<3月22日(火)>
●AORツアー in LA:同行者の日記はこちらをご覧下さい!

「今日の出来事」
●部屋にはもちろんラジオが付いているので寝る時はスムース・ジャズ・ステーション:WAVE 94.7FMをかけっ放しにしているのですが、朝の7時50分くらいにかかっていたギターもの、<Summer Groove>という曲が素晴らしかったです。ティムなんとか、と言っていたような気がするのですが、さて、帰りまでに発見できるのでしょうか? この曲、今回LAで聴くの2回目で、かなりハマりそうなのですが…

●さて、今日はLAのサウス地区でデヴィッド・パックさんとランチ、なのですが、その前に大型中古店Record Surplusに寄り、そこで約30分CD漁業を行いました。

Steve Rubin「Misty Days」(JJB Music 2003)$5
俳優さんなのでしょうか? 年を食った新進シンガー・ソングライター、というのも妙ですし、ジャケット他で観れる写真における自信の表情、笑顔、これは只者ではない感じです。で、手に取った理由はヴィニー・カリウタ、ギル・ゴールドスタインが参加していたので、スムース・ジャズ系なのかな、と。で、バックのサウンド、特にハリウッドという人が弾くローズの音色&フレーズはジャジーなフィーリングは感じられますが、でも、ヴォーカル&楽曲自体はもっとポップ寄り。作詞・作曲はスティーヴ・ルービンさんご本人によるもので、正直、可も無く不可も無くですが、そう、話し戻って、ハリウッドという人の弾くローズは1990年代以降のアメリカン・ポップ・シーンが”忘れかけていたもの”で、曲によっては、フォスターがピーター・アレンの<Fly Away>で弾いていたようなメロウネスを備えています。名前、覚えておきますね、ハリウッドさん。DVD付きの2枚組です。 Bradley Leighton「Just Doin' Our Thang」(Pacific Coast Jazz:2005)$5
フルート奏者の2ndアルバムです。演っているのは<Sunny><Breezin'>から<Speak Low><Summertime>までお馴染み曲のカヴァー・オンリー。メロウでクールななかなかの雰囲気は、ギター&ドラムス&ハモンドB-3というベースレスのリズム隊から生み出されるもの。バックの音が厚くない分、よりストレートに伝わってくる、といった類いですかね。完璧夜向きの音です。 Freddie Hubbard「New Colors」(Hip Bop:2001)$8
大御所の2000年10月録音作品。プロデュースがデヴィッド・ワイズで、レーベルがHip Bop、というところにちょっぴり興味を持ったのですが、実際はThe New Jazz Composers Octetと共演した4ビート系でした。ケニー・ギャレットがゲストで参加している、という程度でしょうか、とりあえず目を惹いたのは。
Aphonse Mouzon「The Night Is Still Young」(Tenacious:1996)$9
昨日に続いてまたまたアルフォンス・ムゾーンをゲット。1996年録音の4ビート寄り作品で、相変わらず手数が多いというか、一時期のイージー・リスニング・ジャズ路線?とは、違った硬派なサウンドを展開しています。ジェラルド・アルブライト、エリック・マリエンサル、アーニー・ワッツ、サル・マルゲス他が参加。同年1月29日に生まれた娘さんEmmaちゃんに捧げる1枚で、彼女の事をテーマにした曲が2曲収められています。親バカ?万歳!
Dave Kikoski「Persistent Dreams」(Triloka:1992)$5
ウォルター・ベッカーは一時期このTrilokaレーベルのジャズ・アーティストをいろいろとプロデュースしていましたが、これもそのウォルターの手掛けた1枚。主人公は甘いルックスの若手キーボーディストで、数曲でシンセを弾いているものの、あくまでもメインはアコースティック・ピアノで音の質感は知的なコンテンポラリー・ジャズ系でした。ランディ・ブレッカーが2曲で客演。 Bobby Hutcherson「Acoustic Masters II」(Atlantic Jazz:1994)$5
著名なヴァイブ奏者を中心に据えたプロジェクトのアルバムで、プロデュース&ドラムスはレニー・ホワイトが担当。1993年3月に録音した作品です。ロン・カーター:ベース、マルグリュー・ミラー:ピアノ他NYの俊英たちと共に、こちらも硬派でクールな4ビートを展開しています。 Jay Hoggard「In The Spirit」(Muse:1993)$7
こちらもフュージョン・ファンから馴染み深いヴァイブ奏者。でも演っているのは4ビートで、<Stolen Moments>以外はかなり渋い選曲になっています。エンジニアはルディ・ヴァン・ゲルダーで、ニュー・ジャージーにある彼のスタジオでレコーディング。ジェイ・ホガードもさることながら、フルートのジェイムス・ニュートン、サックスのドゥワイト・アンドリュース、共に好い味出しています。まあ、ただ、はっきり言ってマニアックなファン向けの1枚、ですが。
Marian McPartland/Steely Dan「Piano Jazz」(The Jazz Alliance/Concord)$7
スティーリー・ダンの2人がピアニスト:マリアン・マクパートランドの演じるラジオ番組に出演し(2002年7月23日)、タイトル通りにピアノ・ジャズなサウンドを展開する実況盤。半分がトーク(3〜4分中心)、半分が演奏という内容で、ジャズとの出会い他、いろいろとインタヴューし、じゃあ、1曲演りましょうか、という構成です。で、演奏ものはエリントン・ナンバー他のスタンダード系が5曲、そしてスティーリー・ダンのナンバーが<Josie><Black Friday><Chain Lightning>という全8曲。やる気が無い、等と失礼なことを言うつもりはないですが、フェイゲンのヴォーカルはかなりラフ。う〜〜ん、かなりコアなファン向け、という感じが強いのですが....

