oaksへ。そこでシカゴのコンサートを堪能させていただきました。場所は東京で言うNHKホールに近い感じの大きくて綺麗な市民?ホールで、客層も良識ある大人ばかり。それに併せて、というわけでもないのでしょうが、とにかくオールタイムの代表曲を平均的に演ってくれて誰もが大満足。相変わらず、がに股系でプレイする姿がどうにもイケていないベースのジェイソン・シェフですが、しかしプレイのほうは相変わらず最高で、とにかく抜群のうねり! 誰も彼のベースを凄い!と言いませんが、シカゴに入る前は彼、スタジオ・ベーシストだったんですから、本当に上手いんです。小さい頃別れたというお父さんも著名なベーシストですしね。加えて、ヴォーカル面でも完全にグループの中心になっていて、一番多くリードをとっていました。伸びやかなハイ・キー・ヴォイスが本当に心地好く会場内に響いていましたね。そして、ビル・チャンプリン。普段は得意のハモンド・オルガンの前に座り、リード&バック・ヴォーカルをこなしていましたが、日本公演の時にガムを噛みながら演っていたのとそれほど変わらず、ホント、淡々と演ってました。サンズ・オブ・チャンプリンだともっと燃えている気もするのですが..。そんなビルも1988年の全米No.1ヒット<Look Away>を歌う時は前に出てきて、熱い歌唱を届けてくれました。でも、ギターをかなり上に構えるので、なんか、往年のバタヤンこと田端義男(字、あってます??)さんを思わせてこれまたイケてなかったです。そんな中、ロバート・ラムだけはいつもジェントルマンでホント、格好良いです。この人と、ドゥービーにおけるパット・シモンズって、なんかイメージがダブるんですよ。キーボードの前に立っているだけで、あるいはギターを抱えているだけで様になる、っていう部分が。リードは<Saturday In The Park>他、そんなに多くはなく、それほど目立つパフォーマンスではないのですが、でも、やっぱりこの人が居ないとダメですね、を改めて痛感するライヴでした。ちなみに、この日、個人的に一番盛り上がったのは<Hard To Say I'm Sorry>から続けて演奏される<Getaway>。やっぱりこの曲はライヴで聴くとホント、熱くなります。ギターもドラムもホーンも最高!ですからね。メンバーは最近の不動型でタイコがトリス・インボーデン、ギターがキース・ハウランド。ホーンはジェイムス・パンコウ他3人。とにかく好感度満点のライヴでした。あ、ちなみに、チケットは流石大物! 手数料等を加えると1万円に限りなく近かったです。