●そして、デヴィッド・パックさんとレドンド・ビーチ地区のチャイニーズでランチをしました。パックさんお薦めの「W's」というチャイナ・ビストロですが、これがまた洗練された味付けで非常に好かったです。で、そんな美味しいランチを食べながらの会食は、パックさんの口からとんでもない話しがいっぱい出てきて、超吃驚。なんと、デヴィッド・フォスターからエアプレイのヴォーカルにならないか、と持ちかけられたことがあったとのこと。これは吃驚です! それからこれは大事なニュースですが、間もなくパックさんの新作が出るんです。レーベルはラス・フリーマン主宰のコンテンポラリー・ジャズ系Peakレコード。販売はジャズの老舗、Concordが手掛けているこのレーベル、このところはポップ、R&B系との接触が少なくなく、レジーナ・ベル他、いろいろなヴォーカリストと契約しています。そしてもちろん、スムース・ジャズ系の人気サックス奏者ポール・テイラーのような存在もしっかりと押さえつつ。タイトルは『The Secret Of Moving On』で、パックさんの敬虔な面もしっかりと出ている模様。一方では、スティーヴ・ペリーとの共作、共演もあったり、ハートのアン・ウィルソン、ティモシー・B・シュミット、さらにアメリカのドゥーイ・バネルとの共演もあるとか。なんでも、デヴィッド・ベノワと古くからの親友であるパックさんはその彼、及び、ラス・フリーマンと共に3ヶ月ツアーを行い、そこでアンブロージア時代のヒット曲を演奏しつつ、新作からのナンバーも披露した、とのこと。これは見逃せません。アメリカでは5月末に登場予定で、Peakはビクターが日本での発売権を持っていますから、まず、間違いなくリリースされることでしょう。非常〜〜に、楽しみです。早く聴きたい!
●その後、移動の際に物凄い雨が来襲! カリフォルニアにだって、そりゃあ雨は降りますが、それにしても、ここまで凄い雨には出逢ったことがありません。フリーウェイから下に降りるも関係ないですね。車社会の欠点を暴露!
●その後、時間調整の意味も含め、Sunset Blvd.沿いのタワー・レコードへ。もちろん、新品屋さんですが、よくバーゲンをしていて、3枚$20、というコーナーもあります。そこで、ボズの変なヤツ(笑)や、前々から買おう買おうと思っていたデニス・デ・ヤングのソロ(番組にリクエスト来るんです、こういうの)、そして、<Kokomo>を演っていたなんて全然知らなかったので、それが入っているバーティー・ヒギンスのベスト(よく観ると、過去の曲も全て再録の模様。録音は2002年と2003年のようです)を購入。加えて、3枚組ながらわずか$14.99というコンピ盤を買ったり、DVDをいくつか買ったりしました。

Tower Records
CD
Bertie Higgins『Priceless Collection- Key Largo』 (Sony:2003)$6.99
Boz Scaggs『Forever Gold』(St.Clair:2003)$6.99
Dennis DeYoung『August Moon』(A&M:1984)$6.99
Various『Sensational 70's』(Madacy:2002)$12.99
Various『Soul Love』(Sony:2004)$14.99
DVD
Steaps Ahead『Copenhagen Live』(Storyville:2003)$11.99
Focus『Live In America』(Classic Rock Legend:)$19.99
Earth, Wind & Fire『Live By Request』(Columbia:1999)$9.99
Lary Carlton『In Concert』(In-Akustik:2002)$14.99


●続いて、ジェイ・グレイドンさんのスタジオへ。私はもうかれこれ10回以上行っていますが、日本から行かれたお三方にとってはまさにハイライトのひとつ。おそらく、心臓バクバク状態だったのではないでしょうか? いつものように自動でゲートが開き車ごと裏口へ。そして、ジェイさんが現れると....ありゃ〜、ジェイさん痩せた〜! ストレスによるものだ、ということで、いろいろとあったようです(細かくは言及せず)。そして、スタジオで記念写真を撮ったり、いろいろなお話しを訊いたり、で、時間は経ち、さ、では、ディナーに行きましょう!と。ジェイさんのお薦めはフリーウェイ405を挟んでWestwoodの反対側、BrentwoodにあるTosacnaというイタリアン・レストラン。ジェイさんは日本に来ても日本食はほとんど食べず、イタリアンの美味しいお店ばかりを指定してくる人で、かなりのワイン・コレクターでもあります。そんなジェイさんお薦めの店は中田も納得!の美味しさで前菜もピッツァもパスタもどれも大満足。計6人だったので、いろいろとシェア出来たのが嬉しかったです。それと、ワインもいけてました。そして、話しが盛り上がってくると、ジェイさんの口からこんな言葉も。「今、21歳(だったかな?)の女性に真剣に恋をしているんだ。どうやって知り合ったかって? 弟(兄?)の奥さんの妹なんだ。コロラド(だったかその辺り)に住んでいるんだけれど、俺に会いに(?)今朝までLAに来ていたんだ。さっき、空港に送りに行ったんだけれど、とにかく綺麗でスタイル抜群でオマケに頭が好いんだ....」と、とても55歳のオヤジとは思えないヴァイタリティ! さてさて、30歳以上離れたこの愛はどうなるのでしょうか....to be continued....。

<3月23日(水)>
●AORツアー in LA:同行者の日記はこちらをご覧下さい!

「今日の出来事」
●明日はお三方がもう帰ってしまう日。と言うことで、朝から晩まで1日中AOR三昧(?)は、今日がラスト! して今日も朝からてんこ盛りですぞ〜! まずは、マイケル・ジャクソンも使ったことがあり、ウンベルト・ガティカ先生の本拠地でもあるWest Lake Studioを見学。もちろん、森口さんならではのコネクションで実現したわけですが、実は私、1回、ここに来て、ガティカさんと一緒に写真を撮ったことがあります。なので、なんか懐かしいな〜、という感想です。それはそうと、お三方の1人が「あれ、ここがスタジオなんですか? 看板も何も出ていないじゃないですか」という素直な疑問をぶつけてくれました。向こうではほとんどがそうです。でないと泥棒だなんだに狙われやすくなるので。そして、その後、今度はあの名高いCapitol Studioに。ここも、森口さんのコネで実現したわけですが、それこそ、中田的には非常に懐かしいです。今から14年位前。私はここでアル・シュミットさんと仕事をしているニック・デカロさんを見かけ(JVCのプロデューサーのお陰で)、さらにその後、ニックさんにインタヴューをしたり、ということが可能になったからです。それと約2年前には笹路正徳さんがアレンジを行ったビッグ・バンド・プロジェクト:M.Sasaji & L.A.Allstarsの一発録りのリハもここで観ていて、その時の風景も瞬時にフラッシュバックしてきました。ジェリー・ヘイがコンダクターを務め、ジョセフ・ウィリアムスが2曲スタンダードを歌い、他にも、ポール・ジャクソンJr.だ、ラリー・ウィリアムスだ、誰だ、の超豪華プロジェクト。あの鮮烈な印象は今でも忘れられません。それが一番大きなAスタだったのですが、他のスタジオを覗きに行くと、ワォツ! アル・シュミットさんも居るではないですか〜! これまた森口さんと顔見知りなので、少しお邪魔してお話しを聞かせてもらいました。今、やっていのはVerveの男性シンガー:Mark Sholtesのアルバム。オーストラリア出身で、プロデュースはトミー・リピューマとのこと。リリースが楽しみです。
●その後、ビヴァリー・センターから近い「Yabu」でランチをして、一行はいざAmoeba Musicへ。ハリウッドにあるLA最大のレコード店。中古も新品もとにかく豊富で、3時間くらい平気で費やしてしまう所です。アナログを中心に攻める枝松さん、僭越ながら中田のAOR本を片手に何かないだろうかと探る赤松さん、ふ〜〜ん、思ったほどでは無いな(?)と、クールに眺める佐藤さん、と三者三様でしたが、ひとつ言えることは、AORのCDは日本での方が手に入るかな....と。そうですよね、今、アメリカ人がAORのCD捜しているとは思えませんものね、悲しいかな....。中田もここではスムース・ジャズ系中心ですから。

Amoeba Music
Kenny G『The Romance Of Kenny G』(Green Hill:2004)$4.99
Jason Miles『Miles To Miles』(Narada Jazz:2005)$8.99
Alphonse Mouzon Quintet『Live In Hollywood』(Tenacilous:2001)$5.99
Shakatak『Shinin' On』(Instinct:1998)$4.99
Various『Smooth Jazz Romance』(Native Language:2005)$6.99
Gota『Let's Get Started』(Instinct:1999)$4.99
Jimmy Sommers『A Holiday Wish』(Gemini:2004)$5.99
Gaither Vocal Band『Best Of GVB』(Gaither Music Group:2004)$9.99

●そして一行はLAから1時間半は掛かるであろう南東の街、San Clemente地区に移動し、そこにあるCoach Houseという場所でTOTOのライヴを観ることに。かなり早く着いたので辺りをウロウロしていると音出しをしているメンバーを発見。タバコを吸いに外に出てくるスティーヴ・ルカサーに歩み寄り一言二言。そして、デヴィッド・ペイチの姿も。相変わらず、好い意味での近寄り難さを醸し出している彼ですが、その時はまさか、彼が一切演奏しないなど、思いもしませんでした。夕方になり入り口が開き、会場に入ると、結構小さい、まるで、ブルーノートのようなレストラン・ホールで、ステージまで近い近い! 一同、喜びを隠せません。して、ライヴが始まると、あらあら! キーボードはデヴィッド・ペイチさんじゃないじゃないですか? あのスリムで小柄な黒人は絶対にグレッグ・フィリンゲインズでしょう! なんでまた? 結局、ペイチさんは最後までステージに上がらず。会場に来ていただけに余計に謎です。<Africa>のヴォーカルもグレッグさんが務めたし....。しかし、まあ、当たり前ですけど、上手いの何の、って、グレッグさん。完璧に再現していましたね、ペイチさんのパートを。で、森口さんがグレッグさんと知り合いなので、終演後、彼が出てくるのを待って話を聞いたのですが、MCでもルークが「TOTOの6人目のメンバー」という風に紹介していて、5人目ではなく6人目、というのが非常に引っかかったのですが、どうも、ペイチさんは脱退、ではなく、ライヴは極力やらない、という方向のようです。事実、この2日後だったかに行われたTOTOのギグではグレッグさんとペイチさんが並んでプレイした、ということですし。ただ、体調的なことも含めて、ペイチさんはロードには出たくない模様。でも、実際、今までも、ペイチさんは来日せず、他のキーボーディストが、という噂はありました、ここ3年くらい。なので、まあ、自然な流れで、それほど吃驚することもないのかな、と。なにより、初期のペイチさんは作曲面の、アレンジ面の柱でしたが、今は、ほとんどルークのバンドですから、それほど影響はないでしょうしね。と、それはともかく、この日のTOTOは本当にエキサイティングでした。やはり、地元で観るとひと味違います、悔しい(?)ですが。お三方+森口さんも間違いなくご満悦の様子でしたし。
●といった感じで過ぎていった4泊6日、AOR気分満喫のLA訪問は今夜が最後(私は3泊延泊し、さらなるドラマが待っていますが)。その最後のディナーは、吉野屋の牛丼。いや〜、やっぱり旨い! LAで食べても全く一緒! これも貴重なモメントでした。